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年金制度(「歳入庁」構想が実現しない理由、「年金カット法案」を巡る与野党攻防は茶番劇) [経済政策]

今日は、年金制度(「歳入庁」構想が実現しない理由、「年金カット法案」を巡る与野党攻防は茶番劇) を取上げよう。

先ずは、経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏が昨年10月12日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「「歳入庁」という誰も反対しない構想が実現しない理由」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽「公の共通集金人」という効率的で公平な仕組み
・世の中には、その建前に対しては有効な反論が全くないのに、実現しないものがある。 世界のレベルでは、例えば「世界平和」だ。世界が平和になることに対して、誰も表立って反対しない。これは、昔からそうなのだが、実現していない。世界のどこかで深刻な戦争・紛争があるし、将来の戦争・紛争の種になりそうな対立関係が常に存在する。
・率直に言って、世界平和が実現しないのは、直接的には戦争・紛争を自分にとって有効な手段として使いたい為政者が存在するからだし、間接的だがより本質的には戦争・紛争・対立関係がある方が好都合な勢力が存在するからだろう。
・日本のレベルに目を転じると、「歳入庁」がこれによく似ている。 税金に加えて、年金、健康保険、雇用保険などの社会保険料の徴収、ついでに付け加えるならNHKの受信料なども、「公の制度として集めることが必要なお金」なのだから、一括して強制的に集めて、それぞれの財源として配分するなら、効率がいいし、何よりも徴収漏れに伴う不公平が起きにくい。これを実現する仕組みとして、海外に例があることもあって、期待されている有力なアイデアが、「公の共通集金人」とも言うべき歳入庁だ。
・現在の安倍政権の下でも、かつての民主党政権下でも、構想として歳入庁の設立を言う政権のブレーンは時々いる。しかし、これが大きな流れになったことは一度もない。他方、歳入庁設立構想に対する具体的な批判の議論も聞いたことがない。
・世界の多くの為政者や武器商人が「世界平和」が絵空事であってほしいと本音では願うように、税金や各種の社会保険料を集める役人さんたちや、彼らに影響力を行使できることが存在意義である政治家にとっては、自分たちの仕事と権限を取り上げられる可能性が大きい歳入庁設立による徴収業務の効率化は「論外の構想」なのだろう。 たいへん残念なことだ。
▽GPIFの運用利回りより年金保険料の徴収率の方が問題
・ここで、少々寄り道することを許していただきたい。 本連載で二度にわたって金融庁の「金融レポート」(平成27事務年度版)を取り上げ、個人投資家にとって有用であることを強調したが、もう一つ公的機関のレポートで、個人投資家が読むに値するものがあるのでご紹介したい。
・公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が発表した「平成27年度業務概況書」は面白い! GPIFは世界最大規模の運用機関であり、その運用業務の詳細について書かれており投資に興味を持つ人にとって興味深い箇所が方々にあるので、ぜひGPIFのホームページからダウンロードして読んでみてほしいと思うのだが、この約130ページに及ぶ冊子の中で、全ての国民に読んでほしい注目箇所は、「(コラム)年金財政における積立金の役割」(p14)と題する1ページのコラムだ。GPIFは次のように言っている。
・「年金給付の財源(財政検証で前提としている概ね100年間の平均)は、その年の保険料収入と国庫負担で9割程度が賄われており、積立金から得られる財源(寄託金償還又は国庫納付)は1割程度です」
・昨今、GPIFの運用損失に関して国会やマスコミで賑やかに取り上げられているが、設計上、公的年金の給付金の財源は9割が将来の年金保険料であり、仮に、約130兆円に及ぶ積立金が運用の失敗によって全て失われても(そのようなことはほぼあり得ないが)、年金給付の9割は支払い可能なのだ。
・巷間、計算上の積立金の枯渇をもって「年金破綻」と言いたがる言説があるが、日本の公的年金は、「130兆円」が小さく見えるほどの壮大な仕組みなのだ。このスケール感は、一般に想像しにくいかもしれないが(ただし、運用の損益が将来の年金財政に影響を持たない訳ではない)、「年金はどうせ破綻する」と決めつけて、公的年金から離れようとすることは賢くない。
・しかし、ここで大きな問題となるのは、現在及び将来、年金保険料が正しく全て徴収されているか否かだ。  もちろん、両方が大事なのだが、敢えて言うなら、GPIFによる年金積立金の運用利回りよりも、年金保険料の徴収のパフォーマンスの方が、日本の公的年金財政にとって大きな問題だといえる。
・そして、自営業者らが入る国民年金について、被保険者が納めるべき保険料のうち実際に払われた割合を示す納付率は7割を切っており、しかも、厚労省が発表する納付率は、低所得者や学生ら保険料を免除・猶予されている人を対象者から除いて算出されている。免除・猶予になっている人々を対象に含めた実質的な納付率は4割台だ。大丈夫なのだろうか?
・年金保険料を支払わない人は、その額に応じて将来の年金給付を受けられなくなるはずだから、超長期的には辻褄が合う「かも」しれないが、将来に保険料の未徴収が大規模に残った場合、将来年金給付を受け取る見込みの世代に対して十分な財源があるかどうかが心配だ。そうした場合でも、公的年金は、支給額が「縮小」するのであり、「破綻」してなくなる訳ではない筈だが、GPIFの運用利回り以上に、日本年金機構の年金保険料の徴収実績に注目して然るべきだ。
▽マイナンバーの活用で社会保険料の徴収を改善
・今のところ、国民から見ると、手続きの面倒臭さと、セキュリティへの不安ばかりが感じられる、ひたすら面倒なだけのマイナンバーだが、税金と社会保険料の徴収に活用されることになっていて、(未定だが)今後の利用の拡大が予想されている。 マイナンバーによって個人のデータを把握し、税務当局が持っているデータと、年金などの社会保険関係の徴収業務を行う組織が持っているデータを合体させることで、特に、年金保険料の徴収が改善することが期待されている。
・筆者は、マイナンバーの利用拡大に賛成であり、全ての金融データ(取引データも資産データも)をマイナンバーと結びつける「金融実名制」を導入すべきだと考えているが、当面の利用方法だけであるとしても、税金の徴収と、社会保険料の徴収を別々に行うことは、言わば、レストランで食事の会計レジと、飲み物の会計レジが別々に存在するような非効率であることが明白だ。
・そもそも、お金に色は着いていない。「税金」、「保険料」と色分けして、別々に集金するのは非効率的だ。 はっきり言うと、年金保険料はいわば「年金税」として徴収してしまう方が効率がいい。健康保険も、雇用保険も同様だろう。付け加えると、NHKの受信料も予算が国会で承認されるのだから基本的な放送サービスの対価は税金が財源でいいし、贅沢な放送(?)に関しては、スクランブルを掛けて有料にするなり、広告を取るなり、民間の放送局と平等な条件で競争するのがフェアだろう。
▽関係省庁のナワバリ意識が歳入庁の設置を阻む
・税金の徴収は、国税庁、即ち財務省のナワバリだ。公的年金の保険料徴収は日本年金機構、即ち厚労省のナワバリだ。雇用保険も同様と考えていいだろう。健康保険や生活保護に関しては、地方自治体の、その元締めとしては総務省のナワバリだと考えるべきだろう。加えて、NHKの受信料はNHK自身が集めているが、その所管は総務省だ。
・民間の感覚で業務を効率化するなら、これらを一元的に徴収してそれぞれ必要な勘定に振り分けることを考えるのが「普通」の考え方だろう。複数のレジを設けることは、お金を徴収する側にとってもコスト高だし、取られる側にとっても手間が増える愚挙だ。
・それでは、これらの集金業務を「歳入庁」に集約するとするならどうなるのか。 それぞれの関係省庁は、自省に歳入庁を完全に取り込むことができないとするなら、自省のナワバリにある権限とポストや雇用を手放したくないと思うだろう。この点が、明らかな効率化につながるにもかかわらず、歳入庁が実現しない理由にちがいない。
・政治主導、首相官邸主導で歳入庁の設置を進めることは、理屈上は可能だが、各所の官僚組織が面従腹背的サボタージュで抵抗するにちがいない。 現状の政治家と官僚の力関係から考えて、筆者は、率直に言って、歳入庁が実現するとは予想していない。仮に、今の政権で実現するなら、安倍政権は筆者が思っているよりは随分立派な政権なのだということに違いない。 その場合、筆者は、大いに喜んで自らの不明を恥じる。
http://diamond.jp/articles/-/104344

次に、昨年12月2日付け日経ビジネスオンライン「痛みを伴う「年金抜本改革」を誰が言い出すのか 「年金カット法案」を巡る与野党攻防は茶番劇」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽「反対しました」という形が欲しい
・野党が「年金カット法案」とレッテルを貼る年金制度改革関連法案が11月29日、衆議院本会議で可決され、参議院に送られた。国会会期は12月14日まで延長されており、政府・与党は何とか今の国会で成立させたい意向だ。年金支給額の新たな改定ルールを盛り込んだ今回の法案には、民進党、自由党、社民党、共産党の野党4党が反対。自民党と公明党、日本維新の会などが賛成した。野党は衆議院での法案通過を阻止するために、衆議院厚生労働委員会の丹羽秀樹委員長の解任決議案と、塩崎恭久厚生労働大臣に対する不信任決議案を提出。否決されると、民進党、自由党、社民党は本会議場から退出、法案の議決には加わらなかった。
・会期末が迫るとしばしばみられる「茶番劇」である。民進党は、「年金カット法案をいい加減な審議で通すことに断固反対だ」としているが、民進党が求めるように審議時間を増やせば今国会での成立は絶望的になる。また、審議時間を増やしたからといって民進党が賛成に回る可能性はまずない。「年金の減額につながる法案に私たちは反対しました」という形が欲しいのだ。
▽抜本改革を議論するというのは結局、問題の先送り
・民進党はさらに「今の高齢者から将来の世代まで、まともな額の年金をもらえるように抜本改革に今すぐ取り組むべきだ」とも主張している。これは正論だ。年金制度の抜本改革の議論は今すぐにでも着手すべきだが、だからといって、抜本改革の議論を始めて今国会で成立することなどあり得ない。今回の法案を止めて、抜本改革を議論するというのは、結局は問題の先送りになるだけだ。 それは民進党の議員の多くも十分に分かっている。年金の支給額を抑制しなければ、今の制度がもたないことも十二分に理解している。
▽自民党など与党の主張にもウソ
・一方で、自民党など与党の主張にもウソがある。衆議院での討論で、自民党は「法案は、公的年金制度の持続可能性を高め、将来世代の年金水準を確保することによって、将来的にも安心な年金制度を構築するためのものだ」と述べたが、この法案で将来にわたって安心な年金制度になるわけではない。これもマヤカシなのだ。長年政府は、「百年安心プラン」といった言葉を使って、年金制度にマクロ経済スライドという仕組みを導入すれば、制度は持続可能だと言い続けてきた。
・2004年の法改正で、毎年年金掛け金を引き上げる一方で、経済情勢で年金支給額を増減できるようにしたのだ。年金給付を減らして将来世代に回すなど制度全体で「完結」するようにはなっているが、あくまで机上の論理。実際には年金制度は維持できたとしても、高齢者がその年金の金額で生活できなくなったり、逆に、若年層が年金掛け金の負担に耐えられなくなる可能性は十分にある。制度を司る厚生労働省は安心かもしれないが、生活者の不安は解消されない。
▽日本の公的年金制度は「修正賦課方式」
・何せ日本は猛烈な少子化である。年金という制度は現役世代が払った原資を、高齢者世代が受け取るという仕組みだ。自分で払ったものを自分で受け取る仕組みを「積立方式」と言うが、日本の実情はすでに積立方式ではなくなっている。今の若手世代が払った保険料を高齢者への給付に充てる「賦課方式」に近い。一部は積み立てられた年金資産を運用に回しているため、「修正賦課方式」などと呼ばれる。
・現在65歳以上が人口に占める割合は27%だ。高齢者がどんどん増える中で、支払う年金も増えている。それを制度的に賄うには大きく分けて2つの方法がある。年金支給額を引き下げるか、保険料を引き上げるか、だ。
▽若い世代の社会保険料と税の負担感は相当なもの
・2004年の法改正で、それまでは景気や年金資産の運用状況によって改訂していた保険料率を、毎年0.354%ずつ自動的に引き上げることを決めた。2003年に13.58%(個人と会社で半分ずつ負担)だった保険料率を、14年にわたって引きあげ、2017年9月以降は18.30%で固定するというものだ。毎年一定の保険料収入の増加を可能にしたわけで、この保険料の引き上げは今も続いている。18.30%というのは年金の保険料だけで、これに健康保険料も加わり、さらに所得税もかかる。若い世代の社会保険料と税の負担感は相当なものだ。これ以上、保険料負担を上げるというのは現実的には難しい。
・そうなると、高齢者が受け取る年金を減らすしかない。現在、年金支給開始年齢を65歳にまで引き上げる作業が続いている。抜本的な改革はこれを70歳にまで引き上げる方法だが、それでは退職後の無年金時代が生じてしまう。すぐには実行できないのだ。そうなると、今の年金受給者がもらっている年金を減らすほかない。
▽「物価が上がり、年金額が下がったら生活できない」は正論だが…
・今回、民進党が問題視したのは、「物価が上昇した場合でも、現役世代の平均給与が下がった場合には、年金額が下がる」という仕組みだ。物価が上がって年金が下がったら生活できないというわけだ。もちろん正しい主張だ。
・東京巣鴨の地蔵通りでお年寄りを相手に「年金減額法案に賛成か反対か」と聞いていたが、当然、「反対」が圧倒的になるに決まっている。だが、年金額を維持しようと思えば、どうなるか。「現役世代の給与が下がっても、高齢者の年金額を維持するために、さらに現役世代に負担を求める」ことになるわけだ。「あなたの子供や孫の負担を増やしても年金を維持してほしいですか」と聞けば、違った反応だったかもしれない。
・税金で賄うべきだ、という声もあるだろう。だが、所得税を増やせば、結局は勤労世代の負担を増やす。保険料か税金かの違いだ。消費税ならば高齢者も負担することになるが、2019年までは上がらない。
▽マクロ経済スライドは、どれだけ「机上の空論」か
・経済が上向き、働く世代の給料が増えれば、結果的に社会保険料や税収も増えることになる。だが、それで少子高齢化による負担増を吸収できるわけではない。日本の年金制度はかなりの危機に瀕している。抜本改革は待ったなしなのだ。
・抜本改革を主張する民進党はどうやって問題を解決しようと考えているのだろうか。民進党のホームページで、井坂信彦・衆議院議員が解説している。長妻昭氏に次ぐ「新ミスター年金」として民進党が売り出したい若手の有望議員だ。
・現在の「年金カット法案」について、「将来世代の受給額が7%増える事実はまったくない。なぜ政府案でそうなっているかというと、政府の試算は2005年からずっと長い間、高齢者の年金を3%カットして巨額の財源をつくり、しかも年4.2%というありえない運用利回りで50年くらい増やして、それが将来世代にばらまかれると7%増えるという計算をしている」と指摘している。いかに政府のマクロ経済スライドが「机上の空論」かを追及しているのだ。
・そのうえで、「年金カット法案は不要」だと断定している。「場当たり的に削れるだけ削っておこうという発想で、将来世代が少しの額しかもらえない制度が延命されるだけだ」というのだ。さらに、年金の制度設計で大事なこととして、①老後の暮らしを最低限年金で支える最低生活保障が大原則、②今の制度のように「若い人は払い損」という世代間の不公平があってはいけない──つまり、「最低生活保障と世代間公平の二つを何とか両立できるような制度設計をしなければいけない」としている。
▽年金の試算を第三者機関で行い、都合のよい解釈をさせない
・だが、どうすれば、それが可能になるのか。井坂氏が挙げている1つ目は、年金の試算を中立的な第三者機関で行う、というもの。政治家や役所に都合のよい解釈をさせないということだろう。大賛成だ。さらに同世代間で区切る疑似的な積立方式に近い形も目指すという。世代ごとに景気変動の影響の受け方が違い、世代間の不公平間が高まるかもしれないが、積立方式に近い形ということでこれも良しとしよう。
・財源については「高所得者に負担いただくことと、歳入庁の設置やマイナンバーの活用で、きちんと皆さんに保険料を払っていただく」こと。さらに「それだけでは足りないから広く薄い相続税のような形で、亡くなったあとに回収する形も考えなければいけない」としている。
・民主党政権時代には相続税の増税が検討されたが、これを「広く薄く」取るというのは言うは易く行うは難い。マイナンバーが導入されたといっても、国民の資産を国が把握しているわけではない。大金持ちの遺産を調べてガバッと課税するならともかく、広く薄く相続税を取る仕組みを構築するのは容易ではない。 結局、ホームページをみても、抜本的な改革提案はなされていない。
▽悲惨な社会保障の現状を理解してもらうしかない
・『シルバー民主主義』(中公新書)の著書もある八代尚宏・昭和女子大学特命教授は、「高齢者に日本の悲惨な社会保障の現状を理解してもらうしかない」と話す。(当コラム 2016年6月17日配信「『40歳定年制』は非常に合理的な意見」ご参照)
・そのうえで、2つの方法があるとして以下のように言う。 「ひとつは理詰めで説得すること。政府は年金制度が持続可能だと言っているが、実際にはそれは粉飾で、年金はすでに不良債権ということをきちんと説明する。そのうえで、年金の一部切り下げを受け入れてもらうわけです。 もうひとつは高齢者の『利他主義』に訴えること。あなたのお孫さんを犠牲にしてまで多くの年金を受け取りたいですかと問えば、日本の多くの高齢者はとんでもないと言います。政治家はそうした点をもっときちんと高齢有権者に訴えるべきです」
▽「痛み」受け入れのお願いを、自民党も野党も口にしない
・支給年齢を引き上げるか、大幅に年金支給額をカットするしかない、それを高齢者に理解してもらうべきだ、というのだ。年金制度の抜本的な見直しは、まさしく「痛み」の負担を受け入れてもらうことなのである。それを自民党も野党も真正面から堂々と主張していないところに問題がある。
・もともと、年金は「保険」だ。元気に働いて十分な収入を得ている人には全額辞退してもらえばよい。その一方で、働きたくても働けない人や、病気の高齢者には生活に必要な年金は保証する。今の人口構造の中で、全員が満足できる金額を受け取れる年金制度の設計は無理だろう。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/238117/120100036/?P=1

山崎氏の記事にある、『税金や各種の社会保険料を集める役人さんたちや、彼らに影響力を行使できることが存在意義である政治家にとっては、自分たちの仕事と権限を取り上げられる可能性が大きい歳入庁設立による徴収業務の効率化は「論外の構想」なのだろう』、との指摘は残念ながらその通りだ。特に、財務省にとっては、政治家などに睨みを利かせられる国税庁を傘下に置いておくことは、至上命題だ。 『GPIFによる年金積立金の運用利回りよりも、年金保険料の徴収のパフォーマンスの方が、日本の公的年金財政にとって大きな問題だといえる』、との指摘もその通りだろう。特に国民年金の納付率が、『免除・猶予になっている人々を対象に含めた実質的な納付率は4割台』、というのは由々しい状況だ。 『年金保険料を支払わない人は、その額に応じて将来の年金給付を受けられなくなるはずだから、超長期的には辻褄が合う「かも」しれないが』、との言い方は厚労省もする考え方だが、そういう人たちは、生活に困って生活保護を受給するようになる確率が高いのだから、辻褄は合わないと考え、納付率引上げに努力すべきだ。 『マイナンバーの活用で社会保険料の徴収を改善』、にせめて期待したい。
第二の記事にある 『年金の試算を第三者機関で行い、都合のよい解釈をさせない』、との主張は一見、もっともらしいが、日本では学者も各種審議会委員などの形で「官庁の色」がついているケースが多いので、本当に中立的な第三者機関、などは現実的には考え難い。負担についてはあまり増やせないことを前提にしているようだが、北欧のような「高福祉高負担」路線に切替えることを真剣に考えるべき時なのではあるまいか。
タグ:国民年金 年金制度 日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 山崎 元 (「歳入庁」構想が実現しない理由、「年金カット法案」を巡る与野党攻防は茶番劇) 「歳入庁」という誰も反対しない構想が実現しない理由 「歳入庁」 税金に加えて、年金、健康保険、雇用保険などの社会保険料の徴収、ついでに付け加えるならNHKの受信料なども、「公の制度として集めることが必要なお金」なのだから、一括して強制的に集めて、それぞれの財源として配分するなら、効率がいいし、何よりも徴収漏れに伴う不公平が起きにくい 政治家にとっては、自分たちの仕事と権限を取り上げられる可能性が大きい歳入庁設立による徴収業務の効率化は「論外の構想」 GPIFの運用利回りより年金保険料の徴収率の方が問題 積立金から得られる財源(寄託金償還又は国庫納付)は1割程度 GPIFによる年金積立金の運用利回りよりも、年金保険料の徴収のパフォーマンスの方が、日本の公的年金財政にとって大きな問題だといえる 納付率は7割を切っており 免除・猶予になっている人々を対象に含めた実質的な納付率は4割台だ 関係省庁のナワバリ意識が歳入庁の設置を阻む 痛みを伴う「年金抜本改革」を誰が言い出すのか 「年金カット法案」を巡る与野党攻防は茶番劇 「年金カット法案」 年金制度改革関連法案 抜本改革を議論するというのは結局、問題の先送り 自民党など与党の主張にもウソ 修正賦課方式 若い世代の社会保険料と税の負担感は相当なもの 高齢者が受け取る年金を減らすしかない マクロ経済スライドは、どれだけ「机上の空論」か 年金の試算を第三者機関で行い、都合のよい解釈をさせない 悲惨な社会保障の現状を理解してもらうしかない 高齢者の『利他主義』に訴えること 「痛み」受け入れのお願い 北欧のような「高福祉高負担」路線
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