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武田薬品巨額買収(その2)(巨額買収決議の武田 次の焦点は「アリナミン」 大衆薬業界が熱視線、武田薬品の「大バクチ」7兆円巨額買収が日本社会に問いかけること リスクは大きいがこのままではジリ貧だ、労基法違反の武田薬品 遠いメガファーマの道 急速なグローバル化の陰で社内にきしみ) [企業経営]

武田薬品巨額買収については、昨年5月15日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(巨額買収決議の武田 次の焦点は「アリナミン」 大衆薬業界が熱視線、武田薬品の「大バクチ」7兆円巨額買収が日本社会に問いかけること リスクは大きいがこのままではジリ貧だ、労基法違反の武田薬品 遠いメガファーマの道 急速なグローバル化の陰で社内にきしみ)である。なお、タイトルからこれまの「日本企業の海外M&Aブーム(そのX)」を外した。

先ずは、昨年12月6日付け日経ビジネスオンライン「巨額買収決議の武田、次の焦点は「アリナミン」 大衆薬業界が熱視線」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/110879/120500907/?P=1
・『武田薬品工業は12月5日、臨時株主総会を開き、アイルランドの製薬大手シャイアーの買収を決議した。買収額は7兆円弱となる見通し。財務基盤の悪化を防ぐため、武田薬品は事業売却を進める方針。そこで次の焦点として浮上するのが、栄養ドリンク剤「アリナミン」の売却だ。 武田薬品工業は12月5日に開いた臨時株主総会で、アイルランド製薬大手シャイアーの買収を決議した。買収額は約7兆円で日本企業による過去最大のM&A(買収・合併)となる。3兆円は借り入れや社債で賄う計画だが、残りの4兆円を新株発行で対応する。新株発行の是非について、今回の総会で3分の2以上の賛成を得る必要があった。財務の悪化などを懸念する創業家やOBら一部株主が反対していたが、機関投資家などの支持を得て承認された。 買収手続きは2019年1月8日に完了する見通し。武田薬品は売上高が世界上位10位圏内に入るメガファーマ(巨大製薬会社)として新たな成長軌道に乗せる構えだが、市場関係者や業界関係者は、武田薬品が今後、資産売却にどこまで踏み切るかに関心を示す。 資産売却について、クレディ・スイス証券の酒井文義氏は「合計金額は1兆円規模になる」とみる。武田薬品は新株発行後も年180円程度の株主配当金を維持するとしており、その原資を確保するには資産売却は避けられない。手元資金に余裕が出れば、シャイアーの抱える有利子負債の削減も前倒しで進めるとみられる。5日の臨時株主総会でも、クリストフ・ウェバー社長が「非中核事業の売却を進める」と表明した。 ウェバー社長は具体的にどの事業を売却するか明らかにしていないが、市場関係者や業界関係者が「目玉」とみるのが、栄養ドリンク剤「アリナミン」に代表される大衆薬事業だ。「売りに出されれば3000億から5000億円程度になるはず。多くの企業が手を上げるだろう」と国内の大衆薬メーカー関係者は話す』、自らの時価総額を超えるような超大型買収をした以上、資金調達で事実上の「銀行管理」の状態にあるなかでは、「非中核事業の売却を進める」との社長表明は当然のことだ。
・『「テレビCMがなくなると寂しい」  アリナミンは1954年に、ビタミンB1欠乏症である脚気の治療薬として発売され、栄養ドリンク剤や錠剤に加え、注射薬としても提供している。当初はほとんどが医療用医薬品だったが、栄養ドリンク剤が医薬部外品に移行したことで、大衆薬としての認知度が高まった。 武田は潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」や、多発性骨髄腫治療薬「ニンラーロ」など医療用医薬品を収益の柱に据えており、相対的に大衆薬の比重は下がっている。「非中核事業」と目されるのも、このためだ。 もっとも、アリナミン事業は株主からの支持も高い。5日の臨時株主総会に参加した個人株主は「アリナミンは数少ない一般向け商品。もし事業が売却されてテレビCMがなくなると寂しい気持ちもする」と話した。ウェバー社長は総会で「収益性の高い会社を目指す」と改めて強調したが、医療用医薬品の研究開発費は大きく失敗するリスクも大きい。安定収益が見込める大衆薬事業を切り離す可能性はあるのか。注目が集まりそうだ』、アリナミンの「テレビCMがなくなると寂しい」との声や、「安定収益が見込める大衆薬事業を切り離す」ことによる経営不不安定化のリスクは、確かにあっても、悪化した財務内容の立て直しが急務なようだ。

次に、経済評論家の加谷 珪一氏が12月12日付け現代ビジネスに寄稿した「武田薬品の「大バクチ」7兆円巨額買収が日本社会に問いかけること リスクは大きいがこのままではジリ貧だ」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58934
・『国内製薬最大手の武田が、総額7兆円という日本企業としては最大規模のM&A(合併・買収)を決断した。同社はガラパゴスの典型といわれる日本の製薬業界で唯一、グローバルに戦えるポテンシャルを持つとされてきたが、思い切った買収ができず、このままでは本格的なグローバル化を実現できない状況となりつつあった。 今回の決断は、武田にとって世界に飛躍する最後のチャンスだったが、同時に国内トップという居心地のよい環境に後戻りすることもできなくなった。同社は従来の立場を捨て、グローバル市場における挑戦者にシフトしたことになる』、「国内トップという」ぬるま湯を出て、寒風吹きすさぶ「グローバル市場における挑戦者にシフトした」とは、遅きに失したきらいはあるとはいえ、大したものだ。
・『医薬品メーカーに残された3つの道  武田薬品工業は2018年12月5日、臨時株主総会を開催し、アイルランド製薬大手シャイアーの買収について株主の承認を得た。買収金額は何と7兆円近くになる見込みで、武田自身の時価総額をはるかに上回る巨額買収が実現する。国内企業のM&Aとしては過去最高金額である。 今回の買収提案については、自身よりも時価総額が大きい企業を買収するというリスクの高いスキームであったことから、創業家など一部の株主が反対を表明していた。 武田はオーナー企業ではあるが、創業家は数%の持ち分しかなく、創業家出身の経営者だった武田國男氏は2003年にトップを退任しており、事業には直接タッチしていない。過半数の株主は機関投資家という状況なので、総会では大きな混乱もなく買収提案が可決された。だが、今回の決断が創業以来の「大きな賭け」であることは間違いない。 武田がこれだけリスクの大きい買収を決断した背景となっているのは、このままではグローバル市場に取り残されてしまうという危機感である。 同社は国内トップの製薬会社だが、グローバル市場では中小企業に過ぎない。武田の2018年3月の売上高は約1兆8000億円。これに対してロシュやノバルティス、ファイザーといったトップグループの企業は軒並み5兆円規模の売上高がある。 製薬業界は新薬の開発に巨額投資を行う必要があり、企業体力が小さい企業は圧倒的に不利になる。一方で、ジェネリック医薬品の普及によって、製品のコモディティ化も急速に進んでいる。 グローバル市場においては、圧倒的な規模を持つ巨大製薬メーカー(いわゆるメガファーマ)になるか、ジェネリックのメーカーになるか、もしくは特定分野にフォーカスしたニッチ・メーカーになるのかという3つの選択肢しかない。 今回の買収で武田の売上高は4兆円に近づき、何とかメガファーマの一角を占めることが可能となる』、武田を踏み切らせた強い「危機感」はその通りだろう。
・『花形職種MRのリストラが相次ぐ  これまで世界の製薬業界では、大手各社がメガファーマを目指して巨額買収合戦を繰り広げてきたが、このゲームはほぼ終盤戦に差し掛かっている。つまり武田にとっては、今のタイミングを逃してしまうと、買う会社がなくなってしまい、メガファーマになるという道は諦めなければならない。 一方、武田は国内トップのメーカーなので、国内市場に特化するという選択肢もあるが、そうもいかないのが現実だ。 国内の製薬業界では、花形職種ともいわれてきたMR(医薬情報担当者)の早期退職が相次いでいる。MRというのはいわゆる営業職のことで、かつては予算をふんだんに使って医師を接待するなど、製薬業界を象徴する仕事だった。最近は従来型の接待営業から、専門医療情報を医師に提供するという知的なスタイルにシフトしているが、会社の稼ぎ頭であることに変わりはなかった。 各社が稼ぎ頭であるMRをリストラしているのは、価格の安いジェネリック医薬品が急速に普及してきたからである。かつてジェネリック医薬品は、臨床での実績が少ないことから使用をためらう医師も多かったが、医療費抑制の流れから最近では一般的に使われるようになってきた。 高齢化によって医療費そのものは増えているが、ジェネリックが普及すれば、新薬のメーカーにとっては逆風となる。日本の財政は今後、さらに厳しい状況となるのは確実であり、医療費抑制の動きも顕著となるだろう。長期的には人口減少で患者そのものが減ってしまうことを考えると、国内市場がメインの企業は、規模を縮小する以外に生き残る方法がなくなってしまう』、「ジェネリック医薬品」の普及は確かに急速だ。「MRのリストラが相次ぐ」のも当然だろう。
・『リスクは大きいけれど…  国内の製薬業界は典型的なガラパゴスとされ、再編が続くグローバルな流れとは無縁の状況が長く続いてきた。しかし、国内トップの武田だけはグローバルで戦えるポテンシャルを持っていると認識されており、経営陣が決断すれば、グローバル企業に脱皮できる可能性があった。 今回の買収がその最後のチャンスだったわけだが、このスキームに対しては「価格が高すぎる」との声が上がっている。武田自身の時価総額が3兆円台であるにもかかわらず、2倍の規模の会社を買収するのだから無理もない。 だがM&Aというのは売り手と買い手が揃ってはじめて成立するものであり、買い手の都合がよい時にベストな売り手が出てくるとは限らない。場合によっては割高であることが分かっていても、決断せざるを得ない時もある。 価格面以外にも懸念材料を挙げればキリがない。 もっとも大きいのは、武田がグローバルに打って出るための相手としてシャイアーがふさわしいのかという問題である。武田は規模こそ小さいものの「がん」「消化器」「中枢神経」といったメジャーな領域をカバーする総合メーカーであり、最終的にはメガファーマとしてのシェア拡大を狙っていると考えられる。 ところがシャイアーは、血友病や免疫疾患など希少疾患を得意とするメーカーであり、どちらかというとニッチ戦略に近い。武田から買収提案が出された前後に、がん治療薬の事業をフランスの製薬会社に売却していることからも、その傾向を伺い知ることができる。 両社の事業領域に重複は少なく、統合によるコスト削減効果もそれほど大きくない(会社側は1600億円と説明している)。シャイアーはニッチであるがゆえに高収益となっており、2017年12月期の決算では、4300億円の営業キャッシュフローを確保したが、この高収益が今後も継続する保証はない』、「統合によるコスト削減効果もそれほど大きくない」、「シャイアー・・・の高収益が今後も継続する保証はない」、などから、今後の「買収後の成長戦略」がカギになるのだろう。
・『武田の決断が日本社会に突きつけること  最終的に武田はシャイアーの創薬基盤をフル活用し、大きな利益を生み出す新薬を開発していく以外に、高額買収を正当化する手段はないだろう。 本来であれば、武田は10年前にこうした決断をしておくべきだったが、現実はそう簡単ではなかったと考えられる。 武田國男氏の後を継いでトップに就任した長谷川閑史氏は同社のグローバル化を推し進め、グラクソ・スミスクラインの部門責任者だったクリストフ・ウェバー氏をトップに招聘するなど着々と布石を打ってきた。それでも、大型買収を実施できるまでの体制を構築するには時間がかかったものと思われる。 今回の買収で武田の財務状況は一気に悪化するので、もはや後戻りはできない。だが国内トップという居心地のよい環境を自ら捨て去り、グローバル市場のチャレンジャーになるという姿勢は評価してよいだろう。 巨額買収を決断した同社の一連の経緯は、今の日本社会を象徴しているといってよい。 1990年代まで日本の大手メーカー各社は世界トップ企業と肩を並べる水準だったが、失われた30年によって、多くが国内では大手のままでもグローバル市場では中小企業に転落してしまった。国内市場だけで活動していれば、すぐに会社が消滅することはないだろうが、人口減少と日本の相対的なポジションの低下で、さらなる規模の縮小と低収益化を余儀なくされる。 一方、このタイミングでグローバル市場に出て行くにはタイミングが遅く、決断にはかなりのリスクが伴う。だが5年後にはこうしたチャンスすら消滅しているかもしれない。 国内市場だけでやっていけばよいという意見もあるが、鎖国でもしない限り、グローバル市場の影響を受けてしまうので、日本経済単独で豊かな社会を築くことは現実的に難しい。成長を諦め、貧しさを甘んじて受け入れるのか、リスクを取って豊かさを目指すのか、平成という失われた30年が終わろうとしている今、武田の決断は日本社会に対する最後の問いかけといってよいだろう』、説得力に富んだ分析だ。これだけ大きな決断は、やはり外国人社長でないと出来なかったのだろうか。残された国内の製薬大手がどうするのかも注目される。

第三に、6月23日付け東洋経済オンライン「労基法違反の武田薬品、遠いメガファーマの道 急速なグローバル化の陰で社内にきしみ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/288079
・『6兆円強の大金を投じて欧州製薬大手のシャイアーを買収し、売上高3兆円を超える世界9位のメガファーマに躍り出た武田薬品工業の足もとで、お粗末な労働基準法違反が発覚した。 2018年9月から今年5月までの9カ月間で、労働基準監督署から合計5件の労働基準法違反(是正勧告4件、指導1件)を指摘されていたのだ。 具体的には、東京・日本橋のグローバル本社において、労使間で結ぶ三六(サブロク)協定で定めた時間外労働の上限(月70時間)を超過したケースが2件あった(昨年11月と今年4月)。さらに、昨年9月には同じグローバル本社で、就業前後の時間外に勤務の実態がありながら賃金不払いとなっていた案件も1件発生し、東京の中央労働基準監督署から是正勧告を受けている』、信じられないような「お粗末さ」だ。
・『労基法違反を繰り返したのに「ホワイト企業」  労基署の是正勧告を受けると、期日までに指摘された違反内容を改善したうえで、防止策などを記した是正報告書を提出することが義務づけられる。是正勧告は行政指導の一種で、罰金などの処分はない。ただ、改善がみられなかったり、違反を繰り返した場合などは、まれではあるが、検察庁に送検されるケースもある重い処分だ。 さらに問題なのは、とくに優良な健康経営を実践している企業に経済産業省がお墨付きを与える「健康経営優良法人」の認定を武田が受けていたことだ。 武田は、2019年2月に認定された2019年の大規模法人部門(ホワイト500)に選ばれた。これは大企業なら「取ってないとおかしい」というほどポピュラーな存在で、製薬関連企業で33社が取得している。大塚製薬や第一三共、エーザイ、塩野義製薬などが2018年にも認定されているが、武田は2019年からと遅かった。 しかし、労基法違反が発覚し、ホワイト500の認定を自主返上せざるをえなくなった。「労基法などの同一条項で複数回違反しないこと」という認定基準に抵触したからだ。武田の説明によると、4月末に2度目の是正勧告を受けたことを受けて5月のゴールデンウイーク明けに経産省に報告し、経産省との協議のうえ、6月5日に自主返上の手続きを開始したという。 従業員に子育てがしやすい労働環境などが整った企業を厚生労働省が認定する「プラチナくるみん」も取得済みだったが、ホワイト500と同様、こちらも自主返上の手続に入っている。 労基法違反が明るみに出たのは、法令違反事案の存在を認めた社内資料を基にした内部告発があったためだ。 経産省への内部告発は、会社が認めた前述の5件以外にも違法行為があると示唆したうえで、ホワイト500に申請する際に会社は「重大な労働基準関係法令の同一条項に複数回違反しているにもかかわらず、虚偽の内容で申請し、認定を受けました」と指摘している』、「内部告発」は経産省だけでなく、肝心の労基署にも行われたのだろう。経産省の「ホワイト500」、厚生労働省の「プラチナくるみん」、それぞれ別の目的があるとはいえ、こんなくだらない賞を作る省庁も問題だ。
・『武田は内部告発のいう「虚偽」を完全否定 しかし、武田は「人事が社内調査を行ったうえで、ほかに重大な法令違反の隠ぺいや虚偽申請などの事実はないことを確認した」と内部告発を完全否定する。昨年11月の経産省への申請時点で労基署からの是正勧告はあったが、「同一条項で複数回違反」ではなかったため申請したという。その後、今年4月に2回目の是正勧告を受けたため、規程に従って認定の自主返上手続に入ったと説明する。 もし告発どおりだと、ホワイト500の申請は虚偽となり、自主返上では済まずに認定が剥奪され、最大4年間申請もできないペナルティーも課される。経産省は現時点では虚偽申請だと考えておらず、会社が言う通りの自主返上の手続きに入っているという立場だ。 それにしても、先進的なグローバル経営を標榜する企業の足もとで、なぜこのような事態が起きているのだろうか。 武田の広報担当者は「昔の武田では(労基法違反は)あったが、ここしばらくは減ってきていた」という。近年は違反をしないように社員にも厳しく指導がいくようになったことが違反減少につながった、というのが武田関係者の解説だ。武田の内部事情に通じた複数の業界関係者からも同じような声が聞かれる。 是正勧告を受けた社員やその上司らに聞き取りをした結果、武田の人事部門は「上司と部下のコミュニケーションの問題が主因」と判断しているようだ。上司は部下の仕事ぶりをみて、過重だと思えば、部下と話し合って上限を超えないように解決策を出す必要がある。一方、部下は早めの相談が求められるが、今回は両者間のコミュニケーションに問題があったというのだ。 ただ、この説明にはやや無理がある。複数の武田OBは、昨年春以降のシャイアーとの買収に絡むタフな交渉が社員の仕事量を増加させたのではないかと指摘する。労基法違反5件のうち3件がグローバル本社で起きていることも、その疑いを強める』、「経産省は現時点では虚偽申請だと考えておらず、会社が言う通りの自主返上の手続きに入っているという立場だ」、というのは経産省らしいが、国民の立場からは情けない姿勢だ。「シャイアーとの買収に絡むタフな交渉が社員の仕事量を増加させたのではないか」、というのは大いにありそうなことだ。
・『フレックスタイム制や「中抜け勤務」も柔軟に  2018年8月には生産性を向上させるために、これまで以上に働き方の柔軟性を増す制度を導入した。1日の標準勤務時間のうち最低でも2分の1以上は働かないといけなかったという設定をなくし、半日休暇を取得した場合でも残り半日にフレックスタイム制を利用できるようにした。 勤務時間中に病院や銀行に行くなどのプライベートな用事のために、勤務を短時間中断する働き方(中抜け勤務)も、上司の了解を得れば可能になった。在宅勤務に限らず、一定要件を満たせば、自宅以外でも勤務できるテレワーク制度も取り入れた。 ただこれは、従業員には使い勝手のよい制度だが、労働時間を管理する立場からいうと逆に難しい面を伴うものだ。 そこに武田をグローバル企業として脱皮させる、シャイアー買収という過去にない大型案件が重なった。グローバル本社に集う広報や経理、財務、法務、事業開発などの部門は、イギリスに株式を上場し、事業の本拠を置くシャイアーとの折衝が重なる。関係者が「季節労働」と口をそろえるように、時期ごとに訪れる仕事量の多い山がさらに高くなったうえに、柔軟な働き方導入により、労働管理やコミュニケーションの高度化が要求されるようになった。 5月24日にはグローバルHR日本人事室名の「【至急・緊急】時間管理におけるコンプライアンス順守の再徹底」、6月7日には「時間管理におけるコンプライアンス順守徹底に向けた私たちのコミットメント」と題した文書が日本国内の全従業員に送付された。 ともに法令順守の徹底を訴える内容で、「法令違反に抵触する事案が複数の事業場で再三発生しています。(中略)きわめて深刻な状況です」などと危機感をあらわにしている。 とくに後者は、国内部署のトップ18人が宣誓・署名する形をとっている。CFO(最高財務責任者)のコスタ・サルウコス、日本ビジネス部門トップの岩﨑真人の各氏ら、武田の最高執行機関であるタケダ・エグゼクティブチーム(TET)メンバー数名を含む上位管理職が名を連ねている』、こんな文書は「出した」というだけで、時間管理をどのように推進していくのかという具体策がないままでは、意味のない単なる精神論だ。
・『主要部門トップの連名で危機感を共有?  国内主要部門のトップが連名で従業員に法令順守などを訴えるのは武田では初めてのこと。危機感の醸成と共有が狙いだろうが、内部告発は「これはあくまでも労働基準監督署に向けたポーズであり、(中略)労基法違反について真剣に受け止めている、と見せかけるために送信されたメールである」と手厳しく批判している。 そして、最大の疑問はトップのクリストフ・ウェバー社長のこの件への肉声が武田の社内外に伝わってこないことだ。一連の問題について、トップがどのように考え、どのように解決していくかを聞きたいところだが、今のところウェバー氏は音なしの構えだ。 6月27日の株主総会では、議決権行使助言機関のISSが、ROE(自己資本比率)が低いことを理由にウエバー社長の取締役選任への反対推奨を突きつけている。 武田OB株主や創業家の一部からなる有志団体「武田薬品の将来を考える会」も、昨年のシャイアー合併反対に続き、今年の株主総会でも損失発生時に経営陣に役員報酬の返還などを請求できる「クローバック条項の定款への採用」「全取締役の個別報酬も開示」を株主提案している。 株主総会でウェバー社長はどんな説明をするのだろうか』、「一連の問題について、トップがどのように考え、どのように解決していくか」、といった純粋な国内労務問題については、ウェバー社長が関心を持つとは思えない。株主提案は否決されて終わりだろう。 
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