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新安保法制(その9)「法的安定性関係ない」発言 [国内政治]

新安保法制については8月2日に(その8)を取上げたが、今日は(その9)として、礒崎補佐官の「法的安定性関係ない」発言を取上げよう。

先ずは、7月31日BLOGOSの経済コラムニストの小笠原誠治氏の「法的安定性の議論(安倍総理と磯崎補佐官は、どちらが正直か?)」のポイントを紹介したい。
・磯崎発言は「法的安定性は関係ない。我が国を守るために必要かどうかが基準だ」。磯崎氏は、集団的自衛権の発動に関する憲法解釈が安倍内閣になって変更されたが、国を守るためなのだからそのようなことを気にする必要はないのだと言いたかったのでしょう
・安倍首相は、「大切なことは、内閣としてどう考えているかということで、法的安定性の重要性について、我々は極めて重視していることを閣議決定において明記している。これは、まさに、内閣としての姿勢、考え方を明確に示したものだ」
・幾ら心情的には磯崎氏を庇ってやりたくても、その磯崎氏は、内閣の方針に真っ向から反対することを口にしてしまったので、どうにもできない、と
・しかし、冷静に考えてみたら、安倍内閣が集団的自衛権の発動に関する憲法解釈を180度変えたのは事実。要するに、法的安定性をないがしろにするようなことをしたのは今の安倍内閣。 で、そのような行動にでながら、口では法的安定性を守るのが重要である、と。呆れてしまいますよね
・もちろん、だからと言って安倍総理が、法的安定性なんて関係がないなんて言った日には、それを言っちゃおしまいよ、となってしまう訳ですが…それから分かるとおり、安倍総理と磯崎補佐官では、どちらが正直かと言えば、磯崎氏の方ではないかと思うのです
・いずれにしても、改めて安倍総理の側近と言われる人たちの言動を振り返ると、なんと率直な物言いの方が多いことか、と。皆、はっきりと言うのですよね。しかも、如何にも総理の思いを代弁するかの如くに
・磯崎氏は、法的安定性で国が守れるかと言っていますが、では、何があったら国が守れるのかということです。 強大な軍隊? 或いは強固な軍事同盟? でも、それでは我々は過去から何も学んでいないとしか言えません。というのも、かつての日本は、欧米に負けないように巨大な軍艦を保有し、それにドイツやイタリアと同盟を結びましたが、結局、戦争に突入して、多くの犠牲者を出してしまったからです。 そうした経験があってこそ、今の憲法があるのではないでしょうか?
http://blogos.com/article/125656/

次に、8月13日付けJBPressに池田信夫氏が寄稿した「安倍政権を揺るがす「日本的ダブルスタンダード」 「法的安定性」のない政治が原発や安保を混乱させる」のうち、原発以外の3頁目のポイントを紹介したい。
・揺らぎ始めた安倍首相の政権基盤。原発と安保国会に共通しているのは、日本人が法律は建て前と割り切り、実際の政治は裁量行政でやってきたダブルスタンダードだ。状況が変わって政策と法律に矛盾が出てきたとき、政令や解釈で補正するのが、日本の官僚の得意な「空気の政治」だが、原発でも安保でもその限界が見えてきた
・これは明治以来の伝統で、各省がバラバラに法律をつくり、それをまとめるのが山県有朋などの「元老」だった。この方式は変化する現実に対して即応しにくい法律を属人的に調整する知恵ともいえるが、調整役の力が落ちると、「統帥権の独立」の建て前を振りかざして暴走する軍部を誰も止められなくなってしまう
・当初の安倍首相の方針は、内閣法制局の見解を変更して将来の憲法改正の第一歩にしようという日本的な手法だったと思われる。国会審議でも最初は憲法論議はほとんど出てこなかったが、衆議院の審議の土壇場で、与党側の参考人だった長谷部恭男氏(早大教授)が「安保法案は憲法違反だ」と述べたことから国会が大混乱になった
・礒崎首相補佐官が「法的安定性は関係ない」と失言して批判を浴びたが、問題は逆である。普段は法の建て前とは別に解釈で法改正や憲法改正までやってしまう日本的ダブルスタンダードは、こういう実定法原理主義で攻撃されると弱く、法的安定性がないのだ
・野党の論理は戦前の軍部と同じだが、憲法違反だと言われると反論は難しい。おかげで安倍内閣の支持率は大幅に低下し、盤石と思われていた政権基盤も揺らいできた。無投票で再選と思われていた9月の自民党総裁選挙にも、対立候補を擁立する動きが出ているという
・結果論だが、こんなことになるぐらいなら、憲法改正の原則論から始めたほうがよかった。それも自民党の改正案のような大規模なものではなく、防衛政策の障害になっている第9条第2項(戦力の保持の禁止)を削除する最小限の改正でよい。共産党まで自衛隊を認めた今では、不可能ではないだろう
・もちろん今からやり直すことは不可能だが、このダブルスタンダードを放置すると、今後も非生産的な憲法論争で国会審議が空費され、安全保障のみならず、多くの政策を歪めるおそれが強い。遠回りに見えても、憲法改正についての実務的な議論を始めたほうがいいのではないか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44528?page=3

なお、Wikipediaによれば、「実定法とは、人為により定立された法又は特定の社会内で実効的に行われている法のことをいう。人定法とも呼ばれる。人間や事物の本性を基礎とする法とされる自然法、と対立する概念」。 池田氏のいう「実定法原理主義」は憲法を最重視する憲法学者たちを「揶揄」した表現。私自身は、現在のような「翼賛体制下」での憲法改正には反対であるが、「ダブルスタンダード」に興味を惹かれて紹介したものである。
法的安定性とは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典によれば、「法の支配ないしは法治主義の法思想のもとにおける一種の法価値。法的安全,法的確実性ともいわれる。この言葉は法による安定性つまり法による社会秩序維持がもたらす社会生活の安定という価値と,法の安定性つまり法それ自体の安定からもたらされる法価値という2つの意味に用いられる」。
「法的安定性関係ない」発言問題は、安部首相が本音はともかく、首相としての公的立場から否定したことで、立ち消え状態にある。本来は左右からもっと議論が盛り上がってもらいたいところだったのに残念だ。
タグ:池田信夫 安倍首相 JBPRESS BLOGOS 小笠原誠治 新安保法制 )「法的安定性関係ない」発言 法的安定性の議論(安倍総理と磯崎補佐官は、どちらが正直か?) 法的安定性は関係ない。我が国を守るために必要かどうかが基準だ 憲法解釈が安倍内閣になって変更 国を守るためなのだからそのようなことを気にする必要はない 法的安定性の重要性について、我々は極めて重視していることを閣議決定において明記 心情的には磯崎氏を庇ってやりたくても 集団的自衛権の発動に関する憲法解釈を180度変えた 法的安定性をないがしろにするようなことをしたのは今の安倍内閣 どちらが正直かと言えば、磯崎氏の方 何があったら国が守れるのか 強大な軍隊? 或いは強固な軍事同盟? 過去から何も学んでいない 安倍政権を揺るがす「日本的ダブルスタンダード」 「法的安定性」のない政治が原発や安保を混乱させる 原発と安保国会に共通しているのは 法律は建て前と割り切り、実際の政治は裁量行政でやってきたダブルスタンダード 政策と法律に矛盾が出てきたとき、政令や解釈で補正 日本の官僚の得意な「空気の政治」 原発でも安保でもその限界が見えてきた 当初の安倍首相の方針 日本的な手法だった 安保法案は憲法違反だ 与党側の参考人 普段は法の建て前とは別に解釈で法改正や憲法改正までやってしまう日本的ダブルスタンダード 実定法原理主義で攻撃されると弱く、法的安定性がないのだ 憲法違反だと言われると反論は難しい 憲法改正の原則論から始めたほうがよかった
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黄熟

「福井県民は生真面目で素直であるから、仕事がしやすい」 と地元弁護士(MことT)は言っているようです。
そうした中、弁護士(MことT)は、訴訟詐欺を行ったらしいのですが、
福井弁護士会は、「虚偽行為(虚偽事由で提訴)は正当な弁護士業務」 と議決し、当該弁護士を懲戒処分としなかったらしいです。

法的安定性は、すでに崩壊しているようです。

by 黄熟 (2015-08-23 10:12) 

tr232238

黄熱さん、コメント、ありがとうございます。
福井の案件の事実関係は知りませんが、一般的には弁護士による詐欺事件も多発しているようで、困ったものですね。
岩崎敬介
by tr232238 (2015-09-19 22:58) 

匿名

弁護士は虚偽事由で提訴する!
実態は以下のとおり酷い。
 虚偽事由で提訴(訴訟詐欺)することは正当な弁護士業務だと主張する黛千恵子(坪田)・坪田康男・八木宏らは、詐欺罪で告発受理(2014~2015)されていたようですが福井弁護士会は、反省も謝罪もせずに知らぬ振りして何らかの処置もしていないようです。
 それどころか、福井弁護士会は、「虚偽事由で提訴することは正当な弁護士業務だ」と議決して擁護(教唆・幇助)し続けているらしいです。
 被害者は、更なる侮辱や訴訟詐欺にあう事を恐れ恐怖の日々を過ごしているみたいです。
 権力を有した組織的な犯罪が放置される中で正義など通用するはずもなく、おそらくは一人ひとりと食い物にされることになるのでしょう。
人権擁護や正義などは眼中に無いようです。

by 匿名 (2016-04-22 21:50) 

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