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東芝不正会計問題(その6) [企業経営]

東芝不正会計問題については、前回は7月28日で取上げたが、今日は(その6)である。

先ずは、7月31日付け日経ビジネスオンラインでの英エコノミスト誌記事「東芝の会計スキャンダル:上司にイヤと言えない文化のツケ」のポイントを紹介しよう。
・会計を改竄した期間は2014年までの7年間、金額は1520億円。これは日本最大級の会計スキャンダル
・社員が行ったのは、利益の水増しや前倒し計上、損失や負債記録の先送りなど、会計をごまかす際にとられる基本的な手法ばかり
・にもかかわらず東芝のケースを会計操作の歴史において特異なものにしているのは、会計を改竄しろという明確な指示を社員が受けていなかった点にある。 経営陣は実現不能な目標を設定するだけ。あとは「従順」や「忠誠」を代名詞とする日本の企業文化に任せておくだけでよかった。そこではヒエラルキーの下層にいる人間たちが上からの言いつけを死に物狂いで実行するのだから
・西田氏は2008年、赤字が184億円にのぼるという報告を受けた際に「こんな数字は恥ずかしくて公表できない」と発言。同氏の部下たちが数字を改竄し、5億円の利益を計上。 田中氏は社員に会計を偽るよう指示したことはなく、そうした行為が行われていることは知らなかったと述べている
・財務目標の設定は悪循環を生んだ。各部署は目標を達成できなかった場合に縮小対象になることを恐れ、会計を操作。その結果、翌年以降にはさらに厳しいノルマが課されることになった
・東芝は最初、不適切な会計は同社のインフラ事業に限定されていると主張。しかし調査では半導体部門、パソコン部門、テレビ部門にも会計操作が広がっていたことが判明
・オリンパスが17億ドル(約2100億円)の投資損失を隠していたという大規模な会計スキャンダルでは、日本では「オリンパスの上層部は実害のない程度の会計操作で会社を守った」と見る向きが多かった。だがオリンパスのときと違い、ここまで長期にわたって組織的に利益を水増ししていたことについて東芝の幹部が言い訳するのは難しいだろう
・ 東芝の不祥事は日本の財界全体にとってもオリンパス事件以上にショッキングな出来事だ。今回、東芝の副会長を辞任した佐々木則夫氏(田中氏の前任者)は、日本の主要な経済団体である経団連の副会長、および安倍晋三内閣の経済財政諮問会議の議員でもあった
・東芝の試金石は次期社長の選出方法。東芝にとって真の試金石となるのは次期社長の任命プロセスだ。公正で透明な方法を初めてとれるかどうかが試される
・日本では離職する幹部が自らの後任を指名するのは特権だと考えられている。東芝の場合も、取締役会を飛び越えたところで社長人事が決められてきた――そして悲惨な結果につながった
・ 麻生太郎財務相は、今回の不祥事が市場の信頼を損ないかねないと警鐘。このほど露呈した「上司に逆らえない企業風土」は、結局のところ東芝固有のものではない。複数の日本企業で取締役を務めるジョージ・オルコット氏は、安倍首相が株主還元の引き上げを重視していることが、逆に逸脱した会計処理に手を染める企業を増やす可能性があると指摘。もし規制当局や株主、および過ちの道を歩まされた東芝自身が同社上層部に責任を負わせることにすれば、その行為は必ずや有益なメッセージを発することになるだろう
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/072900018/?P=1

次に、週刊AERA8月3日号の「ぐっちーさん ここだけの話」の「「チャレンジ」と大真面目に粉飾」のポイント」を紹介したい。
・東芝の「不適切会計」についての第三者委員会報告がでた。これを不適切会計と表現すること自体、「不適切」、これは明らかに経営者が主導した立派な「粉飾決算」
・第二次大戦から変わることのない、日本の組織における悪しき伝統そのもの。組織内で悪いことは悪い、と発言しない。たまに発言すると「あいつは空気が読めない」となり、阻害されていく
・そもそも優秀な大学を卒業してきた皆さんは、中学、高校でも優秀な成績を修めた「学級委員長型」の方が多い。教師に言われたことを効率的に素早く処理する能力にはたけていますが、自分の頭で考えて行動することは苦手。というか、日本の学校教育も受験も、そもそもそんな能力を求めていない
・東芝の「粉飾決算」は、日本の大企業共通の体質が引き起こした事件と言わざるを得ない。「甘い結末」で終わらせるなら、日本の資本市場は世界中の投資家から見放されるでしょう。その場合、日本経済の受ける影響は、ギリシャ危機どころのレベルではありません

エコノミスト誌やぐっちーさんの記事は、いずれも不正会計を生み出した日本企業の体質を鋭く指摘、参考になる点が多い。
明日は、(その7)として、青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授の八田進二氏の見解を紹介するつもりである。
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