So-net無料ブログ作成

地方創生政策 [経済政策]

昨日の「ふるさと納税制度」に続いて、今日は「地方創生政策」を取上げたい。
地方創生政策に関しては、首相官邸の「まち・ひと・しごと創生本部」が、2014年10月22日付けで「まち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たっての原則」を発表。これによれば、原則は、自立性(自立を支援する施策)、将来性(夢を持つ前向きな施策)、地域性(地域の実情等を踏まえた施策)、直接性(直接の支援効果のある施策)、結果重視(結果を追求する施策)とされている。いかにも役人が小器用にまとめた雰囲気がある。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/pdf/siryou_h261022.pdf

東洋経済オンラインで木下斉氏(地方再生人、内閣官房地域活性化伝道師)が、「地方創生のリアル」シリーズ」として連載。
http://toyokeizai.net/category/chihou-real
このうち、2014年12月9日付けの「安倍首相の地方創生は、すでに失敗している 明治維新以来の「伝言ゲーム」が地方を滅ぼす」を紹介しよう。そのポイントは以下の通り。
・歴代の政権の様々な地域活性策はことごとく失敗。時代に合わなくなった昔の組織を温存したうえで、政策を実行しているため
・都道府県単位での社会構造は、すでに崩壊。中心部にあった県庁や市役所も郊外に移転、さらに新幹線と高速道路が開通したことで「民間企業の支店などは複数都道府県で1つずつ」、といった形で統廃合
・情報収集でも「三重苦」、正確な政策立案は不可能。国は、都道府県や国の出先機関に「地方にいい事例はないか」と聞く。都道府県は市町村に聞いて、市町村は普段から補助金を出している地元の民間団体に聞き取りに回ったりする。国の出先機関も、過去の補助金支給実績のある民間団体に聞いて回る
・こうして集まった情報を、今度は上(都道府県や、国)に戻していく
・ここで3つの問題。①伝言ゲームをしていたら、伝わる情報も伝わらない。②「補助金をもらっていない民間団体の取り組みについて知らない」。③「失敗した情報」は伝わらない
・旧来の枠組みで考えず、民間の取り組みから考えよ。地域での取り組みは、民間が、農業、林業、漁業、地方の中心部の再生などを含め、さまざまな分野で新しい仕掛けを始めて、成果を収めてきている。これを政策に活かすためには、直接的に国が地方事業に手をいれるのか、もしくは地方が自由に事業に取り組む権限を与えるほかない
・「まち・ひと・しごと創生法」にかかれているような、国による基本戦略、都道府県による基本戦略、市町村による基本戦略のような流れ作業では、もう事態は改善しない
http://toyokeizai.net/articles/-/55351

次に、4月14日付けの「なぜ「地方の成功事例」はつぶされるのか せっかくの税金はこうして無駄に使われる」のポイントは、以下の通り。
・成功事例の”調査”事業は、現場を疲弊させるだけ。「成功者」はタダ対応、「調査企業」には事業費の矛盾。(1) 視察見学対応で忙殺される成功事例。(2)講演会ラッシュで生まれる、成功事例トップの不在。(3)「モデル事業化」採用という「ワナ」にはまるな
・巨額の予算がつくと、どうなるのか。「身の丈に合わない一過性の莫大な予算」は、地道に積み上げていた取り組みを破壊。おカネがなくて地域がつぶれるのではなく、「急に降ってくる巨額のおカネ」で地域はつぶされる
・「情報格差ビジネス」はもう要らない。調査業務、視察見学、講演会、モデル事業のほとんどは税金で行われるが、これらが、地域のためではなく、地域活性化政策にかかわる、行政、一部受託企業などの事業のために行われているのが問題
http://toyokeizai.net/articles/-/66311

木下氏とは別に、岩手県紫波町で日本初となる補助金なしの公共施設で地方再生の成功例として、小泉信次郎氏も絶賛したプロジェクトを推進した、投資銀行家のぐっちーさんが、6月24日付けのZAKZAKに寄稿した「国の補助金に寄生するブラック企業を許すな」を紹介しよう。そのポイントは以下の通り。
・ぺんぺん草も生えていなかった土地に年間100万人近い方が足を運ぶようになった
・震災復興はあちこちで進んでいるが、その実態はバブル状態。地元民の不満をよそにどんどん大型化する一方。宮城県石巻市でも立町1丁目4、5番地区で再開発事業が計画は、5月末、地元地権者(22人)によってすべて白紙に戻された。大型施設を造ってはかえって復興の足かせになると、バブリーな計画には乗らないぞ、という珍しい決断
・石巻駅前中心街の再開発事業計画では、県外のさまざまなコンサル・業者が入り乱れ、まさに補助金の奪い合いという様相
・儲かるのはコンサルや設計事務所、建設会社だけ。被災地で実施される市街地再開発事業は国の復興交付金の基幹事業で、5分の4もの補助が得られるため、ほぼタダで建てられてしまう
・建設費がタダに近くても、大型施設であればあるほど維持費や管理費は膨大で、ましてテナントがつかないとなればその運営費用は地元に大きくのしかかり、地元の財政を疲弊させるということを日本中で繰り返してきた
・復興特別税を上手に使ってもらうならいいが、それで余計なものを建てて、儲かるのは計画したコンサルと設計事務所、建設会社だけ。できるだけ大型の施設を造り(手数料が高くなるから)、あとは野となれ山となれ。赤字を垂れ流す施設を残し、市民の血税で埋めさせる、というこれこそ「ブラック」な産業
・国からの補助金などなくても地方再生は可能だhttp://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20150624/zsp1506241130001-n1.htm

木下氏の指摘、さらにはぐっちーさんの指摘はまことにもっとも。私もかつて、銀行系のシンクタンクに在籍したので、政府予算にむらがるコンサルなどの活動は手に取るようにわかる。それにしても、「成功事例」がつぶされる現実は、喜劇でしかあるまい。
なお、明日は金曜日なので休み、次の土曜日にご期待を。
タグ:東洋経済オンライン ふるさと納税制度 大型化 伝言ゲーム ZAKZAK 震災復興 岩手県紫波町 ぐっちーさん 地方創生政策 まち・ひと・しごと創生本部 まち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たっての原則 木下斉 地方創生のリアル 安倍首相の地方創生は、すでに失敗している 明治維新以来の「伝言ゲーム」が地方を滅ぼす 様々な地域活性策はことごとく失敗 都道府県単位での社会構造は、すでに崩壊 情報収集でも「三重苦」 伝わる情報も伝わらない 「補助金をもらっていない民間団体の取り組みについて知らない」 「失敗した情報」は伝わらない 民間の取り組みから考えよ 直接的に国が地方事業に手をいれる 地方が自由に事業に取り組む権限を与える なぜ「地方の成功事例」はつぶされるのか せっかくの税金はこうして無駄に使われる 成功事例の”調査”事業は、現場を疲弊させるだけ 「成功者」はタダ対応、「調査企業」には事業費の矛盾 視察見学対応で忙殺される成功事例 講演会ラッシュで生まれる、成功事例トップの不在 「モデル事業化」採用という「ワナ」にはまるな 身の丈に合わない一過性の莫大な予算 地道に積み上げていた取り組みを破壊 「急に降ってくる巨額のおカネ」で地域はつぶされる 「情報格差ビジネス」はもう要らない 補助金なしの公共施設で地方再生の成功例 国の補助金に寄生するブラック企業を許すな 実態はバブル状態 大型施設を造ってはかえって復興の足かせになる 儲かるのはコンサルや設計事務所、建設会社だけ 被災地で実施される市街地再開発事業 国の復興交付金の基幹事業 5分の4もの補助 維持費や管理費は膨大 地元の財政を疲弊させる
nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 1

佐藤

いいね!
by 佐藤 (2015-06-26 13:58) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0