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政策金融改革は「形骸化」 [経済政策]

昨日取上げた「財投改革」に関連して、2005年12月に「官から民へ」の流れのなかで、「行政改革の重要方針」が閣議決定され、その第一番目の項目として「政策金融改革」が取上げられた。ここでは、基本原則として、政策金融は中小零細企業・個人の資金調達支援、国策上重要な海外資源確保、国際競争力確保に不可欠な金融などの機能に限定し、それ以外は撤退。分野別には、日本政策投資銀行分野は、資金不足だった高度成長期とは異なり、民間市場から貸付け、社債や株式等様々な形態で資金の取り入れが可能となり、政策金融として行う必要がなくなっているため撤退。商工組合中央金庫分野や公営企業金融公庫分野も撤退とされた。前の2つは概ね5年から7年を目途に民営化。
さらに、2006年6月に「政策金融改革に係る制度設計」で、「官から民へ」の観点から、民業補完に徹し、政策金融の貸付残高の対GDP比を半減する。危機対応を含めた必要な政策金融部分を新機関(現:日本政策金融公庫)に統合すること、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫の民営化への移行措置などを定めた。
その後の状況を、まず政策金融の貸付残高の対GDP比でみると(GDPは年率)、2006年6月の6.9倍から8年以上経った2014年12月でも6.3倍と、若干低下したとはいえ、「半減」に向かうようなコースに乗っているとは言い難い。
日本政策投資銀行の近年の動きを例示的にみると、金融危機時には日本政策金融公庫の資金で危機対応業務を展開。日本航空の再建、東京電力をはじめとする電力会社の支援で主体的な役割を果たしほか、高い技術力を持つ中堅製造業100社を重点支援、半導体産業の再編も主導するなど「存在意義を強調」するかのような積極的な姿勢が目立っていた。
本年1月に発表された日本政策投資銀行法と商工組合中央金庫法の改正案によれば、完全民営化の方針自体は堅持するが、時期は示さず事実上先送り。さらに、金融危機発生時の中小企業などの資金繰り支援を義務付ける。前者は政府からの出資を受けて、企業の成長投資を促すファンドを立ち上げる。同ファンドの投資回収が終わる25年度までは政府が政投銀株の1/2以上を保有、後者の政府株式保有比率46%も当面維持。
これは、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫が政策金融に留まるための涙ぐましい努力、さらにはこれを後押しした所管官庁である財務省と経済産業省の「完勝」である。所管官庁にとっては、民営化されるより、「天下り先」維持が優先するのはある意味で当然であるが、問題はこれらをより高い国民経済的な視点からコントロールすべき「政治」や「マスコミ」の動きが見えれないことである。彼らが「官」に取り込まれてしまったためであれば、誠に「嘆かわしい」限りだ。
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