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外国人労働者問題(その10)(外国人技能実習生「怪死」にチラつく“反社会的勢力”の影、「改正入管法」成立がこれまでの法案強行とは大違いな理由、改正入管法による外国人受け入れはブラック企業を延命させる) [経済政策]

外国人労働者問題については、12月5日に取上げた。今日は、(その10)(外国人技能実習生「怪死」にチラつく“反社会的勢力”の影、「改正入管法」成立がこれまでの法案強行とは大違いな理由、改正入管法による外国人受け入れはブラック企業を延命させる)である。

先ずは、12月15日付け日刊ゲンダイ「外国人技能実習生「怪死」にチラつく“反社会的勢力”の影」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243746
・『今月8日に成立した改正入管法を巡り、早速、不穏な空気が漂ってきた。13日、立憲民主党などの野党議員らが、外国人労働者の就労についてヒアリングを実施。法務省が新たに提出した資料で、2010~17年に死亡した技能実習生が174人に上ることが判明したものの、不可解な死因が多すぎる。安倍首相は国会審議で、技能実習生が亡くなっていることについて「答えようがない」とスットボケたが、そんな開き直りは許されない。技能実習生の死を巡るナゾが解明されていないからだ。 「溺死が多い。不審死ではないか」――。13日のヒアリングに出席した議員からは、こんな指摘が相次いだ。 実際、法務省が提出した資料によると、174人中24人が溺死している。 中には、<海水浴場で遊泳中に死亡><同僚と海水浴中に潮に流され溺死><東日本大震災後、避難中に津波により溺死>など、事故とみられる事案もあるが、一方で、死亡した理由の分からない<溺死>は14件にも上る。この数字は、日本人の溺死者数と比較しても異常だ。 厚労省が毎年公表している「人口動態統計」によると、10~17年において、日本人の総死亡者数に対する<不慮の溺死及び溺水>の割合は、わずか0.6%。一方、法務省提出の資料に基づく同じ期間の技能実習生の<溺死>の割合は、13.8%である。 要するに、日本人の<溺死・溺水>よりも、技能実習生の<溺死>の割合がはるかに高く、野党議員らが技能実習生の溺死について「不審死じゃないか」といぶかって当然なのだ』、確かに異常に高い割合だ。
・『外国人労働者を守る労組を「海に沈める」と恫喝  加えて、驚いたのは、ヒアリングで技能実習制度の裏で暗躍する「反社会的勢力」の存在が指摘されたことである。 中部地方に工場のある国内大手電機メーカーが外国人3000人をクビにしたことに抗議している労働組合職員が、メーカーに外国人を斡旋した下請け企業から「海に沈めてやる」などとドーカツされたというのだ。この下請け企業は、派遣事業を手掛ける「ブローカー」として活動しているとみられる。 嫌がらせを受けた労組は先月末、ブローカー側を告発。本紙が入手した告発状によると、被告発人の1人は、労組関係者を名指しして「いつまで生きるんか」「ワレ! ナメトンノカ!」「入院したら見舞いに行かしてもらうでの、酸素マスク、イゴカシ(動かし)に」などと何度も電話で恐喝したという。さらに、告発状には、ブローカー側が<(労組が)手を引かないのであれば、会社組織とは異なる「うちの若い衆」「皆」(反社会的勢力)を行かせ、酸素マスクをつけざるを得ないような事態に追い詰めるという脅しを繰り返した>と書かれている。事情を知る関係者がこう言う。 「このブローカーは、一見すると反社会的勢力とつながっていない。しかし、何らかのトラブルが持ち上がると、反社会的勢力が“ケツモチ”になっているとほのめかしているようです。こうした悪質なブローカーが外国人の労働派遣事業を仕切っているせいで、まともな会社が参入できないといいます」 大手企業の下請けで反社会的勢力が絡んでいる可能性が高いというだけでも驚きだが、ドーカツされたのは労組にとどまらないという。 「長時間労働や賃金に対して不満を言う外国人がいると、彼らの母国語を話せる日系人の“半グレ”を雇って脅しているようなのです」(野党関係者) 外国人の労働現場にチラつく反社会的勢力の影と技能実習生らの「怪死」――。このままウヤムヤにしてはダメだ』、技能実習生をめぐる闇は相当深そうだ。こんな悪質なブローカーは直ちに締め出すべきだろう。

次に、立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏が12月11日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「「改正入管法」成立がこれまでの法案強行とは大違いな理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/188021
・『単純労働分野での外国人労働者の受け入れを認める「改正出入国管理法」が、参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決した。今国会での、「改正入管法」の審議時間は、衆参両院の法務委員会で合計38時間にとどまった。例えば「安全保障法制」の時に衆参両院で合計216時間の審議を行ったことなどと比べると、安倍政権下の重要法案の審議の中でも、非常に短い審議時間だった。 「改正入管法」は、日本の入国管理政策を大転換させるだけでなく、社会そのものを大きく変える可能性があり、その重要性は「安保法制」と変わらない。だが、安倍晋三政権は、新しい制度の詳細な設計は、関係省庁で法律成立後に行い、国会審議が必要ない「政省令」として定めるという』、ここまで政省令に委任する法律というのも、恐らく前代未聞だろう。
・『安倍政権の重要法案「無修正」成立は野党が招いてきた  この連載では、安倍政権の重要法案の審議について、主に野党側の姿勢を批判してきた。安倍首相「一強」の政権運営が批判されているが、それは現在の野党側の政治家が若手だった頃に中心となって推進してきた、1990-2000年代の政治・行政改革による首相官邸機能強化の成果だからだ。(本連載第115回(上)・P.3)。 英国流の議会制民主主義「交代可能な独裁」の実現を望んだのは、野党側である。あえて皮肉たっぷりにいえば、それを安倍首相が実行していることは、批判すべきことではなく、自らの成果と誇るべきである。野党側は、安倍首相が在任中になにを決めようとも、選挙に勝って政権を奪い、すべてひっくり返せばいい。そういう制度設計をしたのは、当時、改革に消極的だった自民党よりも、野党側だったのだ(第115回(上)・P.2)。 一方、この連載では安倍政権の重要法案が、さまざまな問題を抱えたまま「無修正」で成立してしまうことも問題だと批判してきた(第189回)。例えば、「テロ等準備罪(共謀罪)法」の審議では、この法律で処罰対象となる277の犯罪が決められたが、そのうち「テロに関する罪」は110しかなかった。国民の大多数が、これに不安を思っていたのは明らかだった。だが、それらは1つも削られることがなく、法律は成立してしまった(第160回)。 この責任は、反対一辺倒で、法案を廃案に追い込む国会戦術をとった野党側にある。国政選挙5連勝によって、衆参両院で圧倒的多数を誇る安倍政権が提出した法案が成立することには「民主的正統性」があり、当然である。廃案に追い込むというのは、現実的ではない。 野党は、国会の外をデモが取り囲んでいるから法案を撤回しろというが、おかしなことだ。デモに出ている人たちの「声」は大きいが、日本の大多数が同じ考えだとは限らない。むしろ、安倍政権の長期間に渡って安定した内閣支持率をみると、「声の小さな」静かな人たちこそ、「サイレント・マジョリティ」なのではないだろうか(第162回)。 少なくとも、「声の大きい人たち」が多数派と客観的に判断できないのだから、選挙に勝って多数派を形成している政権の意思が通るべきだ。デモを優先しろというのは、「立憲主義を守る」とは真逆であり、むしろ「議会制民主主義」を冒涜するものだと思う(第158回)』、確かに野党にも一端の責任はあるが、多数派を形成すれば何をやってもいいというのは「数の暴力」だ。選挙でマニュフェストに掲げた政策を実行するのではなく、その他の飛んでもない法案まで委任されたというのは暴論だ。
・『白紙委任で通せという安倍政権は「交代可能な独裁」の許容範囲を超えた  だが、今回の改正出入国管理法案の国会審議は、これまでの安倍政権の重要法案の審議とは、全く異っているのではないだろうか。これまで野党は、国会審議で一貫して「リスク」の存在を主張してきた。「特定秘密法」や「テロ等準備罪(共謀罪)法」には、ジャーナリストや民間人の弾圧につながるリスクがあった。「安保法制」には日本が戦争に巻き込まれるリスクや、憲法改正から軍拡路線につながるリスクがあった。 今年成立した、「働き方改革」には長時間労働、過労死を増加させるリスクがある。「IR推進法」でギャンブル依存症を増やすリスクがある。野党は、これらのリスクがゼロでなければ、なにも変えてはならないと主張してきた(第189回)。 だが、安倍政権は、野党の追及にしどろもどろになりながらも、答弁を続けた。野党の主張は理解を得られず、安倍政権への一定の支持につながっていた。戦後「平和国家」であることを謳歌できた時代であれば、野党の主張も理解できた。だが、現在は北朝鮮の核ミサイル開発や中国の海洋進出が国民の懸念となり、ドナルド・トランプ米大統領は「アメリカファースト(米国第一主義)」を標榜し、「世界の警察をやめる」と言っている(第181回・P.4)。日本が自らの国を守る備えをする必要があるのは間違いない(第180回)。 また、世界中に広がるテロの脅威から、日本が無縁でいられるわけがない。なんらかのテロ対策が必要なのは言うまでもない。そして、グローバルな競争が激化する中、働き方の多様化や外国のお金を日本に引き込むことで競争力を強化することも必要だ。 要は、リスクがあるから何もしない、リスクがなくなるまで新しい政策の実行を認めないというのは、厳しい国際情勢が許さない。そして、さまざまなリスクがあっても、必要な政策には取り組むという姿勢を、安倍政権は一応見せてきた。それは、コアな左派支持者を除けば、国民に一定の理解を得られてきたのだろう。 だが、今回の「改正入管法」の国会審議では、安倍政権の姿勢が明らかに変化した。中身を詰めた法案を出してくるのではなく、細部は法律成立後に政省令で定めると説明し、中身のない法案を提出したのだ。そして、野党がなにを質問しても、政権側は「検討中」と繰り返し答えた。これまでのような、しどろもどろでも答弁しようとする姿勢すら捨てたのだ。安倍政権に「白紙委任せよ」と求めるに等しいもので、さすがにこれは、「交代可能な独裁」の許容範囲を超えてしまったのではないか』、最後の部分に関しては、その通りだ。
・『中身のない改正入管法の白紙委任は「保守派」と「業界団体」の板挟みが生んだ  なぜ、安倍政権は「改正入管法」の成立をこれほどまでに急いだのだろうか。メディアの指摘では、来年7月の参院選での支持拡大のために、人手不足に悩む建設や介護といった業界団体や地方の要望に応えたいからだという。 だが、選挙対策以上の、難しい理由があるように思う。「改正入管法」と、これまでの安倍政権の重要政策の違いは、野党に反対されるだけではなく、安倍政権のコアな支持層である「保守派」からも批判されていることだ(第144回)。 「改正入管法」は、これまでのように野党の厳しい追及に対して、しどろもどろの答弁をしていると、保守派から突き上げを受けて自民党内で議員たちが動揺し始める懸念がある。ただでさえ、「安倍政権の左傾化」と、保守派の不満が高まっている(第197回・P.5) 安倍首相は、参院選を控え、党内の動揺は絶対に避けたい。自民党総裁選で思いのほか石破茂氏に票が流れた時、首相は「真摯に受け止めて」、側近の甘利明氏を選対委員長に、加藤勝信氏を総務会長に起用し、参院選に向けて党内や地方組織から二度と批判が出ないように厳しく引き締める体制をとった(第194回)。「白紙委任」の法案を出して、国会での審議を行わず、速攻で通したことも同じ考えだろう。野党よりも保守派から批判が出てくることを避けたかったのだ。 要するに、「改正入管法」は、自民党の支持層である業界団体や地方の要望に応えたものである一方で、同じく自民党の支持層である保守派の反発を受ける可能性があるという、これまでの重要法案にない難しさを抱えている。それに加えて、来年7月での参院選の勝利という時間的な厳しさがある。その難題に対する安倍政権の「解」が、「白紙委任」の法案を即座に通してしまうという、粗っぽい国会運営だったといえる』、「野党よりも保守派から批判が出てくることを避けたかったのだ」というのは、今回の乱暴な国会運営の謎を見事に解き明かしている。
・『外国人技能実習生の人権問題が白日の下に 自民党は曖昧な妥協をするのが難しくなった  この連載では、「全体主義」「共産主義」など他の政治体制にはなく「民主主義」だけが持つ「凄み」を論じてきた。それは端的に言えば、さまざまな政治・行政の間違いや、混乱が国民にオープンであることによって、そこから学び、修正できることである(第198回)。 もはや「交代可能な独裁」さえも逸脱してしまった安倍政権の国会運営だが、「民主主義の凄み」が発揮されていないわけではない。「改正入管法」の国会審議や、それを報じるマスメディアを通じて、単純労働者の外国人を受け入れるには、さまざまな問題があることを、国民が知ることになったからだ。 例えば、上久保ゼミの学生が2年前から研究し、批判をしてきた「外国人技能実習生」の人権侵害の問題だ(第197回)。この問題は、2年前にはほとんど世の中に顧みられなかった。だが、今国会の攻防を通じて、国民が広く知ることになったことは大きい。 特に、法務省の資料を通じて、外国人技能実習生は、2015~17年の3年間に69人が死亡し、そのうち6人が自殺し、殺害された人も4人いたことが判明したことは、国民に衝撃的な事実として受け止められた。 繰り返すが、今後「改正入管法」の細部については、各省庁で内容が詰められて、政省令として定められることになる。おそらく安倍政権は、各省庁での検討に自民党政調会の「族議員」を絡めて、実際に外国人の単純労働者を雇用することになる中小企業などの意向を吸い上げていくつもりだっただろう。 例えば、菅義偉官房長官は、「外国人労働者の賃金を日本人並みにする」と発言している。しかし、そういう検討事項は、各省庁・自民党政調会の間で曖昧に決められていくはずだった。中小企業は人手不足に悩んでいても、経営を圧迫する「日本人並み」の賃金など、外国人に払いたくないからだ。 そもそも、「日本人並みの賃金」とは、どういう水準の賃金を指すのか全く不明だ。おそらく、中小企業が自民党政調会に陳情すれば、「日本人並みの賃金」の解釈は曖昧になり、さまざまな特例が設けられ、結果として「日本人の給与を下げていく」方向に向かうはずだ。それで外国人と日本人の給与水準は同じだということになる。そういう曖昧な妥協を積み重ねていくことで、中小企業の票を確保し、保守派の不満を和らげるつもりだったはずだ。 しかし、外国人技能実習生の人権問題など、さまざまな問題を国民が知ったことで、今後各省庁や自民党政調会での政省令の検討に対して、国民の厳しい視線が向けられることになるだろう。 日本国民が「民主主義の凄み」を発揮して、外国人単純労働者の人権を守る制度が構築されるよう、安倍政権を厳しくチェックすることを望みたい。そうでなければ、中国、韓国、台湾などとの人材獲得競争に敗れて、日本には思ったほど外国人単純労働者は来てくれないことになる(第197回・P.4)』、「日本国民が「民主主義の凄み」を発揮」したことなどあっただろうか。すぐに忘れ去られてしまうのがオチだ。政治学教授の割には、甘い期待に逃げ込んだ印象だ。
・『「移民政策」は「国家百年の計」として考えるべき  少子高齢化の進行による人口減少問題の「標準療法」は、「移民を入れる」という政策以外にありえない。それは確かに、ある種のリスクを伴うものだが、それ以外の治療法はないと考えた方がいい。 移民を入れたくない保守派などは、いろいろな理屈をこねて、移民は必要ないという。だが、それらはすべて「非標準療法」でしかなく、現実的ではないものである。例えば、保守派は少子化を解決するには、日本伝統の「家族」を復活させるべきだという。しかし、それは「キノコを飲めばガンが治る」という類の「迷信」だということだ(第189回)。 安倍首相が、「移民政策」であることが明らかなものを「移民政策ではない」と強弁し、外国人労働者を「単純労働力」としかみなさず、人権を保障しない上に、家族の定住も認めないような制度を作り、外国人労働者受け入れどころか、「外国人排斥」のイメージを世界中に打ち出して、結局誰も日本に来なかったということになってはならない。そうなれば、日本は間違いなく衰退する。「国家百年の計」を誤らないよう、すべての政治家、すべての日本国民に求めたい』、「人口減少問題の「標準療法」は、「移民を入れる」という政策以外にありえない」とまで断言しているが、私はそうは思わない。どちらかといえば、第三の記事に近いが、労働力不足はAIなどにより長期的には解消する可能性があるし、短期的にも省力化投資や産業構造の変革で乗り切ってゆくべきと考える。「日本伝統の「家族」を復活」などという極端な批判ではなく、もっとまともな批判にも答えてもらいたかった。

第三に、経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏が12月12日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「改正入管法による外国人受け入れはブラック企業を延命させる」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/188173
・『労働者ではなく「移民」として受け入れたい  外国人労働者を受け入れる枠組みとなる入国管理・難民認定法の改正案が12月8日に成立した。国会審議の過程では政府側に多くの不手際があったし、つたないながらも野党はこれを批判してそれなりの話題にはなったが、与党側が押し切って法案を成立させた。 審議は率直に言ってかなりお粗末なものだったから、「拙速」「強引」などいくらでも批判は可能だが、現実に法案は成立した。そして、早くも来年の4月から施行される。政府・与党としては、ともかく急ぐ必要があるとの判断を持っていたのだろう。 しかし、「人手不足なのだから、外国人労働者が必要なのは当然だ」という説は、「議論するまでもなく当然」なのだろうか。 国民にあっては、一人ひとりが異なる意見を持っていておかしくない。外国人を広く受け入れて日本に定着してもらうといいという意見もあれば、日本には外国人をあまり増やさない方がいいという意見もあるだろう。 政府は、高齢者や女性も働くことを期待しているのだし、ロボットやAIなどの技術の発達を促したいのではないのか。加えて、インフレ目標達成のためには賃金の上昇が必要だし、賃金上昇への特効薬は低失業率であり、それは企業の側から見ると「人手不足」の状態ではないのか。 筆者は、個人的には外国人移民受け入れ賛成の立場に立つが(多様な人がいるほうが面白そうではないか!)、反対側の立論がさまざまに可能であることが予想できるし、それぞれの議論に反論することが簡単だとも思わない。 一方、今回の改正入管法でどうしても気に入らない点が1つある。それは、日本に受け入れる外国人を単なる「労働力」として扱っているようにしか思えないことだ。 外国人の受け入れは国民の合意に基づくペースであってもいいが、彼らを家族の帯同も許さずに一時的な就労の後に帰国させることを前提とする「一時的で安価な労働者」として扱うのでは非人道的であり、国として品性下劣に思える。 日本に来ることを望む外国人を受け入れるなら、日本に家族も含めて定着してもらって我が国の社会に多様性をもたらす「移民」として受け入れることとして、その上でどのような条件の人を、どれだけ受け入れられるかを検討したい。 安倍晋三首相は、今回の法案は「移民」の受け入れではないと言っているのだが、意図するところが分からない。外国人を単なる「労働力」として受け入れるよりも、きちんと「移民」として受け入れる方がずっとまともな国であり、社会でもあると思う。 もちろん、年金や健康保険などの社会保障制度、日本語や職業などの教育施設などを整備しつつ、対応可能な範囲で責任を持って受け入れるのだ』、「個人的には外国人移民受け入れ賛成の立場に立つ」というのは私とは考え方が異なるが、受け入れる場合には、「きちんと「移民」として受け入れる」というのはその通りだ。
・『改正入管法はブラック企業延命策だ  今回の特定入管法の改正状況を見ると、端的に言って、「特定技能1号」と認定した「ある程度の日本語ができる外国人労働者」を、一時的に(最長5年で)使い回すことができるような枠組みを作って、人手不足がある分野に都合よく供給したいと思っているようにしか見えない。 家族の帯同と、無期限の滞在が可能な「特定技能2号」については、枠組みを作るだけで、判定条件もどの業界が受け入れるのかも当面検討されていない。 悪名高い技能実習生(最長5年)を、労働力として延長して使う方便が必要だと判断したのかもしれないが、ずいぶん露骨な進め方だ。 働ける期間に制限がある点で、彼らの身の上は日本人の非正規労働者よりも条件が悪い。改正入管法が今後生み出す「特定技能1号」の外国人労働者は、外国人留学生のアルバイトよりも余計に働けるが、日本人の非正規労働者よりも条件が悪い「非正規の下」的な労働力供給源となる可能性がある。 国会における政府側の答弁では、外国人労働者の賃金が日本人労働者よりも低くならないようにすると言っているのだが、そのチェック方法も違反を抑制する具体的な手段も提示されていない。外国人と日本人の労働の成果をどう評価し、外国人の賃金が同等以下でないことを判断するのだろうか。 加えて、仮に外国人労働者の賃金が、同等の労働を提供する日本人よりも安くない(同じあるいはより高くなる)ように保つとしても、労働力の供給が増えるのだから、日本人労働者の賃金に対して下方圧力が増すのは当然の理屈だ。雇い主は、労働者を十分採用できる範囲において、日本人に対しても外国人に対しても賃金を下げることができる。 外国人労働者が利用可能ではない方が、日本人労働者の賃金はより上がりやすくなる。この理屈は動かしがたい。特定技能1号の外国人労働者と競合する日本人労働者は怒ってもいい。 低賃金が十分に改善されていない業界・企業に特定技能第1号の外国人を使わせることは、低賃金で労働者をこき使うビジネスモデルのいわゆる「ブラック企業」を蘇生、あるいは延命させることにつながりかねない』、正論で、同意できる。
・『インフレ・賃金と外国人労働者  建設、介護、小売り、飲食など多くの分野で、経営者たちは確かに人手不足を実感しているだろう。この場合、彼らが第一に考えるべきことは、労働者に支払う賃金を引き上げることだ。 少々、書生論的だが理屈を言うと、例えば銀行員が余って介護職員が足りない場合、後者の賃金が上昇して、銀行員から介護職への労働者の移動が起こることによって産業間の労働需給は調整されるはずだし、介護の労働の価値が経済的により高く評価される。 もちろん、ある分野の労働者が、賃金が高くなったからといってすぐに別の分野で働けるわけではないのだが、賃金の変動に全く影響がないわけではない。賃金の上昇以前に、外国人労働者を入れて、賃金上昇が阻害されるのでは、その分野で既に働いている労働者がかわいそうだ。 もちろん、政府のやることに対して直接口を出すことはないだろうが、「2%」のインフレ目標達成に向けて賃金が上昇することが望ましい日銀としても、改正入管法が労働市場と賃金の動向に今後どう影響するかについては気を揉んでいるだろう。 要するに、賃金の十分な上昇がない状態で、特定技能1号の外国人労働者を人手不足解消の足しになるほど大量に受け入れることは時期尚早だ。また、外国人は人間らしい条件で受け入れるべきであり、つまりは特定技能2号に相当する人の定義と受け入れ数、受け入れ条件こそを先に検討すべきなのだ。 低賃金の外国人労働者を使いたがる企業や、そうした外国人労働者をディールして儲けようとする人材ブローカーのビジネスへのサービスを考えるのは、後回しにするべきだ』、説得力があり、その通りだろう。
・『歯止めがない法律の不安  今回の改正入管法は、過剰に融通無碍である。『読売新聞』の記事(12月9日朝刊2面「制度の功罪検証必要」。政治部次長・東武雄氏の署名)のカウントによると、今回の改正法の条文には「法務省令で定める」との文言が約30あるという。 一般的な心配を言うと、内容に歯止めがないザル法で何が起こるか心配だということになる。一方、非現実的なくらい好意的に言うなら、政府の判断で素晴らしい運用がなされる可能性がないとは言えない。率直に言うなら、今後国会で審議される法律が、このような「ゆるゆる」のものでないことを願いたい。 例えば、受け入れ業種と人数も決まっていないし、受け入れ停止の条件も決っていない。関係分野を担当する役所が「必要とされる人材は確保された」と認めた場合、法務省に対して在留資格認定証明書の交付停止を求める手続きを取ることになっている(形式上は所管大臣から法務大臣に手続きを取る)』、森友・加計問題で、中央省庁に対する信頼感が地に落ちたなかで、彼らに一任する法律は危険極まりない。
・『チェックとコントロールが重要  外国人を「労働力」としてしか見ていないことが分かる粗末な仕組みだ。仮に、ある業種で大量の外国人を受け入れた場合、自治体などの負担がどうなるのか、社会保険への影響はどうなのか、さらには在留資格が切れた場合に出身国に送還できるのかなど、多くの心配が残る。 関係業界の労働者や自治体などにとっては、「多く入り過ぎ」が心配だろうし、原理的には「少な過ぎ」も起こり得る。 技能や日本語の試験の実施要領も決まっていないし、合否の基準も、基準を設定する考え方も未定だ。 また、「日本人と同等以上の給与」と首相は言ったが、それをどうチェックして、どのように担保するのかも未定だし、仮に「同等以上の給与」が実現しても、経済原理的には日本人労働者の給与に対する下押し、あるいは上昇抑制要因になることは前述の通りだ。 いずれも重要な問題だが、具体的には役所同士で決めることになる。今回のように馬鹿馬鹿しいやり取りであっても国会で審議されると、まだしも問題が国民の耳目に入りやすいが、国民がこれらの問題をチェックしコントロールすることはなかなか難しい。しかし、あきらめずに状況を把握し続ける事が重要だろう』、最後のまとめは、やはり「甘い期待」にならざるを得ないのだろうが、筆者の「苦しさ」がにじみ出てくるようだ。
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