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働き方改革(その21)(安倍政権「就職氷河期支援策」で非正規労働者を食い物に、中間管理職がヤバい!死亡率急増と身代わり残業、今後の日本で「賃金が際限なく下がる」と考えられるこれだけの理由 雇用制度改革が暗示する未来) [経済政策]

働き方改革については、5月20日に取上げた。今日は、(その21)(安倍政権「就職氷河期支援策」で非正規労働者を食い物に、中間管理職がヤバい!死亡率急増と身代わり残業、今後の日本で「賃金が際限なく下がる」と考えられるこれだけの理由 雇用制度改革が暗示する未来)である。

先ずは、6月6日付け日刊ゲンダイ「安倍政権「就職氷河期支援策」で非正規労働者を食い物に」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255430
・『政府が6月に閣議決定する「骨太の方針」に盛り込む「就職氷河期世代支援プログラム」に、あの竹中平蔵東洋大教授(パソナグループ会長)の影がチラついている。 支援策は、今後3年間で就職氷河期世代に当たる35~44歳の正規雇用者を30万人増やすと、聞こえはいいが、対策の柱に「キャリア教育や職業訓練を人材派遣会社などに委託し、就職に結びついた成果に応じて委託費を払う」と、人材派遣会社にとっていいことずくめの内容が含まれている。そこで「支援プログラムは竹中会長案件か」(厚労行政関係者)との見方が出ているのだ。 支援策の構想が持ち上がったのは、今年3月27日の経済財政諮問会議。議事録によると、議長の安倍首相は〈就職氷河期世代への対応が極めて重要〉とぶち上げ、竹中氏がメンバーに名を連ねる「未来投資会議」と連携しながら検討を進めるよう諮問会議に要請したのだ。 すると、4月10日の諮問会議では、柳川範之東大大学院教授と竹森俊平慶大教授ら民間議員が支援策の骨子を提言。柳川氏は〈民間事業者の協力を得て、官民一体、地域横断型で新規能力開発のプログラムを充実していく。その時には、やはり成果報酬型の業務委託なども積極的に活用していくということが大事〉と、人材派遣会社への委託と成果に応じた委託費導入の必要性を強く訴えている。竹森氏もこれに追随した。 この2人、実は“竹中一派”とみられている。柳川氏は、竹中氏が理事長を務める「SBI大学院大学金融研究所」の研究員。一般社団法人「G1」のシンクタンク「G1政策研究所」では、顧問を務める竹中氏と共に幹事として名を連ねている』、経済財政諮問会議は加計学園問題でも使われたが、利益誘導のためには使い勝手がよいようだ。それにしても、“竹中一派”は、柳川氏、竹森氏など錚々なる顔ぶれだ。
・『人材派遣会社を2度儲けさせる  竹森氏は、「日経ビジネスオンライン」(2009年7月22日)に「竹中氏は日本経済の恩人である」と題したヨイショ記事を寄稿している。竹中氏に近い人物が氷河期世代ビジネスの門戸を開いた格好だ。 氷河期世代計約1700万人のうち、非正規社員とフリーターは371万人で、世代全体の約22%を占める。そもそも、大勢の氷河期世代を不安定な就労環境に追い込んだのは、大規模な規制緩和を進めた小泉純一郎政権だ。当時、経済財政担当相だった竹中氏は小泉首相と二人三脚で04年に労働者派遣法を改定し、製造業への派遣を解禁。以来、非正規社員は増え続けた。それを今さら「救う」とは、どう見てもマッチポンプだろう。労働問題に詳しい法大教授の上西充子氏はこう言う。 「政府の方針は、氷河期世代を『救う』というより、商売の道具にしているように見えます。過去には規制緩和で派遣労働者を増やし、一部の人材派遣会社に儲けさせ、今度は不安定な雇用環境に陥った人たちを『救う』という名目でビジネスチャンスをつくる。人材派遣会社に2度、儲けさせている格好です。そもそも、氷河期世代の非正規問題は08年のリーマン・ショック後に表面化しています。過去に対策を打てず、今さら『救う』というのは、あまりにも無反省でしょう」 安倍首相と“竹中一派”は労働者を“金目”としか思っていない』、「人材派遣会社を2度儲けさせる」とは腹立たしい限りだ。

次に、健康社会学者(Ph.D)の河合 薫氏が6月18日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「中間管理職がヤバい!死亡率急増と身代わり残業」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00028/?P=1
・『「働き方改革ってどうなんですか? 他の会社とかうまくいってるんでしょうか? いえね、なんと言うか、働き方改革って仕事よりプライベートを大切にする若い世代だけのためにあるような気がするんです」 こう話すのは大企業に勤める課長職の男性である。 職場では上からも下からも責められ、家庭では妻からも責められる中間管理職は、いつの時代も“会社の変化”のとばっちりを真っ先に受けてきた気の毒な存在である。その中間管理職が「働き方改革で追い詰められている」と言うのだ。 部下と上司の“働き方改革格差”は、今年2月に公開された日本能率協会のアンケート調査でも確認されている。働き方改革が進んだと実感する理由として「有休取得」「残業減」をあげた人が多かった一方で、「働き方改革実感なし」と7割が回答。年齢別では、20代が61.5%であるのに対し、40代は69.0%、50代では75.0%と、年齢が高いほど否定的な意見が増える傾向が認められていたのである。 そもそも「働き方改革」が「働かせ方改革」になってしまったことで、そのひずみがあちこちで表面化し始めているとは感じていたけど、管理職の“それ”は本人の自覚以上に深刻。そこで今回は「中間管理職の呪縛」をテーマにあれこれ考えてみようと思う。 まずは男性の現状からお聞きください。 「うちの会社は‥‥私も含めて‥中間管理職が疲弊しています。と言っても、ラインの管理職ではなく、現場付きのプレイング・マネジャーです。例の広告代理店の事件以来、長時間労働の締め付けがきつくなりました。 『部下に残業をさせるな!』と上からはことあるごとに言われますし、会社もSNS告発にかなり敏感になっているので、とにかくうるさい。部下にツイッターでブラック企業だの、パワハラ上司だの言われたら株価だって左右されるご時世です。 なのでどんなに忙しくても若い社員は一刻も早く帰さないとダメなんです。 すると必然的に管理職が、部下の業務を肩代わりするしかない」』、最もシワ寄せされているのが、「現場付きのプレイング・マネジャー」とはありそうな話だ。
・『件の中間管理職男性は続ける。 「もちろん業務の効率化も進めてはきました。でも、お客さん相手の現場は変えられないんです。今までやっていたことを『できない』とは到底言えません。 残業はこの1、2年で倍増しました。月100時間なんてのもザラです。 しんどいですよ。ただ、私たちの世代は残業やってなんぼで育ってきましたから、精神的な負担はさほどない。部下に長時間労働させて、万が一を心配するくらいなら自分でやった方がましです。 でも、健康不安はかなりあります。 つい先日も、大学時代の先輩が朝ランニングに行ったきり帰ってこなくて奥さんが心配してたら、途中で倒れて病院に運ばれてました。そんな話を聞くと、やはり怖くなりますよね。 働き方改革を進めれば進めるほど、自分たちの首を絞めているような気がします。ここまでして残業を規制する必要があるんですかね。体を壊すまで残業するのは本末転倒ですけど、そこは自分でコントロールすればいいと思ってしまうんですけど。あ、こういうこと言ってしまうのが、昭和の価値観なんですかね?」』、「残業はこの1、2年で倍増しました。月100時間なんてのもザラです」、確かに大変そうだ。「部下に長時間労働させて、万が一を心配するくらいなら自分でやった方がましです」、というのは多くのプレイング・マネジャーの本音だろう。
・『残業規制だけでは何も解決しない  ‥‥“部下の肩代わり残業”とは、なんともやるせない事態だが、男性はどこか他人事だった。残業を嘆きながらも、残業規制を批判するという、この世代によく見られる複雑な心情が垣間見られたのである。 そもそも残業削減が働き方改革の代名詞になっているけれど、残業ありきで成立している企業で「残業削減」だけに手をつけたところでできるわけがない。 本来であれば経営陣が経営判断として、業務量の調整、効率化に乗り出すべきなのに、中間管理職の上の人たち=上級管理職に「ひとつ、よろしく!」と押し付ける。 前述の男性の会社では、「部下の残業量は上司の無能のパラメーター」と言わんばかりに、「無駄な仕事を効率化する」という明確なミッションが管理職に課せられていて、業務を減らす権限はないのに、効率化だけを任されるという、なんともトンチンカンな事態が横行しているのだという』、「“部下の肩代わり残業”」とは言い得て妙だ。「業務を減らす権限はないのに、効率化だけを任されるという、なんともトンチンカンな事態が横行」、というのも本質を突いた鋭い指摘だ。
・『いずれにせよ、“日本株式会社”の歴史は「管理職の命」と引きかえに発展してきたと言っても過言ではない。 1970年代後半に中小企業の管理職層で心筋梗塞発症が急増した「過労死=KAROSHI」も、まさにそれだった。 第1次オイルショックで景気が冷え込み、国は企業に助成金を出すことで雇用を守った。ところが、助成金で不景気を乗り切った企業が、その後の景気回復に伴い人を増やすのではなく、少ない人数で長い時間働かせることで生産性を向上させるようになる。 このとき生まれたのが「残業」という概念である』、「残業」の歴史はもっと古いと思われるが、激化したのは確かに「1970年代後半」なのかも知れない。
・『残業という非日常が日常になってしまった  その後も「メード・イン・ジャパン」の需要は拡大しつづけ、企業は残業ありきで従業員を雇い、賃金も残業ありきで定着。やがて1990年代に入ると精神的なストレスでうつ病などの精神障害に陥った末の自殺である「過労自殺」が急増する。 会社を生かすために、管理職の生きる力が奪われていったのだ。 昭和後期から平成初期ににかけての管理職の痛ましい実態は統計的な分析からも確かめられている。 北里大学公衆衛生学部の和田耕治氏らの研究グループが、30~59歳の男性の死因および死亡前に就いていた職業のデータなどを、1980年から2005年まで縦断的に解析したところ、管理職の自殺率は1980年から2005年の25年間で、271%も激増し、管理職の死亡率が5年で7割も増加。さらに、心筋梗塞や脳卒中で亡くなる人は他の職種で漸減していたのに、管理職と専門職では70%も増加していたのである。 また、この調査では30~59歳の日本人男性の人口に占める管理職の割合も調べているのだが、1980~2005年の25年間で、8.2%だったのが3.2%と半分未満に減少していることもわかった。 つまり、もともと少ない人数が「残業」でこなしていた業務を、さらに少ない人数でやる羽目になり、そこに「生産性向上」という銃弾が飛び交う時代に突入したのである』、「管理職の自殺率」の激増、「心筋梗塞や脳卒中で亡くなる」「管理職と専門職」の急増は、確かに顕著で、悲惨な事態だ。
・『欧州では低い管理職の死亡率が高い韓国と日本  と、ここまでは国内のデータ分析なので、「それって日本だけのことじゃないでしょ? 世界的にも中間管理職ってリスクあるポジションなんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれない。 そこでその答えを探ろうとしたのが、東京大学大学院医学系研究科の小林廉毅教授らの研究チームだ。(「日本と韓国では管理職・専門職男性の死亡率が高い」) 調査では、デンマークやスイス、フランス、英国など欧州8カ国と日本および韓国の35~64歳男性の死亡データ(1990年から2015年)を分析。その結果、「日本の管理職や専門職の男性の死亡率が高い」という、いたたまれないリアルが確かめられてしまったのである。) 研究グループによれば、欧州は90年代から一貫して「管理職と専門職」の死亡率が低く、「事務・サービス系」「工場や運輸など肉体労働系」の死亡率が高い傾向が続いていて、デンマークやスイスでは10~14年の肉体労働系の死亡率が、管理職と専門職の2倍強だった。 ところが、日本では正反対の結果となってしまったのだ。日本では「管理職と専門職」の死亡率が急激に上昇し、2000年代に入り若干下がったものの、依然として高い傾向が続いていた。一方で、その他の職業階層での死亡率は継続的に低下していたのである。 2015年には10万人当たり357人で、事務・サービス系の1.4倍。主な原因はがんと自殺だ。 ちなみに日本同様、労働時間の長さが世界トップクラスの韓国でも管理職と専門職の死亡率が高いが、日本がバブル崩壊後急上昇したのに対し、韓国ではリーマン・ショック以降だったという。 研究グループの小林教授はこれらの結果に対し、「時間の自己管理が建前の管理職は、自らを長時間労働に追い込みがちだ」と指摘している。 自らを長時間労働に追い込みがち―――。 言葉はシンプルだが、その行動に至る「心」は実に複雑である』、「時間の自己管理が建前の管理職は、自らを長時間労働に追い込みがちだ」、というのは正鵠を突いた指摘だ。
・『今、健康な人が危なさを実感するのは難しい  私は一貫して長時間労働は規制すべきだと訴えてきた。だが、どんなに私が訴えたところで、「残業を規制するのはおかしい」という人たちには、私の言葉は全く届かなかった。 どんなに「長時間労働だけじゃなく、睡眠不足もダメなんです!」と訴え、「ほら、こんなエビデンスもあるんですよ!」と統計的に分析された結果を示してもダメ。 「週労働60時間以上、睡眠6時間以上」群の心筋梗塞のリスクは1.4倍で「週労働60時間以上、睡眠6時間未満」群では4.8倍ですよ、だの、1日の労働時間が「11時間超」労働群は「7~10時間」群に比べ、脳・心臓疾患を発症するリスクが2.7倍ですよ、だのと具体的に数字で示しても、今元気な人には全く実感が持てない。 「労働基準法の第1章第1条には『労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない』と書かれているにもかかわらず、日本の企業は違反、違反、違反を繰り返してきた。その間、何人もの人たちが大切な命を奪われているんです」と諭されても、全く腑(ふ)に落ちない』、「今、健康な人が危なさを実感するのは難しい」、というのは自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう「正常化バイアス」のためなのかも知れない。
・『悲しいかな、人は健康を害するまで「健康」の大切さがわからない。どんなに「たまたま生き残ってるだけですよ。明日死ぬかもしれませんよ」と脅されても苦笑いするだけ。 つい先日の講演会で「政府の残業規制を守ろうとすると会社がつぶれてしまう。従業員だって残業代が欲しいから働かせてくれって言うし、残業を悪とする流れが全く理解できない」と社長さんに問われたときもそうだった。 「法律は弱者に合わせるべきだ。どんなにやる気があって仕事好きでも、長時間労働と睡眠不足が心身をむしばむことは避けられない」と私が答えても、社長さんは「でも、ストレス耐性には個人差がある。会社がつぶれては元も子もない」と言い返した。 そこで「社長さんは、きっとうまくコントロールしてきたのかもしれません。でも、それはたまたま結果的にそうなっただけのこと。社長さんの気づかないところで、体を壊していたり、精神的に追い詰められたりして会社を離れていった人もいたんじゃないでしょうか」と諭したが、その社長さんは全く納得していない様子だった』、ここまで河合氏に諭されても「全く納得していない様子」の社長には、やはり法規制の網をかぶせるしかないのだろう。
・『経営者自身が自分ごとと認識しているかが問題  ところが、同じ会場にいた他の企業の社長さんが、とっさに手をあげ、 「今の河合さんのお話には涙が出ました。実は私の部下がくも膜下出血で倒れて亡くなったことがあったんです。なので自分が社長になったとき、最初に手をつけたのは業務の見直しでした」と言ってくれたのである。 つまるところ、1回でも長時間労働でヤバイ状態を経験していれば、経営者自らが業務の適正化に積極的に関わり、管理職も部下の肩代わりをするのではなく、上に願い出る。 が、その経験がない経営者は管理職の身代わり残業を「容認」し、管理職自身は悲鳴をあげながらも「自らを長時間労働に追い込んで」しまうのである。 誰もが「中間管理職は大変だよね」と嘆くのに、どういうわけか「中間管理職を守る制度」はほとんどない。会社の要である管理職の健康にもっとクローズアップする必要があるのではないか。 なんでも「見える化」、なんでも「数値目標」の時代なのだから、管理職の健康状態も見える化し、女性活躍推進に優れた企業を認定する「なでしこ銘柄」のような制度を作ればいいではないか。 「わが社の管理職の残業時間はゼロ。健康状態良好群は90%。モチベーション高群100%」とか。中間管理職の健康を守ることに、そろそろ真剣に乗り出してもいいように思う。 そして、どうか自分の体を守ってください。失った客は取り戻せても、健康は戻ってきませんから‥‥』、説得力溢れた主張で、諸手を挙げて賛成したい。

第三に、経済評論家の加谷 珪一氏が6月26日付け現代ビジネスに寄稿した「今後の日本で「賃金が際限なく下がる」と考えられるこれだけの理由 雇用制度改革が暗示する未来」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65489
・『2019年に入って、雇用に関する従来の常識がことごとく崩壊している。70歳までの雇用延長、役職定年、残業規制やパワハラ禁止など、ニッポンの会社員にとって、これまで経験したことのない変化といってよいだろう。年金や退職金の減額など、老後の生活を支える仕組みの機能不全も明らかとなっており、ますます混迷の度合いを深めている。 一連の雇用制度改正は、産業構造の変革を伴うものであれば効果を発揮するが、現状のままでは、際限ない賃金の低下をもたらす可能性が高い。雇用について、今、起こっている変化を整理し、今後の推移について考察してみたい』、不吉な予測だ。
・『「雇用延長」は確実に賃金を低下させる  一連の雇用制度改正の中でもっともインパクトが大きかったのは、やはり70歳までの雇用延長だろう。背景となっているのは、言うまでもなく年金制度の限界である。金融庁が5月にまとめた、人生100年時代に対応した資産形成の指針が炎上するという騒ぎがあったが、それは公的年金の限界をハッキリ指摘してしまったからである。 官庁がストレートな言い方で「年金はアテにならない」と明言したのは、おそらく初めてなので、多くの人がショックを受けたわけだが、これはあくまで表現の問題に過ぎない。公的年金が将来、減額になることは厚生労働省のシミュレーションなどですでに示されており、70歳までの定年延長も当然のことながら年金の減額を補完するための措置である。 定年が延長されれば、社員を今よりも長期間雇用する必要があるので、企業側は総人件費の増大を強く警戒することになる。企業側に総人件費を大幅に増やすという選択肢はないので、定年が延長されてコストが増えた分、若い世代の賃金が引き下げられるのはほぼ確実である。70歳までの雇用延長は平均賃金の引き下げ効果をもたらすだろう』、その通りだろう。
・『40代が年収のピークになる  定年延長に伴う総人件費の増大については、若い世代の賃金引き下げだけでは対処できないので、当然のことながら高齢社員の年収も大幅に引き下げられる。年収引き下げのタイミングとなるのが、役職定年と再雇用だろう。 企業は一定の年齢に達した段階で、高い役職に就いていない社員を管理職から外す、いわゆる役職定年を強化している。役職のない仕事に異動するタイミングで年収は大幅に下がる可能性が高く、次にやってくるのは60歳、あるいは65歳での再雇用をきっかけとした年収引き下げだろう。 企業は社員が希望すれば定年後も社員を再雇用する義務があるが、ほとんどの場合において年収は大幅に下がる。大企業や公務員の場合には7割程度、業績が悪い企業や中小企業の場合には5割になると思った方がよい。これからの時代は、役員まで出世する一部の人を除いて、40代が年収のピークとなる』、晩婚化で教育費のピークは年収のピークより遅れるとすれば、計画的な生活設計が必要だろう。
・『退職金が消滅  定年が70歳まで延長されれば、これは事実上の生涯労働といってよく、そうなると高額の退職金を支払う意味がなくなってしまう。 厚生労働省の調査によると2017年に大卒の定年退職者に企業が支払った退職金の平均額は1788万円となっており、5年前との比較で153万円減少した。20年前との比較ではなんと1083万円も減っている。事実上、退職金は消滅に向けて動き出したといってよい。 退職金は定年とセットになったものであり、定年制度が崩壊しつつある今、企業にとっては退職金を支払うメリットがなくなっている。退職金の支払いを前提したライフプランは、今後は成立しないと考えた方がよいだろう』、退職金を住宅ローンの返済原資にする慣行も変わらざるを得ないだろう。
・『残業規制は「生産性の低い企業」に大打撃  雇用に関する変化は、働く年月についてだけではない。これからは日々の働き方も大きく変わる。今年の4月から働き方改革関連法が施行され、残業時間に厳しい上限規制が設けられた。一連の制度改正は、多くの会社員に根本的な価値観の転換を迫ることになる。 日本において無制限の残業が認められてきたのは、終身雇用と年功序列の制度があったからである。雇用と賃金を保障する代わりに滅私奉公的な働き方を社員に求めてきた。一連の制度は、昭和の時代においてはうまく機能したが、今では生産性を引き下げる元凶となっている。 残業規制の導入は、企業の優劣を鮮明にする効果をもたらすだろう。 一部の企業では、残業規制の導入後、一律に残業時間を削減するという場当たり的な対応を行っている。業務のムダを見直さず、ただ労働時間だけを削減した場合、企業の生産量は確実に減るので、売上高と利益の減少につながる。生産性が上がらないと賃金も上げられないので、社員の年収がさらに下がるという悪循環に陥る。生産性の向上を実現できず、市場退出を迫られる企業が出てくるかもしれない』、「生産性の向上」のためには、企業の整理淘汰もある程度は必要なのだろう。
・『パワハラ防止法があぶり出す日本企業の経営実態  この状況にダメ押し的な効果をもたらすのが今国会で成立したパワハラ防止法である。これまでパワハラには明確な定義がなかったが、関連法の整備によって何がパワハラで何がパワハラではないのかハッキリすることになった。詳細な判断基準については現在、検討中だが、同僚の目の前で叱責する、大量の仕事を押しつける、仕事を与えない、といった行為は明確にパワハラと認定されることになる。 日本企業においては、パワハラと無制限の残業は事実上セットになっていた。生産性の低さを滅私奉公と暴力的な社風でカバーするという図式である。この両方が法律で明確に禁止されるので、低付加価値な企業は息の根を止められてしまうだろう。 日本の場合、企業は自由に社員を解雇することができない。諸外国において日本のようなパワハラ問題が存在しないのは、企業がいつでも社員を解雇できるからである。日本では、能力のない社員も含めて、全員を丁寧に扱い、かつ短時間で仕事を切り上げる必要がある。これからの時代における日本の経営者の負担は計り知れない』、「生産性の低さを滅私奉公と暴力的な社風でカバーする」のが不可能になれば、「低付加価値な企業は息の根を止められてしまう」のは避けられない。「企業は自由に社員を解雇することができない」というのは、大企業の正社員の話で、既に派遣社員などの非正規労働者をバッファーに使ってきたので、「経営者の負担は計り知れない」というのはややオーバーだろう。
・『強制転勤の禁止  パワハラ防止法と関連するが、一連の法改正によって、強制的な転勤を社員に命じるのも困難になってくるだろう。多くの日本企業では、辞令があれば、どこにでも転勤するというのが当たり前だった。しかし、近年になって転勤を拒否する社員が増えており、企業の中には、強制的な転勤を抑制するところも出てきている。 日本の転勤制度は、やはり終身雇用制度と密接に関わっている。企業のビジネスは時代によって変化するので、業務を行う場所も変化する。諸外国の企業であれば、新規事業を行う場合には、新しい場所で社員を採用し、余剰となった人材は解雇することが多い。日本ではそれができないので、雇用を保障する代わりに、転勤を受け入れるという暗黙の了解が出来上がっていた。 化学メーカーのカネカが、育休を取得した社員に関西への転勤を命じたことが明らかになり、大きな批判を浴びているが、パワハラ防止法が施行された後は、強制的な転勤もパワハラに認定される可能性があり、企業は慎重にならざるをえないだろう。だが、終身雇用を保証した状況で、転勤も強制できないとなると、企業はさらに手枷足枷をはめられることになる』、「終身雇用」は判例などの慣行に根差したもので、決して「保証」しているわけではない。企業の存続がかかった場合には、「強制的な転勤」も認められるのではなかろうか。
・『暴力的なまでの「企業間格差」拡大  一連の雇用制度の改正は日本に何をもたらすだろうか。 筆者は、優秀な経営者がリードするごく一部の優良企業と、それ以外の企業との格差が絶望的なまでに拡大すると予想している。 経営者の仕事は儲かる仕組みを構築することだが、これができる経営者はごく少数である。プロ経営者が少ない日本の場合なおさらだろう。ごく一部の優秀な経営者が経営する企業は、儲かる仕組みができているので、社員の労働時間は短く、社風は穏やかで、育休などの制度もしっかり完備されることになるだろう。生産性が高いので当然、社員には高い賃金を払うことができる。 だが、こうした企業は全体のごく一部であり、従来型の薄利多売のビジネスから脱却できない企業の方が圧倒的に多い。本来であれば、市場メカニズムによってこうした企業は退場させ、雇用も流動化させた上で、経済の仕組みを抜本的に再構築する必要があるが、大方の日本人はこうした施策を望んでおらず、一連の改正も現状維持を大前提にしたものとなった。 低い付加価値しか生み出せない企業は、これまで無制限の残業やパワハラまがいの労働環境で何とかしのいできたが、一連の制度改正後は、こうした施策も不可能となる。企業の体質を変えられない経営者にとって、残された手段は、賃金の引き下げと際限のないコストカットしかない。 これは、限られたパイを奪い合う経済なので、立場の弱い企業は、今後、さらに劣悪な環境に置かれることになる。高い付加価値を実現した企業には、人が殺到するので、優良企業に入社するためのレースは壮絶なものとなるだろう』、「暴力的なまでの「企業間格差」拡大」、は概ねその通りだろう。しかし、こうした整理淘汰を通じて、日本全体の生産性も向上していくのだろう。
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