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東京オリンピック(五輪)予算膨張(その2)(スポーツ団体のワガママ、ボート「韓国開催」報道、怪しくなった小池劇場の先行き、東京五輪反対論) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)予算膨張については、1月10日に取上げたまま、事態の推移を見守ってきたが、大よその筋書きが見えてきた今日は、(その2)(スポーツ団体のワガママ、ボート「韓国開催」報道、怪しくなった小池劇場の先行き、東京五輪反対論) として取上げた。

先ずは、10月6日付け日刊ゲンダイ「五輪費用膨張 元凶はスポーツ団体のワガママと元知事の嘘」を紹介しよう。
・2020年東京五輪の競技施設を見直す一件で、3日、国際ボート連盟のロラン会長が小池都知事に直接会って「落胆」を表明した。ボート・カヌー会場は、東京湾中央防波堤の「海の森水上競技場」から宮城県の長沼ボート場への変更が検討されている。ロラン会長は「海の森がベスト」と強調していたが、本当なのか。
・というのも、これまでボートもカヌーの団体も、「海の森」に不平不満だらけだったからだ。今年1月の東京新聞や朝日新聞の報道によれば、日本カヌー連盟が「会場は風と波がひどく、競技に向いていない」と再考を求め、五輪5大会を経験したボート選手も「波が岸壁に当たって返し波が来る」と問題点を指摘。ボート・カヌー団体の8割が「五輪後は拠点にできない」と答えているのだ。
・もっとも、それが整備費膨張の背景でもある。「海の森」は東京湾の埋め立て地の間の水路に会場を造る。風や波が競技に影響するのは当然で、その対策もあって、招致段階の整備費69億円が7倍の491億円にまで膨らんだのだ。東京五輪招致に関わった都庁幹部OBがこう話す。
・「競技場の整備費がどんどん膨張していくのは、競技団体の“ワガママ”で際限なく『最高の施設』を求めるためです。それに対し、自治体、国、組織委員会、JOCという関係機関のどこにもチェック機能がない。『このスポーツはこういう競技施設でなければならない』と言われると、東京都の技術者も競技は門外漢なのでノーと言えなくなる」
・実際、4日も来日中の国際テニス連盟のハガティ会長が、東京五輪のテニス会場に予定されている「有明テニスの森」について、「ワールドクラスの設備にしないといけない。より良くすれば、成功できると信じている」と改善の必要性を指摘した。これでまた、テニス会場も整備費が膨らみかねない。
▽「コンパクト」とウソついた石原氏と猪瀬氏に重大責任
・もっとも、現在、組織委会長を務める森喜朗元首相が、10年以上前に当時の石原慎太郎都知事に東京五輪招致を持ちかけた時の目的は、「1964年東京五輪当時の古くなったスポーツ施設を改築、新築するため」だった。 森会長と競技団体は事実上、一体化している。そう考えれば、2度目の東京五輪で施設整備費が巨額になるのは想像できたことだった。それにもかかわらず、“コンパクト五輪”とウソをついて費用を少なく見せかけてきた石原氏と猪瀬直樹氏の歴代都知事の責任は重大だ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191159/1

次に、10月20日付けZAKZAK「小池知事、五輪ボート「韓国開催」朝日報道に激怒 情報戦…大会組織委が仕掛け?」を紹介しよう。
・東京都の小池百合子知事が、怒りを募らせている。2020年東京五輪・パラリンピックの開催費圧縮をめぐり、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と18日に会談したが、これに合わせるように、ボート競技の「韓国開催案」が報道されたからだ。小池氏側は「国益を犠牲にするような動き」と受け止めており、情報発信源として森喜朗会長率いる大会組織委員会側を疑っているという。「小池氏側vs森氏側」の、全面戦争に発展する可能性が出てきた。
・小池氏「都の調査チームが分析をし、3つの五輪会場をピックアップした。現在検討中で、今月中に都としての結論を出したい。五輪会場については、『レガシーが十分か』『コスト・エフェクティブ(=費用対効果が高い)か』『ワイズ・スペンディング(=賢明な支出)か』『復興オリンピックに資するのか』がポイントとなった」  バッハ氏「大原則は、公正な競争。東京と日本が(招致レースに)勝ったのは、説得力のある持続可能で実行可能なプロジェクト案を提出したからだ。この『招致段階の原則』を変えないことこそ利益にかなう。『4者協議』の作業部会を発足させることを提案したい。都、組織委、日本政府、IOCの4者でコストに関して見直していく」
・18日午後、都庁で記者団にフルオープンで行われた会談。小池氏とバッハ氏は、このように意見を交わした。 東京五輪の開催費は現在、当初予算の6倍という2兆円とも、3兆円とも指摘されるほど膨張している。
・小池氏は「五輪成功」と「都民の負担軽減」を両立させるため、整備費が異常に膨張した「海の森水上競技場」(整備費491億円)と、水泳会場「オリンピック・アクアティクスセンター」(同683億円)、バレーボール会場「有明アリーナ」(同404億円)について、都の調査チームの提案を受けて会場変更を検討していた。
・ボート会場の移転候補地としては、宮城県登米市の「長沼ボート場」(整備費351億円)や、埼玉県戸田市の「彩湖」(同558億円)が浮上した。テレビのワイドショーが連日取り上げるなど、国民を巻き込んだ大論争が続いていた。
・この日、バッハ氏が「4者協議」を提案した背景には、会場計画見直しをめぐる国内関係者の対立を見かねたためとされる。小池氏が掲げる「復興五輪」にも、バッハ氏は「原則」を強調して牽制した。 やや押された感がある小池氏だが、「4者協議」に向けて、極秘情報の収集など、戦闘意欲は満々だという。それ以上に、朝日新聞が18日朝刊で報じた「ボート韓国開催も検討」「IOC、現計画で難航なら」という記事に、怒り心頭に発しているという。
・都庁関係者は「小池氏周辺は『朝日新聞の記事は、森会長率いる大会組織委員会側が仕掛けてきたのだろう』『海の森水上競技場でゴリ押しする気だ』と受け止めたようだ」といい、続けた。 「小池氏は以前から、『大会組織委員会とは協力していきたい』と考えていた。意見の対立や違いはあっても、『東京五輪を成功させる』『都民・国民・世界のアスリートのために』という大目標は変わらないからだ。ところが、バッハ氏との会談当日、これまでと次元の違う記事が掲載された。あの記事を見て、小池氏の顔つきは変わったと聞いている」
・問題の記事は、複数の大会関係者が明らかにしたとして、IOCが「海の森水上競技場」での実施が困難な場合を想定し、14年アジア大会のボート会場という韓国・忠州(チュンジュ)市のボート場での開催を検討している-と報じていた。
・小池氏側の胸中について、別の都政関係者は以下のように解説する。 「簡単にいうと、『どうして、日本が勝ち取った東京五輪を、わざわざ韓国でやらなければならないのか』『国益を犠牲にしてでも、開催費圧縮を妨害するのか』『被災地の人々の思いを踏みにじるのか』ということだ。そして、『よりによって、慰安婦問題の大誤報で日韓関係を傷つけた朝日新聞に書かせるなんて…』という思いもあったようだ。大会組織委員会の関係者と、IOC関係者が近いとの情報もあるようだ」
・小池氏と大会組織委員会をめぐっては、前哨戦もあった。「長沼ボート場」をめぐり、小池氏が水面下で宮城県の村井嘉浩知事と会談していたことについて、大会組織委員会側は「極めて不透明なやり方だ」と疑念を示した。これに対し、小池氏は「透明にすべきことはたくさんある」と反論し、村井氏も「組織委は何でもかんでもいちゃもんを付ける」と批判していた。対立はさらに尖鋭化するのか。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161020/plt1610201140001-n1.htm

第三に、10月28日付け日刊ゲンダイ「五輪&豊洲の旗色悪く…焦る小池都知事が“次のネタ”探し」を紹介しよう。
・小池劇場の先行きがいよいよ怪しくなってきた。 小池百合子都知事は、2020東京五輪の3競技会場の見直しをブチ上げた直後こそ強気一辺倒だったが、ここにきてトーンダウンしている。宮城県の長沼へのボート・カヌー会場変更という大胆な計画に都民の後押しがあったのに、小池知事直属の五輪調査チームは「3会場で400億円の費用圧縮」などと現行会場での小幅見直しを試算。これでお茶を濁すつもりなのか。  「小池知事は3会場について今月末にも判断するとしていますが、どうやら調査チームは複数案を提案することになりそう。最終的な決定は、都、組織委、IOC、政府の4者協議の場に持ち越されるのではないか。バッハ会長が会場見直しにまでIOCの関与を強めてきたことは、小池さんにとって誤算だったと思います」(都政関係者)
・豊洲市場問題も当初の“白紙”の勢いはどこへやら。専門家会議は土壌汚染について現状「問題ない」という認識。市場問題チームが扱っている建物の耐震強度についても、設計会社が「安全確保できている」と主張し、沈静化ムードである。
・だが、このまま尻すぼみでは、高い都民人気に影響しかねない。 そこで小池知事は、新たな“ネタ”で世論を引き付け、支持率維持を画策しているという。
・「1つは小池政治塾です。今月30日の開塾式で小池塾長の講演もある。メディアの取材が殺到するでしょう。もう1つは石原元知事や都議会自民との対決構図を改めて鮮明にすることです。豊洲問題について『記憶がない』の連発だった石原さんの回答文を、小池さんはあえて公開した。石原さんに再度ヒアリングを要請する意向で、この一件は世間の関心をまだまだ引っ張れます。都議会については、21日の会見で小池さんが、都議の政治資金パーティーや会合への『節度ある対応』を職員に指示したことが波紋を呼んでいます。都の幹部は自民都議の会合に顔を出すことで、良好な関係をつくってきた。小池さんの指示は『なれ合いをやめろ』ということでしょうが、職員は都議会自民に距離を置けという“踏み絵”と受け止めています」(前出の都政関係者)
・小池知事が最も恐れているのは世論の高い支持を失うこと。それを避けるためなら、なりふり構わず、ってことだ。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192763/1

第四に、ジャーナリストの森田 浩之氏が10月29日付け現代ビジネスに寄稿した「東京五輪、反対してもいいですか?「やめる」を納得させる5つの理由 「なんかイヤだな…」と思うみなさんへ」を紹介しよう(▽は小見出し、+は段落)。
▽「東京五輪、なんかイヤだな」と思う人へ
・リオデジャネイロ五輪が終わり、「さあ、次は東京だ!」という雰囲気になるかと思ったら、そんなことはまったくなかった……。 9月末に東京都の調査チームが、東京五輪開催の総費用が3兆円を超える可能性を指摘。これを受けて小池百合子都知事は、ボート・カヌー会場など3つの恒久施設の建設見直しに言及した。  10月半ばには、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が国際会議出席のために来日。小池都知事と会談し、会場計画の見直しは、都、大会組織委員会、日本政府、そしてIOCの4者による協議で決めると、クギを刺した。  IOCは計画変更を快く思っていないらしく、ボート・カヌー競技が現計画で実施困難な場合には、韓国での開催も検討していると報じられている。
・東京五輪をめぐるドタバタは、いったいいつまで続くのだろう? 大きなトラブルだけを拾っても、まずザハ・ハディドによる新国立競技場の設計案が白紙撤回された。公式エンブレムも「パクリ疑惑」から撤回された。新たにコンペで決まった新国立競技場の設計案は、聖火台の設営を忘れていた。そのうえ、招致活動に裏金が動いたと英紙に報道される始末……。
・あまり声高には言わないが、実はこう思っている人も多いかもしれない。 「東京五輪、めんどくさい」「いっそのこと、やめちゃえば?」 事実、リオ五輪の閉幕直後に共同通信社が行った意識調査では、「東京五輪がとても楽しみ」「どちらかというと楽しみ」が合わせて63.4%だった。 言い方によっては「東京五輪『楽しみ』が全体の3分の2に迫る」ということになるのだが、裏を返せば3分の1もの人が「別に……」と思っているわけだ。
・日本選手が史上最多のメダルを獲得して、盛り上がったはずのリオ五輪の直後の調査にしては、意外な数字と言えないだろうか。  「いっそのこと、やめちゃえば?」と言ってみたい人は、けっこういるのだろう。けれども、そのうち多くの人が心の中で思っている。「今さら言っても、変わるわけじゃないし」「自分が反対したとしても、どうせやるんだし」――。
・確かにそのとおり。しかし五輪反対のデモに参加まではしなくても、このメガ・イベントを少し斜めから眺めるだけで、ものごとがいろいろ違って見えてくる。 今さらだが、東京五輪に反対という身振りをとってみるのもいい。反対してもいい理由を、とりあえず5つあげてみた。
1. そもそも、大ウソから始まっている
+東京五輪の招致は、大変なウソをスタート地点にしている。 2013年9月7日、2020年大会の開催地を決めるブエノスアイレスでのIOC総会で、安倍晋三首相がプレゼンテーションを行い、こう述べたのだ。 「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」(首相官邸ホームページの翻訳より)
+当時は、東日本大震災からまだ2年。フクシマについて「お案じの向き」は、もちろん国内にも数えきれないほどいた。その多くの人にとって、「統御されています(under control)」という首相の言葉は驚き以外の何ものでもなかった。 放射性物質による住民と地域への影響は、まだいっこうにはっきりしていない。家を失い、避難生活を送る人々は今も14万人を超え、こちらも「アンダー・コントロール」には程遠い。
+そもそも、フクシマについて懸念を持つ人々は、マドリード、イスタンブールを相手にした招致合戦で、東京が勝つとはあまり予想していなかった。 原発事故の生々しい現場からわずか200キロあまりの位置にある日本の首都に、世界中からアスリートと観客を集めることは、まだまだ非現実的に感じられた。
+そこへイスタンブールで、騒乱が起こった。まさに2020年五輪の招致をめざすための大規模再開発計画の一環として、人気の観光スポットであるタクシム広場に近い緑地をつぶすプロジェクトが始まろうとしていた。 この計画に反対すべく立ち上がった市民は、最初はわずか4人。だが賛同者は徐々に増え、やがて数千数万人規模に膨れ上がって、全国規模の反政府運動となった。政権側は機動隊を出動させるなど強硬な対応を示し、数千人の負傷者が出た。
+5月に始まった騒乱がようやく落ち着いたのは8月末、IOC総会の直前だった。東京にとって招致合戦の最大のライバルとみられたイスタンブールの情勢を見て、安倍首相はわざわざ自分のプレゼンテーションを「世界有数の安全な都市、東京」というフレーズから始めた。次に出てきたのが「フクシマはアンダー・コントロール」という表現だった。
+2020年東京五輪の始まりは、そんな大ウソだった。ただし、確信犯である可能性は高い。首相が口にした「アンダー・コントロール」という言葉は福島第一原発の惨事を指すのではなく、このくらいのホラを吹いても、日本の世論は完全に「コントロール」できるという意味だったのかもしれない。
2. 「復興五輪」だなんて、冗談でしょ
+東京五輪は招致活動のときから、東日本大震災の「復興五輪」となる役割を担わされてきた。他の国の都市ではなく東京で五輪を開くべき理由として、3.11からの「復興」が持ち出された。
+これは、まず理屈としてよくわからない。「復興五輪」という言葉が、復興した被災地の姿を2020年大会で世界に示すという意味だとしたら、それまでに復興が完了しているという前提があるわけだ。 2020年までに、避難者はみんな自分の家を持てるのか。津波の被害と瓦礫の山は、すべて元どおりになっているのか。そうでないとしたら、2020年には果たされているとされる「復興」とは、誰にとってのものなのか。
+科学技術論の専門家に言わせるなら東京五輪は、ジャーナリストのナオミ・クラインが著書『ショック・ドクトリン』(邦訳・岩波書店)で提示した「惨事便乗型資本主義」の典型的な形態だ。 この言葉は、戦争やクーデター、テロ、大災害などの惨事をチャンスととらえ、収奪的な資本主義が市場を席巻する状況を批判したものだ。 クラインは惨事便乗型資本主義が発動された例として、チリのクーデターをはじめとする70年代のラテンアメリカ諸国、中国の天安門事件、アパルトヘイト後の南アフリカ、9.11後のアメリカとイラク戦争、ハリケーン・カトリーナなどをあげている。
+3.11という惨事は、五輪というイベントを招致するチャンスに見事にすげ替えられた。さらに、同時に持ち出された「復興五輪」というスローガンには、災害のあとに現れる「ノーマルシー・バイアス」が働いていると、科学技術論の専門家は言う。
+ノーマルシーとはノーマルの名詞形であり、エマージェンシー(非常事態)に対応する概念だ。ノーマルシー・バイアスとは、突然の非常事態や惨事に遭遇した人々が、「たいしたことはない。自分は普通(ノーマル)だ」と思いたがる傾向を指す。 たいしたことはない、被災地はノーマルシー(平時)に戻れる、いや、戻るのだ──復興によって日常はノーマルシーに返るという前提の下、東京五輪は3.11を集団的に「忘却」させる機能を持たされている。
3. 「レガシー」という名の無用の長物が残る
+最近、五輪にからんで「レガシー」という言葉を聞くことが増えた。直訳すれば「遺産」である。 メガ・スポーツイベントとなった五輪では、多額の経費を使って大会を開催しても、そのあとに何も残らなければ、五輪を開く意義を市民に納得させられなくなった。開会式や陸上競技の会場となるメインスタジアムは、大会終了後も多目的に利用できる総合型の施設として建設することが、事前に計画される。
+しかし大会の計画段階から、終わったあとに残す「遺産」を準備するというのも、よく考えてみればおかしな話だ。まるで、子どもが生まれる前から、その子の遺言を準備するかのような……。 そこで「遺産」を極力残さない五輪をめざしたのが、2012年のロンドン大会だった。新たに造られた施設は多くが仮設。メインスタジアムも大会後に観客席を縮小できる設計で建設された。 スタジアムの外周を覆っていた「ラップ」と呼ばれる飾りつけは、今年のリオ五輪を含むイベント向けに売却された。いうなればロンドン大会のレガシーは、そうした持続可能性を追求することにあった。
+ロンドン大会のメインスタジアムの建設費は約7億ポンド(現在のレートで約890億円)。東京・新国立競技場の建設費は1490億円を予定している。それだけでロンドンの6割増となるうえに、年間維持費は1年あたり24億円と試算されている。
+「日本らしさ」をめざした設計のため、観客席を木製にしたり、緑をふんだんに採り入れているが、果たしてこの金額で間に合うのか。 そして、大会後に「レガシー」となったあとの用途は? 嵐やAKB48が、新国立競技場で毎週コンサートを開けるわけではないだろう。
4. 貧しい人々が「浄化」される
+メガ・スポーツイベントの開催地では、「浄化」を掲げるキャンペーンが繰り広げられるようになった。 新しい施設を建設するために、あるいは「世界から客が来るのだから、街をきれいにしよう」という論理で、貧しい人々や住む場所のない人々、あるいはセックスワーカーなどが排除される。
+2008年に五輪を開催した北京では、大会のために実に150万人以上が移転を強制された。 2012年のロンドン大会では、五輪公園を新設したイーストロンドンの団地が解体され、約450世帯が移転させられた。当局は「手ごろ」な賃料の新しい住居を提供すると約束していたが、地元の不動産価格が五輪招致に成功した2005年から7割以上も上がったため、まったく「手ごろ」などではなくなった。
+先ごろ五輪を開催したリオデジャネイロでの動きは、さらにゾッとさせられる。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの報告によれば、リオデジャネイロでは大会前年の2015年に警察によって少なくとも307人が殺害された。この数字は市内で起きた殺人の5分の1を占め、犠牲者にはファベーラ(スラム街)の若い黒人が多いという。
+スポーツイベントを控えた「都市浄化」のキャンペーンは、「ジェントリフィケーション」という言葉で知られるようになった。もちろん東京でも、この動きはすでに始まっている。 新国立競技場の建設予定地に近い都立霞ヶ丘アパートでは10棟すべての解体が決まり、大半が高齢である入居者が移転を余儀なくされている。同じく競技場に近い都立明治公園では、野宿者を排除する動きが着々と進んでいる。 やはり東京では、すべてが「アンダー・コントロール」だ。
5. 五輪は政治を覆い隠す
+自民党は先ごろ、現行では「連続2期6年」の党総裁任期を「3期9年」に延長することを決めた。2018年に連続2期の任期満了を迎える安倍首相にとっては、3選に向けて立候補できる環境が整うことになった。 これによって、安倍首相は2つの大きなテーマに引き続き取り組める。1つは憲法改正、もう1つは東京五輪だ。
+自民党内で総裁任期延長論が浮上した大きな理由は、首相が招致に成功した東京五輪を安倍首相のままで開催するべきだという点だったようだ。 リオ五輪の閉会式にマリオに扮してまで登場しておきながら、「2020年は次の人でした」というわけにはいくまいという判断もあるだろう。 五輪はここまで政治にからむのだ。さらに言えば、ここまで政治にからめ取られかねないということだ。
+もしかすると、2020年大会にいたる「いけいけムード」のなかで、憲法改正に向けた動きがあるかもしれない。改憲に反対の人たちは、そのとき五輪のパワーを感じ取ることになるかもしれない。
+もう1つ、東京五輪と政治のからみで気になることがある。 天皇が示した「生前退位」の意向について、政府の設けた有識者会議は2018年をめどに退位の道筋を検討しはじめた。 東京五輪の前に、ということだ。確かに在位中の天皇が重篤な状態にあったり、国民が喪に服していたりするなかで五輪を開くのは、相当に厳しいだろう。 もし天皇の「生前退位」表明までが、東京五輪を考慮したものだとしたら?
▽言いたいことが言えないなんて…
・この5つのポイントだけでも、今さらながら東京五輪に反対の声を唱えてみる理由にはなるだろう。 五輪に反対なんて言ったら、「非国民」扱いされる? だとしたら、それこそが2020年東京五輪の醸し出している異様な空気感なのだ。言いたいことを言えない空気ほど、気詰まりなものはない。
・この記事は、ある本から大きなヒントとインスピレーションを得て書かれた。『反東京オリンピック宣言』(小笠原博毅・山本敦久編、航思社)である。東京五輪について考えていても言い出しにくいことを、知的にわかりやすく、そしてロジカルに整理している本と言えばいいだろうか。 編者の1人である小笠原は「あとがきにかえて」のなかで、「本当は危機感を持って反対しているのになかなかプラットフォームがないという人に手にとってもらえるような書物であることを、切に願う」と書いている。
・危機感と呼ぶほどのものでなくても、「東京五輪、なんかイヤだな」という少しの違和を感じてみるのは悪くない。国がいとも簡単に1つになるさまに疑いを持つのは、健全なことだろう。 そんな「なんかイヤ」派にとっては、まさに「プラットフォーム(足場)」になる本だ。リオ五輪が終わった直後に出版され、静かに版を重ねているという。
・2020年東京五輪まで、まだ4年弱ある。今後もさまざまな出来事が飛び出すだろう。私たちが違和を感じることも、あるいは声をあげたくなるタイミングも、さらにあるにちがいない。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50050

第一の記事で指摘しているように、確かに競技団体の言いなりになっていたら、予算の膨張は当然の結末だ。『自治体、国、組織委員会、JOCという関係機関のどこにもチェック機能がない・・・東京都の技術者も競技は門外漢なのでノーと言えなくなる』、という東京都側の言い訳は全く筋が通らない。チェック機能を果たすべきは、サイフを握っている東京都であり、ノーというべきは技術者ではなく、財務を握っている責任者であるべきだ、。それにしても、『これまでボートもカヌーの団体も、「海の森」に不平不満だらけだった』、のに現在は「海の森」にこだわっているのも、おかしな話だ。取材記者も、こうした点をもっと突いて欲しいものだ。
第二の記事では、五輪ボート「韓国開催」は大会組織委が仕掛けた可能性を示唆しているが、当初案に戻すことを画策している大会組織委ならやりそうなことだ。そのお先棒を担いだ、朝日新聞もこれまで叩かれ過ぎたので、矜持を失ってしまったのだろうか。情けないことだ。
第三の記事が指摘するように、『バッハ会長が会場見直しにまでIOCの関与を強めてきたこと』で、『小池知事直属の五輪調査チームは「3会場で400億円の費用圧縮」などと現行会場での小幅見直しを試算。これでお茶を濁すつもりなのか』、というのは、情けない話だ。豊洲市場問題は別途、取上げるので、ここでは触れないが、尻すぼみなのを、小池政治塾でカバーなど出来ないと思う。
第四の記事は、私の東京五輪についての考え方とほぼ一致するので、紹介した。ただ、「復興五輪」については、単なるキャッチフレーズと考えれば、それほど目くじらを立てる必要もないのではなかろうか。『自民党内で総裁任期延長論が浮上した大きな理由は、首相が招致に成功した東京五輪を安倍首相のままで開催するべきだという点だったようだ』、というのはなるほどと納得である。多くの関係者が「レガシー」という言葉を不用意に使っているが、『「レガシー」という名の無用の長物が残る』、というのは心すべきことだろう。
いずれにしても、小池劇場もつまらなくなってきたものだ。
明日の金曜日は更新を休むので、土曜日にご期待を!
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