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ソフトバンクの経営(その4)(借金10兆円超えで孫正義とみずほ銀行はもう引き返せない運命共同体、トランプ次期大統領と孫正義社長をつないだ「共通の知人」とは?、トランプに会いに行った「本当の理由」) [企業経営]

ソフトバンクの経営については、7月25日に取上げた。孫社長はトランプ次期大統領と電撃会談するなど話題に事欠かないが、今日は、(その4)(借金10兆円超えで孫正義とみずほ銀行はもう引き返せない運命共同体、トランプ次期大統領と孫正義社長をつないだ「共通の知人」とは?、トランプに会いに行った「本当の理由」) である。

先ずは、12月7日付け現代ビジネス「借金10兆円超え、孫正義とみずほ銀行の「見果てぬ夢」 もう引き返せない運命共同体」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・1兆円をポンッと貸した際は、周囲も大丈夫かと驚いた。借金をテコに兆円単位の事業を次々断行する孫正義と、その借金経営を支えるみずほ銀行に死角はないか。最近、ヒヤッとする一幕が起きた。
▽まだ、足りない
・ソフトバンクグループが英半導体設計大手のアーム・ホールディングスに対して仕掛けた3・3兆円の巨額買収劇が、「世紀のビッグディール」と騒がれたのは約4ヵ月前のことである。 あの日以降、ソフトバンクの孫正義社長(59歳)はおどろくほど慌ただしい日々を送っている。
・毎週のようにアーム社の経営陣たちとミーティングするのはもちろん、月に一度は互いに顔を合わせて経営議論を交わしている。 アーム社のCEО(最高経営責任者)はサイモン・シガース氏だが、孫氏はみずから実際に経営に入り込むと、サイモン氏を連れ立ってアーム社の主要取引先へトップ外交に飛び回ってもいる。
・「今後10年分くらい契約したい」——孫氏はいつもの人懐っこい笑顔で取引先の心を掴むと、さっそくこんな色よい返事を引き出しているという。 今秋には、ソフトバンクからアマゾンジャパンに転じていた田中錬氏も呼び戻した。さっそくアーム関連事業の実働を担うARM事業推進室長に抜擢するなど、孫氏は細かな人事の差配にも抜かりがない。
・1981年に孫氏が一人で立ち上げたソフトバンクは、売上高9兆円の「巨象」に成長した。孫氏が創業来保有するソフトバンク株の価値もいまや1兆5000億円に膨れ上がった。並の経営者であれば、「やり尽くした」と経営への熱量が冷めてもおかしくないが、孫氏の場合はむしろここへきてヒートアップしている。
・「最近、いろいろと反省することが多い。なにを反省しているかと言うと、保守的に、堅く、小さく、固まっていたのではないかと」 実際、孫氏は11月7日に行った投資家向けの説明会で、こんな胸の内を明かしている。
・「目の前の日常業務に忙殺されて、いたずらに年が過ぎていく。もっと積極的に、このテクノロジーの進化に対して、しっかりと取り組んでいかなければならないのではないか。 私が事業家として、また、情報革命に取り組む人間の一人として、忙殺の中に過ぎ行く自身の姿を振り返ってみて、猛反省し、いろいろと手を打っていかなければいけないのではないかと」
・そんな言葉を裏付けるかのように、今秋、孫氏はアームプロジェクトに続く「次」も始動させた。 サウジアラビアなど中東の政府系ファンドとともに、10兆円規模の投資ファンドを作るという一大構想がそれ。ソフトバンク自身も2・6兆円ほどの巨額資金をぶち込みテクノロジー企業に投資すると宣言して、世界中の市場関係者の度肝を抜いたのである。
▽サウジ王族を攻略せよ
・オイルマネー事情に詳しいS&Sインベストメント代表の岡村聡氏は言う。 「孫氏が口説いたサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子は同国のナンバー3で、今後トップに上り詰めるにあたって目玉となる功績が欲しい時期だった。孫氏はそんな副皇太子の事情を知ったうえで、彼が来日した際にみずからプレゼンをして、一気に口説いてみせた。
・このファンドにはすでにアブダビもカタールも参加したいと言っていて、孫氏はオイルマネーを総なめにしようとしている。中東相手にこんな離れ業ができるのは、世界でも孫氏以外にはいない」 最近、孫氏と会談したという人物によれば、「彼はいつになく上機嫌だった」と言う。 「孫さんは非常に正直な人で、事業がうまく行っていないとき、たとえば米通信大手のスプリント社を立て直しているときなどは、『ダメだ』という顔をしている。ところが、最近は笑顔があふれてご機嫌で、充実していることが一目でわかった。
・実は、サウジの副皇太子が来日した際、財界で1対1で会談できたのは孫さんだけなんです。その話を振ると、すごく嬉しそうにしていました。 一方で、孫さんはこうも言っていました。『これはまだ第一弾なんだ』と。いま世間では10兆円ファンドと騒がれているけれど、孫さんはもっと大きな額をつぎ込もうとしているのでしょう。孫さんは、『まだ入り口だ』とも言っていた」
・かつて「異端児」と呼ばれていた頃を彷彿とさせるほどの大暴れぶりと言えるが、いまそんな孫氏を複雑な気持ちで眺めているのがメインバンクであるみずほ銀行の幹部たちである。 というのも、孫氏がビッグプロジェクトを威勢よく打ち上げる裏では、ソフトバンクの有利子負債(借金)が約13兆円と莫大な額に膨れ上がっているからである。 すでにソフトバンクは借金が売上高を上回っていて、その「借金経営」を支えるみずほからすれば肝が冷える事態になってきた。
・「実際、アーム買収時にうちが『1兆円融資』を決定した際には、『肩入れし過ぎではないか』『共倒れしないか』と危惧する声が行内からも上がっていた」とみずほ現役行員は言う。 実は最近、そんな危惧が「現実化」して、ヒヤッとする一幕があった。
・それはソフトバンクがアーム買収後の財務基盤強化や借金返済のため、「ハイブリッド債」という特殊な債券を発行して資金調達しようとした際のこと。 ソフトバンクは機関投資家から3000億円超の募集があると見込み、主幹事の野村證券も自信満々だったが、実際にふたを開けてみればたったの710億円しか集まらなかったのである。
・「生命保険会社や年金基金が、ソフトバンクの信用力に疑問符を持って、買いに動かなかった。こんな危なっかしい企業の債券には手を出せない、ということです。 そんな会社にみずほ銀行は1兆円も貸し付けたのだから、非常にリスキーだと言わざるを得ない。行内から反対の声があって当然です」(元日本興業銀行金融法人部長で経済評論家の山元博孝氏)
▽綱渡りの「1兆円融資」
・そもそも、アーム買収をめぐる「1兆円融資」それ自体、綱渡りのようなディールだった。 みずほ幹部が匿名を条件に明かす。 「とにかく時間のない案件で、ソフトバンクサイドからの要求に応えるには、1〜2週間で1兆円の融資を決定しなければいけなかった。しかも、これだけ機密性の高い案件だと情報漏洩リスクが巨大なので、関係メンバーが絞られた。
・そうした中で、ソフトバンクを担当する営業第17部が中心となって、買収の効果や財務に与える影響など詳細な項目についてのメインシナリオ、バッドシナリオを特急で作り上げた。もちろん、これだけ巨額の融資になると金融当局への報告も必要で、情報が漏れないように細心の注意を払いながら、手順をひとつひとつクリアしていった。 最終的に経営会議、取締役会を開いて、執行役員から社外取締役、頭取などトップマネジメントが融資の可否を議論し、GOサインを出したのは7月13日だった」
・孫氏がアーム社に買収を持ち掛けたのが7月4日なので、10日弱で1兆円融資を決めたことになるわけだが、みずほがそんな危なっかしい橋を渡ろうとするのは、「大きな果実」を得ることができるからにほかならない。
・実際、アーム買収をめぐってみずほが手にする報酬は巨大だ。 まずは、金利収入。複数の関係者によれば今回は1%を超える金利設定なので、みずほには単純に年間100億円超が入り込む計算になる。マイナス金利時代のいま、こんなに魅力的な案件はどこを探しても見つからない。 手数料収入も大きい。ソフトバンクは直近の半期決算で、アーム買収にかかわる財務や法務のアドバイザー(助言)手数料などが234億円だったことを明かしている。今回、財務アドバイザーについたのは、米レイングループ、英ロビー・ウォーショーとみずほ証券の3社で、法務アドバイザーについたのは海外2社。単純に5社でこれを山分けすると考えれば、みずほには47億円ほどの実入りとなる。
・「みずほにはこれに加えて、融資手数料も入る。助言手数料と合わせれば、みずほグループ全体で100億円以上を得る形になる」(前出・みずほ幹部) つまりは、たった10日間ほどで金利収入+手数料収入の合計200億円超が手に入る見通しが立つのだから、こんなにおいしいビジネスはない。
・「みずほがソフトバンクを支えようとするのは、みずほフィナンシャルグループ社長の佐藤康博氏と孫さんが親しい仲にあるのも大きいでしょう」と言うのは、元ソフトバンク社長室長の嶋聡氏である。 「もう時効でしょうから言いますが、孫さんと佐藤社長が急接近したのは、民主党政権時代に孫さんが仕掛けた『光の道構想』のときです。全国に光ブロードバンド網を整備しようとする挑戦的な試みでしたが、実は佐藤社長はこの構想に絡んでいて、それから二人は日本を変えていく『同志』として親しくなっていったのです。
・二人は普段から情報交換もしていて、佐藤社長からすればいまも孫氏のチャレンジを応援したいという気持ちがあるのでしょうが、みずほにとってのソフトバンクはもはやToo Big To Fail(大きすぎて潰せない)という状況になってきているのもまた事実です。 実は借金というのは額が大きくなるほど、借りているほうが力を持つようになる。そして孫さんは、その力関係がよく見えている。もはや無茶を言ってもみずほはついて来ざるを得ない、と」
・莫大な借金をテコにして大胆に投資をする孫流は、成功すれば得るものは大きいが、失敗すれば一気に経営の根幹が揺るぎかねない危険をともなう。 みずほは旧富士銀行時代からメインバンクとしてそんな孫流に付き合ううちに、いつの間にか生死をともにしかねない「運命共同体」になっていたわけだ。
▽孫がいなくなったら……?
・もちろんそんなリスクについては、孫、佐藤両社長ともに百も承知だが、それでも突き進もうとするのは、「孫氏からすれば、ソフトバンクが保有する株の含み益が膨れ上がっていて、それを売れば借金はすぐに返せると考えているから。みずほとしても、ソフトバンクは国内の携帯事業が『ドル箱』で、年間5000億円以上のフリーキャッシュフローを生むので、これが借金返済の原資になると考えている」(前出とは別のみずほ幹部)。
・しかし、果たしてそんな楽観はいつまでもつだろうか——。 実はソフトバンクがこの11月に発表した決算資料には、ソフトバンクが巨額を投じているインド企業向け投資をめぐって、581億4000万円もの損失を計上したことが記載されている。 それだけではない。ソフトバンクの稼ぎの柱である国内携帯事業についても、KDDIとドコモは「本業」の営業利益が直近決算で2ケタで伸びていたのに対して、ソフトバンクだけがひとケタ台と伸び悩んだ。借金の「担保」の役割となるべき株と本業が、ともに足元で揺らぎ始めている。
・「ソフトバンクは『ソフト』を扱う会社なので、製造業と違って担保にできる確たる資産もありません。だから、みずほからすれば、最大の担保は孫正義その人しかない。孫さんが語るビジョンを信じられるか、この男を信じていいのか。みずほの佐藤社長は、最終的にはその一点に賭けているわけです」(孫氏をよく知る人物)
・来春には、ソフトバンクとみずほが共同出資した会社が、新たな金融事業を始める。新会社設立の記者会見では孫、佐藤両氏が居並んで、握手をして「蜜月」をアピールして見せた。 「これから考えられる最大のリスクは、不謹慎ながら孫氏がまさかの事態で急死してしまうことです。仮にそんなことになれば、ソフトバンクもみずほも経営陣は大混乱に陥る」(前出・みずほ幹部) ただ、もう引き返せないし、これからも突き進み続ける。「見果てぬ夢」が終わる時、そこにあるのは歓喜の声か、あるいは絶望の風景か——。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50368

次に、闇株新聞が12月9日付けで掲載した「トランプ次期大統領と孫正義社長をつないだ「共通の知人」とは?」を紹介しよう。
・ソフトバンクの孫正義社長は、12月6日にNYのトランプタワーでトランプ次期大統領と会談し、総額500億ドル(5兆7000億円)を米国でIT分野を中心とした新興企業に投資し、5万人の新規雇用を生み出すことを約束しました。 米国優先の経済政策とくに米国内の雇用拡大を公約に掲げるトランプ次期大統領にとっても好ましい約束となり、上機嫌で自宅のあるトランプタワーの1階まで孫社長を見送りに出てくるところがテレビでも報道されていました。
・確かにトランプの経済政策が米国優先なので、その米国に集中投資することは「理にかなって」います。まあソフトバンクの稼ぐキャッシュフローの大半は、日本国内で寡占状態の携帯電話事業から来ているため、米国だけではなく日本での投資や雇用の拡大も少しくらいは考えるべきだとは思いますが、本日言いたいことはこれではありません。
・またソフトバンクは10月にサウジアラビアのムハンマド副皇太子と「10兆円ファンド」の共同設立で合意していますが、さっそくその資金を振り向けるようです。確かその10兆円の約半分はサウジアラビアが出すため、ソフトバンクが勝手に米国で優先的に投資すると言って大丈夫なのか?とも感じますが、これも本日言いたいことではありません。
・孫社長はインタビューで「(トランプ次期大統領と)共通の知人に会談をセットしてもらった」と話していました。それではその「共通の知人」とは誰だったのでしょう? 12月6日付け「急いでカジノ法案を成立させる背景とは?」の最後は、トランプの大スポンサーであるシェルドン・アデルソンが1999年にラスベガスにベネチアン・ホテルを開業してカジノに進出したときに資金を提供したのは誰だったか?で終わっていました。 その答えはソフトバンクの孫正義社長です。
・ソフトバンクは店頭市場(当時)に上場したばかりの1995年、アデルソンからコンピューター展示場のコムデックスを8.6億ドルという法外な価格で買収しました。 アデルソンはその資金を元手に、ラスベガスで老朽化していたサンズ・ホテルを会社ごと格安で買い、爆破解体して1999年にベネチアン・ホテルとして開業して初めてカジノ業界に進出しました。ラスベガスでは後発だったためマカオなど海外進出に最も熱心で、リーマンショック時には破産寸前となったものの現在では世界有数のカジノ運営会社となっています。
・そもそもアデルソンがコムデックスを売却してホテルを買った理由は、ラスベガスで開催するコムデックスの巨大な展示場に集まる多数の人々はほとんどカジノで遊ばないため、ラスベガスのホテルが結託してコムデックス来場者の宿泊費を割高に設定したからと言われています。 そこでアデルソンはコムデックスとホテルを「入れ替えた」わけで、もともとカジノが目的だったわけでもなさそうです。
・一方でそのコムデックスを買収した(同時にコンピューター関連出版大手のジフ・デービスも買収した)ソフトバンクは、ITバブルが弾けた2001年にコムデックスを「格安」で売却してしまいした。結局コムデックスは2003年に倒産しているため(現在は再生されています)、明らかにアデルソンの「入れ替え」が成功したことになります。 ただ孫社長もコムデックスを通じて、米国のコンピューターやIT業界に人脈を広げたことも事実で、単純に投資結果だけでは判断できません。
・そこでやっと表題にある「共通の知人」となります。もちろん確認できたわけではありませんが、かなりの確率でそのアデルソンだったと考えます。 アデルソンはトランプの大スポンサーであると同時に、孫社長は20年以上前にコムデックスを法外な高値で買収してカジノに進出させてくれた恩人(カモ?)だったからです。
・その「共通の知人」がアデルソンだったとしても、トランプ次期大統領と孫正義社長の会談にはアデルソンの「思惑」が込められているなどというつもりはありません。また500億ドルの米国への投資や5万人の新規雇用も、孫社長が一方的に約束しただけです。
・しかし孫社長は、自分も当事者となった20年以上前のアデルソンの「入れ替え」を思い出して、少しくらいは「これでいいのかなあ?」と考えてほしいと思いますが、まあ無理でしょうね。 時代のスピードも速くなっているため、今度は5年くらいで答えが出るかもしれません。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1889.html

第三に、12月20日付け現代ビジネス「ソフトバンク孫正義がトランプに会いに行った「本当の理由」 プレゼン資料にはあの企業の名前が…」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・ソフトバンクの孫正義社長がトランプ米次期大統領と会談を行い、米国への巨額投資と雇用創出について確約した。 孫氏の行動はいつも電光石火であり、多くの人がその真意をはかりかねている。 だが、彼の一連の行動を、ひとつの文脈で読み解けば、背後にある一貫性を理解することができる。
▽資料の中にあった企業名
・孫氏は12月6日、トランプ次期大統領と会談を行った。場所はトランプ氏の自宅があるマンハッタンのトランプタワーで、ここは安倍首相がトランプ氏と会談した場所でもある。 孫氏は総額で500億ドル(約5兆7000億円)を米国に投資し、5万人の雇用を生みだすとトランプ氏に確約した。 トランプ氏は、孫氏の提案に上機嫌だったようで、約45分の会談の後、孫氏をわざわざロビーまで見送り、「彼は米国への投資を決断してくれた」「偉大な人物だ」と孫氏を賞賛。孫氏も「積極的に米国に投資していきたい」と語った。
・孫氏は投資の具体的な中身には触れなかったが、スタートアップ企業について言及したことを考えると、10月に設立を発表した10兆円ファンドを活用し、米国のベンチャー企業に投資を行うものと考えられる。 ただ市場では金額が5兆円と大きいことから、ベンチャー企業への投資に加え、一度は断念した米国の通信会社買収に再び乗り出すのではないかとの観測も高まっている。
・だが筆者は、こうした具体的な投資案件のみならず、孫氏はもっと大きなスケールで今回の会談に臨んだ可能性が高いとみている。 それは、アップルとトランプ氏の橋渡しを通じた米国社会におけるプレゼンス拡大である。ヒントになるのは台湾の鴻海精密工業である。
・今回、孫氏がトランプ氏に提示したプレゼン資料の中にはソフトバンクの社名と共に、FOXCONNという文字が記されていた。FOXCONNはシャープを買収した台湾の巨大企業・鴻海精密工業のブランド名である。 つまり孫氏は米国の投資を鴻海と共同で実施するとトランプ氏にプレゼンしたわけである。孫氏が今回の会談でわざわざ鴻海の名前を出した狙いはどこにあるのだろうか。
▽真の狙いはトランプ氏とアップルの仲介?
・鴻海は中国本土に巨大な工場をいくつも所有する台湾有数のメーカーであり、アップルのiPhone製造を一手に担っている。経営が傾いたシャープを鴻海がわざわざ救済したのは、液晶の生産能力を拡大し、アップルとの取引を確実なものにするためである。 大口顧客との関係強化のためにシャープ1社を丸ごと買ってしまうというのが今の鴻海流だ。こうしたことからもアップルと鴻海はもはや切っても切れない関係にあることがよく分かる。
・トランプ氏は選挙期間中、アップルによる生産の外部委託について取り上げ、国内で製造すべきだと強く批判してきた。だがアップルが鴻海への製造委託を全面的に取りやめることは現実的に困難であり、トランプ政権とは何らかの妥協が必要な状況となっている。 ここで有利な立ち位置にいたのがソフトバンクである。
・ソフトバンクはかねてからiPhoneの国内販売でアップルと提携関係にある。しかも、孫氏とアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏との間には個人的な信頼関係もあった。一方ソフトバンクは鴻海との関係も深い。  ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」の製造を担当しているのは鴻海であり、シャープの買収にあたっては孫氏が背後で動いたとも言われる。また、米国の大手通信会社であるスプリントを傘下に持ち、米ヤフーの大株主でもあるなど米国社会との関係も緊密だ。
・孫氏はそれぞれの登場人物と関係が深いが、あくまで第三者であり、アップルとトランプ氏の間を取り持つには最適の人物である。 ソフトバンクと同様、鴻海も米国経済に貢献しているとアピールすることで、アップルへの風当たりを弱める効果を狙った可能性がある(孫氏が提示した資料の中には鴻海の分と思われる雇用創出に関する記述もあった)。 これはあくまで想像だが、鴻海とアップルが象徴的な意味で国内にiPhone製造工場を建設し、米政府がこれを支援するというスキームもあり得るだろう。
▽孫社長の1丁目1番地戦略とは?
・もし、こうした形での「手打ち」を孫氏が仲介したということになれば、米国のIT業界は孫氏に対して足を向けて寝られなくなる。これこそが孫氏の狙いであり、この立場を手にすることができれば、通信会社の買収といった果実は後から付いてくるというのが、孫氏のホンネと思われる。
・孫氏はこれまでも同じ考え方に基づいてビジネスを進めてきた。世間をあっと驚かせた英国の半導体企業ARMの買収も基本的な図式は変わらない。 ソフトバンクは今年7月、英国の半導体設計大手アーム・ホールディングス(ARM)を3.3兆円もの大金で買収した。日本企業による海外M&A(合併・買収)としては過去最大である。
・ARMは、スマホ向けCPU(中央演算処理装置)の設計では圧倒的なシェアを持つ企業だ。近い将来、あらゆる機器類がインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)市場が急拡大すると予想されているが、こうした機器類に搭載されるチップの設計は、ARM社が一手に引き受ける可能性が高い。 つまり同社にとって今後10年間のビジネスは、ほぼ確約された状況にある。
・ARMが超優良企業であることや、IoT(モノのインターネット)時代において同社が持つポテンシャルが大きいことは誰もが認める事実である。だが通信という共通項が存在すること以外、ソフトバンクとの間に目立ったシナジーがないのもまた事実である。 通信事業を営むソフトバンクとIoTのチップ設計を手がけるARMとではカバーする領域が異なっており、2社が協業する場面は想像しにくい。市場からは案の定、「シナジーが見込めない」「買収価格が高すぎる」といった批判が出ているが、孫氏は「ほとんどの人にはピンとこない(はず)」とまったく意に介す様子はない。
・ソフトバンクはこれまでも、多くの人が理解できないM&A(合併・買収)を繰り返すことで巨大企業に成長してきたが、買収案件を発表するたびに、割高な買い物という批判も受け続けてきた。 ARM買収についても、現時点でシナリオが未知数であり、買収価格が高すぎるのも事実だが、孫氏はおそらく別のことを考えているはずだ。それをひとことで表すなら「1丁目1番地」戦略である。
▽本当の意味でのリスク・テイク
・ソフトバンクは1994年に店頭公開(上場)を果たしたが、直後から一連の買収戦略をスタートさせている。  最初に買ったのは何と米国のコンピューター展示会であった。1994年に米ジフ・デイビスの展示館部門を200億円(当時のレート)で、続いて世界最大のコンピューター展示会「コムデックス」を800億円で買収した。
・当時は、ただの展示会に1000億円もつぎ込むなど、狂気の沙汰だという評価が一般的であった。実際、買収した展示会部門はほとんど収益に貢献しないまま売却してしまったが、代わりに同社はとてつもない果実を得ている。それは米国IT業界へのパスポートと、その結果としての米ヤフーへの出資である。
・当時のIT業界におけるコムデックスの存在感は極めて大きく、毎年ラスベガスで開かれる展示会にはマイクロソフトのビル・ゲイツ会長などIT業界のスターが結集していた。孫氏は名誉ある展示会のオーナーとして、IT業界の中枢に入り込むことに成功した。 これは日本人としては極めて異例のことであり、この立場があればこそ、米ヤフーの発掘にこぎ着けたといっても過言ではない。つまりコムデックスは当時のIT業界における1丁目1番地だったわけである。
・ARMの買収も基本的には同じである。ARMはIoTビジネスにおいて1丁目1番地となる企業のひとつであることはほぼ間違いない。ARMのオーナーということになれば、産業向けIoTのリーダーである米GE(ゼネラル・エレクトリック)や独シーメンスといった巨大企業もソフトバンクを無視できないだろう。
・孫氏は常に、次世代において中核的役割を果たす企業に手を付けておきたいと考えている。具体的なシナジーをどう作り出すのかは、その時にならないと分からない部分も多い。業界の主役となる企業を押さえておけば、自然と答は得られるはずというのが、おそらく孫氏の基本観である。
・もし今回の会談が孫氏の目論見通りに進めば、孫氏は米国IT業界の中でも極めて重要なキーマンとなる。しかもARMのオーナーであり、アリババやヤフーの大株主でもある。 この立場を手にすることができれば、一度は断念した米国通信業界4位のTモバイルUS買収も実現できる可能性が高まってくる。というよりも、その時には、現時点では想像もしなかった案件が転がり込んでいるかもしれない。
・極めてリスクの高いビジネス手法であることは事実だが、リスクに見合うリターンは十分にある。本来、リスク・テイクというのはこのようなことを指すのだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50485

第一の記事にある  『並の経営者であれば、「やり尽くした」と経営への熱量が冷めてもおかしくないが、孫氏の場合はむしろここへきてヒートアップしている』、というのは、たしかに孫氏のすごさだ。 『ソフトバンクの有利子負債(借金)が約13兆円と莫大な額に膨れ上がっている・・・借金が売上高を上回っていて、その「借金経営」を支えるみずほからすれば肝が冷える事態になってきた』、というのは、財務的には要注意で、「ハイブリッド債」への機関投資家の応募が、3000億円の見込みを大きく下回る710億円に止まったことが如実に表している。みずほ銀行が、いくら佐藤社長が孫氏と親しいとはいえ、1兆円融資を僅か10日弱でまとめたとは、驚くべき手際の良さだ。ソフトバンクの業況が既に変調をきたしているなかで、ここまでコミットするとは、みずほも随分、思い切ったことをするものだ。
第二の記事にある トランプ次期大統領との会談をセットしてもらった『共通の知人』が、現在は世界有数のカジノ運営会社を保有するシェルドン・アデルソン氏というのは、その事業の巧みな「入れ替え」という点で、孫とも共通点があるのだろう。
第三の記事が指摘する 『真の狙いはトランプ氏とアップルの仲介?』、というのはさすが闇株新聞ならではの深い読みだ。『孫社長の1丁目1番地戦略』、というは、『極めてリスクの高いビジネス手法であることは事実だが、リスクに見合うリターンは十分にある。本来、リスク・テイクというのはこのようなことを指すのだろう』、といつもは辛口の闇株新聞も孫氏の手法には「脱帽」気味のようだ。
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