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機構資本主義批判(その2)(産業革新投資機構 「取締役9人一斉辞任」に至る全内幕・・・、損しても責任不問「後は野となれ 山となれ」の危険な遊び、投資失敗でも役員報酬満額…92億円赤字の農水ファンド) [国内政治]

機構資本主義批判については、昨年12月11日に取上げた。今日は、(その2)(産業革新投資機構 「取締役9人一斉辞任」に至る全内幕・・・、損しても責任不問「後は野となれ 山となれ」の危険な遊び、投資失敗でも役員報酬満額…92億円赤字の農水ファンド)である。

先ずは、昨年12月13日付けダイヤモンド・オンライン「産業革新投資機構、「取締役9人一斉辞任」に至る全内幕・・・」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/188385
・『経済産業省と産業革新投資機構(JIC)のバトルは、JICの民間出身の取締役全員が辞意を表明することで幕を閉じた。一体なぜ巨大官民ファンドは機能不全に陥ったのか。その全内幕に迫った。 「もう終わりにしましょう」。12月8日土曜日、都内某所。官民ファンド、産業革新投資機構(JIC)の民間出身の取締役9人が集まった席上で、取締役会議長であるコマツ相談役の坂根正弘氏がそう切り出すと、9人全員の辞意が固まった。 所管官庁の経済産業省と前代未聞の対立を繰り広げた末、設立からわずか2カ月余りで、JICの事実上の活動休止が決まった瞬間だった。 坂根氏はこの前日まで、経産省の嶋田隆事務次官らと協議再開に向けて、10回以上にわたり接触を続けてきた。 JICの田中正明社長は「私がわびを入れてもいい」との意向を示したものの、経産省側は断固拒否。「これ以上の話し合いは無理だ」の一点張りだったという。 事ここに至るまでの間、経産省はJICへの批判を繰り返し、2019年度の概算要求予算の取り下げや、約2兆円の政府保証枠の凍結などをちらつかせては、執拗に田中社長の辞任を迫ってきた。 そして週明けの10日、東京・大手町のJIC本社で記者会見を開いた田中社長は、9人全員の辞意を表明するに至る──。 一体なぜ、経産省とJICは修復不可能なまでに対立を深めることになったのか。真相を探る中で“起点”として見えてくるのが、9月21日の出来事だ』、この問題は昨年12月11日付けの前回のブログでも取上げたが、今回はより詳細なようだ。
・『未調整だった役員報酬案  この日、JICのオフィスを訪れた経産省の糟谷敏秀官房長は、田中社長をはじめとする代表取締役を1人ずつ呼び出し、仰々しく書面を手渡した。 代表取締役たちは深々と礼をしながら受け取ったが、その書面には政府のお墨付きを得たことを示す経産相の印鑑が押されていなかった。それが後に重大な問題を引き起こすことになる。 その書面には、固定給と賞与に当たる短期業績連動報酬を合わせて最大5550万円の年間報酬に加え、投資実績に応じて後に支払われる「キャリー」と呼ばれる長期業績連動報酬の導入が明記されていた。この時点でキャリーの詳細は未定で、JICの報酬委員会が設計することとされていた。 キャリーの最大支給額は7000万円。いくら運用益が出ようとも上限を設定することでキャップをはめた格好だが、高額とのそしりを一部で受けることになる。 だが、実は前身のINCJ(旧産業革新機構)でも、上限7000万円のキャリーが導入されている。同社が解散する25年3月には、最大で7億円もの高額報酬が支払われる可能性があるが、経産省はこの部分については一切、不問の姿勢を貫いている。 それはさておき、JICの報酬委員会がキャリーなどの議論を始めたのは、書面を受け取った翌営業日の9月25日。コーポレートガバナンスの専門家で、JICの社外取締役を務める冨山和彦委員長の主導の下、約1カ月かけて報酬基準を策定したという。 その後、坂根氏に報告し、正式に機関決定したのが11月6日のことだ。 ところが、この直後に経産省が豹変する。報酬が「(最大で)1億円を超えるのか……」という首相官邸の何げない感想を過剰に忖度し、減額指示だと受け止めた経産省は突如、取締役の報酬案について白紙撤回したのだ。 だが、取締役会ですでに決議した事案を覆すことは、株式会社としてのガバナンスを否定することを意味する。 事態は混迷を深め、11月9日には嶋田次官がJICを訪れて田中社長に撤回について陳謝。だが、「信義にもとる行為だ」などと田中社長が激しく面罵することとなった。 その裏には、JICの別の危機感もあった。11月6日の取締役会では最大6000万円とする職員の報酬も決議しており、この基準によって採用した職員がすでにいたからだ。その報酬も白紙撤回されれば、訴訟リスクを抱えることになりかねない。また、たちまち国際金融市場に知れ渡り、今後のJICの採用活動に悪影響を与えるのは必至だった。 田中社長をはじめJICの取締役たちが、経産省への不信感を急速に募らせる中、こうした課題を解決するために設定されたのが11月24日の会合だった』、「前身のINCJ(旧産業革新機構)でも、上限7000万円のキャリーが導入されている。同社が解散する25年3月には、最大で7億円もの高額報酬が支払われる可能性があるが、経産省はこの部分については一切、不問の姿勢を貫いている」というのは不可解だが、「首相官邸の何げない感想を過剰に忖度し、減額指示だと受け止めた経産省は突如、取締役の報酬案について白紙撤回」、というので疑問は氷解した。経産省は首相官邸とは強いパイプで繋がっている筈なのに、「首相官邸の何げない感想を過剰に忖度」とは、全く情けない話だ。
・『「荒井ペーパー」の政治力  東京都内の帝国ホテル。会合に参加したのは、経産省からは嶋田次官、荒井勝喜大臣官房総務課長、佐々木啓介産業創造課長と同課の担当課長補佐の4人。一方のJIC側は、田中社長と社長室長、経産省出身の三浦章豪氏と財務省出身の齋藤通雄氏の両常務取締役の同じく4人だった。 先手を打ったのは経産省側だ。A4判12枚に及ぶペーパーを参加者に配り、なぜかこれまでJICとの議論に一度も参加したことのない、経産省で国会担当を務める荒井課長が説明を始めた。 ペーパーのタイトルは「基本的考え方」。書類をめくると、取締役の報酬を最大3150万円に大幅に減額することや、孫ファンドにも事実上認可を必要とすることなど、これまでの議論と全く異なる内容がふんだんに記されていた。とりわけ田中社長らの神経を最も逆なでしたのは、表紙にある「総論」部分の記述だった。 「事業遂行の基本哲学」として、(1)政策目的の達成と投資利益の最大化、(2)政府としてのガバナンス(ファンドの認可など)と現場の自由度(迅速かつ柔軟な意思決定の確保)の両立、(3)報酬に対する国民の納得感、透明性と優秀なグローバル人材の確保(民間ファンドに比肩する処遇)の両立という三つの論点が書かれていたのだ。 さらに官民ファンドの手法として、投資ファンドが日常的に行っているデリバティブ取引を禁じただけでなく、インデックス投資、不動産投資はリスクヘッジ目的でない限り認めないといった、当たり前過ぎることもご丁寧に記されていたのだ。 JIC側とすれば、そうした哲学について十分に理解した上で、幾度も議論を重ねてきた。にもかかわらず、これまでの議論を半ば無視するかのように国会担当者があらためて論点を提示し、まるで「おまえたちは政治に従っていればいい」と言わんばかりの態度だったという。 会合は2時間に及んだものの、そうした状態で不信と嫌悪という感情だけが交錯し、まともな議論には到底ならなかった。 「話が違う! このままではJICを育てることはできない!」。田中社長がそう怒りをあらわにし、最後は席を蹴ったことで両者の対立はついに決定的なものになった。 「(JICが)孫ファンドまで作って、そこから先は全く国として見えないということは想定していなかった。透明性に問題があると認識せざるを得ない。われわれは(JICの投資について)白紙委任をしているわけではない」 世耕弘成経産相は12月10日の記者会見で、JICとの認識のずれを生んだ点についてそう解説してみせた。確かに、迅速な投資判断をする上で、認可の範囲に孫ファンドを含めるかどうかは大きな論点である。だが、互いに歩み寄る余地もなく、落としどころを見いだすことすら難しいという内容では決してなかったはずだ。 投資実務をめぐる意見の対立や認識のずれと言えば世間に格好がつくのかもしれない。だが、問題は報酬案の白紙撤回をきっかけにして、建設的な議論がまともにできないほど、感情的に対立してしまった点にある。 田中社長をはじめJIC側は、官邸の顔色をうかがっては報酬や認可の範囲について、次々にハシゴを外してくる経産省に対して不信感が極限にまで増幅。 一方の経産省側は、田中社長がこれまで高圧的な言動を繰り返し、報酬案の白紙撤回という事務的失態について、次官が自ら謝罪した後も執拗に責め立てる姿を見て、一緒に仕事はできないと判断したにすぎないというわけだ。 ただし、自らの失態で、民間経営者が作り上げたガバナンスを形骸化させて、2兆円の投資枠を持つ巨大官民ファンドを機能不全に陥らせた罪は重い』、荒井課長が「「おまえたちは政治に従っていればいい」と言わんばかりの態度」で接してきたのでは、「田中社長をはじめJIC側」が怒り心頭に発して、「一斉辞任」したのも当然だ。
・『経産省は今後、新たに「JIC連絡室」を立ち上げ、新たな取締役の選任を急ぐ方針だ。連絡室長には糟谷官房長が就き、来春までは専任として業務に当たらせるため、官房長の業務は嶋田次官と総括審議官に代行させるという。 事実上の降格となった糟谷官房長は、昨年12月に田中氏に社長就任を打診した張本人。だからこそ、JICへの出向も視野に入れた上で人選に最後まで責任を持たせるのだろう。 だが、ここまでぶざまな混乱を招きながら、その渦中にいた人物に役員の招致を担わせるのは、いささか酷な話だ。トカゲの尻尾切りのごとく、糟谷氏一人に責任を押し付けた格好ともいえる。 辞任当日、JICの社外取締役5人が公開したレターにあるように、海外勢に対抗し得るトップレベルの政府系投資機関をつくり上げ、積年の課題であるリスクマネーの供給という当初の理念は、もはや雲散霧消してしまった』、現在は産業革新投資機構(JIC)傘下に産業革新機構(INCJ)があり、CEOは元日産の志賀俊之氏が留任、COOは専務だった勝又幹英氏が昇格している。これまでの投資を回収するという「敗戦処理」が主要業務になるのだろう。
https://www.incj.co.jp/about/overview/index.html

次に、元経産省官僚の古賀茂明氏が12月25日付け日刊ゲンダイに寄稿した「損しても責任不問「後は野となれ、山となれ」の危険な遊び」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244111
・『官民ファンドはアベノミクスの目玉政策。今は14もあるが、どのファンドもボロボロで、失敗に終わるのがほぼ確実だ。どうしてそうなるのか。官と民の比較をしてみるとおのずと明らかになる。 まず、民間には資金が余っている。最近では、優れたベンチャーには資金がつき過ぎる「ベンチャーバブル」も生じているほどだ。また、経営や先端技術の目利きのノウハウでは官よりも民の方が明らかに優れている。さらに、情報の質も量も、最近は民間の方が上だ。何もかも民間の方が上。それなら官民ファンドなど不要ではないのか。 ところが官僚たちは、官民ファンドの存在によって、優秀な民間人でもできない案件が実行可能になるという。では、その官民ファンドの強みとは一体、何なのか。 それは、官のカネなら損をしても責任を問われないということしかない。しかも、情報開示も不徹底だから、失敗しても経歴に傷がつかない。つまり、無責任に安心して好きなことをできるからに他ならない』、「情報の質も量も、最近は民間の方が上だ。何もかも民間の方が上」なのに、「官民ファンドの強み」が「無責任に安心して好きなことをできるから」とはふざけた話だ。
・『官僚は経営を動かしていると錯覚して有頂天  官僚が監視する建前になっているが、実際は、官僚たちは、いつも民間人以上にイケイケどんどんだ。経営のド素人なのに、一企業の経営を動かしていると錯覚して、プライドの高い官僚たちは有頂天になる。経産省のように存在意義を失った役所ならなおさらだ。こうして、ファンドは、官僚の「オモチャ」と化す。役人は2年ほどファンドで夢を見たら異動。後は野となれ山となれだ。こんな危ない遊びはない。 官がしっかり管理するという世耕大臣は何もわかっていない。優秀な民間のプロは、報酬よりも自由を求める。今回の経産省による介入の顛末は、瞬く間に世界中に拡散し、「自由のない産業革新投資機構(JIC)」に優秀な人材はもはや集まらない。JIC廃止は必然だ。 JICの前身の産業革新機構創設時、担当課長が、経産省内でこれに強く反対していた私を居酒屋に呼び出して、「古賀さん、おとなしくしててください」と頭を下げたのを思い出す。ダイエーなどを再生し4年で解散した産業再生機構の元幹部たちも皆、「官民ファンドは不要」と口を揃える。JICだけではない。すべての官民ファンドは、即刻「解体」すべきだ』、説得力溢れた主張で、大賛成だ。

第三に、6月17日付けYahooニュースが朝日新聞記事を転載した「投資失敗でも役員報酬満額…92億円赤字の農水ファンド」のうち無料部分を紹介しよう。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190617-00000051-asahi-soci
・『投資が失敗続きの農林水産省所管の官民ファンドが、役員の報酬や退職慰労金を運用成績に左右されない全額固定額にしていることがわかった。常勤役員の報酬は毎年2千万円ほどだ。退職慰労金は、6億円超を投融資した会社が経営破綻(はたん)した案件を扱った役員でも満額の1400万円が支払われる。結果責任を問わない報酬の仕組みに疑問の声が出ている。 このファンドは農林水産物の生産から加工、流通・販売まで手がける「6次産業化」を後押しする目的の「農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)」で、2013年1月に設立された。大半を政府が出資した319億円の資金を元手に、株式を購入するなどして企業を支援しているが、今年3月末時点で92億円の累積赤字を抱える。 昨年10月には、国産のブランド農産物の海外販路開拓を進めていた東京都内の会社が破綻し、出資金や返済の優先順位が低い「劣後ローン」の計約6億5千万円の多くが焦げ付いた。この案件を担当していたA―FIVEの役員は今月下旬に退任するが、1400万円の退職慰労金は満額支払われる予定だ』、「常勤役員の報酬」や「退職慰労金」は高級官僚の天下りとして世間相場なのだろうが、「92億円の累積赤字」や「焦げ付き」を出しているのに、満額支給とは優雅なことだ。「結果責任を問わない報酬の仕組み」に問題があることもさることながら、最大の問題はこんないい加減な「ファンド」がお手盛りで作られていることだ。ファンド形態を採っているのに、「結果責任を問わない」などあり得ない。第二の記事にあるように、官民ファンドは全て廃止すべきだ。
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