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自動車(一般)(その2)(フォードが本拠の北米で「セダン」を捨てざるを得ない事情、日産に漂うホセ・ムニョスの亡霊 米中の不振続く、トヨタ「ガラパゴスHV」に危機感 電動化技術を開放、ベンツ BMW アウディに吹き始めた逆風の正体 米中貿易戦争、罰金 先進化対応など課題山積) [産業動向]

自動車(一般)については、昨年3月20日に取上げた。1年以上経った今日は、(その2)(フォードが本拠の北米で「セダン」を捨てざるを得ない事情、日産に漂うホセ・ムニョスの亡霊 米中の不振続く、トヨタ「ガラパゴスHV」に危機感 電動化技術を開放、ベンツ BMW アウディに吹き始めた逆風の正体 米中貿易戦争、罰金 先進化対応など課題山積)である。

先ずは、ジャーナリストの井元康一郎氏が昨年6月12日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「フォードが本拠の北米で「セダン」を捨てざるを得ない事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/172176
・『アメリカのデトロイト3の1社、フォードは「流れ作業方式」による世界初の量産乗用車「Tタイプ」を生み出した由緒正しい企業だ。そのフォードがなんとアメリカの乗用車(セダン)市場から撤退するという。その理由や背景には、何があるのだろうか』、1つの時代の終焉を思わせる出来事だ。
・『由緒ある米フォードがアメリカの乗用車(セダン)市場から撤退  米フォードがアメリカの乗用車市場から撤退――。 ゴールデンウイーク前の今年4月下旬、驚きのニュースが飛び込んできた。彼らのいう乗用車とは、4枚ドアのセダンモデルのこと。SUVやスポーツモデルは残しつつ、これまでの事業の柱の一つであったセダン/ハッチバック/乗用ステーションワゴンから手を引くのだという。 この話は投資家向けの第1四半期決算説明会で明らかにされたもので、ほぼ“本決まり”といえるだろう。流れ作業方式による世界初の量産乗用車「Tタイプ」を発売したのは1908年で、今年はそれから111年目にあたる。 そんな由緒あるフォードの北米乗用車撤退は、アメリカの自動車史において一つのマイルストーンになるくらいのドキュメントであることは間違いないところだ。 このニュースに触れた人の多くが当惑を覚えたことだろう。実際、当のアメリカでも本当にフォードはセダンモデルを捨てるのかという疑念の声が巻き起こっている。 確かにこのところ、アメリカの乗用車市場でセダン需要が縮小し、SUVへのシフトが起こっているのは事実だ。もともとアメリカの顧客は大きいクルマを圧倒的に好むものだが、そんな顧客の嗜好だけでなく、燃料価格が比較的安値圏で推移していること、およびトランプ大統領がCO2排出規制の厳格化を見送っていることなど、環境要因が大きく後押ししてのこと。 現在、アメリカ市場における乗用車セールス首位モデル「カムリ」の作り手、トヨタ自動車の幹部は「伝統的なセダンモデルが根本的に時代の流れに合わなくなり、将来性がなくなったと断定するのは早計。うちは顧客の消費動向や環境規制がどっちの方向に振れてもいいよう受け皿を準備する方針を維持する」と語る。 2017年は乗用車の販売が前年に比べて17%減と、セダン離れが一気に加速したが、それでも乗用車とライトトラックの販売比率はおおむね27:73。ライトトラックの1090万台に比べると見劣りするものの、乗用車の販売台数も激減してなお630万台以上。数字だけを見れば見捨てるにはもったいないようにも思える』、確かにずいぶん思い切った決断だ。
・『背景にあるのは投資ファンドの意向!?  そのアメリカの乗用車マーケットをフォードはなぜ捨てるのか。その背景にあるのは、利益率の低さに業を煮やした投資ファンドの意向だろうと金融業会関係者は言う。 「フォードの2017年の決算は、売上高こそ伸ばしたものの、本業での儲けぶりを示す営業利益率は壊滅的に低い数値に終わったのですが、その主因は北米主体の乗用車事業でした。そこを大株主に突かれ、決断を迫られた可能性が大きい。フォードの2大株主はヴァンガードとブラックロックですが、どちらも世界に知られた“肉食系”ファンド。今後の市場動向を立ち止まって様子見などという甘っちょろい経営を許すわけがない」 フォードは昨年、マツダの社長経験もあるマーク・フィールズCEO(最高経営責任者)が解任され、ジム・ハケットCEOが誕生した。投資グループからの突き上げはフィールズ政権時代からきつく、日本市場からフォードが突然退場したのもその結果と言われている。 経営不振による株価下落の責任を負わされる形でフィールズ氏がフォードを去る。その後継者には創業家一族のビル・フォード会長の覚えがめでたいハケット氏が選ばれた。 ハケット氏は2013年にフォードに取締役として招き入れられるまで、自動車ビジネスの経験はほとんどなかった。が、シリコンバレーとの人脈が豊富であることを生かし、フィールズ氏の下では自動運転のプロジェクトを拡充させるなどの実績を上げた。 フォード会長は世界の自動車業界のなかでも最も早いタイミングで、リテール売り切り型ビジネスからカーシェアリング型ビジネスへの転換を提唱するなど、スタートアップ型の性格。また株価へのこだわりも強く、株主還元を厚くできないビジネスを嫌う。その意味では投資ファンドとビジョンはほとんど変わらない。 投資ファンドやフォード会長の信任が厚いことを最大の政権基盤としているハケット氏に求められているのは、収益力を高めることと、サスティナビリティを確保することの2点に尽きる。不採算部門である乗用車をやめ、利益率の高いSUVやピックアップトラックに専念するというのは、収益力強化の点ではいちばん手っ取り早い方法ではある。 「マーク・フィールズさんのような根っからの“自動車屋”だったら、乗用車をやめるという決断をしたかどうか。自動車ビジネスにノスタルジーを感じない業界外の人物だったからこそ下せた決断だとは思います」(前出のトヨタ幹部)』、「投資ファンドの意向」は当然としても、フォード会長も支持しているということであれば、やむを得ない方向性なのだろう。
・『アメリカ市場では乗用車の収益性は極度に悪化  実際のところ、アメリカ市場で乗用車の収益性が極度に悪化しているというのは、フォードに限らず自動車メーカー各社が頭を痛めている問題だ。リテール(エンドユーザー向け販売)はきわめて低調で、大幅値引き販売に頼らざるを得ない。 個人向けカーリースの値崩れもすさまじい。Cセグメントセダンのホンダ「シビック」の場合、1ヵ月あたりの諸費用込み実勢価格は1万8000円ないし2万円強といったところ。新車価格を考えるとタダのような値段だが、これはまだ、ホンダの信用力をバックにしたマシな数字。ライバルメーカーではさらに激安で戦っているケースも珍しくない。自動車メーカーの決算を見ると、かつては頼みの綱であったアメリカ市場での利益の少なさが足を引っ張っているのが如実に見てとれる。 そのなかで救世主となっているのが乗用車ベースのSUV、さらにその上のライトトラック。まず販売台数が乗用車に比べて多い。フォードのピックアップトラック「Fシリーズ」は2017年、実に89万6000台も売れた。続いてGMのシボレー「シルヴァラード」が58万5000台、フィアット・クライスラーの「ラムピックアップ」が50万台。この3モデルが乗用車およびライトトラック市場の1、2、3位を占めている。 1台あたりの売り上げおよび粗利も大きい。人気の高いダブルキャブ(4ドア)はリースで1ヵ月あたり500ドル前後。リテール販売で5~6万ドルくらいはすぐ取れる。自重が大きいため製造コストもそれなりにかかるが、リンカーンやキャデラックなどが斜陽化した今、ライトトラックはデトロイト3にとってプレミアムセグメントに準じたビジネスとなっている。 単に高収益を目指すだけなら、「出来」のいい日本車やドイツ車などとの競合が厳しく、それらに勝ったとしても旨みが小さい乗用車を捨てて、そこに集中するというのは自然な選択でもあるのだ』、ユーザーの乗用車離れ、乗用車市場での「日本車やドイツ車などとの競合」を考えればやむを得ない決断だったのだろう。
・『本拠地で乗用車をやめることは“博打”のようなもの  だが、元フォードジャパン幹部は、本拠地アメリカで乗用車をやめることは、中長期的に見れば“博打”のようなものだと言う。 「フォードは欧州や中国など世界に拠点を持っているため、乗用車はそこでやればいいということなのでしょう。が、自動車メーカーというものは、生産は世界各国に散りばめることは簡単にできても、研究開発はやはり“お膝元”の力がモノを言う。そこが乗用車をやらなくなれば、他の地域のモデルについても影響が出る可能性がある。フォードはEV、自動運転の性能が早期に上がり、自動車メーカーのビジネススタイルが大きくチェンジすると読み、高収益ビジネスに集約してその時代が来るまでの時間稼ぎができれば十分だと考えているのかもしれません。その読みが当たればいいのですが、外れたときのバックアッププランには不安があると言わざるを得ない。2030年に世界のフォードでいられるのか、アメリカのローカルメーカーになってしまうのか、結構背水の陣を敷いているように見えます」』、「生産は世界各国に散りばめることは簡単にできても、研究開発はやはり“お膝元”の力がモノを言う。そこが乗用車をやらなくなれば、他の地域のモデルについても影響が出る可能性がある」というのは、確かに長期的な懸念材料だ。
・『正念場を迎えているデトロイト3  アメリカで乗用車からの撤退、ないしは大幅縮小という戦術を取るのは、フォードだけではない。GM、フィアット・クライスラーも同様だ。が、世界で初めて大量生産によって多くの人が買えるクルマを生み出したフォードがその決断に踏み切るというのは、やはり意味合いが特別だ。 実はデトロイト3は90年代にも転機を迎えていたことがある。ビル・クリントン大統領が当時のGM、フォード、クライスラー首脳を引き連れて来日し、日本にバイアメリカを迫ったことは有名だが、「その裏でアメリカは自動車産業はもはや高付加価値産業ではないとして基幹産業から外し、医療、食料、エネルギー、コンピュータサイエンスなど次世代産業へのシフトを目論んでいた」(経済評論家の故・梶原一明氏)という。 それから20年ほどの間、デトロイト3にとって良い時はほとんどなかった。今日、GMはすでにオペルを手放し、フォードも乗用車を手放そうとしている。加えてハケットCEOは収益性改善のために10%の賃金カットも表明しているが、すでにフォードの賃金はアメリカ人にとってまったく魅力のないレベルで、これ以上削減すると将来を切り開くための人材を集めるのも難しくなりかねない。 このまま縮小していくのか、それとも改革の痛みを乗り越えて再びモビリティの世界で新たな覇権を唱えることができるのか、フォード、そしてデトロイト3は今、正念場を迎えている』、T型フォードで一世を風靡した時代には、高賃金で自動車の購買力を高めたが、「10%の賃金カットも表明」するとは、もはやなりふり構っていられなくなったようだ。

次に、2月13日付け日経ビジネスオンライン「日産に漂うホセ・ムニョスの亡霊 米中の不振続く」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/021200075/
・『日産自動車は12日、2019年3月期の連結営業利益が18年3月期比22%減の4500億円になりそうだと発表した。従来計画の5400億円から900億円引き下げた。西川広人社長は「第3四半期までの計画達成率は6割を下回った。落ち込みを無理に補うと過去の過ちの繰り返しになるので残念ながら下方修正した」と話した。 停滞をもたらしているのは世界2大市場である米中での苦戦だ。米国では高水準の販売奨励金による「値引き」販売が収束せず、中国では新車販売台数が1月までに5カ月連続で前年同月比マイナスとなっている。この2つは勾留中のカルロス・ゴーン氏の側近だったホセ・ムニョス元CPO(チーフ・パフォーマンス・オフィサー)が直近まで統括していた市場。長期戦略の欠如が尾を引いている。 4000ドル(44万円)以上――。18年4~12月期、日産が米国で1台クルマが売れるごとに販売店に拠出した奨励金の平均値だ。業界では「インセンティブ」と呼ばれ、販売店はこれを原資に顧客の値引き要請に対応する。市場全体では3700ドル程度だが、他の日本メーカーは多くて3000ドル強で、日産の突出ぶりが目立っている。 米国では消費者の志向がSUV(スポーツ用多目的車)やピックアップトラックに移行。日本メーカーが得意としたセダンが売れなくなり、18年は各社ともインセンティブに頼った。ただ、トヨタ自動車は「カイゼンの成果が少しずつ出てきた」(白柳正義執行役員)。在庫が落ち着いたことなどで、出口は見えつつあるようだ。 日産も販売奨励金を抑える取り組みを進めている。ただ、構造改革に加え、まずはブランド強化が必要になってくる。なぜ、日産は米国で計画性を失ったのか。 「数値目標を達成することを求められ、目先の結果を優先してしまった」というのが複数の日産関係者の弁。求めたのはゴーン氏、それを受けたのが昨春まで米国統括を務めていたムニョス氏だった』、日産がこれほど多額の奨励金を払っていたとは、ゴーン氏の弊害の1つだ。
・『西川社長は米国販売について「ブランドとしてのバリューが十分ではなく、インセンティブをしない限り台数が取れないのが現状」と分析。「ブランド価値を高めていくという宿題がある」と話した。日産は今年1月から経営体制を変更し、新たなマーケティング戦略を展開している。「一時的な台数減は避けて通れないが、平均価格を高め、実力をつけるためにじっくりと取り組みたい」としている。 中国市場でも、日産は苦戦している。需要減速にも関わらずトヨタやホンダがなんとか踏みとどまる一方、日産の1月の新車販売台数は前年同月比0.8%減の13万3934台で、5カ月連続の前年同月比マイナスとなった。 18年4月、重点地域の中国を統括する立場に就いたのがムニョス氏だ。米国からの鞍替えはゴーン氏の厚い信任を受けた人事ともされる。18年4〜12月期の中国販売は前年同期比7%増の109万6000台となり、「技術と安全性でブランドの価値が定着している。それを毀損しないように成長させていく」と西川社長は強気だが、足元では息切れ気味で、18年度の販売計画は従来の169万5000台から156万4000台に引き下げた。 身の丈以上に大きく見せ、目の前の利益に固執する。これで構造改革や新車開発が遅れるようであれば、それこそ本末転倒だ。ムニョス氏はゴーン氏の逮捕後、日産をひっそりと退社した。ただ、米国と中国の販売の現場には、いまもその亡霊が漂っているのかもしれない』、確か日産はゴーン氏の指示で新車開発を抑制してきたが、そのツケは想像以上に大きいようだ。

第三に、4月3日付け日経ビジネスオンライン「トヨタ「ガラパゴスHV」に危機感、電動化技術を開放」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/040300214/?P=1
・『トヨタ自動車は2019年4月3日、ハイブリッド車(HV)に関する約2万3740件の特許技術を無償開放すると発表した。1997年に初代「プリウス」を投入するなどHVの技術では世界で先頭を走るトヨタ。世界的に燃費規制が厳しくなる2030年代に向け、トヨタの技術へのニーズが高まると判断した。トヨタの技術が普及すれば、規模の拡大によるコスト削減の恩恵も受けることもできる。一方、技術の「ガラパゴス化」によって優位性が薄れることへの危機感も透けて見える。 「電動化の技術はこの10年がヤマ」。同日、名古屋市内で会見したトヨタの寺師茂樹副社長はこう強調した。背景にあるのが30年代に向けた世界的な燃費規制の強化だ。先行する欧州の30年からの規制は現行に比べ、走行時に出す二酸化炭素(CO2)の量を半分、つまり燃料消費量を半分にすることを求めている。そうした規制に対し、「(販売する)半分の車をゼロエミッション、電気自動車(EV)にするのが現実的だろうか」と寺師副社長は話す。HVの導入拡大が現実解というわけだ。 もともと、トヨタはHVの技術はEVや燃料電池車(FCV)にも応用できるとして開発してきた。とはいえ、技術を提供するのは提携するスズキやSUBARUなどに限ってきた。そうしたガラパゴス化に対する「反省があった」と寺師社長は認める。今後はモーターや車載電池の電力を変換するインバーターなどで構成する「パワーコントロールユニット(PCU)」、システム制御などに関する特許を開放するだけでなく、導入に当たっての技術サポートをする「車両電動化技術のシステムサプライヤー」(寺師副社長)を目指すことになる』、HV技術を囲い込んできた結果の「ガラパゴス化」への「反省」で、流れは変えられるのだろうか。
・『EV本格普及へのつなぎ役として、HVの需要は世界各国で伸びると予想されている。ただHVの先駆者であるトヨタが優位に立ち続けられる保証はない。欧州では、従来のエンジン車の構造を流用しやすく、低コストで燃費を改善できる「マイルドハイブリッド」(注)と呼ばれる方式が電動車の新たな主流になりつつある。 トヨタやホンダなどが強みを持つHVはエンジンとモーターを組み合わせて効率的に走るため燃費の改善効果が大きい一方、機構が複雑で高度な電子制御が必要になるなど中堅以下のメーカーにとって導入のハードルは高い。一方、マイルド型は独ボッシュや独コンチネンタルなどの自動車部品大手が関連する部品・システムを積極的に外販しており、米フォード・モーターなど欧州勢以外にも導入する動きが広がっている。トヨタがシステムサプライヤーになると宣言したのは、こうしたメガサプライヤーの攻勢に対する危機感の表れでもある。 ナカニシ自動車産業リサーチ代表の中西孝樹氏は「仲間づくりという意味ではもう少し早い段階で特許を開放してもよかった」と指摘する。自社のHV技術がガラパゴス化すればモーターなど中核部品のコストダウンが進まず、EVの競争力低下にもつながりかねない。車の電動化でトヨタが覇権をつかむことができるのかは、完成車メーカーに加え、メガサプライヤーとの競争の行方が左右しているといえそうだ』、トヨタが囲い込んでいる間に、他では別方式の研究も進み、特許開放が「遅過ぎた」のではとの印象も拭えないようだ。
(注)マイルドハイブリッドとは、通常走行に用いるエンジンの補助が目的。スズキやマツダでは減速エネルギー回生システムで蓄えられたエネルギーを駆動用に用いようとする。ヨーロッパでは、電池の電圧を48Vに高電圧化することで電装品の出力を高め、オルタネーターでの駆動補助を可能にする「48Vマイルドハイブリッド」という規格が提唱(Wikipediaより)

第四に、コラムニストの真田 淳冬氏が4月9日付け東洋経済オンラインに寄稿した「ベンツ、BMW、アウディに吹き始めた逆風の正体 米中貿易戦争、罰金、先進化対応など課題山積」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/275659
・『メルセデス・ベンツ、BMW、アウディからなるドイツのプレミアムカー3大ブランドの、2018年の業績が出揃った。 3ブランドともにグループの純利益が2割前後減  リーマン・ショックのあと10年近くにわたり、アジア・北米市場の順調な拡大を受けて利益と販売台数を増加させてきた3ブランドだったが、昨年はいずれもこれまでより厳しい戦いを強いられ、グループ(傘下ブランドおよび金融子会社含む)の純利益を2割前後も減らした。 メルセデス・ベンツとBMWに共通する要素は、中国とアメリカの間に勃発した貿易戦争により、アメリカ生産車両の中国における販売価格が急騰、消費が鈍化したことだ。両社ともSUV(スポーツ多目的車)の生産をアメリカ工場で行っていることから、これらの販売は大きな影響を受けた。BMWグループはアメリカから中国への自動車輸出額が2017年から2018年にかけて14%減り、営業利益に対する影響は2億7000万ユーロ(約340億円)に及ぶと明らかにした。 アウディに打撃を与えたのはディーゼル問題による、罰金8億ユーロ(約1000億円)を含む12億ユーロ(約1500億円)の特別損失だ。これを除けば売上高利益率は6.0%から7.9%に上昇したとアウディは表明している。さらに新燃費基準WLTPへの対応が遅れ、欧州市場で納車が滞ったことが販売面で足を引っ張った』、メルセデス・ベンツとBMWが、アメリカで生産したSUVを中国で販売していたのであれば、貿易戦争の影響をもろに食らった形だ。
・『2019年にはいわゆるブレグジットの影響も懸念される。BMWグループは、MINI(ミニ)の生産を今年4月のあいだ完全に休止するほか、「合意なき離脱」によりイギリスから欧州への輸出に高額な関税がかかる状況になれば、多額のコストを費やしてでも一部モデルの生産を欧州本土に戻すことも明らかにしている。 さらに4月5日に入ったニュースによれば、排ガス浄化システムの新技術導入をめぐってダイムラー、BMWグループ、VWグループ(アウディを含む)が談合していたとして、欧州委員会が大規模な罰金を課す可能性が高い情勢となっている。すでに声明を出したBMWグループのケースでは、罰金額は最大で10億ユーロ(約1250億円)を超え、昨年度7.2%だった利益率を1.0~1.5%ポイント程度下げるインパクトがあるそうだ。 こうした市場からの逆風に加えて、電動化技術や自動運転技術に対する投資が膨大になっている点を各メーカーがそろって口にしている』、「新技術導入」をめぐる「談合」とは、必要な話し合いもありそうだが、「大規模な罰金を課す」くらいであれば、やはり競争制限的だったのだろう。
・『構造改革とコスト削減で事態改善なるか  メルセデス・ベンツを持つダイムラーとBMWは自動運転技術の共同開発に関して提携を結び、モビリティ・サービスに関する合弁会社を設立することを明らかにしたが、ロイター通信が掲載した経済コラムのように、VWグループやテスラなど新興メーカーとの将来的な競争を考えれば、技術提携にとどまらず両社は経営統合まで真剣に考えるべきだという論も存在する。 自動車産業の平均からすれば依然高い利益率を確保しつつも、先行きに明るさが見えない中で、各社は構造改革とコスト削減で事態を改善しようとしている。 ダイムラーは2012年にわたりトップを務めてきたディーター・ツェッチェ氏が今年5月でついに退任し、開発担当取締役のオラ・ケレニウス氏にバトンを渡す。同時に、乗用車部門、商用車部門、モビリティ・サービスおよび金融部門を分社化し、ダイムラーが持ち株会社となる組織変更が実施される予定だ。 逆にBMWグループでは4月から、これまでBMWとミニ+ロールス・ロイスで別々に展開していた販売・マーケティング組織を統合した。20年前にイギリスのブランドをBMWが入手したときからの流れで、ミニとロールス・ロイスは本社だけでなく現地法人レベルでもBMWとはまったく別の販売・マーケティング・製品企画組織を構築していた。 しかし、そもそも同じ自動車ビジネスを展開するにあたって似たような組織を2つ持つのは非効率だし、BMWがミニと同じ前輪駆動プラットフォームに比重を置き始め、内部的な競合が問題となる中で、組織統合は長期的には効率改善につながるだろう。ただし、かつて日本で都市銀行が合併したときを思い起こすと、同様に合理化でポジションが減ることが、人事的に大きな摩擦を生むのは避けられそうにない。 こうした組織改革と、エンジンとトランスミッションの組み合わせの選択肢を減らすことを主体としたコストダウンで、BMWグループは2022年までに総額120億ユーロ(約1兆5000億円)の出費を削減する計画を発表した。アウディもコスト管理基準の見直しを主とする収益改善プログラムで150億ユーロ(約1兆9000億円)を捻出するとしている。 両社ともこれらの施策はポジティブなものだと強調しているが、実際にはコストダウンの影響は現場にさまざまな形で表れるだろう。 例えばトヨタ自動車はバブル崩壊後の1995年、カローラのバンパーを突如昔ながらの黒樹脂むき出しに替えて不興を買った。2008年のリーマン・ショックのときは、報道関係者に配る資料を上質紙から藁半紙に変えて、ホチキスの針さえ節約した。品質や性能だけでなく企業としての見栄えも重要なプレミアム・ブランドが、これからどういったコスト削減を行うのか気になるところだ』、ドイツのプレミアム・ブランド企業の場合はさらに人員削減に制約があるだけに、見物だ。
タグ:自動車 東洋経済オンライン 日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 井元康一郎 (一般) (その2)(フォードが本拠の北米で「セダン」を捨てざるを得ない事情、日産に漂うホセ・ムニョスの亡霊 米中の不振続く、トヨタ「ガラパゴスHV」に危機感 電動化技術を開放、ベンツ BMW アウディに吹き始めた逆風の正体 米中貿易戦争、罰金 先進化対応など課題山積) 「フォードが本拠の北米で「セダン」を捨てざるを得ない事情」 アメリカの乗用車(セダン)市場から撤退 由緒ある米フォードがアメリカの乗用車(セダン)市場から撤退 「Tタイプ」 アメリカの乗用車市場でセダン需要が縮小し、SUVへのシフトが起こっている 乗用車とライトトラックの販売比率はおおむね27:73 背景にあるのは投資ファンドの意向!? 営業利益率は壊滅的に低い数値 マーク・フィールズCEO(最高経営責任者)が解任され、ジム・ハケットCEOが誕生 フォード会長は世界の自動車業界のなかでも最も早いタイミングで、リテール売り切り型ビジネスからカーシェアリング型ビジネスへの転換を提唱するなど、スタートアップ型の性格 自動車ビジネスにノスタルジーを感じない業界外の人物だったからこそ下せた決断 アメリカ市場では乗用車の収益性は極度に悪化 大幅値引き販売に頼らざるを得ない 救世主となっているのが乗用車ベースのSUV、さらにその上のライトトラック 高収益を目指すだけなら、「出来」のいい日本車やドイツ車などとの競合が厳しく、それらに勝ったとしても旨みが小さい乗用車を捨てて、そこに集中するというのは自然な選択でもあるのだ 本拠地で乗用車をやめることは“博打”のようなもの 自動車メーカーというものは、生産は世界各国に散りばめることは簡単にできても、研究開発はやはり“お膝元”の力がモノを言う。そこが乗用車をやらなくなれば、他の地域のモデルについても影響が出る可能性がある 正念場を迎えているデトロイト3 10%の賃金カットも表明 「日産に漂うホセ・ムニョスの亡霊 米中の不振続く」 米国では高水準の販売奨励金による「値引き」販売が収束せず 中国では新車販売台数が1月までに5カ月連続で前年同月比マイナス ホセ・ムニョス元CPO 4000ドル(44万円)以上 日産が米国で1台クルマが売れるごとに販売店に拠出した奨励金の平均値 の日本メーカーは多くて3000ドル強 「数値目標を達成することを求められ、目先の結果を優先 ブランド価値を高めていくという宿題がある 「トヨタ「ガラパゴスHV」に危機感、電動化技術を開放」 ハイブリッド車(HV)に関する約2万3740件の特許技術を無償開放すると発表 技術の「ガラパゴス化」によって優位性が薄れることへの危機感も ガラパゴス化に対する「反省があった」と寺師社長は認める 欧州では、従来のエンジン車の構造を流用しやすく、低コストで燃費を改善できる「マイルドハイブリッド」 と呼ばれる方式が電動車の新たな主流になりつつある 特許開放が「遅過ぎた」のではとの印象 真田 淳冬 「ベンツ、BMW、アウディに吹き始めた逆風の正体 米中貿易戦争、罰金、先進化対応など課題山積」 3ブランドともにグループの純利益が2割前後減 メルセデス・ベンツとBMWに共通する要素は、中国とアメリカの間に勃発した貿易戦争により、アメリカ生産車両の中国における販売価格が急騰、消費が鈍化 アウディに打撃を与えたのはディーゼル問題による、罰金8億ユーロ(約1000億円)を含む12億ユーロ(約1500億円)の特別損失 2019年にはいわゆるブレグジットの影響も懸念 排ガス浄化システムの新技術導入をめぐってダイムラー、BMWグループ、VWグループ(アウディを含む)が談合していたとして、欧州委員会が大規模な罰金を課す可能性が高い情勢 構造改革とコスト削減で事態改善なるか
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