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年金制度(その2)(年金の検証、またも安倍内閣の鬼門になるか 今こそ給付減 負担増の心地よくない政策を、半減案も浮上、「専業主婦の年金問題」の核心 適用拡大と公的年金等控除縮小で解決に、政府の思うツボ 70歳繰り下げ支給で「受給額1.5倍」はウソ) [国内政治]

年金制度については、2017年2月21日に取上げた。2年以上経った今日は、(その2)(年金の検証、またも安倍内閣の鬼門になるか 今こそ給付減 負担増の心地よくない政策を、半減案も浮上、「専業主婦の年金問題」の核心 適用拡大と公的年金等控除縮小で解決に、政府の思うツボ 70歳繰り下げ支給で「受給額1.5倍」はウソ)である。

先ずは、慶應義塾大学 経済学部教授の土居 丈朗氏が1月7日付け東洋経済オンラインに寄稿した「年金の検証、またも安倍内閣の鬼門になるか 今こそ給付減、負担増の心地よくない政策を」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/258460
・『2019年は、公的年金の財政検証が5年に1度行われる年にあたる。第1次安倍晋三内閣では、年金記録問題に翻弄され、2007年の参議院選挙での与党敗北の遠因の1つになった。それだけに、安倍内閣として年金問題は、避けて通りたいイシューかもしれない。しかし、年金の財政検証は、5年に1度行わなければならないものだから、逃げることはできない。 年金の財政検証は、わが国の公的年金のおおむね100年間にわたる収支見通しを作成し、年金財政の健全性を検証するものである。要するに、わが国の公的年金が「100年安心」かどうかを検証することである。 今夏には、参議院選挙がある。財政検証を参議院選挙の後にすれば、年金は選挙時の争点にならずに済ませられるかもしれない。ところが、過去の財政検証は、夏までには結果を公表していたのだ。今の仕組みが定着して最初の財政検証は、2009年2月23日に結果を公表。5年前の2014年の財政検証の結果は、2014年6月3日に公表されている。今年の参議院選挙が予定されている7月よりも前である。もし、現政権が、都合が悪いとして検証結果の公表を参議院選挙の後にすれば、国民や野党から「安倍政権は年金問題から逃げている」と批判の声が上がるだろうし、わざわざ公表を遅らせれば、「年金の財政検証は、政権にとって不都合なほどよくない結果になっている」と疑心暗鬼が広がるかもしれない』、今回も財政検証の議論には入ったようだ。
・『「100年安心」を示せれば安心できるが・・・  相当な納得がいく理由でもない限り、今年の財政検証の結果は、参議院選挙の前に出さないと、むしろ政権与党にとって評判を悪くすることになろう。 では、逆にみて、年金の財政検証の結果は国民を安心させられる内容となって、参議院選挙の前に堂々と公表して、与党が選挙を有利に進めるという可能性はあるだろうか。どうやら、さまざまな客観的情報を合わせると、参議院選挙の前に堂々と公表して政権与党が有利になるような財政検証の結果は、出せなさそうな状況である。 それはなぜか。その根拠を一つ一つ示していこう。 まず、国民を安心させられる検証結果とは、どのようなものか。年金の財政検証の結果、俗にいう「100年安心」であることが示せれば、確かに安心させられる。「100年安心」という言葉に当てはまる状況とは、専門的に考えれば、将来にわたって安定して所得代替率が50%を維持できるような給付が出せて、かつ100年後でも年金積立金は枯渇しない状況といえよう。所得代替率とは、受給開始時の年金額がその時点の現役世代の所得に対してどの程度の割合かを示すもので、わが国での計算では夫が40年間平均賃金で働き、妻が無収入の専業主婦である夫婦が2人で受け取る年金額を前提としている(この定義の是非については不問とする)。 所得代替率が50%を割るか割らないかは、時の政権の評判を左右する。現行の法律では、所得代替率が50%を割るという財政検証の結果が出れば、制度改正を行うことを念頭に給付と負担のあり方を見直さなければならないとされているからである。 50%を割るという結果が出ると、まず今の年金の仕組みのままだと「100年安心」でないことが判明してしまう。かつ、時の政権はそれをどう制度改正することによって「100年安心」を取り戻すのかを示せないと、国民の年金不信や政権の年金政策批判を助長する。もしそんな結果を発表した直後に、選挙など行おうものなら、与党は勝てないかもしれない。 実は、2009年の財政検証では、そんな思惑が見え隠れしていた。時は、麻生太郎政権。2007年の参議院選挙以降、衆参ねじれ状態となっていた。当時の衆議院議員の任期満了が2009年9月10日に迫る中、5年に1度の年金の財政検証を行わなければならなかった。 結局、麻生内閣は、どんな対応をしたか。結論から言うと、検証での経済前提を楽観的なものにしたうえで、所得代替率が50%を維持できるような給付が出せて、かつ100年後でも年金積立金は枯渇しないから、問題なし。以上、終了。というような形で、財政検証の話題に注目が集まらないように公表したのだ。 もちろん、衆参ねじれ状態だったから、制度改正するために必要な法律の改正をしたくとも国会で成立しないし、ましてや今の年金の仕組みのままだと「100年安心」でないことが判明してしまうような検証結果を出そうものなら、麻生内閣は野党から年金問題で猛攻撃を受けることが容易に想像できた』、麻生政権は巧みに逃げたようだ。
・『政権転落前の楽観的すぎたシナリオ  そんな背景もあって、結局2009年2月に公表された財政検証の結果は、50%を割るような結果など出せるはずもなく、メインシナリオである「基本ケース」で、将来的な所得代替率は50.1%となるという結果を公表して終わった。みごとにぎりぎり50%を割らないといわんばかりの値だった。その結果を導出した経済前提では、当時リーマン・ショックに端を発した世界金融危機の痛手から立ち直っていない状況の中で、世界経済が早期に回復するという見通しの下に、公的年金積立金の中長期的な予想運用利回りを、2004年の推計で想定した3.2%から4.1%に上方修正するなど、専門家から楽観的と評される前提を置いた。 その後、年金の財政検証に基づいた制度改正に着手することなく、民主党に政権交代した。 時は流れて、第2次安倍内閣になって迎えた2014年。5年に1度財政検証をして、必要に応じて制度改正を行うべきところを、2009年に事実上「1回休み」していたから、制度改正していない10年分のツケが2014年の財政検証の結果に表れた。2004年に導入されたマクロ経済スライドの仕組みも、1度も発動されずに2014年を迎えていた。 2012年12月の衆議院選挙、2013年7月の参議院選挙を経て、衆参両院ともに安定多数を握る与党に支えられた安倍内閣の下、当面、国政選挙がない状況で、2014年の財政検証を行うことになった。さすがに、何も取り繕う必要がないと思われた。厚生労働省の審議会でも、入念な準備をして財政検証に臨んだ。 しかし、本連載の拙稿「年金は、本当に『100年安心』なのか」に記したとおり、2014年でも、財政検証の結果を導出する経済前提を楽観的にせざるをえなかった。その様相を大まかに一言でいえば、「アベノミクス」で経済成長率を高めようとしているさなか、それを否定するような経済前提を検証で用いるのは都合が悪い、という感じである。アベノミクスの成果で高まると期待される経済成長率のトレンドが日本経済で今後も続くような経済前提にして、アベノミクスを間接的に肯定するよう「忖度」した結果、専門家から前提が楽観的と評されたともいえる。 この楽観的な経済前提をメインシナリオとして、2014年の財政検証は、将来的に所得代替率が50.6~51.0%で安定しつつ、100年後でも年金積立金は枯渇しないことが確認される結果となった。 ただ、厚生労働省の官僚の良心というべきか、保守的な経済前提での検証結果も同時に公表した。保守的な経済前提の下では、2050年代に年金積立金が枯渇して、完全賦課方式の年金になり、所得代替率が35~37%になるという結果を示した。 ここで注意したいのは、年金積立金が枯渇しても、年金財政が破綻するわけではないということだ。積立金を取り崩して給付を増やすということができず、その年に得た年金保険料収入を、直ちにその年の年金給付に充てるという完全賦課方式年金に、姿を変えるだけである。ただ、年金積立金を取り崩して給付するということができない分、給付水準は下がる。しかも、所得代替率が50%を下回るという結果が、2014年には示されているのだ。目立たないように公表していたが、厚生労働省が隠したわけではない。ただ、これはメインシナリオではないから、給付と負担のあり方を見直して所定の措置を講じるということにまでは至らなかった。 それから5年たった今年。2019年の財政検証では、楽観的な経済前提を置いて、所得代替率が50%を維持できるような給付が出せて、かつ100年後でも年金積立金は枯渇しないという結果を公表しても、それでお茶を濁せはしない。過去2回の検証の経験を知っているだけに、楽観的な経済前提で「100年安心」といわれても、問題の先送りをしていると批判されるだけである』、安倍政権になった2014年も、楽観的シナリオで逃げ切ったが、今回は楽観的シナリオでお化粧をする余地がいよいよ狭まってきている筈だ。同時に公表された「保守的な経済前提での検証結果」の方はそれほど議論にはならなかったというのは不可解だ。
・『マクロ経済スライドの発動は過去1回のみ  2014年の財政検証の後、年金財政をめぐり、どんな出来事があったかを確認しておこう。2018年6月に公表された社会保障審議会年金数理部会「公的年金財政状況報告(平成28年度)」によると、2014~2016年の3年間で、物価上昇率も名目賃金上昇率も、2014年検証の想定より大きく下回ったが、実質賃金上昇率は楽観的な経済前提と保守的な経済前提の中間だった。その結果、年金給付は想定よりあまり増えず、年金財政の改善要因となった。ただし、マクロ経済スライドは、2015年の1度しか発動されなかったため、その分、給付は抑制できず、年金財政の悪化要因となった。 これらを上回って最大の影響を与えたのは、年金積立金の運用益である。名目運用利回りが想定より大きく上回った結果、年金積立金が想定より増えた。確かに、第2次安倍内閣以降の株価上昇が追い風となった。 ただ、年金給付の財源は、その年の保険料収入と税財源で9割程度が賄われており、年金積立金から得られる財源は1割程度である。だから、年金積立金の運用益ばかりに依存していては、年金給付水準を維持できない。物価や賃金の動向をより的確に見通しながら、年金財政を持続可能にしていかなければならない。 さらにいえば、我々の老後の安心を担保するには、年金財政を物価や賃金などの景気頼みで維持するわけにはいかない。必要な制度改正を行って、年金の給付と負担のバランスをいかにうまく調整するかが重要である。年金財政の持続可能性を制度的に担保できれば、多少景況が悪化しようが、年金財政に重大な支障をきたすことはなく、年金不信を払拭できる。 年金財政の持続可能性を制度的に担保するための制度改正とは、(相対的に)過剰に給付している高齢者には給付を適切に抑制することや、年金保険料や税財源を負担できる人には適度に負担してもらうことが含まれている。受益と負担の世代間格差を是正するためには避けて通れない。給付減や負担増という聞き心地のよくない方策を、政治家は国民にしっかりと説得しないといけない。 具体策としては、本連載の拙稿「働く人が減れば生産性は向上、賃金も上がる」で詳述したように、保守的な経済前提の下でも年金積立金が2050年代に枯渇することを避けるために、賃金上昇率が低い年でもマクロ経済スライドが毎年発動(フル発動)されるようにして、給付を抑制することなどがある。 具体的な改革策の必要性を覆い隠すような財政検証の結果を示しても、国民のためにならない。2019年の財政検証こそ、年金不信を払拭するものにしなければならない』、その通りだが、現実には今回も楽観的シナリオで逃げ切る懸念もあり、注視すべきだろう。

次に、この続きである5月13日付け東洋経済オンライン「半減案も浮上、「専業主婦の年金問題」の核心 適用拡大と公的年金等控除縮小で解決に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/280883
・『元号が令和に変わる頃、専業主婦の年金給付半減案がネットをにぎわした。今の仕組みでは、夫が会社員や公務員である専業主婦は、年金保険料を払わずに基礎年金を受け取ることができる。専業主婦が老後に受け取る年金給付を半減する案が、今年行われる年金改革の議論の選択肢にあるかのように報じられた。 これに触発され、ネット上では「働いている女性は年金保険料を払っているのに、年金保険料を払わずに年金給付が受け取れるのは不公平だ」「専業主婦も無給で大事な家事をしている」「そもそも年金問題を働く女性と専業主婦の対立をあおる形で議論するのはおかしい」といった声が出た』、こんな筋違いの論議がクローズアップされた背景には、財政検証から目を逸らせるためではと疑いたくなる。
・『専業主婦の年金は今に始まった問題ではない  ただ、「専業主婦の年金給付半減案」なる案は議論の俎上に載ってもいないだけに、乱暴なだけでなく、非生産的な話題だったと言わざるをえない。 専業主婦の年金問題は、今に始まったものではない。今の年金制度では、会社員や公務員である被保険者の無業の配偶者は、年金保険料を払わずに基礎年金を受け取ることができる。その立場を「第3号被保険者」という。冒頭の報道は第3号被保険者の年金の話であり、それは専業主婦(女性)だけではなく、専業主夫(男性)にも当てはまるから、女性を差別した話ではない。 ちなみに、会社員や公務員で所得があって自ら年金保険料を払って厚生年金に加入している被保険者を「第2号被保険者」、農家や自営業者、非正規雇用者など厚生年金に加入していない(代わりに国民年金に加入している)被保険者を「第1号被保険者」という。 無業の配偶者でも、第1号被保険者の配偶者(例えば、自営業者や非正規雇用者の配偶者)は第3号被保険者にはなれず、収入が少なくても自分の分の年金保険料を払わなければならない。つまり、第3号被保険者は第2号被保険者の無業の配偶者に限られている。以下では、第3号被保険者は女性が多いことから「専業主婦」と呼ぶこととする。 わが国の公的年金制度においては、1986年から専業主婦にも年金受給権を与えることになった。これは、専業主婦が若いときに自分の収入がないことから年金保険料を払わなかったために、老後に夫に先立たれた後、自分の年金給付がないことで生活が成り立たないようなことにならないよう配慮したものだった。 実は、専業主婦に年金受給権を与えている国は、そう多くない。とくに、基礎年金の受給権を100%与えている主要国は日本ぐらいである。スウェーデンやフランス、ドイツは、そもそも無業の専業主婦は保険料の支払い義務もないが年金も受給できない。アメリカでは、専業主婦本人は保険料を払わなくてよいが、夫の年金額の50%しか受給できない。 カナダは、基礎年金に相当する年金の財源がすべて税で賄われているため、年金保険料の支払いという概念はなく、10年以上居住する国民なら誰でも年金が受給できる。 したがって、「年金保険料を払っていないのに年金給付を受けられる」という専業主婦の年金問題は、主要国の中では日本ならではの問題といえる。確かに、働く女性からすれば、年金保険料を払っていないのに年金給付を受けられるのは不公平だという意見は出てこよう』、ただ、働く女性が受取る年金額に比べれば、専業主婦の年金額は少ないのではなかろうか。
・『専業主婦の年金問題、解決策は何か  では、専業主婦の年金問題をどう解決すればよいか。諸外国のように、専業主婦には年金受給権を与えない、というのも1つの考え方かもしれない。しかし、1986年以降に専業主婦の年金受給権を認めたわが国において、今さら取りえない選択肢である。 仮に専業主婦の年金受給権を認めないことにすれば、専業主婦だった期間のある人が、老後に配偶者を失うと、年金給付が大きく減ることになり、老後の所得保障がままならなくなる。老後の所得が少なすぎると、生活保護に頼らざるをえず、その給付財源はすべて税で賄われる。 専業主婦の年金受給権を認めず、保険料を払わなくてよい代わりに年金も出さないとしても、老後の生活を生活保護給付で賄うとなれば、本人以外の人が払った税で財源を賄うことになる。それでは、問題の解決になっていない。 専業主婦の保険料を収入のある夫に払ってもらえばよい、という考え方もあろう。それは、比較的所得の高い夫ならよいが、低所得の夫なら保険料負担に耐えられない。保険料負担に耐えられないほど低所得なら、保険料の減免措置を講じればよいかもしれないが、減免措置を与えれば、それは今の仕組み(専業主婦は保険料を払わない)とほとんど同じになる。 カナダのように、保険料でなく税で年金給付の財源をすべて賄えば、誰が保険料を払ったかは不問となるから、第3号被保険者問題は解消する。その代わり、年金給付の財源を税で賄うだけの増税が必要になる。 結局、政府の今の方針は、厚生年金の適用拡大を通じて第3号被保険者問題を解消することにしている。決して、専業主婦の年金給付を半減するという話ではない。 無業の専業主婦といっても収入が皆無という人は少ない。かつては年収130万円未満なら第3号被保険者になったが、今は適用拡大が行われ、大企業に勤める人は年収106万円未満でないと第3号被保険者にならない。 現在はそれを中小企業にも拡大しようとしていて、106万円以上収入を得ていれば、第2号被保険者になって少しでも年金保険料を払ってもらい、基礎年金だけでなく所得比例年金も受け取れるように誘導している。基礎年金しか受け取れない第3号被保険者と比べると、年金給付額は増えることになる。 つまり、第3号被保険者だった人でも、少しでも所得を得ていれば第2号被保険者になって年金保険料を払ってもらい、その代わり年金給付も多くもらえるようにする。これが、問題の解決策として目下取り組んでいることである』、「政府の今の方針は、厚生年金の適用拡大を通じて第3号被保険者問題を解消することにしている」というのは現実的な解決策だ。にも拘わらず、「専業主婦の年金給付半減案」なるピント外れの議論が出てきたのは、厚労省が争点隠しのため、マスコミを誘導した可能性があるのではなかろうか。
・『夫が高所得の主婦をどうするか  とはいえ、夫が高所得を得ている無業の専業主婦もいて、わざわざ所得を少しでも稼ごうという動機がない人もいるかもしれない。そうした専業主婦は、名実ともに「無業」の専業主婦として、引き続き第3号被保険者として残り続けるかもしれない。その場合、厚生年金の適用拡大というやり方では問題を解決できない。 しかし別の手がある。それは、高所得高齢者に対する公的年金等控除の縮小である。所得税制において、年金受給額はそっくりそのまま税金がかかるわけではない。年金受給額から概算で設けられた公的年金等控除が差し引かれたのちに、所得税と住民税が課される。公的年金等控除が多いほど、課税対象となる所得は少なくなり、所得税・住民税の負担は軽くなる。 公的年金等控除は、年間1000万円までは年金給付額が増えるほど控除額が多くなる仕組み(2020年以降)だ。今なお手厚く設けられており、その分、所得税負担が軽くなっている。そこで、高所得高齢者に限定して、給付が増えても公的年金等控除が増えない形で控除を縮小するとどうだろう。 現役時代に高所得を得ている夫は、所得比例で払う厚生年金保険料を多く払っている分、厚生年金の給付も多く受け取れる。加えて、その妻が第3号被保険者なら、保険料を払わずに基礎年金が受けられる。そこで、厚生年金を多くもらう夫により多く所得税を払ってもらうことで、妻が保険料を払わなかった分の負担を、形を変えて負ってもらうことができる。 第3号被保険者問題は、こうした合わせ技で働く女性と専業主婦との間の無用な対立を避けつつ、解消する方向に導くことができるだろう』、妥当な見方だ。本物の財政検証はいつ出てくるのだろう。

第三に、5月8日付け日刊ゲンダイ「政府の思うツボ 70歳繰り下げ支給で「受給額1.5倍」はウソ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/253342
・『おいおい、ちょっと待て。そう思った人もいるだろう。厚生年金の加入は70歳未満だが、安倍政権は、その加入期間を延長しようとしている。支給開始年齢も75歳まで段階的に引き上げる考えだ。政権は否定するが、大手メディアの報道が相次ぐことからみて、間違いないだろう。政府は加入期間を延ばし、受給年齢を繰り下げたら、受給額が増えるとアピールする。数学的には当たり前だが、繰り下げ受給は本当に得なのか――。 一般に年金は、65歳から受給する。サラリーマンなら、国民年金をベースとした老齢基礎年金と厚生年金部分の老齢厚生年金で、これらの支給を65歳より早めるのが繰り上げ、65歳より遅らせるのが繰り下げだ。 高齢者雇用安定法で希望すれば65歳まで働くことができ、社員の定年や再雇用での退職時期を遅らせる企業も相次ぐ。65歳を越えても働くのがこれからの流れで、十分な収入が見込める人は繰り下げを考えるだろう。十分でなくても、受給額を少しでも増やしたいと思って繰り下げる人もいるはずだ。 では、繰り下げで増える金額は、どの程度か。65歳を基準に受給を1カ月遅らせるごとに、年金額が0・7%上乗せされ、1年で8・4%。現状の加入上限の70歳まで繰り下げると、42%増。65歳との比較で、ほぼ1・5倍だ。 たとえば、昨年度の老齢基礎年金で考えると、満額は77万9300円。それを70歳まで繰り下げると、110万6606円にハネ上がる。月額6万円チョイだったのが、10万円近くに。健康で長生きに自信がある人なら、「はい、喜んで」と繰り下げを考えるかもしれない。それだと、政府の思うツボだ』、「70歳繰り下げ支給」も論点を増やすことに加え、年金払込額の増加、支給額の先送りで、年金財政が大丈夫との「お化粧」の手段を増やす作戦なのかも知れない。
・『独協大経済学部教授の森永卓郎氏が言う。「年金の繰り下げで話題になる割増額は、額面価格です。税金や社会保険料を差し引くと、手取り額は減る。受給額が増えるほど、税金は高くなるため、繰り下げ受給で額面金額が上がった人ほど、税額アップの影響を受けやすいのです」 65歳以上には、「公的年金等控除」として120万円が控除される。70歳まで繰り下げたら、基礎年金と厚生年金を合わせると、控除の枠からあふれる可能性が高い。そのため、実際の手取り額は、額面の9割、場合によっては8割に落ちることもある。 その点に着目すると、ヒントが見えてくる。たとえば夫がサラリーマンで、妻がパートなどの主婦の場合、夫の老齢厚生年金を65歳で丸ごと受給し、妻の老齢基礎年金を繰り下げるプラン。基礎年金の繰り下げなら、控除の枠からはみ出るリスクは少ない』、「割増額は・・・税金や社会保険料を差し引くと、手取り額は減る」というのでは、確かにおいそれと繰り下げを選択する人はそれほどいないかも知れない。
・『特別支給のもらい損ねを防ぐ  もうひとつ、現在60歳前後の人は、老齢厚生年金の特別支給を受けられるオイシイ世代(1961年4月1日以前生まれ=58歳以上)。厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことに伴う時限措置で、定額部分と報酬比例部分からなる厚生年金のうち報酬比例部分についてのみ、60から65歳まで受給できる仕組みだが……。 「特別支給の老齢厚生年金は、65歳から受給できる“本来の老齢厚生年金”とは別物。ところが、その通知ハガキを見た人は、『65歳より早く受給すると、本来の年金を繰り上げることになり、特別支給をもらうと、年金が目減りするのではないか』と誤解して、請求しない人がいるのです。特別支給分は、本来の老齢厚生年金の繰り上げとは全く関係がありません。両者を混同して、特別支給分をもらわないことを繰り下げと勘違いすると、損です」 特別支給の老齢厚生年金は、“働きながらもらえる年金”といわれる。しかし、働き過ぎると、目減りする。 「65歳までは、年金額と給料の合計が28万円を超えると、超えた分の半額が減額されるのです。たとえば、仕事の月給が20万円で特別支給分が10万円だと、超過分2万円の半額の1万円が減額され、特別支給は9万円になります」 特別支給分を受給できている人も、多くは働いていて、それなりの減額を受け入れているはず。繰り下げもダメで、働き過ぎも損となると……。実は、雇用延長しない方がいいのだ』、雇用延長には生きがいがより持てるようになる一方で、現在の仕組みでは、「雇用延長しない方がいい」ようだ。雇用延長に合わせて仕組みも変えてゆく必要があるのだろう。なお、最後の「退職金 大企業は中小の2倍」の部分は省略。いずれにしろ、本番の財政検証はどうなるのか注目したい。
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