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相次ぐ警察の重大ミス(その3)相模原19人刺殺事件2(対策、姜尚中氏(政治学者)の考え方) [社会]

相次ぐ警察の重大ミスについては、8月15日に取上げたが、今日は、(その3)相模原19人刺殺事件2(対策、姜尚中氏(政治学者)の考え方) である。

先ずは、9月14日付けNHK時論公論「障害者殺傷事件 対策をどう進めるのか」を紹介しよう。
・相模原市の知的障害者の施設で入所者が相次いで殺害された事件から1か月半が過ぎました。どうすれば犯行を防ぐことができたのか、事件を検証してきた厚生労働省の検討会が中間報告をまとめました。
・焦点になっていたのは患者を強制的に入院させる「措置入院」への対応です。そもそも、医療ための制度で犯罪の防ぐという点では対応に限界があることが事件の検証でハッキリしました。むしろ、退院した後の対応が重要で、患者をフォローアップしていくために新たな対策が求められていること。さらには、入所者を守る施設の防犯対策こそ急いで検討しなければならないこと。この3つを軸に、対策をどう進めるのか考えたいと思います。
・事件が起きたのは7月26日未明でした。相模原市の知的障害者の施設で入所者が次々に刃物で刺され19人が死亡、27人が重軽傷を負いました。殺人の疑いで逮捕された植松聖容疑者は、この施設の元職員です。警察によりますと、逮捕直後から一貫して障害者を冒とくする供述を続けています。
・今回の事件は、容疑者が措置入院を解除され退院した後で起きたことから厚生労働省の検討会は措置入院をめぐる関係機関の対応に絞って検証を行いました。その措置入院とは何か、改めて説明しますと、精神疾患のために自分や他人を傷つけるおそれがある人を、本人や家族の同意がなくても強制的に入院させることができる制度です。その診断は、厚生労働省が指定した精神科の指定医が行い、これに基づいて都道府県知事や政令市の市長が入院や退院を命じます。
・では、今回の事件では、どうだったのでしょうか?事件を検証した厚生労働省の検討会は、精神医療の専門家や法律家、障害者団体の代表、相模原市や警察庁などの関係機関がメンバーです。 報告は、まず、入院や退院の指定医の判断には問題はなかったとしています。入院については2人の指定医が別々に患者を診察して、いずれの医師も大麻を使用したことによる精神障害と診断。その後、妄想や興奮などの精神症状がみられなくなったので大麻の影響がなくなったとみて入院から13日目で退院を認めました。医学的にみて精神症状が見られなくなれば速やかに退院させなければなりません。犯罪を起こすかもしれないという理由だけで入院を伸ばすことは認められず対応には限界があるのです。
・その一方で、報告は退院した後のフォローアップが不十分だったと指摘しています。容疑者は退院した後しばらくすると病院に通わなくなりましたが、主治医は本人や家族に連絡して状況を確認することはしませんでした。また、相模原市は、市内に住んでいる人については措置入院から退院した後も本人と連絡を取って状況を確認しています。しかし、容疑者が退院した後、都内の実家で暮らすと話していたことから支援する対象から外し、どこに住んでいるのか居場所も把握していませんでした。
・情報の共有も不十分でした。容疑者は措置入院した際に尿から大麻の陽性反応が出ていましたが、逮捕された後も陽性反応が出て事件当時も大麻を使用していたとみられています。ところが、措置入院をしていた病院の医師は大麻の陽性反応が出たという重要な情報を警察に伝えていませんでした。
・一方の警察は、当時、容疑者が衆議院議長宛に書いた手紙を入手していました。手紙は「職員の少ない夜勤に決行いたします」。「職員は結束バンドで身動きや外部との連絡を取れなくします」などと犯行を具体的に予告する内容でしたが、事件が起きた障害者施設は、警察から手紙の内容を詳細には知らされていなかったといいます。それぞれの持つ重要な情報が共有されていたら、事件を未然に防ぐために違った対応が取れていたかもしれません。
・また、検討会では厚生労働省の対策が中心に話し合われ、警察庁がメンバーに加わっていながら警察の対応や対策については議論されませんでした。犯行を予告する手紙がありながら事件を防ぐことができなかった警察の対応に問題はなかったのかどうか改めて検証されるべきだと思います。
・さて、検討会の報告は、事件の再発を防ぐには措置入院を終えた後の患者のフォローアップが重要だと指摘しています。そして、国内外の制度を参考にして新たな対策を考えるように求めていますが、今よりも強制的な措置を講じるかどうかが論点となりそうです。 例えば、イギリスには強制的に入院させた患者に退院した後も病院に通うことを義務づける「強制通院命令」という制度があります。患者が通院を拒めば医師の権限で再び入院させることができます。また、韓国では医師が家族の同意を得たうえで、自治体に「通院命令」を出すように求める制度があります。
・そうした強制力を伴う対策を日本でも導入するのかどうか、本人の意思に反して医療行為を強要するというのは非常に厳しい措置だけに慎重な議論が求められます。
・一方、国内の取り組みでは、兵庫県で、ことし4月から始まった「継続支援チーム」が注目されています。県内の13の保健所にチームを設けて措置入院をした患者が退院すると担当の保健師が患者の自宅を訪問。病院に行くように働きかけたり、薬を飲むように指導したりしています。また、患者が引っ越す場合は、転居先の保健所の継続支援チームに患者の情報を引き継いで治療が中断しないようにしているほか、保健所で連絡会議を開いて警察や医療機関などとも情報を共有しています。去年、兵庫県洲本市で措置入院をくりかえして所在がわからくなっていた男が住宅に押し入り、5人が殺害された事件があり、患者の情報を把握するために取り組みを始めたということです。
・このように、国が対策の強化に乗り出す一方で、障害者の団体からは容疑者が精神障害かどうか確定していない段階で措置入院などの見直しを検討すべきではないという要望が厚生労働省に相次いで寄せられています。精神障害は医師によって診断が異なる場合があるうえ、時間をかけて診察しなければ確定的な診断が難しいので先走った議論は控えて欲しいというわけです。
・一方、今回の事件を受けて、急いで取り組まなければならなのは施設の防犯対策です。ひとりでは体を自由に動かせない人たちを暴漢から守るためには、外部からの侵入を許さないハード面での対策が必要です。これは地域に開かれた施設づくりを否定するものではなく、今回のように犯行を予告されたようなケースでは、入所者の命を守るため地域の住民にも協力を求めて、最大限の警戒態勢を組む必要があります。国は、そうした防犯対策こそ早急に検討すべきです。厚生労働省は遅くとも11月ごろまでには再発防止策をまとめるとしていますが、拙速な議論は精神医療の現場に混乱をもたらします。警察や医療機関などとも連携して、どうしたら今回のような侵入者から入所者を守れるのか、障害のある人への差別や偏見をなくして犯行を起こさせないようにするにはどうすればいいか、腰を据えた議論を求めたいと思います。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/252683.html

次に、10月14日付け日経Bpnet「「相模原事件にみる差別の裏側」(前編)~姜尚中(政治学者)【3】」を紹介しよう(▽は小見出し、+は段落)。
・気鋭の若きフォトジャーナリスト安田菜津紀の「未来への扉」対談シリーズ。日本を代表する論客で政治学者の姜尚中氏をゲストに迎え、国内外の多様な問題について話を聞いた。 今回は7月に起きた神奈川県相模原の障害者施設における大量殺傷事件や、選挙という場を利用したヘイトスピーチなど、差別を巡る問題について。なぜ障害者を標的にした大量殺傷事件が起きてしまったのか。
・姜尚中氏はこうした事件や出来事の背景には、マルクス主義でうたわれた「生産力思想」があると見る。こうした事態に我々はどう対応したらいいのか。対談を通じて探った。
▽あまりにショッキングだった相模原の殺傷事件
・姜 あの相模原の事件は、あまりにショッキングでした。19人が殺害され、27人が負傷しました。これだけの数の人間を殺傷するというのは、どれだけのエネルギーが必要になるのか。凶器を複数持っていたとしても、短時間でこれだけの数の人間を殺傷するのは普通できないでしょう。どうしてそこまでの殺人マシーンとなれたのか。
▽彼自身もナチスからは抹殺対象となる矛盾
・姜 相模原の事件は、知的障害(重複障害)がある方を集中的に狙ったわけですけど、「障害者なんていなくなればいい」と園の関係者に話をしていたこともあると言います。相模原事件の容疑者はナチスドイツを信奉していたと報道されていますが、ナチス政権下の障害者虐殺を彷彿とさせます。
【相模原障害者施設殺傷事件】 7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺され27人が負傷した事件。元施設職員、植松聖容疑者(26)が殺人の疑いで逮捕された。事件が起こる前に植松聖容疑者が衆議院議長・大島理森氏の公邸を訪れ、直筆の手紙を渡していたことも分かった。相模原事件の容疑者が措置入院中だった2月20日、病院の担当者に「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」と話していたという。措置入院時に相模原事件の容疑者を診察した医師は、当時常用していた大麻の影響と診断し、退院させた。しかし、9月14日に厚生労働省の検証チームが発表した検証結果によると、大麻の影響だけでそうした反応が出るとは限らないと結論づけている。また相模原事件の容疑者を診断していた医師の1人が精神保健指定医の資格を不正に取得していたことも明らかになった。
・安田 そうですね。
・姜 相模原事件の容疑者は精神保健福祉法に基づく措置入院をしていたこともあり、そうなるとナチスを信奉して障害者を抹殺しようとした彼自身も、ナチスにとってみれば抹殺の対象となったという皮肉があります。ナチスは障害者、精神障害者、同性愛者など、数十万人を殺しているわけですから。ユダヤ人だけでなく、ドイツ人も殺されている。そうした矛盾にもさらされているわけです。
▽異質なものを排除する「純化思想」が根底に
・姜 相模原事件の容疑者の考え方、感じ方の根っこには「純化思想」があるのではないのかと思います。この思想がどう生まれてくるかというと、「自分たちが純粋だから汚物と触れるのが怖いのだけれど、自分たちが純粋であるという確証は、自分たちが一番恐れる汚物という存在があるから」という、矛盾したものなんです。
・自分たちは純粋だという確信は、ある種の異質な他者に対する「フォビア(嫌悪)」との関係性の中でしか持てない。それは拙著『悪の力』(集英社新書)にも書いてあるんだけど、ナチスドイツの中にある悪っていうものは、よく突き詰めていくと空虚なんです。だからこそ、そこには我々を汚染するものがいるから、それを排除しないと自分の存在自体がおかしくなってしまう。
・安田 相模原の事件によって、精神障害を抱える方々に対する偏見やバッシングが助長されてしまったように思います。
・姜 そうですね。ただ、彼にはそうした自覚はない。彼の言説をみると、なぜか最後はビューティフルジャパン、安倍首相が掲げている「美しい国」に行き着く。彼によるといまは国家の危機に陥っていて、これを自分が除去することで美しい国が実現する、つまり自分はヒーローなんだという思い込みです。
▽障害者の立場を追い込む「生産力思想」
・姜 「ジハード(聖戦)」を叫んで、フランスやドイツでテロに走った20代の若者たちと根本的に違う。ジハードを叫ぶ若者たちの敵は異教徒であり、自分は肉体的に死ぬということを覚悟している。しかし、相模原事件の容疑者は、自分が生き残れば当然国家から表彰を受けて、2年くらい経てば無罪放免になって釈放されると頭の中で思い描いている。これはもう「パラノイア(偏執病)」の世界ですね。
+僕は相模原の障害者施設の事件の根底には「純化思想」と同時に、根強く横たわる「生産力思想」というのがあるのではとも思うんです。 もともと翻訳家で、『求めない』(小学館文庫)という老荘思想的な本を書かれた加島祥造さんと話したことがありました。彼は92歳まで生きられたんですが、「姜さんが東日本大震災があって日本が変わるかもしれんというのは分かるけれど、死者行方不明者を入れて2万人くらいでこの国が変わるとは到底思えん。自分も行った太平洋戦争では300万人が死んだけれど、日本は変わらんかった」と驚くべきことを話すんです。僕はその言葉を聞いて、すごく抵抗がありました。
+その考え方の根底にあるのも「生産力思想」なんです。死者を2万人と300万人という数で比較してしまう。僕がマルクス主義にどうしても違和感があったのは、その生産力思想でした。「生産関係が生産力を制約して、生産関係が不平等だから本来の生産力が生かされない。だから生産関係を変えればよい生産力が増していく」という考え方です。学生時代に僕が左翼に行かなかったのも、その考えに違和感があったからで。
▽生産力思想が遺伝学、衛生学、優生学と結びつく
・姜 その生産力思想というのは、実はかなり根深い。それは一足飛びに今日の話にもかかわってくるけれど、「障害者の人たちは生きる価値がない」というのは、「生産性に貢献しない者は生きる価値がない」という考え方で、それは遺伝学と、衛生学、優生学が結びついた結果です。
+ナチスドイツはその思想を国家ぐるみで推し進めた。そういう考え方がやっぱりどうやら一部であるにせよ蔓延していて、そこまで排除せよとか、抹殺せよといわなくても、生産性に貢献しないのはどこか余計だよねという考え方が今の社会に広がってるのではないのか。これを言ってしまうと建前として、人から揶揄されるからなかなか口に出さないが、そういうようなことを考えている人が実はかなりいるんじゃないかと思うんです。
・安田 生産性を効率性に置き換えることもできます。効率性という軸で、「そこから上は必要な人間」「そこまで到達しない人間はいらない人間」という線引きがなされて、それも大きな生きづらさにつながっていると思うんです。
+ナチスのお話が出ましたが、ある時「優生保護法」が平成8年まで法律として存在していたことを知って驚いたことがあります。その後、この法律の“被害者”の方のお話を聞く機会があったのですけれど、自分の意に反して、子どもを産めない手術をされたり、優生保護法で対象となっていない障害にもかかわらず、無理やり手術をされた方もいらっしゃいました。
【優生保護法】 1948年(昭和23年)に制定された優生保護法では、遺伝性疾患だけでなく、ハンセン氏病や「遺伝性以外の精神病、精神薄弱」を持つ患者に対する断種が定められた。優生保護法に基づく強制的な優生手術は1万6500件、同意に基づく優生手術は80万件以上にも上った。この優生保護法は1996年(平成8年)の改正で母体保護法に法律名が変更され、障害者およびハンセン病患者への強制的な優生手術に関する条文が削除された。
▽国家的犯罪とも言える「優生保護法」
・安田 被害者の方が声を上げて、国際社会に訴えたことで、国連の女性差別撤廃委員会が今年3月に優生保護政策で障害を理由に不妊手術を受けさせられた人への補償するよう、日本政府に勧告しています。しかし、いまだ国としてはほとんど何もしていない状況です。
+これは被害者と国の問題と思われがちですが、そもそも法律がああいう形で存在できたというのは、「社会の中で障害がある子どもたち」=「生まれても不幸になってしまう子どもたち」という、どこか安易な価値観を社会が黙認して、無自覚的に引きずり続けていることが原因だと思うんです。だから相模原の事件を起こした容疑者を、ただ異常だ、異質だと切り捨てるだけではなにも始まらない。同じことが繰り返されてしまう危険性があると思うんです。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/yasuda_natsuki/100300009/?P=1

第三に、上記の続きとして、10月5日付け日経Bpnet「「相模原事件にみる差別の裏側」(後編)~姜尚中(政治学者)【4】」を紹介しよう(▽は小見出し、+は段落)。
▽容疑者を隔離しようとする言説への違和感
・安田 いま、大きな悪循環が生まれてしまっていると思うんです。今回の事件に特化していえば、容疑者がかつて精神的な病によって措置入院となって、その後2週間ほどで病院から出てきています。 「なぜ彼を出してしまったんだ」 「なぜもっと隔離をしておかなかったんだ」という言説が目立ちます。でもそんな言葉に対する違和感は強まるばかりです。
▽恐怖感が増大していったときに排他性が生まれる
・安田 結局いろんな生きづらさを突き詰めていったときに、姜さんが『悪の力』にも書いていらっしゃった、「社会との分断、効率性というラインがあって、そこからこぼれ落ちてしまって、自分は社会からは必要とされない」という感覚が生きづらさを増幅して、何かの形で爆発してしまったときに、取り返しのつかない事件が起きてしまうかもしれない。
+そこで私たちは恐怖感をあおられたりするわけですよね。恐怖感が増幅していったときに、たとえば排他性が生まれたりですとか、何か大きな力に守ってもらいたい、という傾向が強くなったりしていくのかもしれない。
・姜 その通りだと思うんですよ。相模原事件の容疑者の場合、一足飛びに国家に飛躍している。この点が非常に重要で、どこまで精神障害と関わっているのか。ある種これが「エスニッククレンジング(民族浄化)」になってしまうんですね。 ナチスドイツがやったユダヤ人の大量殺りくは、史上最悪のエスニッククレンジングだったと思うし、それに近いものはヘイトスピーチにもある。アメリカではトランプ氏によって、ある種の宗教集団やヒスパニック系の特定の人に対してそういう発言が出る。ヨーロッパでも陰に陽にそういう問題が出てきている。
▽グローバル化が憎悪を拡散することに
・姜 結局今起きていることは、グローバル化という現象を通じて、憎悪が広がり、それが僕たちに襲い掛かっている。かつてはグローバル化という言葉には、学者の世界ではオプティミスティック(楽観的)な響きがある時代があったんですよ。いいことじゃないかと。越境的になって、「ハイブリディティ(異種混交性)」というのが起こって、それがこれから先のひとつのトレンドになるんだと。グローバル化によって国民、国家の縛りが緩んでくるのではないのかと。
+そして僕なんかも、いくつかの領域がせめぎあっているけれど、それを複合的に生きる、「複合的アイデンティティ」みたいなものが生まれると思っていた。そのときちょっと僕は甘かったんですね。でも、マイノリティの立場の方からすると、グローバル化はひとつの国民国家やナショナリズムのあとにくる、国家の求心力をどんどん薄めていく、そういう力ではないかと。それが文化や人々の意識を変えていくと思われていた。
+でもいまはっきりしているのは、グローバル化で勝利するのは資本だけなんですね。資本だけが利潤追求のために、ありとあらゆる差異を一方で作り出しながら、一方で壊していく。資本というのは差異のあるところで増殖するわけです。
+例えば金利の違いをうまく活用して、日本の金利とアメリカのドル金利が違えば、そこをうまく活用して、安くお金を借りて、金利の高いところで儲ける。グローバル化は差異をどんどん縮減していくと思ったら、そうではなくて、壊しては差異を作り出し、またその差異を壊しては作り出す。資本だけが一番グローバル化している。しかし、人間や文化は、実はそうなっていない。
▽ヘイトスピーチの背景にある閉塞感
・安田 既存の国家の枠が薄まっているというお話をされたんですけど、いまの日本の中の傾向をみていくと、国境という絶対の境界でないものを、むしろ濃くしていくような、そんな息の詰まるような状況が増幅されているような気がするんです。 今夏の都知事選でも、だれが都知事になるということより、ヘイトスピーチを繰り返している人がどこまで票を集めていくのかが気になりました。口に出すのもはばかれれるような言葉で、在日、朝鮮人の排斥を叫ぶ候補に票が集まっていく。
・姜 10万以上は集めたのではないですかね。
・安田 そうなっていましたね。
・姜 外国人の留学生に対しても、留学へのスカラーシップをなくせという。ヨーロッパでもかなり近い現象がみられているんですが、日本の場合に特異なのは、ヘイトスピーチではなくてハラスメントだと思うんです。それが日本の場合、適度な範囲では収まっていない。
+それ以上にベースにあるのが、障害者に対する差別で、それが相模原の事件で色濃く出てきたと。やっぱり自分たちがどこか異質だという存在を特定していかないと、自分たちの存在が溶解していく。自分たちが憎んだり、否定したりしている存在がいることで自分たちがいることが確証できる、求心力が働く。そういうひとつのリアクションとして起きていて、個々の彼らがどうしているという問題もあるんだけど、それよりシステムとしてそういう状況が作られている。なので排除することが難しい。
・安田 深刻な問題ですね。
▽なぜトランプ候補はイスラム教徒を排斥するのか(以下、省略)
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/yasuda_natsuki/100400010/?P=1

NHKでは、厚労省の検討会の中間報告が、『警察庁がメンバーに加わっていながら警察の対応や対策については議論されませんでした。・・・警察の対応に問題はなかったのかどうか改めて検証されるべきだと思います』、と主張しているが、これは前回も指摘したように厚労省の検討会の限界であり、警察の問題、さらには相模原市の問題も検討するためには、タテ割の制約を乗り越え得る内閣府が主催すべきだ。『措置入院を終えた後の患者のフォローアップが重要』、はその通りだが、『急いで取り組まなければならなのは施設の防犯対策です』、については余りに陳腐で短絡的で、違和感が強い。今回のように例外的な凶悪事件に備えるの余り、厳重な体制にすれば、開かれた施設の建前が崩れては、元も子もない。防犯は最低限度のものでいいのではなかろうか。
姜尚中氏と安田氏の対談は、興味深い点が多い。『彼自身もナチスからは抹殺対象となる矛盾』、は面白い指摘だ。『生産性に貢献しないのはどこか余計だよねという考え方が今の社会に広がってるのではないのか。これを言ってしまうと建前として、人から揶揄されるからなかなか口に出さないが、そういうようなことを考えている人が実はかなりいるんじゃないかと思うんです』、ということは、今回の犯人は決して特殊なケースではなく、効率優先社会が生み出したものと考えるべきなのだろう。確かに「優生保護法」があり、『国連の女性差別撤廃委員会が今年3月に優生保護政策で障害を理由に不妊手術を受けさせられた人への補償するよう、日本政府に勧告』しても、政府は消極的というのでは、日本社会はまだ「純化思想」の尾を引きずっているのかも知れない。『グローバル化が憎悪を拡散することに』、『資本だけが一番グローバル化している。しかし、人間や文化は、実はそうなっていない』、『自分たちがどこか異質だという存在を特定していかないと、自分たちの存在が溶解していく。自分たちが憎んだり、否定したりしている存在がいることで自分たちがいることが確証できる、求心力が働く・・・システムとしてそういう状況が作られている。なので排除することが難しい』、というのも、簡単な処方箋などはない深い問題であるだけに本当に困った現象だ。
当初は、相模原事件を病院、警察など関係者の責任追及で済ますつもりだったが、そんなことだけでは済まない難しい問題であるようだ。
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