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企業不祥事(その14)積水ハウス事件1(63億円をだまし取った「地面師」の卑劣な手口、嵌まり込んだ海喜館の怪) [企業経営]

企業不祥事については、6月19日に取上げた。今日は、(その13)積水ハウス事件1(63億円をだまし取った「地面師」の卑劣な手口、嵌まり込んだ海喜館の怪) である。

先ずは、ジャーナリストの伊藤 博敏氏が8月3日付け現代ビジネスに寄稿した「積水ハウスから63億円をだまし取った「地面師」の卑劣な手口 実行犯の「偽装証明書」を入手した」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽100億円にも達する物件が…
・大手住宅メーカー「積水ハウス」が、8月2日、驚愕の発表を行った。70億円の土地取引において事件が発生、捜査当局に刑事告訴するという(支払い済みは63億円)。東京・五反田の一等地約600坪に発生した地面師事件である。以下に詳述しよう。
・ここでは、添付コピーのように所有権者の知らない間に、本人確認用の印鑑登録証明証、パスポートなどが偽造され、それを利用した「成りすまし犯」が手付金を受け取っていた。 典型的な地面師事件だが、この種の犯罪の難しさは、なにがしかの報酬を受け取った成りすまし犯以外は、すべて「善意の第三者」を装うことができること。話を持ってきたブローカー、仲介業者、不動産業者、購入者(社)、間に入る司法書士や弁護士などが、「私も騙された」という。
・そうなると、どこまでが地面師グループかわからない。確実なのは成りすまし犯だけ。この事件では、偽造印鑑登録証明書と偽造パスポートを持ち、取引の場に現れ、所有権者のSさん(73)に成りすました女が犯人である。過去にもこの種の事件に関係したことがあるということで、事情通の不動産関係者の間で「池袋のK」と呼ばれている。
・事件は、どのように発生したのか。 JR五反田駅を下り、目黒川の方向に少し歩くと、鬱蒼とした樹木に囲まれた一帯がある。五反田大橋を超えて近づくと、それが旅館であることがわかる。外周は古びた薄茶色のモルタルで一部は崩壊。玄関には、「日本観光旅館連盟 冷暖房バス付旅館 海喜館」という看板が出されているが、もう何年も営業しておらず、その朽ちた印象から「怪奇館」と呼ばれることもある。
・山手線徒歩3分という絶好地に、約600坪が「一団の土地」としてまとまっており、不動産業界ではかねて注目の案件だった。所有権者はSさんである。不動産登記簿謄本によれば、昭和35年12月の相続。抵当関係を示す乙区には何も記載されておらず「まっさらな土地」で、権利関係が複雑でない分、「Sさんの承諾さえあればこの土地が手に入る」ということで、多くの業者が群がった。
・しかし、「私は、売るつもりはありませんから!」と、Sさんはビシッと断り、板長と仲居を置き、営業を続けてきたという。体調不良を理由に、東京都環境衛生協会に「会員を辞めます」と連絡してきたのは、4~5年前のことである。
・謄本が移動するのは、今年4月24日のこと。売買予約で千代田区永田町のIKUTAホールディングスに移り、同日、大阪市北区に本社を持つ積水ハウスに売買予約はさらに移っている。IKUTA社は窓口で、購入するのは積水ハウスということになる。坪単価は1000万円以上、「一団の土地」であることと、東京五輪を見越した都心一等地の値上がりで100億円にも達する物件の売買が成立目前だった。
・ところが、売買は成立しなかった。2ヵ月後の6月24日、「相続」を原因に都内大田区の2人の男性が所有権を移転。Sさんが亡くなったということだろう。7月4日に登記している。2人の男性はSさんの実弟だとされるが、売買予約がついた土地の所有権が、なぜ移転できたのか。
・「要は、トラブル案件であることを登記所が認めたということ。2人の男性の訴えを認めて相続登記したということは、売買予約で所有権移転の仮登記を打った2社の申請が、正規のものかどうかを確認するということでしょう。今後、訴訟になるのは避けられません」(不動産業界事情通) となると、「売買予約」は無効。カネを支払った積水ハウスは、Sさんの成りすまし女とそのグループに騙されたことになる。
▽15億円はどこに「消えた」のか
・当初、「売買予約は15億円。5億円が現金で10億円が預金小切手だった。一味は、山分けして既に、海外逃亡したものもいる」という情報が、この種の犯罪ネットワークには流れていた。だが、真偽は不明。なにしろ事件化前ということもあって警視庁から「口止め」されているのか、関係者の口は重かった。実際には、手付けどころが売買金額70億円のうち9割の63億円が支払われていたのだ。
・その事件性ゆえ、関係者の口は重い。IKUTA社の代表は女性だが、実際のオーナーは「生田姓」の男性。代表にもオーナーにも電話をし、メールで取材依頼をするが、応答はない。また、IKUTA社が事件当時、本社を置いていたのは小林興起元代議士の事務所だったが、こちらの取材には「登記上、事務所にしていただけです」(事務所)というばかりだ。
・売上高2兆円を誇る積水ハウスは、さすがに大阪本社広報部が対応したものの、「いろんなことを含めて、いま調査中で、お答えできません」と、要領を得なかった。だが、8月2日になってようやく騙されたことを明かしたわけだ。 積水ハウスの買値は70億円。ただ、これは地面師グループの指し値であり、100億円を超えてもおかしくはない。
・筆者は周辺を取材、成りすまし女の偽造パスポートを、五反田の複数の住民に見せたところ、同じ反応だった。 「似ても似つかない、別人だ。Sさんはもっと美人で、おっとりした女将さんタイプ。海喜館は3代続く旅館で、戦前、ここらは花街があったんでとても賑わった。戦災で焼けて、昭和24年頃に再建。結構、流行ったんだけど、最近はホテルに押されて客足が落ち、Sさんの体調もあって廃業した。
・いろんな不動産屋が買いに来たけど、親の代からの土地ということもあって、Sさんは売る気がなかったみたい。積水(ハウス)が騙されたということで、一時、警察(大崎署)が周囲を囲って調べたりしてたけど、どうなったのか。へぇー、(この写真の女が)成りすまし犯。怖い話だね」(Sさんと交流のあった住民)
・地面師グループにとって、表に立ってリスクを負う成りすまし犯は重要な役割を担ってはいるが、しょせん使い捨てである。事実、「池袋のK」も、既に、東京を離れているし、今回、「面」が割れたことにより、二度と、同じ犯罪はできない。この種の成りすまし犯に支払われるのは数百万円が相場だという。
・では、情報が事実だとして、63億円はどのように分配されたのか。 「情報は錯綜していますが、K、D、M、Fなどを中心とする名うての地面師グループが関わっているようです。既に換金しただけに、連中のなかには、億ションを買った、高級外車に乗り換えた、女を囲った、と派手に散在(正しくは「財」)している者もいるそうです。逮捕されれば5年、10年と懲役を覚悟しなければならず、刹那的に遊ぼう、ということなのでしょう」(前出の事情通)
・地面師犯罪は繰り返されているが、これだけ巨額の物件はマレ。積水ハウスの担当者が、この件に責任を感じてか自殺をしたなどの説も出てくるなど、解明はこれからだ。この種の詐欺事件を繰り返させないためにも、警視庁は総力を挙げて、“怪奇館”事件を立件すべきだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52480

次に、闇株新聞が8月4日付けで掲載した「積水ハウスが嵌まり込んだ海喜館の怪」を紹介しよう。
・大手住宅メーカーの積水ハウスが8月2日午後4時、「分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして」なるIRを発表しました。 分譲マンション用地を70億円で購入したものの、所有者側の提出書類が真正なものではなく当該登記申請が却下され、以降、所有者と連絡が取れない状況に至ったというものですが、驚くべきことはすでに購入代金のうち63億円が支払い済みだったところです。
・要は積水ハウスが、その土地の所有者でもなんでもない「なりすまし」が提出した偽造のパスポートや印鑑証明などを見抜けず売買契約を締結し、手付金や購入代金を騙し取られたという典型的な「地面師」の事件です。
・地面師とは、ハコ師(すり)やゴト師(パチンコのイカサマ師)などと同じもう絶滅種に近い古典的詐欺師ですが、実は昨年あたりから結構あちこちで暗躍しています。ただ地面師に新規参入者がいるわけではなく、だいたい昔からの地面師がどこからともなく現れてグループを組み、またどこかへ消えてしまう繰り返しのようです。
・この積水ハウスを嵌めた「地面師」グループも、実はもうほとんど特定されており実名もわかっていますが、捜査の妨害にならないようにここではすべての登場人物をイニシャルとします。また「地面師」グループには弁護士も司法書士も関与しているものですが、通常は「私も騙された」と逃げ切ってしまいます。
・ただ今回のようにここまで綺麗に成功し、しかも購入代金のほとんどを騙し取られるケースはほとんどなく(というより通常の注意力で取り引きを行えば絶対に起こりえません)、もう少し「奥行きが深い事件」である可能性もあります。
・積水ハウスのIRでは具体的な取引内容がほとんど明らかにされていませんが、「舞台」は都内・五反田の目黒川沿いにある約600坪の土地で、数年前まで海喜館という旅館がひっそりと営業していました。土地の形状は長三角形で両側道路が狭く容積率がそれほど大きくならない可能性もありますが、JR五反田駅から徒歩3分で眺望もよくマンション用地として70億円は妥当な価格だと思われます。
・ところがこの土地は過去に何度も「地面師」が暗躍した有名物件でもあり、だから大阪の積水ハウスが巻き込まれたのかもしれません。 この土地の所有者は海喜館の女将でもあったEさんですが、実はこのE一族はこのあたりの大地主で(一族間の主導権争いも結構有名ですが)、このEさんの自宅もすぐ近くにあります。つまりEさんの「なりすまし」は、本物のEさんのすぐ近くで仕事をしていたことになりますが、積水ハウスがほんの少し確認作業を行っていれば未然に防げたはずです。
・そして本年4月24日、この土地にIKUTA HOLDINGSなる会社が所有権移転仮登記、積水ハウスが2番所有権移転請求権の移転請求権仮登記を、それぞれ登記しています。当事者が売買契約しているならわざわざこんな仮登記を打つ必要はなく、当時から都内の不動産業者の間では不自然だと言われていました。  このIKUTA HOLDINGSは実体のない完全なペーパーカンパニーで、なんとその登記住所が某元国会議員の事務所となっていました。これも積水ハウスが通常の確認作業を行っていれば未然に防げたはずです。
・そして決済日の6月1日、積水ハウスは自社の司法書士が登記書類を持ち込んだことだけを確認して、売買代金70億円の大半(たぶん63億円で残る7億円は登記完了後だったはず)を支払ってしまったはずです。これも常識では考えられない支払い条件ですが、この時点の積水ハウスは「なりすまし」所有者の気が変わることだけが心配で(そういう演技をしていたのでしょう)、上記の仮登記が逆に安心のよりどころだったのでしょう。
・そして積水ハウスは6月9日に法務局から登記申請却下の連絡を受け、さらに6月24日には自社が購入したはずの土地が2人の男性に相続登記されている事実を知り、ようやく騙されたとわかったものの公表せず、8月2日にやっとその一部だけをIRしたことになります。 相続登記ということは本物の所有者であるEさんは(たぶん契約日には)亡くなっていたはずですが、相続した2人の男性もE姓ではなく不気味さが残ったままです。ここもまだ「奥行きが深い事件」である可能性はあります。
・事件そのものは「なりすまし」のK(女性)、主犯格の別K、D、Iなどはすでに特定されており、国外逃亡していてもそれほど遠くない時期に逮捕できるはずです。しかし63億円は絶対に戻ってきません。
・さてここから注目すべきは積水ハウスの今後の対応で、もし「再発防止のための第三者委員会の設置」くらいでお茶を濁して事件の真相をこれ以上公表しないのであれば、逆にもっと「奥行きが深い事件」だった可能性が強くなります。 何度も書いているように、いくら百戦錬磨とはいっても通常の「地面師」だけではここまで綺麗に仕上げられないからです。
・さて本日は緊急アンケートでリクエストが多かった「積水ハウスが嵌まり込んだ海喜館の怪」としましたが、来週早々にはもう1つの「ビットコインの分裂騒動でわかったこと」も書くことにします。 たくさんのリクエストありがとうございました。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2060.html

なんとも奇怪な事件である。第一の記事では、物件の海喜館や元のオーナーSさんなどの背景となる事情は、理解できたが、肝心の63億円の支払いの事情がさっぱり分からない。
闇株新聞では、 『当事者が売買契約しているならわざわざこんな仮登記を打つ必要はなく、当時から都内の不動産業者の間では不自然だと言われていました』、 『決済日の6月1日、積水ハウスは自社の司法書士が登記書類を持ち込んだことだけを確認して、売買代金70億円の大半(たぶん63億円で残る7億円は登記完了後だったはず)を支払ってしまったはずです。これも常識では考えられない支払い条件ですが、この時点の積水ハウスは「なりすまし」所有者の気が変わることだけが心配で(そういう演技をしていたのでしょう)、上記の仮登記が逆に安心のよりどころだったのでしょう』、との説明で支払いの事情については、かろうじて理解できた。積水ハウス側については、 『この土地は過去に何度も「地面師」が暗躍した有名物件でもあり、だから大阪の積水ハウスが巻き込まれたのかもしれません』、 『今回のようにここまで綺麗に成功し、しかも購入代金のほとんどを騙し取られるケースはほとんどなく(というより通常の注意力で取り引きを行えば絶対に起こりえません)、もう少し「奥行きが深い事件」である可能性もあります』、 『Eさんの「なりすまし」は、本物のEさんのすぐ近くで仕事をしていたことになりますが、積水ハウスがほんの少し確認作業を行っていれば未然に防げたはずです』、 『このIKUTA HOLDINGSは実体のない完全なペーパーカンパニーで、なんとその登記住所が某元国会議員の事務所となっていました。これも積水ハウスが通常の確認作業を行っていれば未然に防げたはずです』、など手厳しく指摘しており、 『「奥行きが深い事件」だった可能性』と、同社が単純な被害者ではない可能性を示唆している。今後の取り調べによる解明を期待したい。
タグ:旅館 積水ハウス 相続登記 企業不祥事 現代ビジネス JR五反田駅 闇株新聞 伊藤 博敏 (その13)積水ハウス事件1(63億円をだまし取った「地面師」の卑劣な手口、嵌まり込んだ海喜館の怪) 積水ハウスから63億円をだまし取った「地面師」の卑劣な手口 実行犯の「偽装証明書」を入手した 70億円の土地取引において事件が発生、捜査当局に刑事告訴 東京・五反田の一等地約600坪に発生した地面師事件 所有権者の知らない間に、本人確認用の印鑑登録証明証、パスポートなどが偽造され、それを利用した「成りすまし犯」が手付金を受け取っていた 成りすまし犯以外は、すべて「善意の第三者」を装うことができること 、所有権者のSさん(73)に成りすました女が犯人である。過去にもこの種の事件に関係したことがあるということで、事情通の不動産関係者の間で「池袋のK」と呼ばれている 山手線徒歩3分という絶好地に、約600坪が「一団の土地」としてまとまっており 所有権者はSさんである 、「私は、売るつもりはありませんから!」と、Sさんはビシッと断り、板長と仲居を置き、営業を続けてきたという 体調不良を理由に、東京都環境衛生協会に「会員を辞めます」と連絡してきたのは、4~5年前のことである 売買予約で千代田区永田町のIKUTAホールディングスに移り、同日、大阪市北区に本社を持つ積水ハウスに売買予約はさらに移っている 「相続」を原因に都内大田区の2人の男性が所有権を移転 。2人の男性の訴えを認めて相続登記したということは、売買予約で所有権移転の仮登記を打った2社の申請が、正規のものかどうかを確認するということでしょう 売買予約は15億円 売買金額70億円のうち9割の63億円が支払われていたのだ IKUTA社が事件当時、本社を置いていたのは小林興起元代議士の事務所 地面師グループ 地面師犯罪は繰り返されているが、これだけ巨額の物件はマレ 積水ハウスが嵌まり込んだ海喜館の怪 積水ハウスが、その土地の所有者でもなんでもない「なりすまし」が提出した偽造のパスポートや印鑑証明などを見抜けず売買契約を締結し、手付金や購入代金を騙し取られたという典型的な「地面師」の事件 「地面師」グループも、実はもうほとんど特定されており実名もわかっていますが 今回のようにここまで綺麗に成功し、しかも購入代金のほとんどを騙し取られるケースはほとんどなく(というより通常の注意力で取り引きを行えば絶対に起こりえません)、もう少し「奥行きが深い事件」である可能性もあります ところがこの土地は過去に何度も「地面師」が暗躍した有名物件 大阪の積水ハウスが巻き込まれたのかもしれません Eさんの「なりすまし」は、本物のEさんのすぐ近くで仕事をしていたことになりますが、積水ハウスがほんの少し確認作業を行っていれば未然に防げたはずです IKUTA HOLDINGSは実体のない完全なペーパーカンパニーで、なんとその登記住所が某元国会議員の事務所となっていました。これも積水ハウスが通常の確認作業を行っていれば未然に防げたはずです 「再発防止のための第三者委員会の設置」くらいでお茶を濁して事件の真相をこれ以上公表しないのであれば、逆にもっと「奥行きが深い事件」だった可能性が強くなります
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