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日韓関係(その4)(韓国への輸出管理強化「ホワイト国でなければ、何色?」、「日韓貿易戦争」で日本が絶対有利とは限らない 安倍首相の「ブチ切れ」は理解できるが・・・、日本政府は韓国の輸出規制を再考すべきだ WTOで争えば、より大きなリスクを招く) [外交]

日韓関係については、4月8日に取上げた。韓国への輸出管理強化策がクローズアップされる今日は、(その4)(韓国への輸出管理強化「ホワイト国でなければ、何色?」、「日韓貿易戦争」で日本が絶対有利とは限らない 安倍首相の「ブチ切れ」は理解できるが・・・、日本政府は韓国の輸出規制を再考すべきだ WTOで争えば、より大きなリスクを招く)である。なお、タイトルから(除く慰安婦)はカット

先ずは、7月11日付け日経ビジネスオンライン「韓国への輸出管理強化「ホワイト国でなければ、何色?」」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00070/070900004/?P=1
・『テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第4回目のテーマは、韓国への輸出管理の強化。細川昌彦・中部大学特任教授は「輸出管理の協議に応じない韓国への優遇をやめ、普通の国に戻しただけ。世界貿易機関(WTO)協定違反にはならない」とし、もっと国際的なアピールが必要だという。 西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):このコーナーは、BSテレ東で毎週土曜日の朝9時から放送している「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」で、お伝えしきれなかった内容をお伝えするものです。 今回のお題は「韓国への輸出管理の強化」。 山川龍雄(日経プラス10サタデー・メーンキャスター、以下、山川):今一番、視聴者や読者の皆様の関心が高い話題と言ってよいかもしれません。今日はこのテーマを聞くのにふさわしい人をお招きしました。 西野:中部大学特任教授の細川昌彦さんです。経済産業省で日米交渉などを担当された通商の専門家です。よろしくお願いします。 細川昌彦(中部大学特任教授、以下、細川氏):よろしくお願いします。 山川:細川さんはまさに輸出管理の取り決めに携わっていらっしゃったんですね。 細川氏:課長時代に4年、部長になって責任者として1年、5年もやっていたのは経産省ではたぶん最長だと思います。韓国とも協議をずっとやってきました。 西野:その頃の経験も踏まえて、お話を伺いたいと思います。最初の疑問がこちらです』、細川氏はこの問題を解説するには最適だ。
・『ホワイトで ないとするなら 何色か  輸出管理で優遇されるホワイト国から韓国を除外するというのが大きなニュースになりました。ホワイトでなければ、グレーなのか? ブラックなのか? と思ってしまうのですが、何色なのでしょう? 細川氏:無色ですね。 西野:韓国は無色の扱いになる? 細川氏:はい、普通になるということです。例えば東南アジア諸国連合(ASEAN)やインド、メキシコなどと扱いが同じになる。 山川:改めて、ホワイト国の意味を教えていただけますか? 細川氏:通常、海外に輸出する製品は、(安全保障上、適切に管理されているかどうかを)個別に審査する必要があるわけですが、ホワイト国になると手続きが優遇されます。3年間有効になる許可をもらえば、それ以降は企業に任せられ、(リストに規制された対象品目以外は)許可が不要になります。(リンク先に「日本がホワイト国に指定している27カ国」の地図) 西野:この地図にホワイト国が示されていますが、現在は米国や英国、フランス、韓国など27カ国が対象となっています。このうち韓国については、日本政府は8月末にも除外する意向を示しました。そもそもホワイト国という呼び名は世界中で使われているのですか?』、韓国への優遇がなくなり、「普通になる」措置なのに、これだけ騒がれている理由は、あとで説明があるのだろう。
・『ホワイト国という呼び名は日本だけ  細川氏:言葉は日本だけだと思いますが、類似の制度を各国が持っています。世界的な輸出管理の枠組みというのは何十年も前からあり、日本はそのメンバーです。そこに入れば兵器に使われることのないように輸出管理をする義務が生じるし、きちんとやっていれば、優遇措置を受けるということです。 西野:企業社会では、ホワイト企業とか、ブラック企業といった使い方があります。今回は安全保障上、ホワイトかブラックか? という意味なのでしょうか? 細川氏:単に安全保障上というだけではなく、輸出管理をきちんとやっている国かどうかを見ています。そうでないと、日本からの輸出品が危ない国に行ってしまえば、日本の責任になってしまいますから。 西野:実際にそういう具体的なことが起こっているのですか? 細川氏:韓国については、残念ながら「不適切な事案」という言葉で表現されていますが・・・・・・。 山川:世耕弘成経済産業大臣などが言っていますね。 細川氏:一般的には分かりにくいと思いますが、輸出管理の世界で不適切な事案といえば、相手国がきちんと管理せずに軍事目的に使われているようなことを指します。あるいは、第三国、この場合、北朝鮮やイランなどに横流しされる恐れがあるという意味です。私が知る限り、どうやらここ数年、1件や2件ではなく、常態化していたらしいです。 西野:私、知らなかったんですが、今回、規制の対象となった、レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミドの3品目は、半導体製造だけでなく、兵器にも使われる可能性があるんですね』、輸出管理では、やや性格は異なるが、1987年に東芝機械ココム違反事件の際には、日米間で大きな政治問題になった。
・『対象となった3品目は兵器に使用される恐れ  細川氏:化学兵器に使ったり、ミサイルやレーダーに使ったりされる恐れがあります。 実は日本は、これまで韓国を一番優遇していた国の1つなのです。例えば、欧州連合(EU)が日本のホワイト国に当たるような指定をしているのは8カ国。その中に日本は入っていますが、韓国は入っていません。EUにおいては韓国は第2グループで、トルコやアルゼンチンなどと同列に位置付けられています。 山川:つまり、今回の日本の措置はEU並みにしたというわけですね。 西野:ホワイト国が取り下げられた例というのは外国も含めてありますか。 細川氏:海外の出し入れについては分かりませんが、どの国も優遇措置を維持するかどうか、普段から協議をしています。ところが韓国はこの2~3年、そうした協議に応じていなかったのです。 山川:それも不信感につながっている? 細川氏:はい。相手がきちんとやっていることを確認せずに日本が優遇措置を講じていると、ほかのメンバー国から非難を受けることになりますから。 日本は国際的な義務を果たすためにも今回、協議に応じていない国、そして不適切な事案が常態化している国を、ホワイト国から除外する必要があったのです。むしろ、もっと早くすべきだった。 西野:今回、欧米の新聞などでは、「日本はトランプ大統領と同じやり方をしている」といった報道を目にしますが……』、「韓国はこの2~3年、そうした協議に応じていなかった」のに、何故このタイミングで持ち出したのか、については首を傾げざるを得ない。
・『もっと国際社会にアピールを  細川氏:そうした誤解があること自体が問題です。トランプ大統領による、中国のファーウェイへの輸出規制や、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制などと同一視されるのはすごく問題があります。 国際的なルールに基づいて行動するというのが、日本の立場。日本は国際社会に正当なことをやっているというアピールをもっとすべきです。 西野:韓国ではWTOに提訴するという声も出ています。そこで2つ目の疑問です』、G20大阪サミットで自由貿易の重要性を強調する一方で、今回の措置が突如出てきたことについて、「もっと国際社会にアピールを」というのはその通りだ。
・『貿易で 違反の線引き どこにある?  今回の問題、WTOのルールに照らし合わせると、どうなりますか。 細川氏:世界が協調して自由貿易を推進しようというのがWTOの精神です。ただ、その中で安全保障に関しては例外として日本も含め参加国は輸出管理を厳格にやることが認められています。もし、今回のケースで、日本がWTO違反になるのなら、ほかの国もみんな違反になってしまいます。 山川:改めて確認させてください。韓国がWTOに提訴しても違反にはならない? 細川氏:明らかに、なりません。 西野:米国のファーウェイに対する措置や、かつて日米貿易摩擦の頃の日本への強硬姿勢などを考えると、安全保障上の理由ってどうなんだろうと思うところもあるのですが。 細川氏:米国の場合、強弁が目立ちます。安全保障にひっかけないとWTOの例外措置にならず、違反になってしまうから、そうしている面がある。 山川:米国の場合、国内で法律を作って進めているわけですが、確かに国際社会から見たら無理筋ではないかと感じるときがあります。例えば自動車の関税引き上げまで、安全保障を理由にするのはどうかと思う。 細川氏:おかしいですよね。だから、米国がやっていることと同一視してはダメなんです。先ほど申し上げた通り、軍事にも使われかねない危険な物質が危険な国に渡らないようにするために、日本は行動しているわけですから。それがどうして違反なのでしょう』、「韓国がWTOに提訴しても違反にはならない」といやに自信を持っているようだが、最近、日本政府は国際的紛争処理でボロ負けが相次いでおり、危うさを感じる。
・『中国によるレアアース規制との比較  山川:WTOとの関連を明確にするために、具体的な事例で考えていきましょう。 表の右側は、中国のWTO違反のケースです。尖閣諸島の問題が起きたとき、日本に対してレアアースの輸出量を制限しましたが、このときは、日本が提訴して、中国が負けました。 そして左側の今回は、徴用工や自衛隊機への火器管制レーダー照射問題などで「信頼関係が著しく損なわれた」ことを政府は理由の1つとして挙げています。ただ、中国のケースと違って、輸出を制限するわけではなく、あくまでも優遇措置を除外するというものです。 細川氏:徴用工の問題は背景にはあっても理由ではありません。理由は明らかに輸出管理の世界での論理です。しかも禁輸するといった運用ではない。あくまでも輸出の許可手続きを変更するだけです。国際的なルールにのっとって淡々とやろうとしている。 西野:今後、もし輸出量を制限するとか、禁輸するといったことになったときはどうなりますか? 細川氏:そういうことにはなり得ません。日本は法治国家ですから、輸出品が第三国に流出する恐れがあるといったエビデンス(証拠)がなければ、不許可にしません。 山川:確実にどこかに流れていると確証がある場合だけ? 細川氏:あるいは流れる可能性が高い、と見れば不許可にすることはあります。それ以外は禁輸はあり得ません。通常の輸出を不許可にしたら日本政府がその企業から訴えられますから。 山川:確かに中国との件では、日本がレアアースをどこかに横流ししていたわけではなかった。 細川氏:中国のケースは完全に禁輸です。しかも理由が尖閣の問題ですから意味が全く違います。 山川:そこをきちんと国際社会に伝えていくのが大事ですね。どうしても韓国の方がロビーイングも含めて国際世論を巻き込んでいくのがうまいですから。 WTOをめぐっては4月、最終審に当たる上級委員会が、福島など8県産の水産物の輸入を禁止する韓国の措置を事実上認める判断をしました。これも、日本側は勝てると思っていたら、敗訴してしまった。 細川氏:もちろん今回の措置については、背景には、徴用工問題などによって2国間の信頼関係が薄れたことがあると思います。でも、それを前面に出してしまうと、本当の理由が見えなくなる。 徴用工の問題だけを切り取られて、中国のレアアースの事例と同一視されるのが心配です。実際に海外の報道ではそういう論調が出ていますから。国際的にどうアピールしていくかが、大事だと思います。 山川:我々も正しく報道していかないといけませんね。 西野:そうですね。さて、日本の措置で物事は前に進むのかどうか。日韓関係はどうなるのかが気になります。そこで最後の疑問です』、「国際的にどうアピールしていくかが、大事だ」、その通りだが、既に遅きに失しているのではなかろうか。
・『いつまでも 近くて遠い お隣さん?  隣国同士、対立が強まる傾向にあるわけですが、今後の展開をどう見ていらっしゃいますか。 細川氏:そうですね、関係改善がなかなか期待できないからこそ今回、こういう措置に至ったわけです。もちろん今後、韓国側がきちんと輸出管理をし、不適切な事案が二度と起こらないという確証を日本が持てば次の展開はあると思います。ただ、今の韓国の状況を見ると、期待するのは難しいかもしれない』、長期戦を覚悟でやる他ないとすれば、お互いに不幸なことだ。
・『言うべきことを言う  山川:今までは日本側はじっと黙って、韓国が変わるのを待つのが基本的なスタンスでした。ただ今回は一歩踏み出したような印象を持ちます。日本政府は「言うべきことは言う」というモードに切り替えたということでしょうか。 細川氏:そうですね。輸出管理の世界でもきちんとした対応は期待できないと見切りをつけたということだと思います。 山川:文在寅(ムン・ジェイン)政権の姿勢を見ていると、メンツや支持率を意識して、報復に出てくる可能性が高いのではないでしょうか。その場合、ここに示した通り、WTOへの提訴や戦略物資の輸出制限、日本製品に対する輸入規制などが考えられます。 一方、日本側も農水産物の輸入制限、就労ビザの制限などが一部で取り沙汰されています。 (リンク先に「日韓双方の考えられる対抗策」の図表) 細川氏:韓国が報復措置だと言って出てくるならば、日本がWTOに提訴すればよい。勝てると思いますよ。 山川:むしろ白黒つけた方がいいと……。 細川氏:はい、その過程で今回の不適切事案のこともきちんと説明すればよい』、自信過剰ゆえの準備不足で負けることにならなければいいが・・・。
・『対象品目が増えることはおそらく、ない  西野:ところで、今回の措置はなぜこのタイミングだったのでしょう。主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が終わった直後であり、参院選の前ということで、いろんな臆測を呼んでいます。 細川氏:だからこそ、もっと早くやるべきだった。このタイミングだと、色々と思惑があるんじゃないかと受け止められかねません。G20が控えていたことや、徴用工問題の返答を待っていたことで、タイミングが遅れたのかもしれません。 西野:今回は半導体材料の3つを対象にしたわけですけれど、今後、品目が増えていく可能性はありますか。 細川氏:ないと思います。不適切な事案が起こっているのがこの3品目に集中しているということが一つ。それにこの3品目は、日本が世界に対する大供給国なので、輸出管理をきちんとやっていると示す義務があるわけです。 西野:国同士の対立で、負担をこうむるのはいつも企業です。今回の影響をどう見ますか。 細川氏:日韓の間では、これまで簡素化した手続きを前提に販売計画や生産計画を立てていました。個別審査になると手続きに手間や時間がかかるのは事実です。 ただ、審査には90日程度の時間がかかると言われていますが、これは事実ではありません。90日というのは標準的に定められているだけで、現実にかかっているのは、私の感覚でいえば、4~5週間程度です。 山川:そうすると韓国のサムスン電子やSKハイニックスが、半導体メモリーのDRAMの生産で極端に支障を来すことはない? 韓国だけに負担を課すわけではない  細川氏:ないと思います。最初は輸出する側も手続きに慣れていませんから、相手から誓約書をもらうなど、手続きが煩雑になります。しかし、慣れてくれば、負担は減っていきます。繰り返しになりますが、韓国だけに特別に重い負担を課すわけではなく、他国ではやっていることですから』、「手続きが煩雑になります。しかし、慣れてくれば、負担は減っていきます」、なるほど。
・『西野:米中の通商摩擦が示す通り、国同士の対立は、結局、双方の企業活動にマイナスになります。 細川氏:報復合戦になると、日本企業は次第に事業を展開するうえで韓国は危ない場所だと思い始めるでしょう。そうなると韓国にとってマイナスだと思うのですが。 山川:「雨降って地固まる」という言葉もあります。こうなってしまった以上、今回、日本が「言うべきことは言う」とスタンスを変えたことが、むしろいい結果になることを期待したいですね。 西野:本音同士のぶつかり合いが事態を変えるということですね。私たちも、しっかりと情報をお伝えする努力をしていきたいと思います。 細川さん、ありがとうございました・・・』、「報復合戦」は何としてでも避けるべきだろう。

次に、双日総合研究所チーフエコノミストのかんべえ(吉崎 達彦)氏が7月13日付け東洋経済オンラインに寄稿した「「日韓貿易戦争」で日本が絶対有利とは限らない 安倍首相の「ブチ切れ」は理解できるが・・・」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/292009
・『6月と7月で世の中はすっかり様変わり。大阪G20首脳会議が始まるまでは、「米中貿易戦争はどうなるのか!」と、皆が固唾をのんで見守っていたものだ。ところが6月29日に米中首脳会談が終わったら、それはもうどこかに行ってしまい、今月の焦点はズバリ日韓関係である。いやあ、どうなるんですかねえ』、かんべえ氏の見解とは興味深そうだ。
・『韓国企業が浮き足立つのも無理はない  大阪G20が終わった翌週の7月1日、経済産業省は「対韓国輸出規制」に踏み切ることを公表した。そして4日から実施。たちまち日韓関係は大揺れとなった。 今回、規制対象となったのは、「レジスト」(感光材)、「エッチングガス」(フッ化水素)、「フッ化ポリイミド」という3種類の半導体材料。韓国によるこれら材料の対日輸入額は5000億ウォン(466億円)に過ぎないが、それによって生み出される韓国製の半導体とディスプレ-は、全世界への輸出総額が170兆ウォン(15.8兆円)に達する。つまり日本側は失うものが小さく、韓国側が受ける打撃は大きい。これを称して、「レバレッジが高い効果的な経済制裁」ともてはやす向きもある。 韓国企業の反応は素早く、サムスン電子の李在鎔副会長は7月7日にはお忍びで日本へ飛んだ。日韓の政府間交渉に任せていたのでは埒が明かない、民間企業同士で解決を図ろうと考えたのだろう。その認識はまったく正しくて、韓国政府はこれを政治問題化させて、外交戦、宣伝戦に持ち込む構えである。文在寅大統領の頭の中に、「経済界の利益」や「日韓関係の安定」は存在しないとみえる。 しかし供給元の日本企業としては、たとえ韓国財界のトップから直々に陳情されたとしても、これが政府による輸出管理政策上の判断だと説明されると手の打ちようがない。この問題、政府と民間企業ではまるで受け止め方が違ってくるのだ。 世間的には、「WTO提訴になった場合、日韓のどちらが勝つか?」みたいな話になっている。しかし企業にとっては、そんな話は悠長に聞こえてしまう。WTOで争うとなれば、答えが出るまで1年やそこらはかかる。韓国企業の半導体材料の在庫は長くて3カ月分、短ければ1カ月程度しかないと言われている。彼らが浮足立つのも無理はないところだ。 それではこの喧嘩、日本が圧倒的に有利かというと、そうとも限らない。この問題に対する日本政府の説明が、7月第1週と第2週以降で微妙に変化していることにお気づきだろうか』、「レバレッジが高い効果的な経済制裁」との一部の見方は正鵠を突いている。「日本政府の説明が、7月第1週と第2週以降で微妙に変化している」、とはさすがに鋭い指摘だ。
・『安倍首相の気持ちはわかるが「世界がどう見るか」がキモ  安倍晋三首相は7月3日、日本記者クラブ主催の党首討論会において、本件は元徴用工訴訟で対応を示さない韓国政府への事実上の対抗措置だという認識を示している。「1965年の日韓請求権協定で、互いに請求権を放棄している。約束を守らないうえでは、今までの優遇措置は取らない」とも語っている。 もちろん日韓関係には、それ以前から従軍慰安婦合意の一方的破棄、レーダー照射事件、水産物規制などの問題が積み重なっている。徴用工問題については、日本政府は日韓請求権協定に基づき、日韓と第三国による仲裁委員会の設置を5月に求めた。ところが韓国側は期限の6月18日になっても仲裁委員を任命せず、翌19日になって突然、日韓企業が資金を出し合って救済することを提案した。おいおい、それって財団方式じゃないか。2015年の日韓合意でできた慰安婦の「和解・癒し財団」を、勝手に解散してしまったのはどなたでしたっけ?安倍首相がブチ切れた心情は、非常によく理解できる。 とはいうものの、韓国に対して恣意的な経済制裁を打ち出すのは拙いだろう。日本は今までそういうことをしない国だった。自由でリベラルな国際秩序の忠実なる担い手だった。特に今年はG20議長国であり、世界に率先して自由貿易の旗を振る立場。それが首脳会議終了直後に豹変したとなったら、周囲はどう見ることか。 ウォール・ストリート・ジャーナル紙では、7月2日に政治学者ウォルター・ラッセル・ミードが「トランプ化する日本外交」という記事を寄稿している。「あの日本がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退し、対韓輸出規制を始めるのだから、世の中は変わったもんだねえ」とのご趣旨であった。つくづくこの問題、日韓関係だけを見ていちゃいけない。第三国からどんな風に見られているかが、勝負のキモなのである。 ということで、政府の説明は翌週から「本件は輸出管理の一環です」というテクニカルなものに軌道修正した。政治家としては7月21日の参議院選挙も意識して、「韓国許すまじ」と気炎を上げたいところかもしれないが、それでは聞こえが悪いのである。 実際に経済産業省のHPを見てみよう。今回の措置は以下のように説明されている (「輸出貿易管理令の運用について」等の一部を改正する通達について)。 外国為替及び外国貿易法に基づく輸出管理制度は、国際的な信頼関係を土台として構築されていますが、関係省庁で検討を行った結果、日韓間の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況です。 こうした中で、大韓民国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていることに加え、大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこともあり、輸出管理を適切に実施する観点から、下記のとおり、厳格な制度の運用を行うこととします。 つまり今回の措置は「輸出規制」であって「禁輸」ではない。半導体材料を、「お前さんには売れねえ」と啖呵を切ると、2010年の中国によるレアアース禁輸措置と同様、明々白々なWTO違反となってしまう。 経済産業省はこんな風に説明している。2004年以降に簡略化されていた韓国向けの輸出管理の手続きを、それ以前の状態に戻します。韓国はいわゆる「ホワイト国」から外れるので、今後は輸入の際に個別に許可を取らなければなりません。しかし半導体材料を入手できなくなるわけではありません……。仮に関連企業から行政訴訟を起こされたとしても、負けないように予防線を張ってあるわけだ』、WSJ紙の「トランプ化する日本外交」、と実に痛いところを突いている。「参議院選挙も意識して、「韓国許すまじ」と気炎を上げたいところかもしれないが」、「政府の説明は翌週から「本件は輸出管理の一環です」というテクニカルなものに軌道修正した」、というのは安倍政権のいい加減さを示しているようだ。
・『もし「不適切な事案」が肩透かしなものであったら?  ところで上記の文言で気になるのは、「韓国に関連する輸出管理をめぐり、不適切な事案が発生した」ことの中身である。「武士の情けで皆までは言わないでおいてやる」的な書きぶりだが、今後、「不適切な事案とは、具体的に何のことなんだ?」との疑問が寄せられることは避けられまい。 そこでぐぅの音も出ないような事実が出てくれば、日本側の勝ちである。例えば北朝鮮やイランへの材料の横流しがあったとすれば、「なるほど、日本の措置はもっともだ」ということになる。ところが韓国側はさほど意に介する様子もなく、「2015年から今年3月までに156件の違法輸出があったが、日本産の転用はない」などと答えている。仮に「不適切な事案」が肩透かしなものであったら、第三国からどう見られるか。「規制強化に政治的な意図があった」という心象を持たれれば、日本外交が失うものは小さくないだろう。 繰り返すが、建前はさておき「ビジネスを武器にして他国に圧力をかける」という発想は、少なくとも今までの日本外交にはなかった。国連安保理やG7の制裁には足並みをそろえるが、少なくとも二国間ベースでは行わない。むしろ「意地悪をされても、仕返しはしない国」であった。今回の措置は、わが国の「通商政策」の転換点となるかもしれない。 半導体産業は、そうでなくとも世界的な逆風下にある。これで韓国企業が打撃を受けた場合、アジアのサプライチェーンを混乱させて日本経済に跳ね返ってこないとも限らない。 ちなみにサムスン電子、ハイニックスなど韓国関連企業の株価は、輸出規制強化措置を受けていったんは下げたものの、「これで半導体市況がかえって回復するかもしれない」との思惑から直近では再び上げている。政治の思惑とは違って、経済はさまざまな要素とともに千変万化する。かくなるうえは、こんな想定が杞憂に終わることを祈るばかりだ』、韓国側の「156件の違法輸出があったが、日本産の転用はない」、というのが単なる強がりであればいいのだが。事実であれば大変なことだ。経産省を中心とする官邸の暴走もここに極まれりとなるのかも知れない。

第三に、上智大学教授の川瀬剛志氏が7月14日付け東洋経済オンラインに寄稿した「日本政府は韓国の輸出規制を再考すべきだ WTOで争えば、より大きなリスクを招く」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/291562
・『日本政府は7月4日、外為法上の輸出管理対象となっていたフッ化ポリイミドとレジスト、フッ化水素について、韓国への輸出規制を強化する手続きを開始した。 対韓国輸出を包括的許可から契約ごとの個別審査に切り替えると同時に、韓国をホワイト国から外す手続きに入るという。これに反発した韓国は、本件をWTO(世界貿易機関)の紛争解決手続に付託する方針だ』、アカデミズムの立場からの見方も興味深そうだ。
・『問われる安全保障貿易管理とWTOの整合性  今回の対応については、徴用工問題を踏まえて妥当な対抗措置と称賛する声や日韓関係の悪化を心配する声、日本の半導体産業への悪影響を懸念する声などさまざまな評価が出ている。筆者が専門とする国際経済法の視点からは、WTO協定、特にGATT(関税及び貿易に関する一般協定)違反の可能性が指摘されているが、筆者はむしろそれを超えた国際通商システム全体への影響を懸念している。 韓国がもし、今回の措置のWTO協定違反を争うとすれば、それは安全保障貿易管理体制がWTO協定に整合しているかどうかを正面から問うことに他ならず、両者に内在する緊張関係が白日のもとにさらされるおそれがある。 日本政府は今回、韓国でフッ化ポリイミドなどの輸出管理に不適切事案が発生しており、韓国が具体的対応の要請に回答せず、3年間も両国間対話がないと説明している。そうであれば、筆者は必ずしも今回の措置が安全保障貿易管理制度の合理的な運用の枠内にあることを否定するものではない。 しかし、官邸はシステム全体へのリスクを勘案して今回の措置に踏み切ったのだろうか。日韓関係の現状や実施のタイミング、対象物資の性格を考えると、今回の対応が韓国の強い反発を招き、WTO協定との整合性が問われることは容易に予想できたはずだ。もしそうでないとすれば、拙速な悪手と評さざるを得ない。 一般的に言って、安全保障貿易管理措置は正当なものであってもWTO協定違反になりうる。特に、輸出許可の申請が必要な場合、部分的にせよ審査の結果輸出が制限される制度設計である以上、輸出制限を禁じたGATT11条1項に違反する。 また、ホワイト国制度のように特定国を輸出審査で非対象国と差別することは、WTO 加盟国間の待遇平等を規定したGATT1条1項に違反する。判例では相当広い範囲の措置について違反が認定されており、また、その判断の際に差別の政策的正当性を斟酌していない。 ただ、安全保障貿易管理についてはGATT21条の例外規定による正当化の余地がある。特に「自国の安全保障上の重大な利益」の保護に必要な措置は、GATTの原則に反しても、協定違反に問われることはない。しかし、この条文は第二次世界大戦直後の1947年の冷戦期に起草されたもので、いかにも古く、例外の範囲も狭い。 冷戦構造崩壊後の安全保障概念は、狭い意味での戦争だけでなく、地域紛争やテロ、サイバーセキュリティ、災害やパンデミックまでを含む、極めて広がりのある概念になりつつある。また、軍事転用が可能なら、iPhoneなどの民生品も規制の対象になる。70年以上前にできた条文では、21世紀の安全保障には極めて限定的にしか対応できないことは明らかだ』、日本側が頼りにしている条文が「70年以上前にできた」、いやはやである。
・『安全保障貿易管理とWTO体制は共存してきた  それでは、こうした法的緊張関係がありながら、なぜこれまで両者は平和裡に並存できたのだろうか。そこには国際社会の「大人の知恵」が介在している。 安全保障貿易管理の世界では、ワッセナー・アレンジメント(通常兵器、関連汎用品・技術)、ザンガー委員会(核物質)、オーストラリア・グループ(化学・生物兵器)など、対象物資ごとに国家間レジームが形成されている。それぞれが輸出管理の対象物資リストを決定し、その規制について協調する。これらの取り決めは紳士協定で拘束力こそないが、各国はここで決まる、ある種の相場観に従って輸出管理を行い、その範囲を大きく逸脱する例外の濫用を慎んできた。 他方で、この相場観に従って行動しているかぎり、他国の安全保障貿易管理措置がWTO協定に整合しているかを問うことも自制してきた。前述のように、こうした措置は性質上、どうしてもWTO協定の原則と矛盾してしまう。とはいえ、国際社会の安定と平和のためには、安全保障貿易管理をやめることもできない。だからこそ、各国は輸出管理のWTO協定整合性を厳密に問わず、例外の濫用も慎む大人の知恵を働かせ、本来緊張関係にある双方のレジームを注意深く共存させてきた。 しかし、この棲み分けが急速に崩れつつある。その契機が、安全保障目的をうたったトランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の関税引き上げだ。対象となる製品は安全保障貿易管理スキームの規制物資ではなく、カナダや日本など同盟国にも適用され、あからさまな安全保障措置の例外の濫用と言える。ただ、それだけにその法的評価は単純であり、GATT21条の例外に当たらないことは明らかだ。 しかし、今回日本政府が行った対韓輸出規制は問題の次元がまったく異なる。 韓国がホワイト国指定・解除の恣意性や審査制度が実質的に輸出を制限していることを争えば、ワッセナー・アレンジメント実施のための正統な輸出管理のWTO協定整合性が正面から問われることになる。これまで大人の知恵で慎重に維持してきたWTO体制と安全保障貿易管理レジームの平穏な共存がくつがえるおそれがある。今回の日本の対応が、合理的な安全保障貿易管理制度でも運用の枠内にあるとしても、必ずしもWTO協定に適合していると担保されるわけではない。それを争うリスクをいかにして避けるかが重要だ』、「韓国がホワイト国指定・解除の恣意性や審査制度が実質的に輸出を制限していることを争えば、ワッセナー・アレンジメント実施のための正統な輸出管理のWTO協定整合性が正面から問われることになる。これまで大人の知恵で慎重に維持してきたWTO体制と安全保障貿易管理レジームの平穏な共存がくつがえるおそれがある」、というのは、さすが専門的研究者らしい説得力溢れる主張だ。
・『あまりに楽観的な日本政府の主張  日本政府は、今回の措置は安全保障貿易管理上の見直しであって、WTO上まったく問題がないと繰り返し説明しているが、あまりに楽観的だ。GATT21条があるから安全保障貿易管理がWTO協定上、問題がないという神話は、これまで誰もこの問題を争わなかったからに他ならない。 今年4月のロシア・貨物通過事件パネル判断を見ればわかるように、ひとたびWTO紛争が提起されれば状況はまったく異なる。本件はクリミア危機のような明白な武力衝突を扱ったにもかかわらず、パネルは安全保障を理由に判断回避を要求したロシアの主張を一蹴し、ウクライナ発の貨物通過規制がGATT21条に適合しているかを客観的に審査した。 仮に本件がWTOパネルにかかると、韓国によるGATT1条・11条違反の主張には分があると言わざるを得ない。それは、今回の日本の対応が、ホワイト国などとの比較で韓国を差別的に扱い、フッ化ポリイミドなどが輸出禁止になる可能性があるからだ。 そうなると、日本はGATT21条の例外だと主張することになるが、先例によれば、例外的事情の存在と何が日本の「安全保障上の重大な利益」であるかを説明しなければならない。 詳細が未公表なので断定できないものの、今回の措置がGATT21条にある例外的事情に当てはまるかと言えば、問題の物資が兵器や核物質でもなく、日韓関係が「信頼関係が損なわれた」というだけでは無理がある。たとえば、韓国企業から北朝鮮や中国などの第三国への流出があり、これが軍事施設供給のための取引と説明できるかどうかだろう。 本当に韓国のワッセナー違反であるのなら、日本はその旨を明らかにした上で毅然と対応すべきであり、その場合は、自らの不適切対応を棚上げしてWTOに問題を持ち込み、安全保障貿易管理体制との棲み分けを侵した批判は、韓国が受けることになる。しかしそうであれば、世耕弘成経産相が7月2日の記者会見で述べたような、G20までの徴用工問題の未解決がその背後にあることを匂わせるような発言は、今回の対応の目的が安全保障目的以外にあることを疑わせるもので、厳に慎むべきだ。 逆に韓国に大した不適切事案がなく、日本が韓国に対して外為法上の待遇を政治的に利用しているとすれば、安全保障貿易管理の濫用の誹りは免れない。ウォールストリート・ジャーナルなどが、今回の日本政府の対応は、安全保障を口実にした通商制限であり、トランプ流への追随と評しているが、こうした見方の広がりが強く懸念される。 いずれにせよ、一つ間違うと、今回の措置は永年にわたって築かれた国際通商のガバナンスを大きく損なうおそれがある。これらを十分に認識のうえ、可能なかぎりWTO紛争化を回避すべく、7月12日の日韓会合を皮切りに、韓国とは情報交換と協議を尽くすべきだ』、「7月12日の日韓会合」は、5時間超に及んだにも拘らず、双方の会合後の記者発表は全く食い違ったものになっており、相互の不信感を高めただけに終わったようだ。経産省や官邸が内輪の論理をいかに振りかざしたところで、国際的に通用する筈もない。本来、経産省はもっと国際センスがある官庁だと思っていたが、安倍首相への「忖度」が過ぎて正常な判断が出来なくなっているのだろうか。残念なことだ。
タグ:日韓関係 東洋経済オンライン 日経ビジネスオンライン (その4)(韓国への輸出管理強化「ホワイト国でなければ、何色?」、「日韓貿易戦争」で日本が絶対有利とは限らない 安倍首相の「ブチ切れ」は理解できるが・・・、日本政府は韓国の輸出規制を再考すべきだ WTOで争えば、より大きなリスクを招く) 韓国への輸出管理強化「ホワイト国でなければ、何色?」」 細川昌彦・中部大学特任教授 西野:韓国は無色の扱いになる? 細川氏:はい、普通になるということです。例えば東南アジア諸国連合(ASEAN)やインド、メキシコなどと扱いが同じになる 通常、海外に輸出する製品は、(安全保障上、適切に管理されているかどうかを)個別に審査する必要があるわけですが、ホワイト国になると手続きが優遇されます 日本がホワイト国に指定している27カ国 「不適切な事案」 輸出管理の世界で不適切な事案といえば、相手国がきちんと管理せずに軍事目的に使われているようなことを指します レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミド 対象となった3品目は兵器に使用される恐れ 欧州連合(EU)が日本のホワイト国に当たるような指定をしているのは8カ国。その中に日本は入っていますが、韓国は入っていません 協議に応じていない国、そして不適切な事案が常態化している国を、ホワイト国から除外する必要があったのです。むしろ、もっと早くすべきだった 韓国はこの2~3年、そうした協議に応じていなかった もっと国際社会にアピールを 安全保障に関しては例外として日本も含め参加国は輸出管理を厳格にやることが認められています WTOのルール 韓国がWTOに提訴しても違反にはならない 中国によるレアアース規制との比較 いつまでも 近くて遠い お隣さん? 言うべきことを言う 対象品目が増えることはおそらく、ない かんべえ(吉崎 達彦) 「「日韓貿易戦争」で日本が絶対有利とは限らない 安倍首相の「ブチ切れ」は理解できるが・・・」 韓国企業が浮き足立つのも無理はない 韓国によるこれら材料の対日輸入額は5000億ウォン(466億円)に過ぎないが、それによって生み出される韓国製の半導体とディスプレ-は、全世界への輸出総額が170兆ウォン(15.8兆円) 「レバレッジが高い効果的な経済制裁」ともてはやす向きも 日本政府の説明が、7月第1週と第2週以降で微妙に変化 安倍首相の気持ちはわかるが「世界がどう見るか」がキモ 韓国に対して恣意的な経済制裁を打ち出すのは拙いだろう 自由でリベラルな国際秩序の忠実なる担い手だった 首脳会議終了直後に豹変したとなったら、周囲はどう見ることか ウォール・ストリート・ジャーナル紙 「トランプ化する日本外交」 「あの日本がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退し、対韓輸出規制を始めるのだから、世の中は変わったもんだねえ」 政府の説明は翌週から「本件は輸出管理の一環です」というテクニカルなものに軌道修正 参議院選挙も意識して、「韓国許すまじ」と気炎を上げたいところかもしれないが、それでは聞こえが悪いのである もし「不適切な事案」が肩透かしなものであったら? 韓国側はさほど意に介する様子もなく、「2015年から今年3月までに156件の違法輸出があったが、日本産の転用はない」などと答えている 「ビジネスを武器にして他国に圧力をかける」という発想は、少なくとも今までの日本外交にはなかった 「意地悪をされても、仕返しはしない国」であった 今回の措置は、わが国の「通商政策」の転換点となるかもしれない 川瀬剛志 「日本政府は韓国の輸出規制を再考すべきだ WTOで争えば、より大きなリスクを招く」 問われる安全保障貿易管理とWTOの整合性 一般的に言って、安全保障貿易管理措置は正当なものであってもWTO協定違反になりうる ホワイト国制度のように特定国を輸出審査で非対象国と差別することは、WTO 加盟国間の待遇平等を規定したGATT1条1項に違反する 安全保障貿易管理についてはGATT21条の例外規定による正当化の余地がある この条文は第二次世界大戦直後の1947年の冷戦期に起草されたもので、いかにも古く、例外の範囲も狭い 安全保障貿易管理とWTO体制は共存してきた これらの取り決めは紳士協定で拘束力こそないが、各国はここで決まる、ある種の相場観に従って輸出管理を行い、その範囲を大きく逸脱する例外の濫用を慎んできた 各国は輸出管理のWTO協定整合性を厳密に問わず、例外の濫用も慎む大人の知恵を働かせ、本来緊張関係にある双方のレジームを注意深く共存させてきた この棲み分けが急速に崩れつつある その契機が、安全保障目的をうたったトランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の関税引き上げ 韓国がホワイト国指定・解除の恣意性や審査制度が実質的に輸出を制限していることを争えば、ワッセナー・アレンジメント実施のための正統な輸出管理のWTO協定整合性が正面から問われることになる。これまで大人の知恵で慎重に維持してきたWTO体制と安全保障貿易管理レジームの平穏な共存がくつがえるおそれがある あまりに楽観的な日本政府の主張
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トランプと日米関係(その4)(日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ 日本の民主主義はバカにされているのか?、安倍首相がトランプ氏に売った国益の中身 日米合意前に衆参同日選となる恐れ、極秘リハから米側の注文まで トランプ相撲観戦の全舞台裏) [外交]

トランプと日米関係については、昨年5月3日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その4)(日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ 日本の民主主義はバカにされているのか?、安倍首相がトランプ氏に売った国益の中身 日米合意前に衆参同日選となる恐れ、極秘リハから米側の注文まで トランプ相撲観戦の全舞台裏)である。

先ずは、在米作家の冷泉彰彦氏が5月28日付けNewsweek日本版に寄稿した「日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ、日本の民主主義はバカにされているのか?」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/05/post-1086_1.php
・『<与党一強の日本政治の現状を見下しているようでもあるが、英米の民主主義もまた危機に瀕している> 今回のトランプ大統領の来日は、宮内庁の所轄する皇室外交の儀礼的には国賓待遇でしたが、内閣を中心に見てみると正規の共同声明が省略されたことで、首脳外交としては簡易なスタイルに終始したと言えます。 では、どうして共同声明が省略されたのかというと、おそらくは最重要の論点である日米の通商問題について「結論を急ぐと、安倍政権にとって7月の参院選は不利になる」という計算があったと思われます。 大統領は自ら「通商問題の協議は日本の選挙後」というツイートをしていますから、その計算は日米で共有されているようです。こうした言い方には、いかにもトランプ大統領らしい「本音丸出しの実利追求」がありますが、それ以前の問題として、このツイートは、どこかで日本の民主主義を「バカにしたような」印象を与えるのも事実です。 どういうことかと言うと、仮に通商交渉の方向性に「日本の譲歩」が含まれていたとします。そうした日本側にとって不利益な流れが、選挙前に明らかとなると、これは与党に不利になります。ですから、大統領は「選挙後」と言っているわけですが、これは与党に協力しようという姿勢であるだけでなく、「都合の悪いことは争点から外す」ということを、日本の政権与党とアメリカの政府が共謀して行なっていると言えなくもありません。 そう考えると、安倍政権とトランプ大統領は、日本の民主主義を軽視していると言われても仕方がありません。 しかし「与党には選挙に不利になるかもしれないので、通商協議は選挙後に」という発言は正直と言えば正直です。もっと腹黒い政治家であれば、あえてこんな発言はしないでしょう。 そして、あえてこんな「露悪的な発言」をしているというのは、政権の受け皿になるべき野党に統治能力がないことがアメリカにも理解されてしまっているという情けない事実が浮かび上がってきます。そう考えると、政権構想も統治能力もないままに場当たり的な政府批判を続ける野党こそに問題があり、日本の民主主義はそもそもバカにされても仕方のないレベルだとも言えます』、「正規の共同声明が省略された」、「「都合の悪いことは争点から外す」ということを、日本の政権与党とアメリカの政府が共謀して行なっていると言えなくもありません」、「日本の民主主義はそもそもバカにされても仕方のないレベル」、などの指摘はその通りだ。
・『一方で、民主主義の危機ということでは、より深刻なのはイギリスです。EU離脱問題では民意も議会も分裂するなかで、国家としての合意形成能力が危機に瀕しているからです。 アメリカの場合は、政権担当能力のある二大政党が、小さな政府論か大きな政府論かという軸を中心に政策で競ってきましたが、そのアメリカの民主主義も迷走中です。 現時点では、ロシア疑惑に関する「ムラー報告書」が明らかにしたトランプ大統領の姿、つまり「自陣営の勝利のためには国益を毀損しても平気」な姿は、依然として中道から左の有権者を動揺させています。 ですが、政権の受け皿となるべき民主党では、党内の左右対立が激化しています。現時点では前副大統領のジョー・バイデン氏が先行していますが、彼とは水と油の存在である党内左派は50%以上の支持率を確保しており、このままではとてもトランプの再選を阻止するような戦闘態勢は組めそうもありません。アメリカの民主主義もまた、かなり苦しいレベルとなっています。 そう考えると、まだ日本の状況は「マシ」とも言えます。ですが今回は、共同声明が見送られたことで、「決定事項」の確認が難しいわけです。通商問題に加えて、対北朝鮮外交について、あるいは対イラン外交について、どのような協議がされているのか、また日本が取りうる選択肢は、それぞれ具体的に何があるのかは、もっと明らかにされなくてはなりません。 政府が必要に応じて情報公開し、またジャーナリズムや野党を含めて、実現可能、対応可能な選択肢を中心に意味のある議論が活発化すれば、日本の民主主義も機能している姿を見せることができるのではないでしょうか』、イギリスでは、メイ首相は退陣を表明しているにも拘らず、国賓として招待したトランプ大統領がEU離脱を薦める発言をさせるなど、招待の意味が問われるような事態に陥っている。安倍政権も都合のいい情報公開しかしないようでは、「実現可能、対応可能な選択肢を中心に意味のある議論が活発化」など望むべくもなさそうだ。

次に、5月29日付けPRESIDENT Online「安倍首相がトランプ氏に売った国益の中身 日米合意前に衆参同日選となる恐れ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/28830
・『日本滞在中のツイッター更新で、永田町が大騒ぎに  破格の厚遇で4日間におよぶ「令和初の国賓」を満喫したトランプ米大統領。彼が日本滞在中にツイッターでつぶやいたひと言で日本が騒ぎになっている。 懸案の日米貿易交渉について「7月の選挙後まで待つ代わりに大きな進展に期待する」という内容。決着を先送りするのは盟友・安倍晋三首相の希望通りではあるが、交換条件で大幅な譲歩を強いられるのであれば、国民がつけを払わされることになる。こんなディール(取引)があってもいいのだろうか。 問題のツイートは日本時間26日の午後、つぶやかれた。安倍氏と千葉県茂原市の「茂原カントリー倶楽部」でゴルフを楽しみ、クラブハウスでダブル・チーズバーガーをほおばった後のツイートだ。「両国国技館で大相撲を観戦する前」と説明した方が分かりやすいかもしれない。 要約すると「日本との交渉では、すばらしい進展がある。農業、牛肉は特にそうだ。7月の日本の選挙まで待つが、大きな数字を期待する」という内容だ。 トランプ氏は27日、安倍氏との首脳会談冒頭、記者団に「8月に、いい内容を発表できる」と発言。前日のツイートを補強している』、トランプ氏が二度にわたって発言するとは、次にあるように「日米首脳の「密約」が本当にあったことを証明」していることは確かだろう。
・『日米首脳の「密約」が本当にあったことを証明  このツイートには伏線がある。1カ月前の4月26日、2人はホワイトハウスで会談した。その時、トランプ氏は、5月の訪日時を念頭に「日本にいる時までに(日米交渉の)合意ができるかもしれない」と記者団に語っている。少しでも交渉を先延ばししたいと思っていた日本政府にとっては、寝耳に水だった。 一部報道によると安倍氏は記者団が去った後、「日本では7月に選挙がある。それまで待ってほしい」「2020年の大統領選前には形にするから安心してほしい」とトランプ氏に頼みこんだ。そしてトランプ氏も安倍氏に理解を示したという。つまり、日本の参院選が終わってから米大統領選が本格化するまでの間に妥結することで「密約」ができたというのだ。 日本政府サイドは、安倍氏がそのような発言をしたかどうかについては明言を避けている。しかし、今回のトランプ氏のツイートは、図らずも日米首脳の「密約」が本当にあったことを証明するような内容だった』、その通りだろう。
・『選挙で有利になるために国益を売る行為との指摘  トランプ氏のツイートについて、自民党内では、おおむね歓迎の声が上がっている。牛肉や農業などで米国に譲歩すれば、自民党にとって重要な支持層である農業票が離反する懸念があった。参院選後に先送りすることは、ありがたい。もちろん、妥結の時期を8月より、もっと後にしたいというのが本音だが、「7月の選挙後」を勝ち取ったのは事実だ。 しかし、これは国民にとっては迷惑な話である。選挙で有利になるために、さらなる譲歩をするようなことになれば、党利党略のために国益を売ることになるからだ。 国民は政府、与党が行ったことに怒った時、「1票」で批判の意思を示す権利を持つ。しかし、選挙が終わった直後だと、怒りを表現するすべを失ってしまう。今、安倍氏は参院選に合わせて衆院を解散し、衆参同日選とすることを検討している。同日選が終わった後に、日本にとって不利な合意をしても、国民は批判の1票を投じるチャンスが当分ないのだ』、民主主義の根幹を揺るがすような狡猾な手法には呆れ果てる。
・『米国優位の合意になるのは見えている  国民民主党の玉木雄一郎代表は自身のツイッターで「農産物とりわけ牛肉について大幅に譲歩することになっているなら国民に説明すべきだ。7月の選挙の後(after their July elections)に明らかになるなんて国民に対するだましだ」と憤っている。 もちろん貿易交渉は米国が勝つとは限らない。日本側が有利な条件を勝ち取ることもあり得るのだから、敗北を前提として考えるのはどうか、という反論もあるだろう。 しかし、その指摘は甘い。トランプ氏と安倍氏は、妥結時期について「日本の参院選の後、米国の大統領選の前」で合意した。この1点から、安倍氏にとっては好ましくないこと(選挙のマイナス要因となること)で、トランプ氏にとっては好ましいこと(大統領選で有利になること)で合意するのを前提としているのが分かる』、安倍政権が合意発表を遅らせることで、「米国優位の合意になるのは見えている」と、国益を犠牲にして、目先の政権の利益を追求したことになる。
・『安倍氏が「選挙日程」をトランプ氏に伝えた疑い  ちなみにトランプ氏のツイートは「7月の選挙」を「July elections」と複数形で表記している。このことから、「安倍氏は衆参同日選の意思があることをトランプ氏に伝えたのではないか」との憶測も広がっている。 しかし、米国の場合、州単位で多くの投票が行われるので1種類の選挙でも複数形を使うことも珍しくないようだ。だから複数形になっているから「同日選」と勘繰るのは、深読みのしすぎかもしれない。 ただし参院選単独にせよ、同日選にせよ、日程はまだ定まっていない。7月21日説が有力だが8月にずれ込む選択肢もある。トランプ氏が「7月の選挙」と断じたのは、安倍氏が、誰にも明かしていない選挙日程をトランプ氏には語った疑いは残る』、大いにありそうなことだ。
・『交渉で敗北し、批判が高まる前に選挙をやってしまう  トランプ氏が言うように貿易交渉の妥結が8月に行われることになった場合、その後に衆院解散、総選挙を行うタイミングは見いだしにくくなる。安倍政権への批判が高まると考えられるからだ。であれば、安倍氏が合意前に衆院選を終えておこうと考えて衆参同日選を断行する可能性は、さらに高まったことになる。「日米合作」の同日選と言ってもいいかもしれない。 同日選は過去、1980年、86年の2回行われている。39年前は「ハプニング解散」、33年前は「死んだふり解散」として語り継がれている。今年、同日選が行われるとしたら「トランプ解散」と呼ばれることになるだろうか』、「「日米合作」の同日選」とは言い得て妙だ。

第三に、息抜き記事として、5月27日付け日刊ゲンダイ「極秘リハから米側の注文まで トランプ相撲観戦の全舞台裏」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/254749
・『「トランプ大統領を通じて、相撲が単なるスポーツではなく、日本古来の伝統や文化であることを米国や世界に発信できたのは名誉なこと。本当にありがたい」 こう言ったのは相撲協会幹部。26日に米国のトランプ大統領(72)が大相撲夏場所千秋楽を観戦、表彰式で優勝した朝乃山(25=西前頭8枚目)に米大統領杯を手渡した一連の出来事に関してだ。八角理事長も「トランプ大統領と安倍首相を5月場所千秋楽にお迎えすることができ、誠に光栄の至りです」とコメントした』、相撲協会も難題山積だが、トランプ大統領の観戦は明るい話題だった。
・『3月中旬に打ち合わせ開始  トランプが相撲を観戦したニュースは日本はもちろん、米メディアも報じたから、相撲協会にとっては「名誉」で「ありがたいこと」かもしれないが、その裏でこの日のイベントに備えて行われた多くの折衝や調整の中身は意外と知られていない。 トランプの大相撲観戦を大手メディアが報じたのは4月12日前後。しかし、実際にはその1カ月前、3月中旬には外務省が相撲協会との打ち合わせを始めたという。 「もともとトランプは相撲に興味津々だった。これまで何度か行った首脳会談で安倍首相と顔を合わせた際、相撲に関する質問をしたのは一度や二度じゃない。それなら実際に相撲を見てもらおうと、外務省を通じて相撲協会との打ち合わせがスタートした。4月上旬には米国から先遣隊も来て、警備に関する話し合いをしています」(外務省担当記者)』、「3月中旬に打ち合わせ開始」とはさすが周到に準備したようだ。
・『日米首脳の観戦や警護用に押さえた升席は、正面の最前列から3列分、約40升。お茶屋が権利をもっているため、協会は代替の席を用意するなどで対処したという。 夏場所4日目の15日の取組後、トランプの警護にあたるシークレットサービスが国技館を視察、館内構造や避難経路などを入念にチェックする様子を産経新聞が写真付きで報じた。実際に升席に椅子を置き、警護のシミュレーションをやったらしいが、10日目の21日には本格的なリハーサルまで極秘で行ったという。 「取組終了後、午後7時すぎから2時間くらいでしょうか。時間を費やしたのは主に表彰式の部分です。実際にトランプが土俵に上がることを想定して、シミュレーションをやっています。30~40人ほどのシークレットサービス、日本の警察当局以外に外務省職員や協会関係者も参加してみっちりやりました」(同) 主に運営と警備に分かれて5~6回は準備のための会議を開き、協会内の部長や副部長の親方も参加。特に警備には力を入れたようで、前日は深夜まで打ち合わせを行ったそうだ。 中でも深刻だったのは座布団問題。この日の入場者には、「場内で座布団等の物を投げるなどの行為を行った場合は退場の上、処罰されることがありますので、絶対にしないでください。《刑法第208条暴行罪》二年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と、記された注意書きが配布された。 「当初は座布団を固定したらどうかという案もあったが、結びの一番で横綱が負けた場合の座布団投げは、いわば風物詩のようなもの。仮にトランプの周辺に座布団が飛んだ場合はシークレットサービスがたたき落とす段取りだった。本当に警戒したのは座布団以外のもの、例えば卵やペットボトルが飛ぶこと。それもあってお茶屋は急須や湯飲みを使わず、自販機もたばこ以外は『休場』にして、物は一切投げるなとクギを刺す文書を配布したようだ」とは、ある親方だ』、「リハーサル」や「座布団投げ」への対応など、確かに裏方は大変だったろう。
・『「あの段差はきつい」  言うまでもなく土俵は土足厳禁に女人禁制。事前の打ち合わせ通り、トランプは黒のスリッパで土俵に上がり、夫人のメラニアを土俵に呼ぶ“ハプニング”もなかったとはいえ、「意外だったのは米国側のリクエストだったと聞いています」と、さる外務省OBがこう続ける。 「力士が土俵に上がる際に利用する段差があるでしょう。足を掛ける部分がやや下向きにできているため一般の人は上りづらいのですが、それでも大臣をはじめとする来賓はみな、あの段差を利用して土俵に上がっているそうです。ところが、米国側はトランプにあの段差はきつい、容易に上がれる手段はないかと要求してきたらしい。それで用意したのが特注の階段でした。観戦後もその場の升席で靴からスリッパに履き替えれば良さそうなものなのに、いったん控室に戻って履き替えたいとリクエストがあったそうです。それを聞いて、まさか自分で靴を脱げないわけじゃないよなとクビをひねった人もいたと聞きました。重さ30キロとも50キロともいわれる米大統領杯にしても、とてもじゃないがトランプひとりで担ぐのはムリということで、当初から親方が補助する段取りでした」 公称188センチ、107キロ。屈強な体格で、ゴルフのドライバーは派手に飛ばすし、歯に衣着せぬ発言には定評がある。古希を過ぎてまだ、パワーあふれる印象があるだけに、米国側のリクエストは「意外」と映ったようなのだ。ともあれ、米大統領の大相撲観戦はトラブルもなく終了、周囲の関係者は胸をなで下ろしているに違いない』、「特注の階段」はやはり米国側の要求だったとは納得である。米国側もトランプ大統領を最大限「忖度」して要求しているのは、微笑ましい。
タグ:注意書き 日刊ゲンダイ ツイッター 冷泉彰彦 PRESIDENT ONLINE Newsweek日本版 トランプと日米関係 (その4)(日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ 日本の民主主義はバカにされているのか?、安倍首相がトランプ氏に売った国益の中身 日米合意前に衆参同日選となる恐れ、極秘リハから米側の注文まで トランプ相撲観戦の全舞台裏) 「日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ、日本の民主主義はバカにされているのか?」 正規の共同声明が省略されたことで、首脳外交としては簡易なスタイルに終始 最重要の論点である日米の通商問題について「結論を急ぐと、安倍政権にとって7月の参院選は不利になる」という計算があった 大統領は自ら「通商問題の協議は日本の選挙後」というツイート 日本の民主主義を「バカにしたような」印象を与える 与党に協力しようという姿勢であるだけでなく、「都合の悪いことは争点から外す」ということを、日本の政権与党とアメリカの政府が共謀して行なっていると言えなくもありません 安倍政権とトランプ大統領は、日本の民主主義を軽視 与党には選挙に不利になるかもしれないので、通商協議は選挙後に 「露悪的な発言」 日本の民主主義はそもそもバカにされても仕方のないレベル 民主主義の危機ということでは、より深刻なのはイギリス アメリカの民主主義も迷走中 ロシア疑惑に関する「ムラー報告書」が明らかにしたトランプ大統領の姿、つまり「自陣営の勝利のためには国益を毀損しても平気」な姿は、依然として中道から左の有権者を動揺 民主党では、党内の左右対立が激化 「安倍首相がトランプ氏に売った国益の中身 日米合意前に衆参同日選となる恐れ」 「7月の選挙後まで待つ代わりに大きな進展に期待する」 決着を先送りするのは盟友・安倍晋三首相の希望通りではあるが、交換条件で大幅な譲歩を強いられるのであれば、国民がつけを払わされることになる 日米首脳の「密約」が本当にあったことを証明 今回のトランプ氏のツイートは、図らずも日米首脳の「密約」が本当にあったことを証明するような内容 選挙で有利になるために国益を売る行為との指摘 米国優位の合意になるのは見えている 安倍氏が「選挙日程」をトランプ氏に伝えた疑い 交渉で敗北し、批判が高まる前に選挙をやってしまう 「日米合作」の同日選 「極秘リハから米側の注文まで トランプ相撲観戦の全舞台裏」 大相撲夏場所千秋楽を観戦 3月中旬に打ち合わせ開始 もともとトランプは相撲に興味津々だった 4月上旬には米国から先遣隊も来て、警備に関する話し合い シークレットサービスが国技館を視察、館内構造や避難経路などを入念にチェック 10日目の21日には本格的なリハーサルまで極秘で行った 2時間くらい 30~40人ほどのシークレットサービス、日本の警察当局以外に外務省職員や協会関係者も参加してみっちりやりました 座布団問題 場内で座布団等の物を投げるなどの行為を行った場合は退場の上、処罰されることがありますので、絶対にしないでください お茶屋は急須や湯飲みを使わず、自販機もたばこ以外は『休場』にして、物は一切投げるなとクギを刺す文書を配布 「あの段差はきつい」 米国側はトランプにあの段差はきつい、容易に上がれる手段はないかと要求してきたらしい 特注の階段
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漁業(その4)(ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通 暴力団が深く関与する実態、WTO判決「必死の韓国」に敗北した 日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた、国際感覚から乖離した日本の官僚 大丈夫か?【橘玲の日々刻々】) [外交]

漁業については、昨年1月23日に取上げた。久しぶりの今日は、(その4)(ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通 暴力団が深く関与する実態、WTO判決「必死の韓国」に敗北した 日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた、国際感覚から乖離した日本の官僚 大丈夫か?【橘玲の日々刻々】)である。

先ずは、昨年10月19日付けダイヤモンド・オンライン「ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通、暴力団が深く関与する実態 『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 』」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/182710
・『裏社会のノンフィクションはこれまで何冊も読んできたが、最も面白みを感じるのは無秩序のように思える裏社会が、表社会とシンメトリーな構造を描いていることに気付かされた時だ。 しかしここ数年は暴対法による排除が進み、ヤクザの困窮ぶりを伝える内容のものばかり。相似形どころか、このまま絶滅へ向かっていくのかとばかりに思っていた。だから彼らがこんなにも身近なところで、表社会とがっちりスクラムを組んでいるとは思いもよらなかったのである。 本書『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 』は、これまでに数々の裏社会ノンフィクションを描いてきた鈴木智彦氏が、サカナとヤクザの切っても切れない関係を、足掛け5年に及ぶ現場取材によって描き出した一冊だ。 これまでなぜか語られることのなかった食品業界最大のタブーを真正面から取り上げながら、一ミリの正義感も感じさせないのが、著者の真骨頂である。そして、もはやヤクザの世界に精通していなければ読み解けないほど、サカナの世界では表社会と裏社会が複雑に絡まりあっていた。 まず驚くのは、私達が普段手にする海産物のうち、密漁によって入手されたものの割合がいかに多いかということである。いずれも推計ではあるが、たとえばアワビは日本で取引されるうちの45%、ナマコは北海道の漁獲量の50%、ウナギに至っては絶滅危惧種に指定された今でも、その2/3ほどが密漁・密流通であるという。ニッポンの食卓は、まさに魑魅魍魎の世界によって支えられているのだ』、アワビ、ナマコ、ウナギの密漁・密流通の比重の大きさには、度肝を抜かれた。まさに「サカナの世界では表社会と裏社会が複雑に絡まりあっていた」姿には、恐怖すら感じる。
・『著者が最初に赴くのは、アワビの名産地として知られる三陸海岸。東日本大震災の影響によって監視船や監視カメラが破壊されてしまったこの地区では、密漁団にとって好都合としか言いようのない状況が出来上がっていたのだ。 密漁団と直に接触することで見えてきたのは、実際に密漁を行う人たちは巨悪の一部分に過ぎないという事実だ。当たり前のことだが、買い手がいるから売り手がおり、売り捌くことが出来るからこそ密漁は蔓延る。 欲に目がくらんだ漁業協同組合関係者、漁獲制限を守らない漁師、チームを組んで夜の海に潜る密漁者、元締めとなる暴力団…。まさに表と裏が入り乱れた驚愕のエコシステムが、そこにはあったのだ。 一般的に、密漁アワビは闇ルートで近隣の料理屋や寿司屋にも卸されるが、それだけでは大きな商いにならないため、表の業者の販路に乗せ、近場の市場にも流されていく。むろん移転を間近に控える築地市場だって例外ではない。 密漁品と知りながら正規品のように売りさばく、この行為こそが黒から白へとロンダリングされる決定的瞬間なのだ。ならば著者が次に取る行動は、ただ一つと言えるだろう。築地市場のインサイダーとなることで仲間意識を共有しながら、決定的な証拠を掴む――すなわち築地市場への潜入取材だ』、「三陸海岸。東日本大震災の影響によって監視船や監視カメラが破壊されてしまったこの地区では、密漁団にとって好都合としか言いようのない状況が出来上がっていたのだ」、言われてみれば、その通りだろう。
・『著者が築地で働き始めてすぐに実感したのは、魚河岸がはみ出し者の受け皿になっているという昭和的な世界観であった。意外に思えるかもしれないが、市場とヤクザは歴史的に双子のような存在であったという。いつの時代にも漁業関連業者の生活圏には、近くにヤクザという人種が蠢めいていたし、かつては港町そのものが暴力団に牛耳られていたような事例も本書で紹介されている。 ほどなくして著者は、密漁アワビが堂々と陳列されている姿を目のあたりにする。きっかけは、バッタリ遭遇した知り合いのヤクザからの紹介だ。そこでは、静岡県産のアワビが、「千葉県産」に偽装されていたという。一つの不正は、次の不正を生み出す。密漁品であることは、産地偽装の問題と隣り合わせでもあったのだ』、「市場とヤクザは歴史的に双子のような存在であった」、というのにも驚かされた。
・『そして本書の一番の見どころは、絶滅危惧種に指定されたウナギを取り上げた最終章にある。著者自身、ここまで黒いとは予想外であったと困惑しながらも、知られざる国際密輸シンジケートの正体へと迫っていく。ウナギ業界の病巣は、稚魚であるシラスの漁獲量が減少して価格が高騰したため、密漁と密流通が日常化していることなのだ。 特に悪質なのが密流通の方であるわけだが、輸入国の中で突出している香港にカラクリがある。そもそも香港は土地も狭く、シラスが遡上するような大きな河川もない。要は、シラス輸出が禁じられている台湾から香港を経由し、国内へ輸入されてくるのだ。 ウナギの国際密輸シンジケートを司る要のポジションに「立て場」と呼ばれる存在があるのだが、著者はそこへも赴き、「黒い」シラスが「白く」なる瞬間を目撃する。ウナギとヤクザ――2つの絶滅危惧種の共生関係は、どちらかが絶滅するまで終わらないのだろうか。 この他にも本書では、ナマコの密漁バブルや、東西冷戦をめぐるカニの戦後史といった興味深いテーマが次々に登場する。海を起点に考えると、地図上に別のレイヤーが浮かび上がってくることはよくあるが、海産物を取り巻く日本地図もまた、どちらが主役だか分からぬほど裏社会が大きな存在感を放っていた』、ここまで「裏社会が大きな存在感を放っていた」というのでは、警察など手も足も出ないだろう。
・『多くの人にとって、サカナとは健康的なものであるはずだ。しかしその健康的なものが入手されるまでの経緯はどこまでも不健全なのである。さらに季節のものを旬の時期に食べるという自然な行為の裏側は、どこまでも人工的なのだ。 サカナとヤクザを取り巻く、あまりにも不都合な真実。はたして需要を生み出している私達の欲望や食文化に罪はないのか? そんなモヤモヤした気持ちばかりが残る。だが本書では、この著者でしか書けないテーマが、この著者でしかできない手法で見事にまとまっていた。ある意味ノンフィクションとしての完成度の高さだけが、救いであったと言えるだろう』、「サカナとは健康的なものであるはずだ。しかしその健康的なものが入手されるまでの経緯はどこまでも不健全なのである」、壮大なアイロニーだが、警察はともかく、水産庁などは一体、何をしているのだろう。しかし、次の記事では、水産庁も全く役立たずのようだ。

次に、ジャーナリストの松岡 久蔵氏が4月26日付け現代ビジネスに寄稿した「WTO判決「必死の韓国」に敗北した、日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64330
・『福島第一原発事故後、韓国政府が日本の水産物に対して禁輸措置をとっていることを不当だとして日本政府が世界貿易機関(WTO)に提訴した問題で、WTOの最終審に当たる上級委員会は今月11日、一審での韓国への是正勧告を取り消した。これにより、日本は事実上敗訴した。 「通常、一審の判断が覆ることはありえない」(自民議員)だけに、日本政府にとっては青天の霹靂。事故後8年が経過しても続くアジア諸国などの禁輸措置を解除し、被災地の水産物の輸出を拡大する構想は頓挫した。 背景には日韓ワールドカップ共催や、捕鯨問題とも共通する日本外交の「押しの弱さ」がある』、ここまでくると、「押しの弱さ」というより「お粗末さ」の方が適切だろう。
・『「キツネにつままれたような…」  韓国は2011年3月の原発事故発生以降、福島など8県の水産物を一部禁輸し、さらに事故から2年半後の13年9月、禁輸対象を8県の全ての水産物に拡大して放射性物質検査を強化した。 対する日本は、科学的な安全性と、事故後に時間が経過した後で禁輸措置を強化するのは不当だとして、15年5月にWTOに提訴した。 WTOは紛争処理小委員会を設置し、18年2月、韓国の禁輸措置に対して「恣意的または不当な差別」「必要以上に貿易制限的」と判断し、韓国に是正を勧告した。しかし韓国はこの判断を不服とし、最終審の上級委員会に上訴。その結果、日本が敗訴したというのが今回の経緯となる。 上級委員会の判決文に当たる報告書によると、一審は禁輸が「不当な差別」に当たるかを判断する時、食品自体の放射線量のみを判断基準としたが、将来的に汚染に影響する可能性のある日本周辺の海洋環境などの地理的条件を考慮していなかった。この点で落ち度があるため、一審が下した「韓国の禁輸措置は不当」とする判断は誤りである、との指摘が記されている。 なお、日本食品に含まれる放射線量の水準などの分析は今回の訴訟の対象ではなく、見解を示さない旨も書かれている。 今回の結果について、自民党の水産族議員は「要するに、一審の判断基準が不十分だったので、(判断を)取り消しますということ。その根拠として、実際に韓国に輸出される食品それ自体の安全性に言及するのではなく、外部環境の話を持ち出してきた。キツネにつままれたような気分でした」と話す。 上級委員会の審理は差し戻しが不可能で、今後韓国は禁輸を是正する必要はない。日本が韓国に対して関税引き上げなどの対抗措置をとることもできなくなった』、信じられないようなブザマな失態だ。経緯をもう少し見ていこう。
・『悪しき先例ができた  今回のWTOの判断でまず困るのは、東北の被災県だ。 福島県の内堀雅雄知事は12日、「非常に残念。引き続き、科学的根拠に基づいた正確な情報発信を強化し、輸入規制解除に取り組む」とするコメントを発表した。宮城、岩手の両県知事も同日、判断結果を「残念」と発言している。 宮城県は名産のホヤの8割が韓国向けに輸出されていただけに、今年捕れた分は販路を失い大部分が焼却処分される。全国漁業協同組合連合会(全漁連)みやぎの丹野一雄会長は「ホヤがシーズンを迎える矢先のことなので、非常に落胆している。輸入再開を目指して頑張ってきたので、裏切られた思い」と失望を隠さなかった。 原発事故後、一時は世界で54もの国・地域が日本産食品に対し、禁輸や検査強化などの措置を実施したが、その後、安全性を裏付けるデータが蓄積されたことで規制撤廃の流れができた。ただ、いまだに現在でも23の国・地域が規制を設けている。 そのうち、韓国など8カ国・地域は禁輸を続けている。中国は福島など10都県の食品について輸入を認めていない。台湾は5県からの輸入を停止しており、昨年に行われた住民投票でも、禁輸の継続が支持された。 政府は韓国を「はじめの一歩」として禁輸解除に弾みをつけるはずだったが、「悪い先例を作ってしまった」(自民議員)との声もあがる』、「韓国を「はじめの一歩」として禁輸解除に弾みをつけるはず」というほど、重要な問題であったのに、日本側の取り組みは以下にみるようにおよそ能天気だったようだ。
・『「絶対勝てる」と言ってたのに  今回の上級委の判断は、前評判では日本が勝訴するとみられていたため、日韓両政府にとってサプライズ判決だった。 実際、判断前の8日には、菅義偉官房長官が記者会見で禁輸措置の撤廃について期待感を表明する一方、韓国の文成赫(ムン・ソンヒョク)海洋水産部長官は、就任前に行われた国会の人事聴聞会で「敗訴したとしても最長15カ月間の履行期間がある。この期間を最大限活用し、国民の安全と健康を最優先に、対策を講じる」と敗訴を前提に話している。 日本時間の12日未明に発表された上級委の判断は、予想を裏切る内容だっただけに、日本国内の報道機関を慌てさせた。全国紙記者は「水産庁加工流通課の担当者に取材しても、『普通に勝てるでしょ』という雰囲気でしたから、敗訴で予定稿を準備した社はどこもありませんでした。蜂の巣をつついたような騒ぎでしたよ」と振り返る。 判決に激怒したのが、自民党の水産族議員である。 WTOの判断公表後の17日、自民党は党本部で会合を開いたが、出席した議員からは外務省や水産庁に対する不満が噴出した。被災地・宮城県選出の小野寺五典前防衛相が「完全に外交の敗北だ」と吐き捨てるなど、怒号が飛び交う有様となったのだ。 外務省の山上信吾経済局長は「被災地の関係者の期待に応えられなかったことは遺憾で申し訳ない」と謝罪する一方、「日本産食品は韓国の安全基準を満たしている」との第一審の認定が維持されたことを強調した。 ただ、水産総合調査会長の浜田靖一元防衛相は「この戦いは、負けてはならない戦いであったはず。結果を出せずに言い訳を聞いても意味がない。責任をうやむやにする気はない」と政府に対し、説明と今後の対応の方針を出すよう要求した。 先の水産族の自民議員は内幕をこう明かす。 「今回は、外務省と水産庁から『絶対に勝てますから安心してください』と、山上局長、長谷成人水産庁長官ら両省幹部が直接説明に来ていたので、こちらも安心しきっていました。ですから、余計に期待を裏切られた感が高まっているのです。 しかも、今回は被災地が絡んでいる。外務省の山上局長は、捕鯨問題では二階俊博幹事長からプレッシャーをかけられていたものの、昨年末の国際捕鯨委員会(IWC)脱退を外務省サイドから仕切って首の皮をつなぎました。 しかし、今回の件で進退問題に発展する可能性がある。経済局は国民に身近な食料問題の交渉を仕切るところですから、こういうリスクは常につきまとう。ツイてなかったとしか言いようがありません」』、「IWC脱退を外務省サイドから仕切って首の皮をつなぎました」というのもおかしな話だ。脱退という最後の手段に追い込まれたこと自体が、敗北なのに、「手柄」顔をさせているとは、官邸も甘過ぎる。今回の件は責任を明確化すべきだ。
・『「ファクトがあれば大丈夫」は甘い  IWC脱退といえば、南極海での日本の調査捕鯨が2014年に国際司法裁判所(ICJ)で敗訴している。自民党捕鯨議連幹部は、今回の敗訴と捕鯨問題との類似点をこう指摘する。 「あの時も議連サイドでは『訴えて、本当に勝てるのか』という疑問があったのに対して、当時の外務省幹部が『絶対に勝てます』といって提訴した。それで負けて帰ってきたもんだから、『何やってんだ』という話になった。 外務省の連中が『こちらは科学的データはきちんとしてますから、ご安心を』と言っていたのもあの時と同じ。『お白洲の上に出れば、ファクトに基づいた公正な判断が無条件で下される』と思ってる。ナンセンスですよ。 国際社会というのは、その『公正な判断』を下す人間をいかに抱き込むかが勝負なんですから。何も進歩していない」』、「こちらは科学的データはきちんとしてますから、ご安心を」、水産庁の技官が作ったデータなど「外務省の連中」に理解できる筈はないので、「きちんとしてます」も眉ツバだろう。
・『どこで差がついてしまったのか  別の捕鯨議連幹部は、今回の上級委で判断を下す委員が本来7人いるべきところ、3人しかおらず十分が議論が行われたのか疑われることを指摘した上で、今回の敗訴についてこう分析する。 「そういう条件もあったとはいえ、韓国のロビイングに負けたということでしょう。日本は完全に勝てると油断していましたから、そりゃ負けても仕方ない。 韓国は、2002年のサッカーW杯を強引に日韓共催に持ち込んで『アジア初』の栄誉を勝ち取りました。どうもその辺りから、潘基文(パン・ギムン)国連総長の輩出、米国での慰安婦像の問題など、国際的な人脈作りやロビイングを重視するようになった。ここの違いですね」 韓国の「中央日報」日本語版は4月15日付の記事で、今回のWTOでの韓国勝訴に最も貢献したと評価される、チョン・ハヌル産業通商資源部通商紛争対応課長が「一審の敗訴を覆すために昨年末、ジュネーブのホテルにウォールーム(War Room)を設置し、3週間にわたり約20人がほとんど一日中シミュレーションをしながら対応した」と話したことを報じている。 記事によると、チョン氏は米国通商専門弁護士出身で、韓国屈指のローファームに所属していたが、昨年4月に政府に特別採用された。米ニューヨーク州立大哲学・政治学科を経てイリノイ大で法学を勉強し、法学専門修士(JD)を取得。その後、ワシントンで通商専門弁護士の資格も取得したとされる。 韓国産業部はチョン氏について「専門弁護士を外部から特別採用して今回の訴訟に専門的に対応し、我々の専門的な能力は大きく伸張した」と伝えた。 経済産業省所管の独立行政法人「経済産業研究所」は、日本の敗訴を受けて川瀬剛志・上智大学教授によるレポートを17日に公開している。 川瀬教授は「今回の敗訴が経済分野でのルール外交における日本の敗北だとすれば、中長期では広く貿易・投資の国際ルール、つまり国際経済法に関するリテラシーを底上げする必要がある」と指摘。 「概して韓国の方が通商ルールに関心が高」く、「韓国の方が(加えて言えば、中国、台湾、シンガポールも)通商分野で国際的に活躍する研究者、実務家は多く、また米国のロー・スクール(特にアメリカ人が入る正規のJDコース)に進学する学生も多いように思う」との認識を示した上で、日本の大学でこの分野の教員ポストが法学部の中で削減傾向にあり、人材を育成する体制が整っていないと言及している』、確かに韓国の外交攻勢はすさまじいが、日本側には危機感がないのも問題だ。「チョン・ハヌル通商紛争対応課長が「一審の敗訴を覆すために昨年末、ジュネーブのホテルにウォールーム(War Room)を設置し、3週間にわたり約20人がほとんど一日中シミュレーションをしながら対応」というのは、大変なことなのに、日本側は事前には掴んでいなかったのだろう。川瀬教授によるレポートは、いささか手前味噌の感も受けるが、外務省などが専門家を軽視していることも背景にあるような気もする。
・『国際社会の「野蛮さ」を認識しないと…  アジア経済を専門にする、国内証券アナリストは韓国のロビイング能力の高さについてこう分析する。 「一つの国内でマーケットを完結させるには、最低でも人口が1億人必要です。日本はその基準を超えていますが、韓国はそうではないので、海外に市場を求めざるをえません。東南アジアなどでの韓国企業の躍進も、背景にはこの事情があります。 文在寅政権になってからのナショナリズムの高まりと相まって、今回の勝利をてこに、今後韓国が国際社会での日本叩きを強めてくる可能性は否定できません」 平成のあいだ「アジアナンバーワン」の地位を享受してきた日本は、今回のWTOでの「敗訴」により、外交におけるロビイングの重要性に対する認識の甘さを露わにした。 先に引用した「中央日報」の記事にはこういう記述がある。〈チョン課長は裁判対応過程で目の中に腫瘍ができ、帰国して除去手術を受けなければいけないほど精神的ストレスが激しかったという。特に食の安全に対する韓国国民の大きな関心も負担になっていたと打ち明けた〉 この「必死さ」が、韓国の勝利につながったことに疑いの余地はないだろう。 もちろん、ここまで交渉担当者を追い込むことの是非はある。しかし、「正しいことをしている側が勝てる」「エビデンスがあれば勝てる」という甘い考えは通用しない「野蛮な世界」が国際社会の基本であることを認識して、通商ルールに通暁する専門家や国際機関の人脈・事情に通じた人材の育成を進めるなど、現実を見据えた対策を急ぐべきだ。 高齢化で日本も人口減少が進み、国力の「節目」となる1億人を切る日も遠くはない。敗北を糧として、なりふり構わぬ韓国の戦略に学ぶしたたかさが日本に求められている』、チョン課長が「目の中に腫瘍ができ、帰国して除去手術を受けなければいけないほど精神的ストレスが激しかった」、「この「必死さ」が、韓国の勝利につながったことに疑いの余地はない」というのは、危機感が欠如した日本の官僚も「爪の垢」でも煎じて飲んでほしいくらいだ。説得力の溢れた主張には、大賛成である。

第三に、作家の橘玲氏が5月7日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「国際感覚から乖離した日本の官僚、大丈夫か?【橘玲の日々刻々】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/201616
・『福島原発事故の被災地などからの水産物を韓国が全面禁輸していることについて、世界貿易機関(WTO)上級委員会が日本の逆転敗訴の判決を出しました。韓国に是正を求めた第一審は破棄され、輸入規制の継続が認められたことになります。 この報道を見て、調査捕鯨の是非をめぐってオーストラリアが国際司法裁判所(ICJ)に日本を提訴した裁判を思い出したひとも多いでしょう。「科学的根拠」を盾に日本側は強気で、首相官邸にも楽観的な予想が伝えられていたにもかかわらず、ふたを開けてみれば全面敗訴ともいうべき屈辱的な判決だったため、安倍首相が外務省の担当官を厳しく叱責したと報じられました。今回のWTO上級委員会の審査でも、日本側は第一審の勝訴で安心しきっており、予想外の結果に大きな衝撃を受けたようです。 この二つの失態で誰もが最初に考えるのは、「日本の官僚は大丈夫か?」でしょう。韓国は一審で敗訴したあと、通商の専門家を含む各省庁横断的な紛争対応チームを設置し、「こうした韓国政府の努力が反映された結果だ」とコメントしています。だとしたら日本政府は、「被災地の復興支援」のためにどんな努力をしたのでしょうか』、これは官僚だけでなく、「政治主導で頑張っているふり」をしている首相官邸の政治家も含めた問題だと思う。
・『厚労省の「統計不正」問題で暴露されたように、専門性に関係なく新卒を採用し、さまざまな部署を異動させてゼネラリストを養成するという官庁の人事システムはかんぜんに世界の潮流から取り残されています。 法学部や経済学部卒の「学士」の官僚が国際会議に出ると、そこにいるのは欧米の一流大学で博士号を取得したその分野のスペシャリストばかりです。これでは、アマチュアのスポーツチームがプロを相手に試合するようなもので、最初から勝負は決まっています。 もうひとつの懸念は、日本の政治家・官僚の感覚が国際社会の価値観から大きくずれているのではないかということです。 欧米では狩猟はかつて「紳士のスポーツ」として人気でしたが、いまでは「アフリカに象を撃ちに行く」などといおうものなら、殺人犯のような(あるいはそれ以上の)白い目で見られます。「科学的根拠」があろうがなかろうが、大型動物を殺すことはもはや許容されなくなりました。調査捕鯨を容認する判決を出したときの国際社会からの強烈なバッシングを考えれば、ICJの判断は最初から決まっていたと考えるべきでしょう。 原発被災地の水産物については、日本が生産者の立場、韓国が消費者の立場で互いの主張をたたかわせました。WTOは日本の食品の安全性を認めたとされますが、それでも韓国の禁輸を容認したのは、政府には国民=消費者の不安に対処する裁量権があるとしたためでしょう。いわば「消費者主権」の考え方で、これも世界の趨勢です。 二つの判決は、国際社会の価値観の変化を前提とすれば、じゅうぶん予想されたものでした。だとしたら問題は、そのことにまったく気づかず、唯我独尊のような態度で裁判に臨んだ側にあります。 元徴用工らの訴えに対する韓国大法院の判決に対し、与党内にはICJに訴えるべきだとの強硬論もあるといいます。裁判で決着をつけるのは自由ですが、ますますリベラル化する国際世論を考えれば、けっして楽観できないことを肝に銘じるべきでしょう・・・追記:2019年4月23日朝日新聞は、「政府説明、WTO判断と乖離」として、日本政府が根拠にしている「日本産食品の科学的安全性が認められた」との記載がWTO第一審の判決文にあたる報告書に存在しないことを報じました。国際法の専門家などからの批判を受け、外務省と農水省の担当者は「『日本産食品が国際機関より厳しい基準で出荷されている』との認定をわかりやすく言い換えた」と釈明、外務省経済局長は自民党の会合で政府の公式見解を一部修正したとのことです。ますます、「日本の官僚、大丈夫か?」という気がしてきます』、「政府説明、WTO判断と乖離」というのも驚くべき「捏造」だ。今回の問題はどこに原因があったのかを、自民党や野党は徹底追及すべきだろう。

明日12日から15日まで更新を休むので、16日にご期待を!
タグ:橘玲 経済産業研究所 三陸海岸 漁業 ダイヤモンド・オンライン 現代ビジネス 鈴木智彦氏 (その3)(ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通 暴力団が深く関与する実態、WTO判決「必死の韓国」に敗北した 日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた、国際感覚から乖離した日本の官僚 大丈夫か?【橘玲の日々刻々】) 「ウナギは推計で3分の2が密漁・密流通、暴力団が深く関与する実態 『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 』」 『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 』 サカナとヤクザの切っても切れない関係を、足掛け5年に及ぶ現場取材によって描き出した一冊だ サカナの世界では表社会と裏社会が複雑に絡まりあっていた アワビは日本で取引されるうちの45%、ナマコは北海道の漁獲量の50%、ウナギに至っては絶滅危惧種に指定された今でも、その2/3ほどが密漁・密流通 東日本大震災の影響によって監視船や監視カメラが破壊されてしまったこの地区では、密漁団にとって好都合としか言いようのない状況が出来上がっていた 欲に目がくらんだ漁業協同組合関係者、漁獲制限を守らない漁師、チームを組んで夜の海に潜る密漁者、元締めとなる暴力団 密漁品と知りながら正規品のように売りさばく、この行為こそが黒から白へとロンダリングされる決定的瞬間 築地市場への潜入取材 市場とヤクザは歴史的に双子のような存在 ウナギ業界の病巣は、稚魚であるシラスの漁獲量が減少して価格が高騰したため、密漁と密流通が日常化している シラス輸出が禁じられている台湾から香港を経由し、国内へ輸入されてくる サカナとは健康的なものであるはずだ。しかしその健康的なものが入手されるまでの経緯はどこまでも不健全なのである 松岡 久蔵 「WTO判決「必死の韓国」に敗北した、日本の絶望的な外交力 外務省は「絶対勝てる」と言っていた」 韓国政府が日本の水産物に対して禁輸措置 日本政府が世界貿易機関(WTO)に提訴した問題で、WTOの最終審に当たる上級委員会は今月11日、一審での韓国への是正勧告を取り消した 「キツネにつままれたような…」 一審は禁輸が「不当な差別」に当たるかを判断する時、食品自体の放射線量のみを判断基準としたが、将来的に汚染に影響する可能性のある日本周辺の海洋環境などの地理的条件を考慮していなかった。この点で落ち度があるため、一審が下した「韓国の禁輸措置は不当」とする判断は誤りである、との指摘 悪しき先例ができた いまだに現在でも23の国・地域が規制を設けている。 そのうち、韓国など8カ国・地域は禁輸を続けている 「絶対勝てる」と言ってたのに 今回は、外務省と水産庁から『絶対に勝てますから安心してください』と、山上局長、長谷成人水産庁長官ら両省幹部が直接説明に来ていたので、こちらも安心しきっていました。ですから、余計に期待を裏切られた感が高まっているのです 外務省の山上局長 昨年末の国際捕鯨委員会(IWC)脱退を外務省サイドから仕切って首の皮をつなぎました 「ファクトがあれば大丈夫」は甘い 調査捕鯨が2014年に国際司法裁判所(ICJ)で敗訴 国際社会というのは、その『公正な判断』を下す人間をいかに抱き込むかが勝負なんですから。何も進歩していない どこで差がついてしまったのか 韓国は、2002年のサッカーW杯を強引に日韓共催に持ち込んで『アジア初』の栄誉を勝ち取りました。どうもその辺りから、潘基文(パン・ギムン)国連総長の輩出、米国での慰安婦像の問題など、国際的な人脈作りやロビイングを重視するようになった。ここの違いですね チョン・ハヌル産業通商資源部通商紛争対応課長が「一審の敗訴を覆すために昨年末、ジュネーブのホテルにウォールーム(War Room)を設置し、3週間にわたり約20人がほとんど一日中シミュレーションをしながら対応した」 川瀬剛志・上智大学教授によるレポート 今回の敗訴が経済分野でのルール外交における日本の敗北だとすれば、中長期では広く貿易・投資の国際ルール、つまり国際経済法に関するリテラシーを底上げする必要 日本の大学でこの分野の教員ポストが法学部の中で削減傾向にあり、人材を育成する体制が整っていない 国際社会の「野蛮さ」を認識しないと… チョン課長は裁判対応過程で目の中に腫瘍ができ、帰国して除去手術を受けなければいけないほど精神的ストレスが激しかった 「国際感覚から乖離した日本の官僚、大丈夫か?【橘玲の日々刻々】」 「日本の官僚は大丈夫か?」 専門性に関係なく新卒を採用し、さまざまな部署を異動させてゼネラリストを養成するという官庁の人事システムはかんぜんに世界の潮流から取り残されています 法学部や経済学部卒の「学士」の官僚が国際会議に出ると そこにいるのは欧米の一流大学で博士号を取得したその分野のスペシャリストばかりです 日本の政治家・官僚の感覚が国際社会の価値観から大きくずれている 問題は、そのことにまったく気づかず、唯我独尊のような態度で裁判に臨んだ側にあります 「政府説明、WTO判断と乖離」 日本政府が根拠にしている「日本産食品の科学的安全性が認められた」との記載がWTO第一審の判決文にあたる報告書に存在しない
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韓国(一般的問題)(韓国大統領はどうして悲惨な結末を迎えるのか、「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人、IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……、米韓同盟“消滅”か 韓国政府が将兵向け教材から『同盟』章削除) [外交]

一昨日、昨日に続いて、韓国を取上げよう。今日は、韓国(一般的問題)(韓国大統領はどうして悲惨な結末を迎えるのか、「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人、IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……、米韓同盟“消滅”か 韓国政府が将兵向け教材から『同盟』章削除)(一般的問題)(韓国大統領はどうして悲惨な結末を迎えるのか、「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人、IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……、米韓同盟“消滅”か 韓国政府が将兵向け教材から『同盟』章削除)である。

先ずは、アン・ヨンヒ氏が昨年3月20日付けJBPressに寄稿した「韓国大統領はどうして悲惨な結末を迎えるのか 検察に呼ばれた李明博元大統領を待つ容赦のない捜査」を紹介しよう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52611
・『韓国では、李明博元大統領の逮捕が秒読みになってきた。すでに彼の身内は外堀を埋めるように一人ひとり検察に呼ばれ、ついに本人への捜査が始まった。 海外から見れば、毎度毎度よくそんなに一国のトップだった人が汚職にからむものだと思うかもしれない。実際、韓国人だってそう思っている。 韓国は直接選挙で大統領を選んでいるだけに「今度こそは」と思って投票するわけだが、なぜこんな結果になるのか――』、確かに不思議な国だ。
・『検察に召喚された5人の大統領  これまで検察に召喚された元大統領は盧泰愚、全斗煥、廬武鉉、朴槿恵、李明博(呼ばれた順)と、5人目である。 こうした汚職を繰り返す原因は、大統領という地位が包括的かつ広範囲な公務上の権限を持っており、その権限をチェックする相手がいないことにある。 一例として、検察は政権の不正や汚職を抜本的に摘発する任務のある最高査定機関だが、実際は青瓦台(大統領府)の意に背くわけにはいかない。 行政部の傘下にある検察が、行政部の首長であり国家元帥である大統領を監視するのは不可能に近い。検察の人事権は大統領にあるからだ。 そのため、政権が変わると(特に反対派の政権になると)、元大統領の汚職事件が明るみに出る仕組みなのだ。 そして、この時は徹底して罪を暴かれるが、なぜか刑の執行は中途半端な形で終わる。それについて、現大統領も元大統領になった時、あまり追いつめられないように前例を作っているのではないかと疑う人たちもいる。 検察に呼ばれずとも大統領を退いてから国外追放(李承晩)、暗殺(朴正熙)、死刑宣告(盧泰愚、全斗煥)、自殺(廬武鉉)、弾劾(朴槿恵)と、悲惨な末路である』、「徹底して罪を暴かれるが、なぜか刑の執行は中途半端な形で終わる」「現大統領も元大統領になった時、あまり追いつめられないように前例を作っているのではないかと疑う人たちもいる」、なるほど。
・『韓国人はこれらを踏まえ自嘲気味に、歴代の大統領を釜めしに例えたジョークがまことしやかにネットで出回っているのでまとめてみた。 李承晩大統領(大統領在職期間:1948~60年)は、米国の援助で釜を買ったが、お米がなかった。 尹潽善大統領(1960~62年)は、お米はないけど薪だけ準備し、内輪もめしているうちに、朴正煕に追放された。 朴正煕大統領(1962~79年)は、お米をこしらえ一生懸命釜で飯を炊いたが、拳銃に撃たれ自分は食べられなかった。 崔圭夏大統領(1979~80年)は、人が見ぬ間にそっと釜に手を出し、蓋を開けようとしたら火傷した。 全斗煥大統領(1980~88年)は、朴大統領が炊いたご飯を親戚中が全部平らげた。 盧泰愚大統領(1988~93年)は、全斗煥大統領に食べ尽くされたので、自分1人でおこげをそいで食べた。 金泳三大統領(1993~98年)は、何か残っていないかと、釜をつつきまわした挙句、釜に穴をあけてしまった。 金大中大統領(1998~2003年)は、国民が集めてくれたお金とクレジットカードで新しい電気釜を買った。 廬武鉉大統領(2003~2008年)は、新しい釜は110V専用なのに、220Vにつないでしまって電気釜が壊れた。そして、コードが合わないと不平を言った。 李明博大統領(2008~2013年)は、「飯炊きの達人」というフレコミだったので壊れた電気釜を直すと思ったら、新しい電気釜を買った。だが、電気釜を昔の釜のように火にくべて炊いた。 朴槿恵大統領(2013~2017年)は、大きな釜を高額で仕入れて、チェ・スンシルという家政婦に釜ごと預けてしまった。 文在寅大統領(2017年~)は、ロウソクで飯を炊いているので、国民には待てと言う。それに、もしかしたら金正恩に釜を渡すかもしれない。先日ヒョン・ソンウォルという女が釜を見に来たのだから。 この話で例えられているのは、お米は食料であり経済力、釜は国庫の状態』、「釜めしに例えたジョーク」はなかなかよく出来ている。
・『 終戦後、日本から独立した韓国は世界の最貧国だった。初代の李承晩大統領は米国に依存し、米国の援助で経済を発展させようとした。 しかし、権力に目がくらみ国民をないがしろにして長期的な権力維持に励んだため、4.19革命により国外追放され、ハワイで最期を迎えた。 2人目の尹潽善(ユン・ボソン)大統領は、李承晩大統領が追放された後に大統領になったが、党内で新派と旧派に分かれてもめている間に5.16クーデターによりのし上がってきた朴正煕に大統領の地位を奪われた。 軍事クーデターにより大統領になった朴正煕は、日韓国交正常化により援助を得て、高度経済成長を成し遂げる。 だが、彼は長期間政権を維持したものの、やはり権力の虜になってしまい部下に暗殺されてしまう。「漢江の奇跡」はこの時代に生まれた用語。 朴大統領の急死により、たまたま国務総理から大統領になった崔圭夏大統領。しかし、新軍部勢力の全斗煥によって8か月で権力を奪われた。 1980年代を迎え最貧国から脱し、漢江の奇跡を成し遂げた韓国は、86年アジア大会、88年ソウル五輪と世界に名を知らしめる国際的なスポーツイベントを開催するに至る。 全斗煥大統領は、韓国人の間で高まり始めた政治的な不満を、スポーツイベントなどを利用して気をそらすことに専念した。 全大統領は、学生デモを抑圧し、光州事件という悲惨な事件を起こしたが、それでも高度経済成長のおかげでおこぼれを頂戴した輩が多いせいか、この時代を懐かしむ年配の人たちも多い。 学生デモが続く中、新軍部勢力の仲間であった盧泰愚が後を継いだが、高度経済成長に積み立てた国庫はすでに底を尽き始めていた。 全斗煥大統領と盧泰愚大統領は同じ穴のムジナであったが、全斗煥大統領は部下たちをねぎらうカリスマ上司なのに比べ、盧泰愚大統領は根暗なオタクぽい性格で独り占めが好きなようだ。 そのため、通帳に29万ウォンしかないと言う彼を慕う人たちがいる半面、盧泰愚大統領は身内からも匙を投げられ、隠し持っていた財産はまんまと乗っ取られた。現在、財閥に嫁がせた長女も夫から見放され離婚訴訟の真っ最中である。 長い野党生活を終え与党に寝返り清廉潔白さを売りにして当選した金泳三大統領。しかし、生まれてこの方、お金を自分で稼いだことがないボンボンだった。 そのせいで、国をデフォルト寸前まで危機にさらし、IMF(国際通貨基金)という機関がどんな国際機関なのかを国民に知らしめた。 金泳三大統領は、ことあるごとに清廉潔白を謳っていたが、顔のそっくりな次男が不正を働き、政権末期には次男が逮捕された。 万年野党の党首であった金大中氏が齢70を超えて大統領になった時、国の経済はガタガタだった。経済立て直しのため、国民から「金集め」をし、クレジットカードの活性化、ベンチャー企業の育成などを行った。 そして、北朝鮮の金正日委員長と南北会談を成立させ、念願のノーベル平和賞も手にした。だが、彼もまた政権末期に息子たちの不正が発覚した。 廬武鉉大統領は、自分と同じような考え方をする人たちに対してはコードが合うと言っていたことから、電気釜のコードと彼の言うコードをもじっている。退任後、贈賄の被疑者として検察に何度か呼ばれた後、自殺した。 現在、時の人となっている李明博大統領は、財閥のサラリーマン社長を経てソウル市長、そして大統領となっただけに、「経済大統領」だと期待された。 しかし、蓋を開けてみると、私腹を肥やしただけで韓国の4大河川は環境汚染がひどくなった。 李明博大統領より先に刑務所に入っている朴槿恵大統領は、親の七光りで大統領になったが、一昨年任期も終えずに弾劾された』、これほど政権交代で前大統領が糾弾されるのでは、官僚機構も距離の取り方に苦労するに違いない。
・『ちなみに、ネットでは統治スタイルをドライバーに例えて大統領を説明しているのもある。だが、よく見ると、保守派か進歩派かによって評価が異なる。 まず、保守派の人が解説する大統領の運転スタイルを見ると、 李承晩は国際免許ドライバー 朴正煕は模範タクシードライバー 崔圭夏は代行運転 全斗煥は乱暴運転  盧泰愚は初心者マーク 金泳三は無免許 金大中は飲酒運転  廬武鉉は逆走行 李明博大統領は自分勝手  朴槿恵大統領は大型事故を起こしたドライバー。 進歩派の評価は、 李承晩は初心者マーク 朴正煕はスピード違反ドライバー 崔圭夏は代行運転  全斗煥は乱暴運転 盧泰愚は居眠り運転 金泳三は飲酒運転 金大中は安全運転  廬武鉉は模範運転  李明博大統領は逆走行  朴槿恵大統領は無免許ドライバーとなる。 大きく異なる点は、金大中大統領と廬武鉉大統領への評価。 保守派は、金大中大統領の太陽政策を快く思わずマイナスイメージで、廬武鉉大統領に対しても時代を逆走していると思っていたようだ。 一方、進歩派は李明博大統領こそが時代を逆走しており、金大中・廬武鉉大統領はまさしく正しい運転をしたと評価する。 まさしくこれが韓国人の中で2派に分かれていることの証明でもある。 現在は文在寅大統領が政権を握っている。彼は、金大中・廬武鉉大統領の流れを汲んでいるだけに、「李明博」という過去の清算を徹底して行うことは火を見るように明らかである』、こんなに熱し易く冷め易い国には、大統領制は適していないのかも知れない。

次に、昨年12月7日付け日経ビジネスオンラインが掲載した元日経新聞編集委員でジャーナリストの鈴置 高史氏へのインタビュー「「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人 文在寅は米国に「縁切り」を言わせたい」を紹介しよう。Qは聞き手の質問。文中の出所の説明などは省略した。
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226331/120600206/?P=1
・『駐韓米国大使が「米韓同盟はいつまであるか分からない」と語った。 米大使が警告  鈴置:韓国に駐在するハリス(Harry Harris Jr.)米国大使が「米韓同盟がいつまでもあると思うな」と韓国に警告しました。文在寅(ムン・ジェイン)政権が制裁緩和を唱えるばかりで、北朝鮮の非核化に不熱心――はっきり言えば非核化を妨害しているからです。 ハリス大使は「2018年統一貢献大賞」を受賞。11月26日にソウル市内で開いた授賞式での発言でした・・・大使の発言を記事から拾います。式の参加者が同誌に伝えたものです。 +(米朝首脳会談により)北朝鮮に肯定的な変化が生まれる可能性が無限にあると考えている。しかしこれは金正恩(キム・ジョンウン)委員長が非核化に関する自身の約束を守る時にのみ可能になる。 +北朝鮮が非核化に関する具体的な措置をとるまで、現在の制裁が維持されるということだ。文大統領が語ったように、南北対話は非核化の進展と必ず連携されることだろう。 「南北対話は非核化の進展と必ず連携される」とは外交的な修辞です。「北朝鮮が非核化しない限り、米国は制裁緩和を認めない」と韓国にクギを刺したのです』、「外交的な修辞」は慣れない素人には本当に分かり難い。
・『金正恩の使い走り  9月下旬に訪米した際、文在寅大統領はあちこちで「北朝鮮は平和に向け動き出した」「金正恩委員長は信頼できる」などと強調しました。 このため米メディアが「文在寅は金正恩の首席報道官」と揶揄するなど「韓国は北朝鮮の別働隊」との見方が広がったのです・・・10月10日、トランプ(Donald Trump)大統領はホワイトハウスで「韓国は米国の承認なしに何もできない」と3度も繰り返し語りました。韓国が対北援助の再開に動くことに関し、記者から聞かれての答えです。 もちろん「勝手に動くな」と叱責したのです・・・それでも文在寅政権はめげませんでした。10月中旬の欧州歴訪では、仏、英、独の首脳と会談し対北制裁をやめさせようと画策しました。 ローマ法王まで利用する徹底ぶりでした。欧州を味方に付け、米国を孤立させようとしたのです。もちろん、そんな試みは失敗しました・・・』、「米国を孤立させようとした」文在寅大統領もなかなかしたたかなようだ。
・『同盟を当然と思うな  Q:露骨になる一方の「韓国の裏切り」。それに対しハリス大使は警告したのですね。 鈴置:その通りです。そうした文脈の中で「米韓同盟消滅」に言及したのです。記事からその部分を引用します。最後に一言申し上げたい。我々の同盟は確固として維持されているが、我々はこれを当然視してはいけない。 韓国がこんなに同盟をないがしろにするのなら、打ち切ってもいいのだぞ――と匂わせたのです。月刊朝鮮も前文で、以下のように解説しました。非核化もしないのに韓国政府が南北対話や対北制裁解除を推進する場合、同盟が揺れることもあり得ると暗示した。 私の記憶する限り、米政府高官が公開の席で「同盟破棄」に言及して韓国を脅したのは初めてです。韓国の親米保守は驚愕しました』、米国の怒り心頭になったのだろう。
・『フィリピンを思い出せ  朝鮮日報の元・主筆の柳根一(ユ・グンイル)氏がこの発言に直ちに反応し、保守系サイトの趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに記事を載せました・・・柳根一氏はまず「米国は韓国を見捨てない」との思い込みに警告を発しました。 ハリス大使の発言は韓国に対する米国の断固とした警告に聞こえる。米国は卑屈に同盟を求める国ではない。 一部の人は言う。米国は自分の利益のために韓国に軍隊を置いているのであって、韓国のためではないと。バカも休み休み言うべきだ。 在韓米軍基地がたとえ、米国の戦略的な利益のために必要であったとしても、韓国人たちが望まなければいつでも離れる用意があると見なければならない。 フィリピンの政治家たちが「民族主義」を掲げて米軍撤収を言いだすと、米国はピナツボ火山噴火を口実にクラーク基地をある朝に捨て、去った。米軍が離れるや否や、比海域には中国海軍が忍び寄った。 韓国では左派に限らず普通の人も、そして多くの保守派までも「米国は自分の利益のために軍を韓国に駐屯させている」「だから少々我がまま言っても同盟は打ち切られない」と信じています。 柳根一氏はハリス大使の発言を聞いて「単なる脅しではなく本気で韓国を捨てるハラを固めたな」と焦った。そしてこの記事を書くことで韓国人に、状況が大きく変わった。幻想を捨てよ、と訴えたのです』、ここまで米韓関係が悪化していたとは驚きだ。
・『左派の陰謀  Q:「状況が変わった」とは? 鈴置:次のくだりを読むと分かります。ポイントを翻訳します。 +韓国の運動圏(左派)は内心、米国が韓国に愛想を尽かして自ら離れて行くことを望んでいるのかもしれない。だから米国が愛想尽かしするようなことばかり選ぶ手法をとっているとも言える。 +「我々がいつ、出て行けと言ったか。我々はただ、自主的であろうとしただけなのに、あなたたちが公然と怒って出て行ったのだ」というわけだ。 +この方式はすでにある程度、実行に移されている。米国は今や十分に怒っている。少し前、韓国外交部を担当する記者らがワシントンに行った時、あるシンクタンクの研究員が米国の官僚らが韓国のやり方に猛烈に怒っていると伝えたのではなかったか? +そうなのだ。韓国人は韓米同盟を当然視してはいけない。いったいどの国が、自尊心を傷付けられてまで同盟という見せかけに縛られると言うのか? 文在寅政権は米国から「縁切り」を言わせたい。そこで米国が怒るよう仕向けている。「そんな卑怯なやり方をすれば、米国は本当に怒って出て行くぞ」と、柳根一氏は「左派が演出した危い状況」に警鐘を鳴らしたのです。 Q:その見方は正しいのですか? 鈴置:私もそう見ます。文在寅大統領はじめ、政権中枢の運動圏出身者は、米韓同盟こそが民族を分断する諸悪の根源と考えているからです・・・ただ、文在寅政権が同盟破棄を言い出せば、韓国の保守や普通の人、あるいは左派の一部も反対するでしょう。米国を分断の元凶となじる韓国人にも、米国に守ってもらいたい人が多い。 だから文在寅政権は米国から同盟破棄を言わせるよう仕向けているのです・・・』、やはり文在寅大統領はなかなかしたたかなようだ。
・『なぜイライラさせるのか  Q:米国もそれに気付いているのでしょうか。 鈴置:もちろんです。米国人は韓国人が考えるほどバカではありません。文在寅大統領の9月の訪米で、韓国が北朝鮮の使い走りに堕ちたことは天下に知れ渡りました。当然、米国は韓国の裏切りを監視する体制を強化しました。 米政府は日本にも安保・外交専門家を送り込み、「文在寅政権は何を考えているのか」を聞いて回りました。10月、そんな1人からヒアリングを受けました。何と、最初の質問が「韓国はなぜ、我々をイライラさせるのか」でした。 Q:どう答えたのですか? 鈴置:「米国側から同盟解消を言わせたいのだろう。もし文在寅政権が先に言い出せば、青瓦台(大統領府)は保守派のデモで取り囲まれるであろうから」と答えました。 すると相手は大きくうなずいてメモを取りました。新しい知見に感動して、というよりも「日本の専門家もそう見ているのか」といった感じでした。 米政府も、同盟廃棄に向けた韓国のやり口はすっかり見抜いています・・・』、「米政府も、同盟廃棄に向けた韓国のやり口はすっかり見抜いています」、というのは一安心だ。
・『「韓国疲れ」とこぼす米高官  ・・・トランプ大統領は北朝鮮の非核化が実現するなら、米韓同盟を廃棄してもいいと考えている。 注目すべきは、米政府や米軍の高官たちもそう考え始めたことです。日本のカウンターパートに対し「韓国疲れ(Korea fatigue)」とこぼす軍出身の高官が増えたそうです。大統領と同様に、非核化と同盟廃棄の取引を進めるハラを米軍も固めた可能性があります。 12月に実施予定だった米韓空軍の合同演習「ヴィジラント・エース(Vigilant Ace)」が10月に中止が決まりましたが、米国側の発案でした・・・CNNは「国防総省、米韓軍事演習の中止を発表 米朝交渉に配慮」(10月21日、日本語版)で「トランプ大統領が高額の出費を強いられる演習を嫌う」「米朝関係に配慮した」などの理由を挙げました。 ただ、日本の専門家によると米軍の現場からは「韓国軍と肩を並べて戦うことはもうない。である以上、合同演習などは無駄だ」との声が漏れてくるそうです。 米軍内にも「米韓同盟は長くは持たない」との意識が広がった。米海軍大将で、太平洋軍司令官だったハリス大使が「米韓同盟を当然視するな」と韓国人に警告したのも別段、不思議ではないのです』、「米韓空軍の合同演習」の中止は、「米朝関係に配慮した」というより、「米軍の現場からは「韓国軍と肩を並べて戦うことはもうない。である以上、合同演習などは無駄だ」」といことであれば、これは深刻だ。
・『日韓関係も破壊  Q:韓国が日本を「イライラさせる」のも……。 鈴置:米韓同盟破棄の伏線を敷いているつもりでしょう。10月30日、戦時の朝鮮人労働者に賠償するよう、韓国大法院(最高裁判所)が新日鉄住金に命じました・・・日韓国交正常化の際に取り交わした請求権協定を完全に否定する判決でした。これにより日韓両国は国交の基本的あり方を確認した条約を失いました。無条約時代とも言うべき状況に突入したのです・・・11月21日には韓国政府は、従軍慰安婦問題に関する「和解・癒やし財団」――いわゆる「慰安婦財団」の解散を発表しました 。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年末の日韓合意を踏みにじりました。 日本を怒らせ日韓関係を破壊すれば、米韓同盟にもヒビが入ります。日本では「韓国防衛のために日本が戦争に巻き込まれる危険性を冒すべきではない」との主張が高まり、朝鮮半島有事の際の在日米軍基地の使用が難しくなるのは間違いありません。 在韓米軍は日本という強力な兵站基地があって十分に機能します。米国はますます在韓米軍を維持する意欲を失うでしょう』、「在韓米軍」撤退ということにでもなれば、日本が最前線に押し出されることになる。
・『日米からのけ者にされた  11月30日、12月1日の両日にアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議が象徴的でした。この場を利用し、各国は相次いで2国間の首脳会談を持ちました。 最高裁判決などで無茶苦茶なことをして来る韓国に怒った日本は、いつもなら開く日韓首脳会談を実施しませんでした。 トランプ大統領は11月30日に文在寅大統領と会いましたが、ホワイトハウスはわざわざ「会談はpull asideである」と断りました。「pull aside」とはイベント会場の片隅で実施する立ち話のような、非公式の会談を意味するのだそうです。米国は韓国をはっきりと「格下げ」して見せたのです。 「米国と日本から見捨てられた」と、もっと大きなショックを韓国人に与えたのが、日米がインドを安全保障上のパートナーに引きこもうと開いた初の3カ国首脳会談(11月30日)でした。 中央日報の金玄基(キム・ヒョンギ)ワシントン総局長は・・・以下のように書きました。インドのモディ首相は「日本(Japan)、米国(America)、インド(India)の頭文字を足した「JAI」なる新語を創り出し「民主主義の価値を象徴するJAIが平和と繁栄を共に創ろう」と語った。すると安倍首相が待っていたかのように相槌を打った。「自由で開放されたインド太平洋に向けこの3カ国で進もう」。 昨年7月のG20首脳会議と9月の国連総会では韓米日の3カ国首脳会談が行われた。だがそれ以降途絶えた。北朝鮮にオールインし、米中間でどちらにつこうかとうろうろする韓国は除かれ、代わりにインドが入ったのだ』、ただ、インドはパキスタンとの間で長年の争いを抱えているなかでは、必ずしも多くは期待出来ないのkじゃも知れない。
・『保守に期待できるか  Q:米国はどうするつもりでしょうか? 鈴置:保守派に期待しているフシがあります。彼らをして、文在寅政権の対北支援を阻止させたいと考えているようです。米国の専門家からのヒアリングでも「保守派に期待できるか」との質問がありました。 Q:何と答えたのですか? 鈴置:「保守勢力は分裂しており力がない。左派の対北傾斜をどこまで防げるかは不透明だ、と韓国の友人は言っている」と答えました。ついでに「ご質問が『クーデターは可能か』ということなら、それは不可能と見られている」と言っておきましたが。 Q:「クーデターに期待できない」米国はどう出ますか? 鈴置:過去、韓国が逆らった時は「通貨」で脅しました。1997年の通貨危機も米韓関係が悪化した状況下で起きました・・・現在、韓国は資本逃避が起きやすい状況に陥っています。米国の今後予想される利上げで米韓金利差が広がるというのに、韓国は個人負債の膨張のため金利を上げにくい。半導体市況の低迷で貿易黒字も減ると見込まれています。いずれも通貨危機の危険信号です』、通貨危機はあり得るシナリオだ。
・『日米共同で対韓制裁?  「通貨」で韓国を脅すやり方には大きな副作用があります。韓国の反米感情を育てるからです。1997年の通貨危機は米韓関係悪化の大きな引き金となりました。 ただ、同盟を長く続けるつもりがないのなら、米国は反米感情に神経を払う必要はなくなる。それは日本も同じです。韓国が米国の同盟国から外れるのなら、これまでのように遠慮しなくてよいのです。 ちょうど今、日本も韓国に対し経済制裁を検討し始めたところです。朝鮮人労働者の判決の是正を求めているのに、韓国政府は馬耳東風。このまま放っておけば、韓国の無法を認めることになります。日本は何らかの形で韓国に対抗措置を取らざるを得ません。 一方、米国も北朝鮮の核武装を助ける韓国をここで叩いておきたい。日米が一緒になって韓国の弱点たる「金融」を攻める可能性が出てきました』、これは面白くなりそうだ。

第三に、上記の続きを12月15日付け日経ビジネスオンライン「IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……」を紹介しよう。Qは聞き手の質問。
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226331/121400208/?P=1
・『韓国人は今、1997年の通貨危機を思い出す。資本逃避が始まるなか日米との関係が悪化し、金融の命綱を失う。というのに政権は手をこまねき、政界は抗争に明け暮れる――。21年前とだんだん似てきたからだ』、なるほど。
・『面子も職も失った  鈴置: 11月28日封切りの映画「国家不渡りの日」が韓国でヒットしています。初めの1週間で157万人が見たと報じられています。 韓国は1997年秋から通貨危機に見舞われ結局、IMF(国際通貨基金)に救われました。タイトルが示すように、当時の経済危機を描いた映画です。 実録風の映画ではありますが、この危機を利用して大儲けしたという架空の人物も登場します。韓国語の予告編はここで見られます。 Q:「IMF危機」ですね。 鈴置:そうです。韓国に乗りこんできたIMFは構造改革と称し、金融、貿易の保護政策をすべて撤廃させました。韓国人は経済の国家主権を失ったと嘆き、日本による植民地化に続く「第2の国恥」と呼んだのです。 韓国人が失ったのは面子だけではありませんでした。IMFが実施した厳しい緊縮政策で、多くの人が職を失いました。 経済が回復した後も、企業は非正規職の比率を高めたうえ、正規職に対しても「名誉退職」の名の下、40歳代定年制を導入するなど、厳しい姿勢を維持しました。 IMF危機を境に韓国経済の国際競争力は格段に高まり、サムスン電子や現代自動車など世界に冠たる企業が登場しました。しかし同時に雇用の不安定、貧富格差など現在、韓国が抱える問題も生んだのです』、IMF危機を「日本による植民地化に続く「第2の国恥」」と捉えているとは、相当辛い体験だったのだろう。ただ、産業界は、もっけの幸いと雇用を企業に都合よく改革し、国際競争力を高めたとはさすがだ。
・『お灸をすえた米国  Q:なぜ今、「国家不渡りの日」がヒットしているのでしょうか。 鈴置:状況が当時と似てきたからです。・・・この映画は最後のシーンで「危機の再来」を訴えているそうです。 実際、外国人が株を売り、資本逃避が起き始めています・・・しかし、いざという時にドルを貸してくれていた日本や米国との関係が極度に悪化しました。韓国は北朝鮮の核武装を幇助する裏切り者と見切られたのです・・・政府がこの危さに気付き、経済や外交政策を根本から変えれば何とかなるかもしれない。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権は唯我独尊。経済政策の失敗で失業率が上がろうが、異様な対北接近で米国や日本との関係が悪化しようが、全く気にとめません。 IMF危機を招いた金泳三(キム・ヨンサム)政権も強気の外交を展開し、米国や日本との関係を悪化させました。 半面、中国にすり寄ったので、怒った米国は韓国が最も必要とする時にドルを貸さず、日本の対韓緊急融資も止めました。IMFに行かせるため――韓国にお灸をすえるためです・・・』、米国は「日本の対韓緊急融資も止めました」とは、怒らせると本当に怖い存在だ。
・『金泳三のデジャヴ  Q:金泳三政権は危い状況に気が付かなかったのですか? 鈴置:大統領選挙を控え野党との政争に没頭するあまり、経済にまで気が回らなかったのです。政権末期で士気が落ちており、重要な情報が大統領に上がらなかった、とも言われています。 次の大統領選挙は2022年なので、現在は政権末期ではありません。が、文在寅政権も経済音痴ぶりを発揮しています。 「所得を増やせば景気はよくなる」との単細胞的な発想で、最低賃金を一気に1割以上も引き上げました。 多くの零細・中小企業の採算が取れなくなり、従業員を解雇したり廃業に追い込まれました。その結果、若者の雇用は減少し、景気も悪化しました。 政策ミスが明らかになったにもかかわらず、文在寅政権は軌道修正しません。「現実から目をそらすな」と韓国各紙は激しく批判しています。この辺りも「金泳三のデジャヴ」なのです。 そんな状況下で、日本との関係悪化が新たな懸念材料に浮上しました。韓国経済新聞は韓国政府が慰安婦合意を事実上破棄した11月21日、社説「外交がせねばならぬこと、してはならぬこと、見分けているか」(韓国語版)で以下のように書きました。 国際金融市場の揺れが次第に激しくなる中、通貨スワップの締結が不振だ。カナダ、スイスなどとは結んだが、米国や日本といった重要国とはなしの礫(つぶて)だ。 日本とのスワップ協定は少女像(慰安婦像)などの問題で交渉チャネルまで途絶えた。「韓国が再び通貨危機に陥った際、以前のように助けてくれる国があるのか」との憂慮が国内外から聞こえてくる。韓国の通貨スワップ(表省略)』、「文在寅政権も経済音痴ぶりを発揮」とは困ったことだ。
・『警告を始めた保守系紙  Q:日韓関係の悪化が通貨危機につながるとの懸念ですね。 鈴置:初めは経済紙がそれを訴えていました。12月に入ると一般紙にも「日本との関係を悪化させると経済危機に陥るぞ」と警告する記事が載り始めました。 東京特派員を経験した朝鮮日報の鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)論説委員が12月5日「『反日の代価』は高い」(韓国語版)を書きました。 韓国が日本に対し外交戦争を仕掛けるたびに、日本から反撃された事実を思い出せ、という趣旨の記事です。次の1文があります。日本は通貨スワップ中止など金融制裁という切り札を随時、使ってきた。 同じ保守系メディアでも、ネットはさらにはっきりと日本との関係悪化が通貨危機を呼ぶと警告しました』、いくら警告しても、経済音痴の文在寅政権に届くかは疑わしい。
・『失敗を繰り返す愚かな国民  趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムで・・・+1997年当時、通貨危機が深刻になると、日本からドルを借りる案が浮上した。だが、その前に香港証券市場が大暴落したため、日本の政府と民間銀行は資金事情が厳しくなり、韓国に貸す余裕がなくなっていた。 +そのうえ金泳三大統領が「日本の悪い癖をしつけ直す」と会見で語っていたため日韓関係は最悪の状況に陥っていた。日本からの支援は得られず、IMFを頼るしかなかった。 当時を振り返ったうえ、ファンド・ビルダー氏は「失敗を繰り返す韓国人」を嘆きました。 +日本に対し「悪い癖をしつけ直す」と一喝した後、IMFの世話になった前轍を踏んではならない。 +というのに今、韓国人は対策もなしに「慰安婦」「徴用工」の件で日本に対し「差し押さえ」まで云々するなど大声を出している。そんな姿を見ていると、第2のIMF事態が起きるのではないかと本当に心配になる。 +愚かな国民は過去から何の教訓も得られず、ひたすら同じ失敗を無限に繰り返す傾向が強い。朝鮮時代に我らの先祖がそうであったし、現在の韓国人もまた、同じであるようだ』、正論ではあるが、こんな手厳しい政権批判はまだ少数派なのだろう。
・『実録・IMF事態の内幕  Q:金泳三大統領の発言のせいで日本はスワップを拒否したのですか? 鈴置:それは誤りです。「香港市場の暴落」も関係ありません。日本銀行は韓国銀行の要請に応じ、ドルを貸そうとしました。しかし、米FRB(連邦準備理事会)がそれを止めたのです・・・しかし韓国では「日本を怒らせたからスワップ獲得に失敗した」ことになっています。ただ、今度は本当にそうなります。韓国にやりたい放題されている日本が、スワップを与えることはまずないでしょう・・・』、
・『大統領はいなかった  この記事は韓国経済研究者の必読文献です。1997年11月7日以降、青瓦台(大統領府)、財政経済院、韓銀の関係者がどう危機に対応したかを日報の形で克明に記録した、文字通り「実録」なのです・・・今回の再掲記事の見出しに「大統領はいなかった」とあるように、趙甲済氏はこの記事で金泳三大統領の経済危機に対する無関心さや、IMFによる救済がどういう結果をもたらすかまったく理解できなかった無能さを、たんたんと事実を記すことで浮き彫りにしています。 普通の韓国人がこの記事を読んだら、文在寅大統領の無関心さと無能さにたちどころに思い当たるのです』、青瓦台はともかく、プロである「財政経済院、韓銀」は事態を把握していたのだろうが、青瓦台に正しく伝えることが出来なかったのかも知れない。
・『怒りを米国に向けさせる  Q:深い意味のある再掲載なのですね。 鈴置:もう1つ目的があると思われます。映画「国家不渡りの日」は実録風ではありますが、かなり脚色されていて米国陰謀論の色彩が濃い。 この映画によって「米国のために通貨危機に陥った」との認識が深まり、反米ムードが盛り上がりかねない。韓国政府の無能ぶりを明らかにすることで、それを防ぐ狙いと思います。 Q:韓国人は「日本のせいでIMF危機が起きた」と信じているようですが。 鈴置:その通りです。「米国ではなく日本が悪い」というのが長い間、韓国の常識となっていました。興味深いのはこの映画が、韓国人の怒りの矛先を日本から米国に向けさせようとしている点です。 朝鮮日報・・・も、「IMFの後ろには米国がいて韓国との交渉を操っていたと描いているが、IMFの最大の出資者は米国であり、その声が大きいのは当然だ」と、この映画を批判しています。 1990年前後に毎日新聞のソウル特派員を務め、韓国映画に詳しい下川正晴氏は「時代性」「同時性」がその特徴と解説します。今起きていること、あるいはこれから起きそうなことを好んで題材に取り上げるのが韓国映画というわけです。 韓国映画は日本のそれと比べ、世論を誘導する役割がはるかに大きい。「米国こそが自分たちを南北に分断する元凶なのだ」とのメッセージも娯楽大作「JSA」などの映画によって韓国人に刷り込まれてきました・・・』、「韓国人の怒りの矛先を日本から米国に向けさせようとしている」とは興味深い指摘だ。
・『同盟破棄の起爆剤に  そして、韓国の「反日」は「反米」の伏線であることが多い。左派は国民の合意を容易に得られる「反日」を盛り上げ、次第にそれを「反米」へと転化していく――と保守派は言います。 例えば、「南北共同で民族の核を持つ」という夢を語る映画が時々制作されます。1995年の「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」では民族の核は日本に落とされました。 しかし、2017年の「鋼鉄の雨」では米国を念頭にした「民族の核」に変質しました・・・。 「国家不渡りの日」がIMF危機という民族の苦痛も、日本ではなく米国の陰謀によってもたらされたとの刷りこみを狙う映画とすれば、韓国の左派とその背後にいる北朝鮮は、近く再燃するかもしれない通貨危機を米韓同盟廃棄の起爆剤に利用するつもりかもしれません』、「通貨危機を米韓同盟廃棄の起爆剤に」というのはありそうなシナリオで、注視してゆく必要がありそうだ。

第四に、4月6日付けZAKZAK「米韓同盟“消滅”か 韓国政府が将兵向け教材から『同盟』章削除…識者「韓国軍自体が左翼化しつつある」」を紹介しよう。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190406/soc1904060004-n1.html
・『ドナルド・トランプ米大統領と、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領による首脳会談(11日)が「大荒れ」になりそうだ。これまでも、米国の不信を招く言動を繰り返してきた韓国政府が、今度は韓国軍の将兵向けの教材から、「米韓同盟」の章を丸ごと削除したというのだ。トランプ政権が北朝鮮に「完全な非核化」を迫るなか、文氏は相変わらず北朝鮮を利する言動を続けている。同盟解除を視野に入れているのか。文政権の発足後、悪化の一途をたどっている米韓関係は危機的状況に直面している。 「国防省は、誰が韓国の敵で、誰が韓国の同盟なのかを教える肝心の科目だけをそっくり取り除いた」 野党「正しい未来党」のキム・ジュンロ議員は、韓国軍の教材から、「米韓同盟」の章が消えたことについて、こう語った。朝鮮日報(日本語版)が3日伝えた。 記事によると、昨年まで使用していた将兵向けの精神戦力教育用基本教材では、「韓米同盟の歴史と未来」の章に、「韓米同盟と国家安保」「大韓民国を守る強い力、韓米同盟」という内容が含まれていた。 ところが、新たに改定された教材で韓米同盟関連の章が取り除かれ、下位テーマの1つへと格下げされた。軍の内部からは、米韓同盟を軽視しているように映る教材発行に不満の声が上がっているという』、韓国軍は武器から戦術まで米軍式に慣れ親しんできたので、戸惑いが強いに違いないだろう。
・『文政権では、軍事面でも「米国離れ・北朝鮮接近」の動きが目立っている。米韓合同軍事演習の中止が相次ぐ一方で、今年1月に発表された国防白書では、これまでの「北朝鮮の政権と軍はわれわれの敵」という表現が削除された。 韓国情勢に精通するジャーナリスト、室谷克実氏は「韓国軍自体が左翼化しつつある。現在の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は、北朝鮮の完全な味方になっている。文政権は本音では、米国との関係について『今すぐやめるというわけにはいかないが、そこそこの関係でしばらく時間稼ぎをしたい』ということだろう」と解説する。 北朝鮮の「核・ミサイル問題」についても、文政権の「反米的言動」が目立っている。 トランプ政権は最大限の圧力・制裁を維持し、北朝鮮の「完全な非核化」を達成しようとしている。同盟国の韓国としては協力的姿勢を示すのが当然だが、逆に制裁破りという裏切りを犯していた。 中央日報(日本語版)によると、韓国外務省関係者は2日、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に違反した疑いで、韓国国籍の船舶1隻が昨年10月から釜山(プサン)港に抑留中と明らかにした。 韓国国籍の船舶の出港がこうした容疑で保留されたのは今回が初めてで、洋上での違法な積み荷の移し替えである「瀬取り」で北朝鮮船舶に精製油を供給したとの情報があり、政府が調査に着手したという』、「瀬取り」には文政権の暗黙の了解があった筈なので、「調査に着手」とは笑わせる。
・『韓国を率いる文氏の「従北姿勢」も沈静化するどころか、暴走加速の気配すらある。 聯合ニュースは2日、文氏が同日に南北軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)の観光活性化について、「世界唯一の分断国家で、地球最後の冷戦地帯である韓国は逆説的に平和観光、環境生態観光で飛躍できる」として、「未来の世代が平和と安全保障を考え、きれいで美しい環境を享受できるよう、平和観光を積極的に支援する」と伝えた。 2月にベトナムの首都ハノイで行われたトランプ氏と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談が決裂したことを受け、北朝鮮には弾道ミサイル発射準備の動きが見られる。 そうした情勢で、「平和観光」を打ち出す姿勢は能天気としかいいようがない。 北朝鮮に融和的な発言を繰り返す文氏には、トランプ氏も嫌気がさしているようだ。昨年5月にホワイトハウスで行われた米韓首脳会談では、韓国語で文氏が話した後、トランプ氏が「通訳を聞く必要はない。以前聞いた話だと確信している」と述べる一幕があった。 前出の室谷氏は「首脳会談の日程を4月11日にしたことに、トランプ政権の韓国への姿勢が現れている。実は『大韓民国臨時政府』の設立から100周年に当たる日で、記念式典などがある。会談日として11日を提示したのは、文氏に対して『来なくていいよ』というメッセージだったのではないか。世界各国で『北朝鮮への制裁解除』を訴える文氏の頭の中では、『米国も変えることができる』ぐらいに思っているかもしれないが、米韓首脳会談では冷たい扱いを受けることになるだろう」と話している』、明日の会談の結果がどうなるにせよ、米韓関係は薄氷に乗っているようなものなのだろう。
タグ:韓国 日経ビジネスオンライン 通貨危機 ZAKZAK JBPRESS 鈴置 高史 (一般的問題) (韓国大統領はどうして悲惨な結末を迎えるのか、「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人、IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……、米韓同盟“消滅”か 韓国政府が将兵向け教材から『同盟』章削除) アン・ヨンヒ 「韓国大統領はどうして悲惨な結末を迎えるのか 検察に呼ばれた李明博元大統領を待つ容赦のない捜査」 検察に召喚された5人の大統領 歴代の大統領を釜めしに例えたジョーク ネットでは統治スタイルをドライバーに例えて大統領を説明しているのも 「「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人 文在寅は米国に「縁切り」を言わせたい」 駐韓米国大使が「米韓同盟はいつまであるか分からない」と語った 金正恩の使い走り 9月下旬に訪米した際、文在寅大統領 同盟を当然と思うな フィリピンを思い出せ 左派の陰謀 なぜイライラさせるのか 「韓国疲れ」とこぼす米高官 日韓関係も破壊 日米からのけ者にされた 保守に期待できるか 日米共同で対韓制裁? 韓国の弱点たる「金融」を攻める可能性 「IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……」 面子も職も失った IMF(国際通貨基金)に救われました IMF危機 お灸をすえた米国 金泳三のデジャヴ 警告を始めた保守系紙 失敗を繰り返す愚かな国民 実録・IMF事態の内幕 大統領はいなかった 「米韓同盟“消滅”か 韓国政府が将兵向け教材から『同盟』章削除…識者「韓国軍自体が左翼化しつつある」」 韓国政府が、今度は韓国軍の将兵向けの教材から、「米韓同盟」の章を丸ごと削除 「韓米同盟の歴史と未来」 「韓米同盟と国家安保」「大韓民国を守る強い力、韓米同盟」 韓米同盟関連の章が取り除かれ、下位テーマの1つへと格下げされた 文政権では、軍事面でも「米国離れ・北朝鮮接近」の動きが目立っている 韓国を率いる文氏の「従北姿勢」も沈静化するどころか、暴走加速の気配すらある 会談日として11日を提示したのは、文氏に対して『来なくていいよ』というメッセージ 米韓首脳会談では冷たい扱いを受けることになるだろう
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日韓関係(除く慰安婦)(その3)(日韓対立 米は仲裁せず ヘリテージ財団クリングナー氏、「日韓関係改善は15年必要」外交評論家の岡本行夫氏、韓国への報復「日本が絶対にやってはいけない制裁」とは何か) [外交]

日韓関係(除く慰安婦)については、3月9日に取上げた。今日は、(その3)(日韓対立 米は仲裁せず ヘリテージ財団クリングナー氏、「日韓関係改善は15年必要」外交評論家の岡本行夫氏、韓国への報復「日本が絶対にやってはいけない制裁」とは何か)である。

先ずは、3月11日付け日経ビジネスオンライン「日韓対立、米は仲裁せず、ヘリテージ財団クリングナー氏」を紹介しよう(Qは聞き手の質問、Aはクリングナー氏の回答。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00023/030700003/?P=1
・『日経ビジネス、3月11日号特集「韓国 何が起きているのか」では韓国の経済や社会の情勢と同時に、関係修復の糸口が見えなくなっている日韓関係について世界の有識者の意見を掲載した。米ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は「日韓の対立はこれまでと異なる。米政府は仲介していない」とみている。 Q:日韓関係が再び厳寒期に入っています。 A:日米韓の安全保障に関わる官僚や将校は2国間、3カ国間の軍事協力が重要だということを認識している。とりわけ北朝鮮の脅威や、中国の懸念が増大していることを考えれば、ミサイル防衛システムの統合や協調とまでは言わないにしても、日米韓の3カ国で協力することは重要だ。 日韓は常に難しい関係にある。北東アジアをウォッチしているわれわれのような人間、そして日米同盟や米韓同盟に関わる米国人が特に懸念しているのは、日韓を巡る対立が以前とは異なっているように見えるからだ。これまでとは異なる3つの点がある。 第一の要素は日韓の防衛関係者が事態を収拾しようとしていないことだ。これまでも日韓の防衛関係者は世論の反発を防ぐため、防衛面で協力関係をおおっぴらに語ることはなかった。だが、韓国駆逐艦による今回のレーダー照射問題を見ると、両国の防衛関係者は影響の広がりを抑えようとしていないように見える。その点は気がかりだ。 第二の要素は経済だ。新日鉄住金の韓国内の資産差し押さえを認めた韓国の地裁の判決によって、他の日本企業も同様のリスクにさらされる可能性が生じた。日本企業が韓国でリスク資産を減らそうとするのか、それとも韓国でのビジネスそのものを縮小するのかは分からない。徴用工問題に伴う経済的な影響はこれまでとは次元が異なる。 第三の要素は日韓の対立に米国が関与していないように見える点だ。米国にとって、日韓は北東アジアの決定的に重要な同盟国であり、経済、外交上のパートナーだ。歴史問題のようなイシューは基本的に解決できないもので、公平な仲介者として関与するメリットはない。ただ、朴槿恵政権の時に日韓の歴史問題が再燃した時は当時のオバマ政権が舞台裏で動き、東京とソウルにかなり強いメッセージを送った。それが、2015年12月の慰安婦問題の「最終解決」合意につながったと考えている。 米政府による水面下の動きは分からないことが常だが、トランプ政権は現状で、そういった舞台裏の調整をしていないようだ。日韓の対立は誰かが水面下で解決に向けて動かない限り悪化し続ける。米国は日韓両国に関係改善に向けたメッセージを送るべきだ』、トランプ政権にもオバマ政権のように舞台裏で動いてくれればいいのだが、全く期待できそうもないのは困ったことだ。
・『文大統領はお人好し  Q:文在寅政権をどう評価しますか。 A:文大統領はあらゆる観点で見て、北朝鮮の擁護者、あるいは弁護士として行動している。北朝鮮の体制を承認しているし、北朝鮮以上に平和宣言に熱心だ。文大統領が北朝鮮の主張を受け入れると、韓国は北朝鮮に対する制裁解除に向けて動くようになった。 韓国政府の高官は平和宣言があくまでも政治的で、外交上のもので、世界に影響を与えるようなものではないと考えている。彼らは平和宣言の重要性を過小評価している。平和宣言にサインしても北朝鮮が行動を改める保証にもならなければ、核兵器や従来型兵器を用いないという保証にもならない。逆に、経済制裁の効果を弱め、国連軍の撤退や米軍縮小につながるといった恐れがある。 先に北朝鮮にメリットを与えようとする点では、文大統領も金大中元大統領や盧武鉉元大統領と同様にお人好しだ。最終的に北朝鮮が国際法や米国法、国連決議に従うというナイーブな希望を持っている。 Q:米韓関係をどう見ていますか。 A:米韓関係や米韓同盟は良好で力強い。問題が発生しても乗り越えてきた。ただ、北朝鮮の非核化については米国と韓国に相違がある。韓国は非核化を米国と北朝鮮の2国間関係としてみる傾向があるのに対して、米国は非核化を多国間のイシューとして見ているという点だ。 北朝鮮の非核化を米朝の2国間の問題にすると「米国の敵視政策に対応しているだけだ」という北朝鮮の理論的枠組みを認めることになる。それは、北朝鮮の譲歩を得るために米国が譲歩しなければならないという圧力につながる。その状況を避けるには、多国間の問題と捉え、国連決議に違反しているために行動を取っているという形にする必要がある。 ブッシュ政権の時に北朝鮮の核問題で6カ国協議を主張したのも同じ理由だ。北の核の影響を受ける国々はそれぞれ異なる優先順位を持っている。米国の焦点は長距離弾道ミサイルと核兵器だが、日本は中距離ミサイルと拉致問題かもしれない。利害関係国が同じテーブルに着く6カ国協議であれば自国が懸念している問題を提起できる。今回の米朝首脳会談のように、トランプ政権のやり方はあくまでも2国間であり、米国対北朝鮮という構図になっている。これは避けなければならない』、保守系シンクタンクにも、2国間ではなく、6カ国協議でやるべきという見解があるのは、多少の救いだが、トランプ政権の姿勢が変わる可能性は薄いだろう。
・『「非核化は懐疑的にみている」  Q:2月27、28日にベトナム・ハノイで米朝首脳会談が開催されました。何の合意も得られていませんが、将来的な北朝鮮の非核化についてはどう見ていますか。 A:非核化に向けたブレイクスルーも関係断絶もなかったという印象だ。トランプ大統領は首脳会談前、国連制裁を緩和するハードルを引き下げるかもしれないと示唆していた。だが、実際は派手だが中身の乏しい合意をはねのけて、北朝鮮の核開発に対する米政府の原理原則と同盟国を重視するという正しい判断を下した。悪いディールは何もしないより最悪だ。 今回の首脳会談の決裂は朝鮮半島危機につながると思う向きもあるかもしれないが、現時点ではその可能性はなさそうだ。トランプ大統領は金正恩委員長が核実験とミサイル実験を再開しないと約束したとコメントしている。経済制裁の強化など、北朝鮮の反発を招くような行動はしないということも示唆した。 事態を収拾するために、同盟国を含むすべての政府は次のステップを思案することになるだろう。今は軽はずみな行動を取る時ではないし、脅威を拡大させる時でも、米国と北朝鮮の間の認識のずれを埋めるためにさらなる譲歩をする時でもない。 Q:首脳会談に先立って開催された実務者協議では非核化などの定義からズレが目立ちました。 A:北朝鮮の高官が私に実際に語ったことで、過去数十年にわたって米国が確認してきたことだが、北朝鮮はグローバルな軍縮として首脳会談を見ている。米国をはじめ他国が核兵器を捨て去れば、自分たちも核兵器を捨て去るということだ。一方、米国は国連決議の下、核兵器やミサイル、生物・化学兵器を完全かつ検証可能で不可逆的な手段で破棄することを求めている。 朝鮮半島の定義についても米朝で異なる。米国にとっての朝鮮半島があくまでも朝鮮半島なのに対して、北朝鮮は朝鮮半島に影響を与えるすべてのものを朝鮮半島に含めている。例えば、グアム基地に配備されている戦闘機は6時間で朝鮮半島に到達する。米軍の核抑止力や在韓米軍、日本に寄港している核兵器が搭載可能な戦術航空機、空母、潜水艦なども“朝鮮半島”に含まれる。このように、非核化の定義や朝鮮半島の定義からして米朝は異なっている。 Q:実際に非核化はあり得ると思いますか。 A:私は26年間、北朝鮮を見てきた。その間、合意の反故は8回だ。北朝鮮の非核化についてはかなり懐疑的、悲観的に見ている・・・』、「北朝鮮は朝鮮半島に影響を与えるすべてのものを朝鮮半島に含めている」というのでは、確かに「非核化は懐疑的にみている」というのもうなずける。米朝交渉の溝はやはり深いようだ。

次に、3月15日付け日経ビジネスオンラインが掲載した外交官で外交評論家の岡本行夫氏へのインタビュー「「日韓関係改善は15年必要」外交評論家の岡本行夫氏」を紹介しよう(Qは聞き手の質問、Aは岡本氏の回答)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00023/031200007/?P=1
・『日経ビジネスの3月11日号特集「韓国 何が起きているのか」では政治から経済まで日韓を取り巻く環境の変化を取り上げた。かつてないほど冷え込んだ二国間関係をどうみればいいのか。外交評論家の岡本行夫氏に聞いた。 Q:国際社会の中で韓国は日本にとってどんな存在なのでしょうか。 A:本来、韓国は日本のいちばん重要なパートナーになっておかしくない国だと思っています。国際会議で同じような立場を取り、自由貿易圏を形成し、国民の交流も増やしていくという相手のはずです。 金大中大統領の時はそういう方向になるのかという望みがありました。1998年に日本の国会で「未来志向的な関係を築く」と演説したときは私も感動しました。指導者が前向きかどうかは二国間関係において大変重要です。しかし、盧武鉉、李明博、朴槿恵、文在寅各大統領は自らの政権基盤を強化するために国民の反日感情をあおって、国内の政策を推進していくという道をとりました』、金大中大統領時代には日韓が正常化しかけたのに、拉致され失脚したとはかえすがえすも残念だ。
・『Q:文在寅政権は過去の歴史問題にいまだに言及します。日韓関係は改善できないのでしょうか。 A:植民地支配の歴史については、日本は韓国に虚心坦懐に反省すべきだと思っています。1910年の日韓併合で日本の一部とし、彼らの国民性、国家としてのアイデンティティを奪いました。これが韓国の日本に対する怨念の淵源であり、我々はこのことをきちんと認識しないといけません。しかし戦後、日本は経済協力もし、反省もして、歴史的な問題にきちんとした対応をとっています。 ところが韓国の国民性なのでしょうか。朴槿恵前大統領は就任直後の抗日独立運動の式典で「加害者と被害者という立場は1000年たってもかわらない」と演説し、特に若者の反日感情を煽りました。これは大きな責任があったと思います。そして中国に対して、伊藤博文を暗殺した安重根の記念館を共同でハルビンにつくろうと働きかけて実現してしまいました。意図的に歴史的な怨念を掘り起こしています。それが続く限りは日韓関係の改善は無理です。 日本政府も少し問題があると思います。たとえば、どうして日本は慰安婦に日本人女性が多くいたということを国際社会にきちんと言わないのでしょうか。戦場に婦女子を送るという野蛮な制度はもちろん非難されるべきですが、韓国が主張する「性奴隷」というシステムなどは存在しませんでした。実態についての日本政府の立場を事実をもって説明すれば、少なくとも欧米の印象は随分変わるでしょう。日本にとって深刻なのは韓国にどう思われているかということ以上に、国際社会で日本がどう思われているか、なのです』、慰安婦問題についての日本政府批判はその通りだ。恥ずかしいことは隠蔽するという体質は、国際的にも受け入れられないだろう。
・『次も親日的な政権は現れない  Q:韓国国会議長が天皇陛下に謝罪を求める発言をしました。 A:相手の歴史と国民感情を知らないということでしょう。国会議長は本来は親日的な人なのに、日本人の神経を逆なでにする。これでは日韓関係の改善はおぼつかない。今上天皇がどれだけ戦争に対して正面から向き合ってこられたか。政治サイドが忘れたようなことを天皇は自分の心の重荷としてずっと担いでこられて、日本国民全員が大変に尊敬している。それが分かっていたら出るような言葉ではない。親日層、知日層でもあんなものかとがっかりしました。 Q:文在寅政権の対北朝鮮、対米、対中、対日政策をどのように評価していますか。 A:北朝鮮との融和に前のめりになっていることが心配です。そのことにすべての優先順位を置いているがゆえに、日本との関係が悪くなっている。今までの韓国の政権は米国との関係を重視して中国、北朝鮮との関係を悪くするか、中国、北朝鮮との関係を重視して、米国との関係を悪化させるかのどちらかでした。ところが文政権は米中とうまくやっている。その代わりに日本を切り捨てている。対日関係は文大統領が改善したいと思わない限り、前に進みません。 米国は韓国が北朝鮮に寄り過ぎていると懸念しはじめていますが、韓国が米朝協議のお膳立てをしたという意識はあります。日韓関係については、もう少し韓国は日本に対する態度をかえるべきという意見が徐々にワシントンで強くなっています』、「文政権は米中とうまくやっている。その代わりに日本を切り捨てている」というのは困ったことだ。「もう少し韓国は日本に対する態度をかえるべきという意見が徐々にワシントンで強くなっています」というのがさらに強まることを期待したいが、そう虫がいい話にはならないだろう。
・『中国で次に指導部になるのは「第6世代」といわれる、今の40代後半から50代半ばの人たちです。欧米に留学し、日中関係の蜜月時代、胡耀邦氏の時代に育った、日本に対して中立的な人々です。ところが韓国でその世代に対応するのは60年代生まれで、80年代に民主化運動に参加した反米、反日の「386世代」。文氏から次の世代の政権に移ると、世代の平均値としては対日感情が厳しくなっていきます。 文政権の次に親日的な政権が突然現れることは考えにくく、次が保守政権であっても難しいでしょう。韓国の大統領は任期が終わると逮捕される人が何人も出る。だから国民受けする政策をとって政権基盤を盤石にしないといけなくなる。最も手を付けやすいのが対日批判、という構図は変わっていません。 だから、当面打つ手は無いのではないでしょうか。関係改善には15年は必要だと思います。「よく話し合って相互理解を深めるべき、未来志向でいくべき」と言いたいですが、正直なところ難しい。ダメージコントロール、つまり国際社会に説明することなどにより、日本がどうしたら被害を極小化できるかを考えるべきと思っています』、文政権は余りに反日的過ぎると思っていたが、「文氏から次の世代の政権に移ると、世代の平均値としては対日感情が厳しくなっていきます」、というのでは、確かに「関係改善には15年は必要」なのだろう。
・『しかし、日韓関係には期待できる面もあります。人口が5100万人の韓国から年間750万人の観光客が日本に来ている。これは韓国の対日感情を着実に変えていくことになります。日本に来てみれば徴用工や慰安婦で連想するような日本とは全く違うことがわかってもらえると思います。 Q:日韓関係が悪いままで、安全保障上の問題は生じませんか。 A:米国も含めた東アジアの安保関係は、これから困ることになるでしょう。自衛隊と韓国軍が共同行動をすることはあり得ません。しかし、在日米軍と在韓米軍は、ともにハワイのインド太平洋司令部のもとにある同じ軍隊で、それぞれの役割によって日本と韓国に置かれています。在日米軍は韓国防衛にもあたるし、在韓米軍は日本防衛にもあたります。これは米軍の集団的自衛権の適用です。ところが米軍を置いている日本と韓国の関係がこれだけぎくしゃくすると、それがうまく運用できるのでしょうか。 トランプ大統領が在韓米軍の削減の方向に向かった場合、日本の安全保障を脆弱化させます。そういうこともあって本来、日韓の協力体制は必須ですが、それができる状況でないなら、日本としては米国と協力しながら独自に北朝鮮に対する抑止力を増強することが一層重要になると思います・・・』、北朝鮮に対する抑止力については、直ぐに増強に走るのではなく、米朝会談の行方も見ながら考えてゆくべきと思う。

第三に、4月7日付けNEWSポストセブン「元在韓国大使で、外交経済評論家の武藤正敏:韓国への報復「日本が絶対にやってはいけない制裁」とは何か」を紹介しよう。
https://www.news-postseven.com/archives/20190407_1343511.html
・『元徴用工の補償問題で、原告側はすでに新日鉄住金と三菱重工業が韓国内にもつ資産を差し押さえ、機械メーカー・不二越に対する訴訟では、判決が出る前から裁判所は賠償金確保のため資産の差し押さえを認めている。メディアでは韓国に対するさまざまな報復措置が論じられており、自民党の部会などでも検討されているが、日本が対抗策を打てば、韓国側が再報復に出ることは十分予想される。報復の連鎖が始まれば、国交断絶へと突き進みかねない。 経済・貿易の分野の報復措置には効果と副作用があり、民間企業や民間人が巻き添えになることが避けられない。日本側の目的は、1965年の日韓請求権協定を反故にして、この問題を放置している文在寅政権を動かすことにある。そこで考えられるのが政治的な報復措置だ。元在韓国特命全権大使で、外交経済評論家の武藤正敏氏に、その効果と副作用について解説してもらった』、そんな上手い報復措置があるのだろうか。
・『韓国人の「ビザなし渡航廃止」で困るのは…  現在、韓国から日本へは90日以内の短期滞在(観光や娯楽等が目的)であれば、ビザなしで渡航が可能になっている。麻生太郎財務相は3月12日の衆院財務金融委員会で、韓国への報復措置として「入国ビザ差し止め」に言及したが、完全に入国を拒否するというのは現実的ではない。考えられるのはビザなしでの渡航を廃止するという対抗策だろう。 ビザなし渡航が始まったのは愛知万博が開催された2005年からで、それ以前の状態に戻るだけという見方もできるが、当時と今ではかなり状況が異なる。 日本を訪れた韓国人観光客の数は、2004年で159万人だったが、2018年には754万人と5倍近くに膨れあがり、外国人観光客のなかで韓国人の占める割合は約24%(日本政府観光局調べ)。中国に次いで2位となっている。 一方、日本から韓国を訪れる観光客は295万人なので(2018年、同)、訪日韓国人のほうがはるかに多い。 「韓国からの観光客が激減して困るのは日本で、観光業や飲食業などが大きなダメージを受けます。観光や就職のために日本にやってくる韓国人は親日的と言え、そうした人たちを敵に回すような報復はすべきではありません」(武藤正敏氏、以下同) 日本への観光が減れば、その分、富の流出を防げるので、韓国政府はむしろ喜ぶだろう』、確かにインバウンドの柱になっているのでは、マイナスでしかない。
・『絶対にやってはいけない「在日韓国人の在留資格停止」  観光客ではなく、在日韓国人の在留資格を停止せよという意見もネット上では見られる。 「在日韓国人の在留資格を停止しても、韓国政府は日本批判の材料に使うだけで、打撃は少ない。韓国の人たちは、在日韓国人を韓国語がわからない人も多く、むしろ日本人に近い人と思っているので、自分のことのようには感じないのではないか。こんなことをすれば、日本の品位を傷つけるだけで、絶対にやってはいけない」 感情に流されてはいけないのだ』、その通りだろう。
・『「韓国企業の資産差し押え」は世界の信用を失う  韓国内の日本企業の資産を差し押さえるというのなら、日本側も国内の韓国企業の資産を差し押さえるべきだという報復案。「目には目を」の論理である。 「日本は法治国家です。どんな法的根拠で、韓国企業の資産を差し押さえるのでしょうか。これは韓国側のめちゃくちゃな論理と同じレベルなので、やめるべきです」 確かに法的根拠はないし、どの韓国企業をターゲットにするのかと問われたら、合理的な選択は不可能だ。 「日本に投資したら、いきなり資産を差し押さえられる」となれば、日本は韓国と同様、国際社会からの信用を失うことにもなりかねない』、確かに論外の措置だ。
・『「朝鮮半島に残した日本人資産」の賠償請求はできるか  終戦時に朝鮮半島に残した日本人の個人資産は現在の貨幣価値で数兆円にものぼると試算されている。しかし、1965年に結ばれた日韓請求権協定で、日本は韓国に5億ドルの無償・有償援助を提供するかわりに、日韓間の個人の賠償請求権問題は「完全かつ最終的に解決」することになった。これは韓国人だけでなく日本人も同様で、半島に残した個人資産の賠償請求はできなくなったのである。 しかし、韓国側がこの日韓協定を無視して元徴用工への補償を要求するのなら、日本側も日本人資産の賠償を要求すべきとする意見がネット上で見られる。 「請求したところで、韓国側は『そんなものは認めない』で終わりです。そんな理屈が通用する国なら、初めから元徴用工の補償裁判なんて起きていません。韓国内の資産を物理的に差し押さえることはできないのだから、この報復案には何の意味もありません」 日本側から日韓協定を反故にするような請求をするのも、得策とは言えない』、その通りだ。
・『「国際司法裁判所への提訴」はアピールとしては有効  日本政府は、韓国政府が元徴用工への賠償を肩代わりする措置などを取らなければ、国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方針である。ただ、日本が提訴しても、韓国が同意しなければICJで裁判を開くことはできず、竹島領有問題と同様、韓国側は同意しないと見込まれる。 「韓国側は必ず勝てるとの確信がない限り、提訴に同意しません。だから、直接的な効果はありませんが、日本の立場を国際社会に向けてアピールするうえで、やらないよりはやったほうがいい」 竹島問題の推移を見ればわかるが、実効性はほとんど期待はできない』、実効性はなくてもやるべきだろう。
・『「国交断絶」で「日本と台湾」のような関係になれるか  『デジタル大辞泉』では、「国交断絶」について〈国家間の平和的関係を、外交・通商・交通などあらゆる面で断絶すること〉と定義している。国交断絶まで進んだら終わりのようなイメージがある。 しかし、1972年に田中角栄首相(当時)が日中国交正常化を実現したとき、同時に日本は台湾と「断交」したが、それ以降も日本と台湾は貿易をしているし、日本人や日本企業が台湾で経済活動もしている。双方のビザなし渡航も可能だ。 現在の日韓関係を眺めていると、韓国政府とは一切対話をせず、民間企業、民間人だけで交流をするというのは、むしろ理想的な関係のようにさえ見える。 「韓国と国交断絶になれば、民間交流も途絶えるでしょう。台湾のように冷静に対応することは考えられません」 韓国側から断交を言い出してきたのなら別だが、日本から断交すると火に油を注ぐだけになりかねない』、その通りだろう。
・『このように見てくると、決定打と呼べるような対抗策はない。だが、重要なのは、文在寅政権に対して圧力をかけていくというポイントを見失わないことだ。武藤氏はこういう。 「国際世論に韓国の問題点を訴えてゆくべきです。文在寅大統領は“北朝鮮ファースト”と揶揄されていますが、北朝鮮に対する国連の安保理制裁に違反しているのではないかという疑いが強くもたれています。実際に韓国が開城で届け出なしに石油を供給したのは制裁破りだと国連安保理は指摘している。 自衛隊機へのレーダー照射も、漂流中の北朝鮮船が瀬取りをしているのを韓国の警備艦が保護していて、それをごまかすためだったとも言われています。こうした疑いを調べ上げて、制裁違反を国際社会に訴えていくべきです」 日本は国際社会を味方につけていくことが大事なのである』、決定打を欠くのは残念ながらしょうがない。ただ、4月2日付けのNEWSWEEK日本版は「米国警備艦が北朝鮮の「瀬取り」監視で異例の韓国入り 韓国への警告の意図も?」と伝えた。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/post-11919.php
米国も「瀬取り」への韓国の協力を疑っているのだから、日本としても情報収集に努め、制裁違反を国際社会に訴えるなどして、「国際社会を味方につけていくことが大事」なのだろう。 
タグ:日韓関係 日経ビジネスオンライン Newsポストセブン Newsweek日本版 (除く慰安婦) (その3)(日韓対立 米は仲裁せず ヘリテージ財団クリングナー氏、「日韓関係改善は15年必要」外交評論家の岡本行夫氏、韓国への報復「日本が絶対にやってはいけない制裁」とは何か) 「日韓対立、米は仲裁せず、ヘリテージ財団クリングナー氏」 朴槿恵政権の時に日韓の歴史問題が再燃した時は当時のオバマ政権が舞台裏で動き、東京とソウルにかなり強いメッセージを送った トランプ政権は現状で、そういった舞台裏の調整をしていないようだ 文大統領はお人好し 非核化は懐疑的にみている 「「日韓関係改善は15年必要」外交評論家の岡本行夫氏」 次も親日的な政権は現れない 文政権は米中とうまくやっている。その代わりに日本を切り捨てている 文氏から次の世代の政権に移ると、世代の平均値としては対日感情が厳しくなっていきます 「元在韓国大使で、外交経済評論家の武藤正敏:韓国への報復「日本が絶対にやってはいけない制裁」 韓国人の「ビザなし渡航廃止」で困るのは… 絶対にやってはいけない「在日韓国人の在留資格停止」 「韓国企業の資産差し押え」は世界の信用を失う 「朝鮮半島に残した日本人資産」の賠償請求はできるか 「国際司法裁判所への提訴」はアピールとしては有効 「国交断絶」で「日本と台湾」のような関係になれるか 決定打と呼べるような対抗策はない 国際世論に韓国の問題点を訴えてゆくべきです 北朝鮮船が瀬取りをしているのを韓国の警備艦が保護 「米国警備艦が北朝鮮の「瀬取り」監視で異例の韓国入り 韓国への警告の意図も?」
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日韓関係(除く慰安婦)(その2)(韓国の元駐日大使に聞く 徴用工・慰安婦・レーザー照射問題の背景、韓国はなぜ「ちゃぶ台返し」を繰り返すのか?4つの“なぜ”を解明、日韓はなぜ良好な関係を継続できないのか 韓国・文大統領「親日清算」発言の本当の意味) [外交]

日韓関係(除く慰安婦)については、1月21日に取上げた。その後も関係悪化が続き、日本でも嫌韓ムードが高まっている。今日は、(その2)(韓国の元駐日大使に聞く 徴用工・慰安婦・レーザー照射問題の背景、韓国はなぜ「ちゃぶ台返し」を繰り返すのか?4つの“なぜ”を解明、日韓はなぜ良好な関係を継続できないのか 韓国・文大統領「親日清算」発言の本当の意味)である。

先ずは、2月20日付けダイヤモンド・オンライン「韓国の元駐日大使に聞く、徴用工・慰安婦・レーザー照射問題の背景」を紹介しよう(Qは聞き手の質問、」Aは申カク秀氏の回答)。
https://diamond.jp/articles/-/194564
・『いま、日韓関係が危機に瀕しています。2018年秋から元徴用工への賠償をめぐる裁判や慰安婦問題、レーダー照射問題などが次々と浮上し、政府間の感情的な対立に発展したことにより、国民の間でも韓国に対してかつてないほどの疑問や不信感が渦巻いています。その背景を元駐日韓国大使の申カク秀氏(カクの文字は王へんに玉)に聞きました』、現在は知日派の韓国人の多くが口を閉ざしているなかで、貴重なインタビュー記事だ。
・『関係悪化が構造的に定着 両国ともに国内政治を優先  Q:日韓関係の現状をどう見ていますか。 A:韓日関係の基本である1965年日韓基本条約から、今年で54年になります。これまでも韓日間にはいろいろな問題があり、両国関係は危機になったこともありました。今回の関係悪化は、非常に長く、もっとも厳しい危機ではないかと思います。 70年代、金大中拉致事件や文世光による朴正煕大統領夫人の暗殺事件など、韓日関係を危機的な状況にする事件がありました。当時は国交断絶という話まで出ていました。しかし、1年ほど経つと冷静さを取り戻しました。 でも、今回の危機は長引いています。2012年に入ってから関係が悪くなり、改善したのは15年の韓日合意のとき。その後は小康状態でした。それが16年末からまた悪くなり、それが今まで続いています。 この悪化は文在寅政権だけが招いたことではありません。朴槿恵政権のときも、そんなに良くなかった。今は、関係が悪い状態が長引くにつれて、両国はより感情的になっていて、お互いにそれを増幅してしまっている。構造的に、関係悪化が定着することになっています』、長年日韓関係を見つめてきた申カク秀氏が「今回の関係悪化は、非常に長く、もっとも厳しい危機ではないか」、というからには本当に深刻なようだ。
・『その背景には、いろいろな要因があります。まず、両国ともに戦後生まれの世代に変わって、両国の過去史に対する認識の差が出ています。韓国側から見ると、日本は安倍政権になってから保守右傾化、歴史修正主義が顕著になっています。 また、中国の経済成長によって東アジアの地域の勢力転換が起きています。朴槿恵政権時代、韓国は中国に熱心に接近しました。その反面、韓日関係は悪くなり、日本では韓国の中国傾斜論が広がっています。それは歪んだ見解だと思いますが…。 さらに、韓日の経済格差も縮まっています。日本とは対等とはいわないまでも、購買力平価で一人あたりの所得はほぼ同じです。 両国のリーダーシップにも問題があります。双方とも、相手の国がいかに重要な存在であるかという認識が欠けています。だから、国内政治を優先してしまいます。韓国でも日本でも同じです。 こうした問題がすべて絡まって、両国関係を一種の“多重複合骨折状態”にしています。韓日関係において感情的になってしまう悪循環から、両国ともに抜け出せません。 昨年は徴用工問題、韓日合意に基づいて設立された「和解・治癒財団」の解散、旭日旗を巡って日本の海上自衛隊が韓国での国際観覧式への参加見合わせなど、さまざまな問題が重なりました。今も尾を引いています』、「両国のリーダーシップにも問題があります。双方とも、相手の国がいかに重要な存在であるかという認識が欠けています。だから、国内政治を優先してしまいます」、というのはその通りだろう。購買力平価でみた一人あたりの所得は、2017年で190か国中、日本30位の42942ドル、韓国32位の39548ドルと確かに僅差のようだ(世界経済のネタ帳、下記リンク参照)日本がここまで伸び悩んでいるとはショックだ。「両国関係を一種の“多重複合骨折状態”に」というのは言い得て妙だ。
https://ecodb.net/ranking/imf_ppppc.html
・『韓日間にある法と正義の観念の違い  Q:韓国は65年の日韓基本条約で合意し、これまで歴代韓国政権が問題視してこなかった徴用工の件と、15年の日韓合意で合意した慰安婦の件を取り上げ、日韓の関係が悪化する要因となりました。日本では「なぜ一度合意したことを韓国は持ち出すのか」という疑問が渦巻いています。 A:それは確かにあると思います。この問題を理解するときに、韓日で、法と正義の観念の違いがあることを理解しなければなりません。韓国では「正義があれば、法律は変えるべきだ」という観念が強いのです。これまでも、民主化されてから正義のために過去の司法判決を覆すことはありました。これは日本では滅多に考えられないのではないでしょうか。 12年の三菱徴用工大法院第1部判決の根底には、この正義と法の関連性があるのです。65年に日韓基本条約を結んだのですが、判決は日本の植民地支配がそもそも不法だったから、それが原因で行われた強制労働の被害者への慰謝料については、請求権を取り扱った65年の請求権協定では解決していないという判断です。その延長で18年10月の大法院判決が出ました。 基本条約の2条には、日本の植民地支配については「already null and void」(もはや無効)と記されています。日本は65年の条約締結時から無効であるという解釈で、要するに「取り消し」という考え方です。それに対して韓国は、植民地支配が始まった当時から無効であるという解釈をしています。要するに、妥協のため玉虫色の解決をしていたので、これをずっと維持してきました。65年当時の韓国と日本は大きな意見差がありました。 今回の問題は、こうした韓日での解釈の違いが表に出たのです。先ほど申し上げた韓日での法律と正義という問題もあって、これだけ大きな問題となってしまいました。 ですから、これは文在寅政権が引き起こした問題ということではないのです。 12年の判決ができたとき、政権は動きが取りにくくなりました。政府がそれまでの立場を守ろうとすると、司法の判断に従わないということで、韓国の憲法に反する。一方で、司法の判断に従えば、日本との外交紛争に発展する。板挟みになってしまいました』、「韓国では「正義があれば、法律は変えるべきだ」という観念が強い」、というのは民主化革命を経てきた事情背景にあるのだろう。「基本条約の2条」について、「日本は65年の条約締結時から無効であるという解釈で、要するに「取り消し」という考え方です。それに対して韓国は、植民地支配が始まった当時から無効であるという解釈をしています」、というのは確かに折り合い難い解釈の違いだ。
・『Q:法と正義の観念の違いについて、そうした韓国の考え方を外交に持ち込めば、国と国との約束が守られないという事態を招くことになるのではないでしょうか。 A:それは韓国政府も認識していると思います。ただ、事実として、韓国政府は動きにくい状態にあります。 私はこれまでの既存の政府の立場と、司法の判断と矛盾しない解決策として、韓国政府、韓国企業、日本企業の3者による基金をつくり、徴用工問題に対処するということを提案しています。これは法律による解決ではないですが、この案が合意出来れば解決に向かうのではないかと考えています』、これは余りにも韓国側に寄り添い過ぎた提案だ。
・『Q:日本側は65年の日韓基本条約で合意したという立場です。 A:日本政府は5億ドルを支払ったから、この3社からは除いています。 中国強制労働被害者への戦後補償について、日本企業は基金を設立して和解のために努力していました。日本政府は中国にODAを通して、賠償金よりも遥かに大きな資金を拠出しています。 ドイツでは強制労働の問題について戦後、100億マルクを政府と企業が拠出して解決しました。戦後賠償について企業が資金を拠出することは先例があるのです』、ドイツでは業が資金を拠出したとはいえ、日本は政府が5億ドルを支払って「解決」したと思い込んでいたのも事実である。「日韓基本条約で合意」の意味をはっきりさせなかった点では、日本側にも落ち度がありそうだ。
・『私は、これは姿勢の問題だと思っています。これ以上、韓日関係を悪くしてはいけない。両国政府はお互いが置かれている立場を理解して、妥協的に解決するという心構えをもっていれば、解決できると思います。それに韓日両政府は、今、東アジアの大きな激流のなかにいるということを理解するべきです。北朝鮮も核保有国に近づいているし、中国もますます大きくなっていくでしょう。東アジアの平和と安定のために、韓日両政府は大局的な視点を持つことが大事です。 韓国と日本は、OECD加盟国で同じ土台で話ができる国同士なのです。お互いが感情的になっている暇はありません。これ以上韓日関係を悪化させれば、もっと大きな国益を損なうことを肝に命じるべきです。 Q:大法院の金命洙長官は、徴用工問題について個人賠償権は消滅していないという考えの持ち主で、弁護士として徴用工問題に取り組んでいた文在寅大統領と考え方が近い人物だと言われており、実際に2017年、文在寅大統領が任命しました。この問題を浮上させたのは文在寅大統領だという指摘もあります。 A:それは言いすぎです。もちろん、金命洙院長は地方法院の院長を務め、韓国の司法部の中でも、進歩的な考え方をする研究会の座長でした。文在寅大統領は、徴用工問題に確かに最初取り組んでいましたが、個人的な縁はないと思います。今度の判決は合議体が下したものですから、大法院の人事が判決に影響を与えているとは思えません』、それまで大法院が審議を遅らせていたのを、金命洙院長になって審議を早めたのも事実で、「大法院の人事が判決に影響を与えているとは思えません」というのは言い過ぎだ。
・『南北融和は分断国家として当然の外交目標である  Q:今の文在寅政権は日本や米国との関係悪化を厭わず、政策を進めているように見えます。先日も北朝鮮に対する制裁について、韓国が違反しているのではないかという報道がありました。外交専門家の間では、このままでは文在寅政権は国際社会で孤立するのではないかと憂慮する声もあります。 A:文在寅政権は発足以来、南北間の和解をするために、ずっと北朝鮮の門を叩き続けていました。ただ、17年は北朝鮮は核実験やミサイル発射実験など挑発を続けていましたので、なかなか進まなかった。ところが、18年になって急に門が開いた。平昌オリンピックをきっかけに南北と米朝がそれぞれ接近し、3回目の南北首脳会談が開かれ、6月には米朝首脳会談が行われました。 文在寅政権の基本的な姿勢は、南北関係を改善し、それによって核問題の解決と米朝関係の改善につなげるというものです。ただ、問題は文在寅大統領は少し気が早くて、アメリカと接近法において差が出ました。文在寅大統領は制裁の一部を緩和して、南北関係を良くし、米朝が協議する環境を整えようという考え方です。 一方で、アメリカは非核化が出来るまで制裁を維持するつもりです。その意見の食い違いを調整するために韓米のワーキンググループを発足させました。 Q:北朝鮮の核開発は続けられていると見られています。国際社会は今、北朝鮮に対して非常に厳しい目を向けています。今の文在寅政権の対北朝鮮政策が国際社会と歩調が合っていないのは、地域の平和にとってマイナスなのではないでしょうか。 A:南北融和を目指すこと自体は、分断国家として当然の外交目標です。その方針自体が間違っているというわけではありません。 ただ核武装が実際に近づいているということをよく理解して、南北融和よりも核問題の解決が優先されるべきだということです。韓国は今、ちょっと急いでしまっています。このままでは、北朝鮮の思惑通りになってしまうということを心配しています。 非核化には米国と日本との協力は欠かせません。韓国は日本との関係がいかに大切であるかということを、よく考えるべきだと思います。そして日本も、韓国が大事な存在だということを考えるべきです』、これについては概ね異論はない。
・『両国とも元慰安婦の方々への心配りが足りなかった  Q:2015年の日韓合意は、慰安婦問題を最終的に解決したとして、今後の日韓関係の基礎になるものだと評価する声もありました。しかし、韓国政府は合意には重大な問題があるとして検証を進め、「和解・癒やし財団」は解散されてしまいました。 A:外交交渉にはつねに妥協がつきものです。お互いに満足できないところは常にあります。 韓日合意の問題は、合意を発表してからの両国の努力不足にあります。韓国政府も日本政府も、国民に対してこの合意がどのようなものなのか、どのような意味があるのか、説得して理解してもらわなければなりません。そういう努力が、両国政府に欠けていました。それを看過してきた結果です。 慰安婦の問題は、心の問題です。どのようにして元慰安婦の方々の心を癒やすか。両国ともにそれについての心配りが足りなかった。行動も足りなかった。例えば、韓国政府については、当時の朴槿恵大統領や外交部長官が元慰安婦の方を食事にでも招いて、政府として合意の意味を伝えて、十分に元慰安婦の方の願いは反映できていないかもしれないが、足りない部分は韓国政府としてもこれからも努力していくということを伝えるべきでした。それをやれば、だいぶ違った結果になっていたでしょう。 一方で、日本政府も対応がまずかった。安倍総理は、最終的に解決したからこれからは謝罪はない、という趣旨のことを言った。これは絶対にやってはいけない対応でした。合意した途端に、すぐにその合意と違う発言をしたんです。これからも謝罪の精神にのっとって、努力していくと言えばよかった。 両政府は過去史に立場が大きく違います。その違いをどういうふうに歩み寄り、国民にどのように納得させるか。お互いに両政府は、国民を納得させるために助け合わないといけません。その姿勢がありませんでした。 私が強調したいのは、お互いが謙虚に、協力して、未来のためにやっていくということです。日本は過去に対して謙虚に、韓国は未来に対して謙虚に、そういう気持ちが必要です。それで和解にもっていく。韓国もすべてが正しいわけではありません。良いことばかりやっているわけではありません。大事なのは解決のためにお互いが協力することです』、「安倍総理は、最終的に解決したからこれからは謝罪はない、という趣旨のことを言った」のは、確かにまずかった。
・『Q:今後はこの問題について、解決に向けてどのように進めばよいのでしょうか。 A:私は財団の解散には反対でした。しかし、解散してしまった。韓国政府は残された57億ウォンを、合意の精神に合う形で、どのように使っていくのか。日本政府と協力して具体的な案を韓国側がつくっていくことが重要です。それがなければ、進展しません。 Q:韓国では、物事を論理ではなくハートで考えるという指摘があります。 A:確かに、韓国人は日本人よりも、相対的にそういう傾向があるかもしれません。ですが、過去史以外に韓日関係にあるさまざまな問題について、そういう傾向はあまりありません。 過去史の問題は、心の問題です。アイデンティティの問題ですので、ハートで考えることになりがちなのです。でも一般的なこととは違います。 今年も750万人以上の韓国人が日本を訪れています。これは日本の良いところを認めているからです。ハートで判断するということは確かにあると思いますが、全てではないです』、なるほど。
・『表に出ている声だけが韓国全体の日本に対する考え方ではない  Q:レーダー照射問題についてはどうお考えでしょうか。 A:この問題は非常に軍事的な問題で、専門家でなければわからない問題です。きちんと両国の防衛当局同士で話し合うことが基本です。徴用工問題や慰安婦問題で、日本政府が苛立っていますが、問題が大きくなってしまい、韓日の安保協力に大きなダメージを与えてしまいました。お互いに良くないです。両国政府は感情的にならず、冷静に問題解決にあたるべきです。こんなに問題を大きくして、誰が喜ぶのでしょうか。 Q:文在寅大統領は、日本に対して強硬な姿勢です。軟化することはあるのでしょうか。 A:韓国には「親日フレーム」があります。韓日関係を重要に思って、関係改善へ向けて発言することを難しくする雰囲気を作っています。その雰囲気をSNSで増幅するのです。そのため、なかなか声が出せません。今のような韓日関係が好ましくないと思っている人はたくさんいます。表に出ている声が韓国全体の考え方だと思ってはだめです。 いずれ国民感情は変わると思います。両国民の無知、誤解、偏見を無くすための緻密な努力が必要で、もっと国民交流と文化交流を強化すべきです。 いまの苦しい状況から早く抜け出すには、シャトル外交を復活して文在寅大統領と安倍総理が直接話し合うべきだと思います。何かあったら話し合う、その機会をつくることです。 お互いに気が進まないでしょう。それはお互いにそうです。しかし、地域の平和と安定、国のため、対話をして解決の糸口を探る努力をするべきです。 私は実は、未来志向という言葉は適切ではないと考えています。21世紀にふさわしい韓日関係を構築するといことが現実に適います。私は1977年に外交部に入りました。その時から韓日関係のコードワードだったのが「未来志向」です。40年経っても変わらないでいますね。それに未来志向というのは、過去をすべて忘れるというような印象をも与えています。そうではなくて、私は過去も現在も未来も、ともに考えることが大事で、それが韓日関係を進展させるために必要だと思います。 今、両国のリーダーたちはお互いを軽んじています。相互パッシングの状態です。韓国政府も日本政府も、自分にとってお互いが大切な存在であることを真剣に考えることが必要です』、「未来志向というのは、過去をすべて忘れるというような印象をも与えています。そうではなくて、私は過去も現在も未来も、ともに考えることが大事で、それが韓日関係を進展させるために必要だと思います」、それを一言のキャッチフレーズにした表現fがあれば、教えてもらいたいところだ。

次に、2月21日付けダイヤモンド・オンライン「韓国はなぜ「ちゃぶ台返し」を繰り返すのか?4つの“なぜ”を解明」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/194225
・『・・・いま、日韓関係が危機に瀕しています。2018年秋から元徴用工への賠償をめぐる裁判や慰安婦問題、レーダー照射問題などが次々と浮上し、政府間の感情的な対立にまで発展しています。なぜ、日韓関係はこれほどまでに悪化したのでしょうか。そこで、日韓関係において止めどなく出てくる「なぜ」を20に集約。ここではその中でも、日本国民が最も気になる疑問4つを解き明かします』、興味深そうだ。
・『【疑問1】なぜ一度合意したことを蒸し返すの?  韓国では、「正義があれば法律は変えるべきだという観念が強い」(申カク秀・元駐日大使、カクの文字は王へんに玉)。これが、韓国が平気でちゃぶ台返しをする最大の理由だ。 韓国の司法は元徴用工への補償について、1965年の日韓基本条約で解決しているにもかかわらず、日本企業に損害賠償を命じた。さらに2015年に「最終的かつ不可逆的」に解決した日韓慰安婦合意の見直しを行った。まさに合意をほごにするような行為だが、これは政権交代で「正義」が大きく変わったからだ。 現在の「正義」は、日韓基本条約や日韓慰安婦合意は、保守の朴正煕(パク・チョンヒ)政権と朴槿恵(パク・クネ)政権が、日本から謝罪や補償を十分に得られないまま結んだものだから、修正するべきだというもの。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、それで日韓関係が悪くなったとしても、正義は優先されるべきものと捉えている。 ちなみに、ちゃぶ台返しは韓国だけがするわけではない。米国も政権交代で多くの国際的な枠組みや前提をひっくり返している』、確かに「ちゃぶ台返し」のなかでもトランプ大統領のは目に余る。
・『【疑問2】なぜ日本に対して感情的になるの?  韓国人は「物事を論理ではなくハートで考える傾向が強い」(武藤正敏・元在韓国特命全権大使)からだ。 とりわけ、日本との歴史については、常にハートで考え行動する。背景には日韓併合などで、民族としての誇りや尊厳、アイデンティティーを傷つけられたという歴史認識を持っていることがあるからだ。 こうした傷はお金による補償や国家間で合意した条約などでは決して癒やされることはないという考え方が前提にある。日本との歴史に関する問題は全て「心の問題」であるため、感情的になることが多いのだ』、だからといっても、韓国国会議長の「天皇陛下が謝ればよい」発言は、日韓関係に精通した人物からの発言であるだけに、日本人には理解し難いことだ。
・『【疑問3】日韓関係が悪化しているのに、なぜ多くの韓国人が日本へ旅行するの?  「韓国の人々が日本の社会、文化、食など良いところを認めているから」(武藤氏)だ。たとえ歴史認識で日本に対する猛烈な非難をしても、何から何まで日本のことが嫌いというわけではないのだ。 実際に日韓関係が悪化の一途をたどった2010年以降、訪日韓国人観光客は激増し、18年は750万人を突破。訪韓日本人観光客も230万人に達した。さらに韓国では村上春樹氏や東野圭吾氏の小説がベストセラーになった。情緒的に共通する部分もあるようだ』、多面的にみる必要がありそうだ。
・『【疑問4】なぜ韓国の大統領の末路は不幸なの?  韓国では大統領にあらゆる権限が集中しており、政治や行政、司法に大きな発言力を持つ。そのためそれに対する反発が常にあり、政権末期に不正疑惑として爆発するからだ。 李王朝時代には宰相が変わると、前宰相の親族(三族)を滅ぼすことが繰り返されてきた。そんな歴史も影響しているといわれる』、李王朝時代には「前宰相の親族(三族)を滅ぼすことが繰り返されてきた」、とは初めて知ったが、これで納得できた。
・『追及・逮捕は恒例行事  図の近年の大統領経験者は全員、後の政権に追及されている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は親族にまで及んだ捜査を苦に自殺、世界に衝撃が走った。 キーワード(恨(ハン)(民族としての尊厳、アイデンティティーを歴史的に周辺の大国によって何度も踏みにじられてきたという、韓国人の根底にある強い恨みの気持ち。怨念というよりは、諦めや悲しみ、嘆きに似ているともいわれる。 日本に対して韓国人が恨の気持ちを持つきっかけは、1592年から98年にかけて豊臣秀吉が行った「文禄・慶長の役」、いわゆる「朝鮮出兵」。実に420年も前から、韓国人は日本に対して恨の気持ちを抱いているのだ。 今の韓国人にとっての日本に対する恨は、1910年から45年までの35年間、日本が韓国を併合し、統治した植民地支配だ。戸籍制度や教育制度を整備したが、韓国では圧倒的な国力の差で国民感情を押さえ付けられ、併合されたという認識が一般的だ。 韓国人の正義(法律や国際的な枠組み、常識よりもしばしば優先される概念。この法則を踏まえれば、文在寅政権の思考パターンの説明がつく。 現在の正義は、文政権が考える「正しい歴史」を確立することだ。その正義を実現するために、日本と韓国の両政府が国会で批准した日韓基本条約の内容が履行できなくなり、日韓関係が悪化しても仕方ないと考えている。今は日韓関係や国際的な枠組み、自国経済の成長よりも、とにかく正義が先だという状況だ。 「韓国はゴールポストを動かす」といわれるが、それはこの正義が時の政権や世論によって変わるからだ。従って日韓関係は、専門家の間では「必ず良くなる」という見方がある。それは今の正義がいずれ変わるからだ。もっとも、国際社会での韓国の評価は下げることになる』、しばらくは韓国の変化を静観して待つほかないのかも知れない。

第三に、東洋大学教授の薬師寺 克行氏が3月5日付け東洋経済オンラインに寄稿した「日韓はなぜ良好な関係を継続できないのか 韓国・文大統領「親日清算」発言の本当の意味」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/269059
・『植民地支配下の朝鮮で起きた広範囲の独立運動とされる「三・一運動」の記念日である3月1日。日韓関係がかつてないほど悪化していることもあって、韓国全土で反日ムードが高まり、大変なことになるのではないかと心配する向きもあったが、結果的には大きな混乱もなく終わった。 今年がちょうど100周年にあたることもあって、文在寅大統領は三・一運動記念日に向けて「親日清算」を繰り返し強調していた。そして、政府主催の記念式典での演説では、「親日残滓の清算はあまりにも長く先延ばしされた宿題だ」と強調していた。 この部分だけを聞くと、まるで日本が好きな韓国人全員を排除しようとしているかのように受け取れる。文大統領はここまで徹底した「反日」なのかと諦めたくもなる。しかし、文大統領の言う「親日」の言葉の意味は、日本人が受け止めている意味とはまったく異なっている』、同じ漢字を使っても意味が違うとは、ややこしい。
・『日韓で異なる「親日」の意味  文大統領は同じ演説で次のように説明している。 「親日残滓の清算とは、親日は反省すべき、独立運動は礼遇を受けるべきという最も単純な価値を立て直すことです」 これだけではまだわかりにくい。菅義偉官房長官が先月、記者の質問に答えて「親日清算」について説明しているので、それを紹介しよう。 「韓国の独立運動の歴史や独立運動家の記憶を強調する文脈で発言したと承知している。このような文脈の親日は、戦前や戦中に日本に協力した関係者を批判する用語であり、日本語でいう親日とは意味が異なるものだ」 これならわかりやすい。日本語の語感では一般的に「親日」と言えば日本を好きなことであり、「親日家」と言えば日本の観光地や食事などが好きで頻繁に来日する外国人を指している。ところが同じ漢字を使っても、文大統領の言葉の意味は、菅官房長官が説明したように、植民地支配時代に日本政府や日本軍に積極的に協力した韓国人を指しているのだ。その「清算」とは、そうした「親日」の人たちが戦後もぬくぬくと暮らしていることは許せないという意味なのだ。 2018年には韓国から約750万人が来日した。この中には観光目的の韓国人も多いだろう。そうした人たちに韓国政府が「親日は清算する」と言って圧力を加えるということは、冷静に考えればありえないことである。言葉の意味を誤解し、感情的に反発することだけは避けなければなるまい』、第二次大戦でドイツに占領されたフランスでも戦後、ドイツへの協力者狩りが行われたぐらいだから、占領期間がはるかに長い韓国でははるかに深刻なのだろう。
・『「親日」をめぐる韓国内の論争は文大統領が初めてではない。太平洋戦争終結後、韓国はアメリカの支配を経て1948年に独立した。李承晩、朴正煕、全斗煥大統領らの独裁国家、軍事国家が続き、民主化が実現したのは1987年だった。 この間、植民地支配時代に日本に協力した人たちが、日本の敗戦後も韓国政府の主要ポストを握り続けてきた。逆に植民地支配時代に独立運動に取り組んだ人たちは、韓国独立後、民主化運動に力を入れたことで弾圧の対象になったとされている』、韓国ではフランスとは全く事情が違うようだ。
・『「親日」めぐり韓国内で激しい論争  文大統領が言う「親日派反省すべき、独立運動は礼遇を受けるべき」と述べているのは、こうした韓国の歴史を踏まえての発言である。 この「親日」をめぐる韓国内の論争は激しい政治的対立に発展している。韓国の民主化は市民運動によって実現しており、それを担った人たちが政治的には「進歩派」と呼ばれるグループを形成し、金大中氏や盧武鉉氏という大統領を生み出した。特に2003年に就任した盧大統領が「親日清算」に積極的に取り組んだ。「日帝強占下の親日反民族行為真相究明特別法」を制定し、「親日派」人物の調査を開始した。調査対象は日韓併合条約を推進した官僚や将校、独立運動を取り締まった警察官や司法関係者、さらにはマスコミ関係者らも含まれた。 韓国の「親日清算」の動きは徹底している。2005年には植民地化や植民地統治に協力した人たちの子孫の所有する土地や財産を没収するための「親日反民族行為者財産の国家帰属特別法」までも制定した。その結果、盧政権時代に約170人が没収対象の「親日」とされ、子孫の所有する土地などが政府に没収された』、アメリカも韓国統治に当たって、韓国内で力を持っていた「親日派」を大いに活用、その後、彼らが政府や実業界の中核となっていったという歴史を踏まえれば、親日清算を余りやると、経済や政界に大混乱を招くリスクがあろう。「没収対象の「親日」とされ」たのは「約170人」と、意外に少ないのは、こうしたリスクから手心を加えたためだったのかも知れない。
・『何もここまでやることはなかろうと思うのだが、韓国の国内政治の対立は日本よりはるかに激しいものがある。盧大統領の次に大統領に当選した保守派の李明博氏は、盧大統領が進めてきた「親日清算」関連の作業をすべてストップさせた。そればかりか、保守系の民間団体は「親日清算」に対抗して「親北人名辞典」を刊行するという徹底ぶりである。 こうしてみると「親日」論争は韓国内の政治問題にすぎないともいえるが、韓国史に日本が深く関与していることから、日本がまったく無関係とはいえない複雑さがある。 進歩派からすると、保守派政権時代の政治的資産は、それが内政問題であろうが外交的成果であろうが、ことごとく否定の対象になってしまう。むろん、その逆もありうる。従って保守派の代表的政治家である朴正煕大統領が実現した日韓国交正常化とそれに伴う日韓基本条約などは、進歩派にとってはその後の韓国経済の著しい成長などの成果にかかわらず、否定すべき対象になってしまう。同じく朴大統領の娘である朴槿恵大統領時代の従軍慰安婦についての日韓合意も、同じ理由で否定されるべきものになる』、隣国である以上、こんな韓国の保守派と進歩派の対立に巻き込まれざるを得ないのは、宿命とはいえ、たらい立場だ。
・『国内政治対立が外交の継続性を阻害  その結果、日韓関係については過去に締結された条約、あるいは政府間の合意などが保守派と進歩派の間の政権交代によってきちんと継承されず、後続の政権によって否定されたり正反対の評価を受けることがしばしば起きる。日韓両国が良好な関係を継続的に維持できない大きな理由の1つがここにあるといえるだろう。 社会保障政策や教育政策などの国内政策はそれぞれの国が自己完結的に決めて実施することが可能だ。しかし、外交はそうはいかない。2国間関係であれば相手国と、多国間関係であれば関係国のすべてと信頼関係を作り、交渉の末に合意した条約などをきちんと守る。それが現代の国際社会におけるルールである。仮に過去の合意に問題があるなら、一方的に無視したり切り捨てるのではなく、改めて外交交渉を行わなければならない。こうした基本原則が守られなければ外交関係は成り立たない。 しかし、日韓関係においては、元徴用工問題や元慰安婦問題への対応などに表れているように、韓国国内の保守派と進歩派の対立が、そのまま外交関係に一方的に持ち込まれ、韓国側の論理だけで外交的資産が破棄されたり無視されるという事態が起きている。これは外交としてはあまり利口なやり方ではない。 幸い3月1日の演説で文大統領は、「今になって過去の傷をほじくり返して分裂を引き起こしたり、隣国との外交で軋轢要因を作ったりしようとするものではありません」と述べている。文大統領にしては珍しく日韓関係に配慮した発言だ。 直前にベトナムで行われた米朝首脳会談が決裂したことで、最も力を入れている北朝鮮との融和促進や経済協力にブレーキがかかりそうになってきた。その状況の変化を踏まえての発言であろう。文大統領が南北関係改善のために日本に協力を求めようという方向に多少なりとも舵を切ろうとしているのであれば、これは大いに歓迎すべき発言である』、文大統領が本当に方針転換したのであれば、誠に喜ばしい限りだが、もうしばらく様子見も必要だろう。
タグ:慰安婦問題 日韓関係 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 薬師寺 克行 レーダー照射問題 (除く慰安婦) (その2)(韓国の元駐日大使に聞く 徴用工・慰安婦・レーザー照射問題の背景、韓国はなぜ「ちゃぶ台返し」を繰り返すのか?4つの“なぜ”を解明、日韓はなぜ良好な関係を継続できないのか 韓国・文大統領「親日清算」発言の本当の意味) 「韓国の元駐日大使に聞く、徴用工・慰安婦・レーザー照射問題の背景」 元徴用工への賠償をめぐる裁判 政府間の感情的な対立に発展 国民の間でも韓国に対してかつてないほどの疑問や不信感が渦巻いています 元駐日韓国大使の申カク秀氏 関係悪化が構造的に定着 両国ともに国内政治を優先 これまでも韓日間にはいろいろな問題があり、両国関係は危機になったこともありました 今回の危機は長引いています。2012年に入ってから関係が悪くなり、改善したのは15年の韓日合意のとき。その後は小康状態でした。それが16年末からまた悪くなり、それが今まで続いています 今回の関係悪化は、非常に長く、もっとも厳しい危機ではないか 両国ともに戦後生まれの世代に変わって、両国の過去史に対する認識の差が出ています 中国の経済成長によって東アジアの地域の勢力転換 朴槿恵政権時代、韓国は中国に熱心に接近 韓日の経済格差も縮まっています 双方とも、相手の国がいかに重要な存在であるかという認識が欠けています 国内政治を優先 両国関係を一種の“多重複合骨折状態”に 旭日旗を巡って日本の海上自衛隊が韓国での国際観覧式への参加見合わせ 韓日間にある法と正義の観念の違い 韓国では「正義があれば、法律は変えるべきだ」という観念が強い 判決は日本の植民地支配がそもそも不法だったから、それが原因で行われた強制労働の被害者への慰謝料については、請求権を取り扱った65年の請求権協定では解決していないという判断 基本条約の2条 日本は65年の条約締結時から無効であるという解釈で、要するに「取り消し」という考え方です 韓国は、植民地支配が始まった当時から無効であるという解釈をしています 妥協のため玉虫色の解決をしていた これは文在寅政権が引き起こした問題ということではないのです 私はこれまでの既存の政府の立場と、司法の判断と矛盾しない解決策として、韓国政府、韓国企業、日本企業の3者による基金をつくり、徴用工問題に対処するということを提案 中国強制労働被害者への戦後補償について、日本企業は基金を設立して和解のために努力 日本政府は中国にODAを通して、賠償金よりも遥かに大きな資金を拠出しています ドイツでは強制労働の問題について戦後、100億マルクを政府と企業が拠出して解決しました。戦後賠償について企業が資金を拠出することは先例があるのです 両国政府はお互いが置かれている立場を理解して、妥協的に解決するという心構えをもっていれば、解決できると思います 南北融和は分断国家として当然の外交目標である 両国とも元慰安婦の方々への心配りが足りなかった 安倍総理は、最終的に解決したからこれからは謝罪はない、という趣旨のことを言った 表に出ている声だけが韓国全体の日本に対する考え方ではない 未来志向というのは、過去をすべて忘れるというような印象をも与えています そうではなくて、私は過去も現在も未来も、ともに考えることが大事で、それが韓日関係を進展させるために必要 「韓国はなぜ「ちゃぶ台返し」を繰り返すのか?4つの“なぜ”を解明」 【疑問1】なぜ一度合意したことを蒸し返すの? 【疑問2】なぜ日本に対して感情的になるの? 韓国人は「物事を論理ではなくハートで考える傾向が強い」 【疑問3】日韓関係が悪化しているのに、なぜ多くの韓国人が日本へ旅行するの? 【疑問4】なぜ韓国の大統領の末路は不幸なの? 李王朝時代には宰相が変わると、前宰相の親族(三族)を滅ぼすことが繰り返されてきた 追及・逮捕は恒例行事 「日韓はなぜ良好な関係を継続できないのか 韓国・文大統領「親日清算」発言の本当の意味」 親日残滓の清算はあまりにも長く先延ばしされた宿題だ 日韓で異なる「親日」の意味 親日残滓の清算とは、親日は反省すべき、独立運動は礼遇を受けるべきという最も単純な価値を立て直すこと 戦前や戦中に日本に協力した関係者を批判する用語 その「清算」とは、そうした「親日」の人たちが戦後もぬくぬくと暮らしていることは許せないという意味 植民地支配時代に日本に協力した人たちが、日本の敗戦後も韓国政府の主要ポストを握り続けてきた 逆に植民地支配時代に独立運動に取り組んだ人たちは、韓国独立後、民主化運動に力を入れたことで弾圧の対象になった 「親日」めぐり韓国内で激しい論争 日帝強占下の親日反民族行為真相究明特別法 親日反民族行為者財産の国家帰属特別法 盧政権時代に約170人が没収対象の「親日」とされ、子孫の所有する土地などが政府に没収された 進歩派からすると、保守派政権時代の政治的資産は、それが内政問題であろうが外交的成果であろうが、ことごとく否定の対象になってしまう 国内政治対立が外交の継続性を阻害 文大統領にしては珍しく日韓関係に配慮した発言
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安倍外交(その5)(「国体化」した対米従属が日本を蝕んでいる 米国は日本を愛しているという妄想、国内向けに大嘘を垂れ流す安倍晋三の二枚舌外交はガキの使い以下、安倍首相、「トランプ氏をノーベル賞に」の波紋 ご機嫌取りか、それとも「有効な外交戦術」か) [外交]

安倍外交については、昨年5月22日に取上げた。久しぶりの今日は、(その5)(「国体化」した対米従属が日本を蝕んでいる 米国は日本を愛しているという妄想、国内向けに大嘘を垂れ流す安倍晋三の二枚舌外交はガキの使い以下、安倍首相、「トランプ氏をノーベル賞に」の波紋 ご機嫌取りか、それとも「有効な外交戦術」か)である。

先ずは、昨年5月7日付け東洋経済オンラインが掲載した政治学者の白井聡氏へのインタビュー「「国体化」した対米従属が日本を蝕んでいる 米国は日本を愛しているという妄想」を紹介しよう(Qは聞き手の質問、Aは白井氏の回答)。
https://toyokeizai.net/articles/-/217713
・『自発的な対米従属を続ける、世界に類のない不思議の国・日本。この呪縛を解くカギは国体にあるという。『国体論』を書いた京都精華大学人文学部専任講師の白井聡氏に詳しく聞いた』、『国体論』の現代風の解釈はどんなものなのだろう。
・『日本の行き詰まった状況を説明  Q:なぜ今、国体論なのですか。 A:今の日本の行き詰まった状況を首尾一貫して説明しうる、最有力の概念が国体なのだと考えている。 失われた20年あるいは30年といわれるように、日本が長い停滞から抜け出せないのは、なぜなのか。「国体化」した対米従属が社会をむしばんでいるからだ。世界に類を見ない歪(いびつ)な形で、つまりその支配の事実を否認しつつ対米従属をしていることが、社会を腐らせた。 Q:米国に妄想を抱きつつですか。 A:米国は日本を愛しているとの妄想に戦後日本の体制は依存している。それは、言葉遣いに端的に表れる。代表的なのがトモダチ作戦や思いやり予算。情緒的な言葉遣いが日米関係の公的な場でも多用される。日米関係は特別であり、打算的な関係で仲よくしているのではなく、真の友情に基づいているとのイメージをまき散らす』、「「国体化」した対米従属が社会をむしばんでいる」との指摘には、納得できる点が多い。
・『Q:「米国崇拝」と「天皇崇敬」に相似性があると。 A:「戦前の国体」における天皇と臣民の関係に、日米関係が似てきた。大日本帝国においては、神の子孫である天皇が国民を赤子として慈しみ、愛してくれている、何とありがたいことか、だから天皇陛下のために死ぬのは当然であり、日本人の幸福だ、という「世界観」が国民に強制されていた。 Q:それが「戦前の国体=天皇」から「戦後の国体=米国」へ移行したのですか。 A:「戦前の国体」は1945年の敗戦で壊されながらも、米国を頂点にする「戦後の国体」として再建された。日本は米国の懐に抱かれているというイメージが形作られ、世界に類を見ない日本の対米従属の特殊性が生まれた。愛されているという妄想に基づいて米国に従属している国は日本以外にない。  Q:好んで従属? A:ほかの国は遺憾なことだと感じ、少しでも自由になりたいという意思を持っている。ところが、平均的な日本人にはそういう認識も意思も皆無だ』、説得力に富んだ、興味深い指摘だ。
・『一昨年末に訪日したプーチン大統領にもズバリ言われている。独立国でありたいという意思ぐらいは持っているのかと。意思さえもないのではないか。そういう国とは領土問題などまじめに交渉できない、と彼は示唆した。 結果、ロシアは返還する意向だった歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)にまで開発の手を伸ばすと最近言い出した。敬意を払うに値しない属国だと見切られている。こんな無残な状態を作り出しているのが、対米従属を中核にした統治システム「戦後の国体」だ』、北方領土交渉の難航にも影響しているというのは、確かにその通りだろう。
・『Q:本書を今上天皇の「お言葉」から始めています。 A:「戦後の国体」は、事実上、ワシントンをピラミッドの頂点に置くシステムだ。今日、米国が日本人にとって精神的な権威にもなっている。そのとき日本の天皇の存在には何の意味があるか。もういらないということになる。日本人は気づかないままに、そういう精神状況を作ってしまった。そんな状況下で「お言葉」は発せられた』、天皇の「お言葉」の意味など考えたこともなかったが、どういう意味なのだろう。
・『対米従属問題は天皇制に行き着く  「お言葉」の中で、天皇とは単に日本国の象徴ではなく、国民統合の象徴だと何度も強調された。それは現に統合が崩れているからだ。仮に日本国民が統合を維持ないし再建する意思をもはや持たないのならば、統合の象徴もありえない。もう一度現在の統合の状態を見つめてほしいという呼びかけでもあったと考えられる。 Q:統合が壊れているとの認識が前提なのですね。 A:「失われた時代」によって社会が疲弊し、統合は壊れた。そこから再起できないのは、社会構造の歪みのためであり、その歪みは「戦後の国体」によってもたらされている。だから、「お言葉」は天皇自身による天皇制批判でもあった。 日本の対米従属の特殊性の問題は天皇制の問題に行き着くと『永続敗戦論』以来考えてきた。米国が“天皇化”すれば、日本の天皇の居場所はどこにあるのかが、必然的に問題になる。そんな状況が表面化してきた中で、「お言葉」は出てきた。思い切った行動には驚きもしたが、同時に、起こるべくして起こったとも思っている。 Q:驚きとは。 A:内容は考え抜かれたものだった。戦後の天皇制、あるいは民主主義社会における君主制一般が、今後の社会の中でどのような形でポジティブな意味で存続できるのか。そこまでを射程に入れた思い切った発言だった。言葉は穏やかなのだが、にじみ出る雰囲気から何か非常に激しいものを感じた。その激しさはたぶん現状への憤りではなかったか。天皇の言葉が特別な重みを持ってしまうのは、今が歴史的に見て国難の時代だからだ』、「「失われた時代」によって社会が疲弊し、統合は壊れた。そこから再起できないのは、社会構造の歪みのためであり、その歪みは「戦後の国体」によってもたらされている」との解釈は、なるほどと納得させられた。
・『日本には独立する意思が足りない  Q:「戦後の国体」は日米安全保障体制が裏打ちしている? A:「戦後の国体」の物理的基礎は日米安保体制にある。だが、軍事的属国化が奇形的な対米従属を必然化するわけではない。たとえば同じく敗戦国のドイツは、主体性を保っている。日本の対米従属の本質は、独立国たらんとする意思がないことだ。意思がないのは、従属していると思っていないからだ。 従属を無意識下に追いやったのは、あの戦争の死者に対するやましさゆえかもしれない。鬼畜米英、一億火の玉と言っていたのに、スムーズに米国の占領を受け入れた。その変節を正当化する物語が必要とされた。米国と対立して殺し合いをしたのは「不幸な誤解」だった。 マッカーサーはじめ米国人は私たちに敬愛の念を持っている。戦争は一部の頭のおかしい軍人がしたことだから、私たちは変節していない──そういうストーリーが無意識的に形成された。 Q:日本人には今や国家観も乏しいのですか。 A:国家も人間組織の一つだが、ほかの組織との決定的違いは、暴力行使の権限を持っていることだ。言い換えれば、国家から「暴力」、つまり警察と軍隊を引き去ると国家ではなくなる。 ところが、日本人で国家の本質は暴力だと理解している人は少ない。国家とは本来恐ろしいものなのだ。だが日本人は、国家は優しく包み込んでくれるものだと思っている。国体というと、何かおどろおどろしいイメージを想起させ、戦前の怖い国家体制を連想させるかもしれないが、むしろだからこそ、思い出さなければならない』、「鬼畜米英、一億火の玉と言っていたのに、スムーズに米国の占領を受け入れた。その変節を正当化する物語が必要とされた・・・戦争は一部の頭のおかしい軍人がしたことだから、私たちは変節していない──そういうストーリーが無意識的に形成された』、「国家とは本来恐ろしいものなのだ。だが日本人は、国家は優しく包み込んでくれるものだと思っている。国体というと、何かおどろおどろしいイメージを想起させ、戦前の怖い国家体制を連想させるかもしれないが、むしろだからこそ、思い出さなければならない」などの鋭い指摘には、完全に脱帽である。対米従属の深い意味が理解できた気がする。

次に、スタイリストのきっこ氏が9月17日付け同氏のブログに掲載した「国内向けに大嘘を垂れ流す安倍晋三の二枚舌外交はガキの使い以下」を紹介しよう。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2018/09/post-9956.html
・『今から70年以上前の第二次世界大戦の末期、前線から届く報告は日本軍の壊滅的な惨敗ばかりだったが、日本政府は「今日もまた日本軍が米国の戦艦を撃沈した」「今日もまた日本軍が勝った」と大嘘の大本営発表を繰り返して日本国民を騙し続けた挙句、とうとう広島と長崎に原子爆弾を投下させてしまった。そして、これと同じことをしているのが、現在の日本の総理大臣である安倍晋三という前代未聞の大嘘つきだ。 わずか1カ月の間に、西日本の豪雨災害、関西の台風災害、北海道の地震災害と、日本列島は南から北まで激甚災害に見舞われたのにも関わらず、災害対策など二の次で「カジノ法案」を強行採決し、「赤坂自民亭」で宴会に興じ、夏休みまで取ってゴルフ三昧を楽しんでいた安倍晋三は、ようやく夏休みが終わって自民党総裁選での石破茂との討論を行なうと思ったとたん、できる限り石破茂との討論の回数を減らしてボロが出ないようにするため、そして、「外交の安倍」をアピールするため、トットとロシアへの外遊へ旅立ってしまった』、確かにあの時の安倍首相の対応は、驚くほど酷かったが、コントロールされたマスコミからは批判の声が出なかったようだ。
・『しかし、この浅はかな行動が、より安倍晋三の無能ぶりを日本国民にアピールすることになってしまったのだ。安倍晋三がロシア訪問の大義名分に利用した極東ウラジオストクでの国際会議「東方経済フォーラム」で、9月10日、ロシアのプーチン大統領は、こともあろうに「前提条件なしの年内の平和条約締結」を提案してしまったのだ。「北方四島のうち二島を返還するから平和条約を締結しよう」と言うのなら分かるが、「前提条件なしの平和条約締結」と言うことは、北朝鮮に対して「拉致被害者を1人も返してもらっていないのに先に10兆円支払う」と言っているようなものだ。 そして、プーチン大統領が大衆の面前でここまで一方的なことを言い出したのにも関わらず、安倍晋三はまったく反論できず、溶けたローソクのようなバカヅラを下げてヘラヘラと笑い続けていたのだ。映像を観ると、安倍晋三が発言できるチャンスは少なくとも5回以上はあったのに、ここまで一方的なことを言われながら、安倍晋三はただの一度も反論できなかったのだ。この情けない安倍晋三の対応に対して、日本では野党だけでなく自民党内部からも疑問の声が相次ぎ、自民党総裁選を戦っている石破茂も厳しく批判した。 そして、こうした多くの批判を受けて、安倍晋三は、16日のNHKの番組で、プーチン大統領が「前提条件なしの年内の平和条約締結」を提案した後、映像に映っていない場所で2人でやりとりを交わし、きちんと「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論したと述べたのだ。しかし、その直後、ロシア政府のペスコフ大統領報道官が、ロシア国営テレビのインタビューで、「プーチン大統領が前提条件なしの年内の日本との平和条約締結を安倍晋三首相に提案した時、安倍首相本人からは何の反応もなかった」と証言した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?』、安倍首相に弁明させたNHKも御用機関ぶりを発揮したが、直ぐにロシア側から弁明を否定されたのは、確かにこれほどみっともないこともないだろうという珍事だった。
・『‥‥そんなワケで、今回の問題を分かりやすく時系列でマトメてみると、次のようになる。 9月10日 プーチン大統領がロシアが国際会議「東方経済フォーラム」で突然、「前提条件なしの年内の平和条約締結」を安倍晋三に対して提案したが、安倍晋三はヘラヘラと笑っているだけで反論のチャンスが何度もあったのにも関わらず、まったく反論しなかった。そして、それがそのまま日本でも報じられた。 9月11日、日本の野党から安倍晋三に対する厳しい批判の声が相次ぎ、与党内部からも疑問の声が出始める。 9月12日、菅義偉官房長官が記者会見で「両首脳間で、そのような発言があったということは承知していない」とお得意の知らぬ存ぜぬでゴマカシた上、「政府としては北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する基本方針に変わりはない」などと従来の世迷言を繰り返してお茶を濁した。 9月13日~15日、与野党だけでなく安倍政権を支持する保守層からも批判の声が広まり始めた。 9月16日、安倍晋三はNHKの番組で、プーチン大統領と2人でやりとりを交わし、きちんと「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論したと述べた。しかし、その直後、ロシア政府のペスコフ大統領報道官が「プーチン大統領が前提条件なしの年内の日本との平和条約締結を安倍晋三首相に提案した時、安倍首相本人からは何の反応もなかった」と証言したため、安倍晋三かロシア政府のどちらかが大嘘をついていることが確定した』、安倍政権の嘘は、あらゆる局面で多用されているだけに、もはや「方便」の域を通り越して、国民の政治不信を「政治的無関心」に向かわせる懸念も強い。
・『‥‥そんなワケで、皆さん、このパターンって、ナニゲにデジャヴー感を覚えない?そう、わずか3カ月前の今年6月、沖縄県の海上に米軍の戦闘機F15が墜落事故を起こした時のことだ。今年6月11日午前6時25分ごろ、沖縄県沖那覇市の南約80キロの海上で、飛行訓練中だった米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機1機が墜落し、パイロットは緊急脱出して無事だったが、すぐ近くには操業中の漁船があり、一歩間違えれば大事故になっていた。 沖縄県では、この事故の半年前の2017年12月にも普天間の小学校の校庭に米軍ヘリの窓が落下する事故が起こっていたため、沖縄県民からも野党からも厳しい批判が相次いだが、米軍は事故の3日後から飛行訓練を再開した。そのため、F15墜落事故から2週間後の6月25日の参院予算委員会で、野党が政府の姿勢を厳しく問い質すと、安倍晋三は今回の墜落事故を受けて「米軍司令部に飛行停止を申し入れた」と答弁したのだ。 しかし、その翌26日、在日米軍司令部は公式リリースとして「日本政府から飛行停止の申し入れは受けていない。日本政府から要請されたのは再発防止の申し入れだけだ」と発表した。つまり、安倍晋三か米軍のどちらかが大嘘をついていたことになる。そして、翌27日の党首討論で立憲民主党から「25日の首相答弁が米軍の公式リリースと食い違っている」ことを追及された安倍晋三は、恥も外聞もなく、こう言い放ったのだ。 「我々が再発防止の申し入れを行ない、その結果、点検のために2日間だが飛行が停止されたのだから、結果的に飛行停止を申し入れたことになる」‥‥って、おいおいおいおいおーーーーい!なんだこの屁理屈は?いくら国民から直敵的に選ばれた総理大臣でないとは言え、これが仮にも一国の総理大臣の答弁か?あたしには、百歩ゆずっても宿題を忘れた小学1年生のイイワケにしか聞こえなかった』、この記事で事件を思い出したが、「宿題を忘れた小学1年生のイイワケにしか聞こえなかった」とは上手い表現だ。
・『‥‥そんなワケで、「外交の安倍」という呼び名を正確に説明すると、「外交で何の成果も挙げられない無能ぶりをゴマカして支持率をキープするために、国内向けに大嘘の報道を繰り返しているペテン師の安倍」の略ということになる。その分かりやすい例が、アメリカが脱退して12カ国が11カ国になってしまった「TPP」だ。11カ国になってしまったために、安倍政権は「TPP-11」などというアホ丸出しなネーミングで目くらましをしているけど、そもそもがアルゼンチンのブエノスアイレスなどの国際舞台で「アメリカ抜きのTPPなど意味がない」と連呼して来たのは、安倍晋三その人なのだ。 そして、最大の参加国だったアメリカが脱退して何の意味もなくなってしまった「TPP」などに未だにしがみつき、自分の外交成果としてアピールしたい安倍晋三は、2017年11月上旬、「TPP」を担当する茂木敏充経済再生担当相を引き連れて参加したベトナムはダナンでの「アジア太平洋経済協力会議(APEC)」で、またまた国内向けに大嘘を炸裂させたのだ。この時の日程は、まず参加11カ国の担当大臣らが会議を行ない、ここで一定の合意を得られれば首脳会議へ進むという流れだった。 そして、最初の会議では、日本を含む10カ国の担当大臣が「TPP-11」の大筋合意に前向きな姿勢を見せたが、カナダから参加していたフランソワフィリップ・シャンパーニュ国際貿易相だけが「現時点では大筋合意はできない」と反対した。カナダはメキシコとともにアメリカとの「北米自由貿易協定(NAFTA)」を進めているところだったので、先に「TPP」に合意してしまうとアメリカとの交渉が不利になるめため、トルドー首相の指示で「現時点では大筋合意しない」ということが事前に決められていたのだ。 それなのに、安倍晋三は、日本から同行した記者団を集め、茂木担当相に「11カ国が大筋合意した」と大嘘の発表をさせたのだ。ベトナムとともに共同議長をつとめる安倍晋三にとって、この「APEC」で一定の成果を挙げることは日本国内向けに大きな意味を持ち、自身の支持率にも影響がある。そのため、安倍晋三は、「どうせベトナムでの会議の内容など日本人には分からないだろう」とタカをくくり、子分の茂木担当相に大嘘の発表をさせ、日本国内に大嘘のニュースを流させたのだ。 しかし、今は12年前の第1次安倍政権の時代とは違って、各国の首脳や閣僚が普通にツイッターなどのSNSをやっている時代だ。日本国内の全メディアがいっせいに流した「TPP-11に11カ国が大筋合意した」というフェイク・ニュースは、すぐに全世界へ配信されてしまい、カナダ政府は大激怒してしまった。そして、カナダのシャンパーニュ国際貿易相は、その日のうちに自身のツイッターで「11カ国がTPPに大筋合意したなどいう報道が一部で出ているが、TPPは大筋合意などに至っていない」とツイートし、トルドー首相もカンカンに怒ってしまったのだ。 あたしは、参加11カ国の主要メディアの報道をすべてチェキしたけど、「大筋合意に達した」などと大嘘を垂れ流していたのは日本のメディアだけで、日本以外の10カ国の主要メディアは、すべて「カナダが反対したため大筋合意には至らなかった」と正確に報じていた。それなのに、日本だけは安倍晋三の指示で、大嘘のフェイク・ニュースを国内向けに報じさせていたのだ。そして、各国のメディアが「今回の日本の報道は完全に勇み足だ」と批判する中、次に安倍晋三がやったことは、急遽、トルドー首相との二国間の首脳会談をブッキングさせ、その場で何とかトルドー首相を説得しようという悪あがきだった。ま、ここまではともかくとして、最悪だったのが、安倍晋三は、まだトルドー首相との首脳会談が行なわれていない段階で、これまた子分の茂木担当相を使って、同行の日本の記者団に「安倍首相がトルドー首相を説得してTPP-11の大筋合意に至った」という大嘘を日本国内向けに報じさせたのだ。もはや「振り込め詐欺」よりも悪質だろう。 しかし、あまりにもデタラメな安倍晋三のやり方に怒りが収まらなかったトルドー首相は、「とても日本と首脳会談など行なえる段階ではない!」と吐き捨ててカナダに帰ってしまった。すると、またまた茂木担当相が、同行の日本の記者団に対して、「首脳会談は中止になったが、閣僚同士の大筋合意は確認できたので、後は各国がそれぞれ持ち帰って進めていく」などと大嘘をついてゴマカシたのだ』、本件は初耳だが、「日本だけは安倍晋三の指示で、大嘘のフェイク・ニュースを国内向けに報じさせていた」という日本のマスコミの姿勢は、いつものことながら、腹立たしい限りだ。
・『‥‥そんなワケで、どうせ日本人は海外の報道なんか見ていないとタカをくくり、日本国内向けにメディアを利用して大嘘を垂れ流して自分の支持率を守り続ける安倍晋三のこういうやり方って、皆さん、どう思う?たとえば、これは小さいネタだけど、今年の4月28日のこと、首相官邸の公式HPに「安倍首相は午後10時33分から約30分間、トランプ米大統領と電話会談し、北朝鮮の対策について緊密に連携した」などと大々的に発表し、新聞各紙の「首相動静」にも同様の内容を掲載させた。 でも、ツイッター狂いのトランプ大統領は、この日、日本時間の午後10時45分に「安倍と電話会談をした」と過去形でツイートしているのだ。普通に考えれば、同盟国の首相と電話会談中にツイッターに投稿などするワケがないし、もしも投稿するなら、過去形ではなく「安倍と電話会談中だ」と現在進行形でツイートするだろう。つまり、これは、安倍晋三との電話はわずか10分ほどで切り、それからツイートしたことになる。 だけど、首相官邸としては、いかに安倍晋三がトランプ大統領と緊密に連携して北朝鮮問題に適切に対応しているかということを国内向けにアピールすることこそが最優先課題なので、さすがに「12分の電話会談」などとは発表できない。そこで「約30分」などと盛りに盛った嘘を発表し、あたかも時間を掛けて重要な会話をしたかのように国民を騙したのだ。何というセコさだろう?』、これは首相補佐官連中の悪巧みなのだろうだが、「何というセコさだろう?」とは言い得て妙だ。
・『‥そんなワケで、森友学園疑惑や加計学園疑惑、公文書改竄疑惑から火炎瓶疑惑に至るまで、国内での数々の疑惑から国民の目をそらすために、「困った時の外交アピール」と言うワケで、安倍晋三は23日から5日間も訪米し、10月には中国を訪問して習近平国家主席との首脳会談までブッキングしている。20日が自民党総裁選の投開票日なのだから、その直後の訪米や訪中は「三選ありき」の余裕の表われだろう。でも、これまで22回もプーチン大統領と首脳会談を繰り返してきて、そのたびに何十億円、何百億円、何千億円という莫大な上納金を支払い続けて来たのに、その結果が「前提条件なしの平和条約締結」に「NO!」と言うこともできない無能外交なのだから、こんなの「ガキの使い」以下じゃねえか!‥‥なんて思った今日この頃なのだ』、「外交の安倍」の正体をここまで見事に暴いたきっこ氏はさすがだ。

第三に、政治ジャーナリストの泉 宏氏が2月22日付け東洋経済オンラインに寄稿した「安倍首相、「トランプ氏をノーベル賞に」の波紋 ご機嫌取りか、それとも「有効な外交戦術」か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/267059
・『アメリカのトランプ大統領が安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦されたと自慢したことが国内外に複雑な波紋を広げている。 統計不正問題で揺れる国会でも、野党側は早速「恥さらし」などと首相を批判。与党内からも疑問の声が出ている。首相とトランプ氏は「世界が認める親密な関係」(外務省幹部)ではあるが、今回のトランプ氏の軽口を受けて、海外メディアの多くは「やはり安倍首相はトランプ大統領の“ポチ”(愛犬)だった」と揶揄した。ただ、外交専門家の中には「安倍流の強かな猛獣使い外交」と評価する声も出ており、当分は国際社会で格好の話題となりそうだ。 事の発端は15日のホワイトハウスでのトランプ大統領の記者会見だった。内外の課題に言及する中で、トランプ氏は、安倍首相から5ページの推薦状のコピーを手渡され、「日本を代表して謹んであなたを推薦する」と伝えられたと得意げに説明した。2月27、28両日には2回目の米朝首脳会談がベトナム・ハノイで開催される。関係各国の外交関係者の間でも「トランプ氏は米朝会談での合意に前のめりの証拠では」などと想定外のトランプ発言に揣摩臆測が広がっている』、「外交専門家の中には「安倍流の強かな猛獣使い外交」と評価する声も出ており」、と安倍首相への単なる「お追従」をわざわざ記載したのは、バランスを取るためとはいえ、見え透いている。
・『推薦は「恥ずかしいほどの対米追従」  一方、18日の衆院予算委員会で野党側はトランプ発言の真偽をただした。安倍首相は「ノーベル委員会は推薦者と被推薦者を50年間は明らかにしないのがルールなので、コメントは差し控えたい」としながらも、「事実ではないと言っているのではない」と、歯切れの悪い答弁を繰り返した。 野党側は、国際社会で批判を浴びた中距離核戦力(INF)全廃条約破棄やイラン核合意離脱などのトランプ外交を指摘して、「(平和賞の)推薦はあり得ない。恥ずかしいほどの対米追従で国益を損なう」などと攻撃した。安倍首相は「(トランプ大統領は)北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けて果断に対応している。拉致問題の解決にも積極的に協力していただいている」と反論。「アメリカは日本にとって唯一の同盟国であり、一定の敬意は払うべきだ」などと声を荒げる一幕もあった。 政府内でも河野太郎外相が19日の記者会見で、「米朝のプロセスがさらに進み、北朝鮮が非核化、ミサイル放棄を実現した場合には、トランプ氏は平和賞に値するのではないか」と間接的に首相を擁護した。ただ、自民党内では「日本はトランプ氏にいいように利用されていると、国際社会で受け止められかねない」(長老)との懸念も相次いだ。 昨年6月の歴史的な米朝首脳会談の前後から、トランプ大統領は地方遊説の場などで「ノーベル平和賞」に言及し、支持者が「ノーベル、ノーベル」と連呼する場面もあった。今回のトランプ発言も「お得意の自慢話の延長線上のもの」(外務省幹部)とみられている。外務省筋によれば米朝首脳会談後にアメリカ側から「推薦してほしい」との打診があり、安倍首相がそれに応じて推薦状を送ったとされる。ノーベル賞の推薦は各国元首や国会議員、大学教授、受賞経験者らに資格があり、毎年2月が締め切りとなっている。 安倍首相の推薦理由について、トランプ氏は「日本の領土を飛び越えるようなミサイルが発射されていたが、いまは突如として日本人は安心を実感しているからだ」と解説した。このトランプ発言に欧米メディアはすぐさま飛びついたが、トランプ氏に批判的とされる米有力紙はコラムの中で「本当に安倍首相は推薦したのか、トランプ氏が安倍氏と文在寅韓国大統領を混同しているのでは」と憶測するなど懐疑的な報道も目立った。 一方、安倍政権に批判的な朝日新聞は18日付けのコラム「天声人語」で、「ノーベル賞級のお追従」とのタイトルで「賢く断る手立てはなかったのか」「いかにも外聞が悪い」などと安倍首相の対応を非難した。 これに対し、首相支持派とされる産経新聞は20日付けのコラム「産経抄」で「(トランプ氏を)賞にふさわしいと考える人は多くないだろう」としたうえで、「(推薦を頼まれれば)日本の国益のために、同盟関係にある超大国の力を徹底的に利用するのは当然」と安倍首相を擁護してみせた。その上で、「天声人語」の「賢く断る手立て」に絡めて「どんな手立てがあるのか、ぜひ、教えて欲しい」と揶揄した』、ミサイル問題でも、トランプが関心ある長距離だけ廃棄して、中単距離は残り、日本への脅威はなくならないとも見方もあるように、米朝会談、さらには日米間の貿易交渉の結果を見ずに、単に2月末の締め切りだけで、推薦したというのは拙速の極みだ。「ノーベル賞級のお追従」とは言い得て妙だ。
・『米国追随か、対米自立外交か  ここにきて、日米関係は貿易交渉などで厳しさを増している。ただ、事務レベルでの交渉担当者は「日米両首脳の極めて親密な関係が、危機を防ぐ最大の武器」(経済産業省幹部)と強調する。一部メディアの「盲目的な米国追随」「トランプ氏のご機嫌取り」などの批判についても、政府側は「首相は自由貿易、パリ協定、イラン核合意など重要な外交案件でトランプ氏と違う立場を堅持しており、まさに対米自立外交だ」(官邸筋)と反論する。 今回の突然のトランプ発言に首相サイドは「4月1日だったら、みんなエイプリルフールだと思ったのだろうが…」と困惑を隠さない。ただ、自民党の外相経験者は「アメリカの大統領がどんな人物であろうと、日本の首相は個人的にも信頼関係構築に努力するのは当然。その延長線上でのノーベル賞推薦も有効な外交戦術ともいえる」と評価する。 15日の会見でトランプ氏は、「おそらく受賞しないだろうが、それで構わない」と笑顔で語ったとされる。「来年の大統領選をにらんだトランプ流の自己宣伝」(外務省幹部)というわけだ。アメリカの事情通の間でも「今年秋にノーベル平和賞を逃せば『ノーベル賞はフェイクだ』と言って、逆に支持者の喝采を浴びるのが狙い」との見方がもっぱらだ。 一方、今回の騒ぎについて、与党内では「日米の親密な関係の象徴でもあり、首相への注目度が上がれば、いろいろな批判も帳消しになる」と参院選などへの影響を懸念する声は少ない。さらに「ここでトランプ氏を推薦すれば、首相が日ロ平和条約交渉で合意にこぎ着けた時に、トランプ氏が平和賞の推薦人になってくれるはず」(細田派幹部)とのやや手前勝手な期待を口にする向きもある。 こうしてみると、今回のノーベル平和賞推薦騒動は「トランプ氏という異形のアメリカ大統領の自作自演の喜劇」(外務省幹部)ともいえる。このため自民党内でも「野党などが攻撃しても、国際社会における首相の存在感を際立たせるだけ」(長老)との見方も少なくない』、「国際社会における首相の存在感を際立たせる」との見方は、「国際社会から揶揄」されている以上、マイナスに際立たせるだけだろう。
タグ:きっこ 東洋経済オンライン 安倍外交 白井聡 同氏のブログ 泉 宏 (その5)(「国体化」した対米従属が日本を蝕んでいる 米国は日本を愛しているという妄想、国内向けに大嘘を垂れ流す安倍晋三の二枚舌外交はガキの使い以下、安倍首相、「トランプ氏をノーベル賞に」の波紋 ご機嫌取りか、それとも「有効な外交戦術」か) 「「国体化」した対米従属が日本を蝕んでいる 米国は日本を愛しているという妄想」 『国体論』 日本の行き詰まった状況を説明 「国体化」した対米従属が社会をむしばんでいるから 日米関係は特別であり、打算的な関係で仲よくしているのではなく、真の友情に基づいているとのイメージをまき散らす 「米国崇拝」と「天皇崇敬」に相似性 「戦前の国体=天皇」から「戦後の国体=米国」へ移行 プーチン大統領にもズバリ言われている。独立国でありたいという意思ぐらいは持っているのかと そういう国とは領土問題などまじめに交渉できない、と彼は示唆 「戦後の国体」は、事実上、ワシントンをピラミッドの頂点に置くシステム 天皇の「お言葉」 対米従属問題は天皇制に行き着く 「失われた時代」によって社会が疲弊し、統合は壊れた。そこから再起できないのは、社会構造の歪みのためであり、その歪みは「戦後の国体」によってもたらされている 日本には独立する意思が足りない 鬼畜米英、一億火の玉と言っていたのに、スムーズに米国の占領を受け入れた。その変節を正当化する物語が必要とされた。米国と対立して殺し合いをしたのは「不幸な誤解」だった。 マッカーサーはじめ米国人は私たちに敬愛の念を持っている。戦争は一部の頭のおかしい軍人がしたことだから、私たちは変節していない──そういうストーリーが無意識的に形成された 「国内向けに大嘘を垂れ流す安倍晋三の二枚舌外交はガキの使い以下」 災害対策など二の次で「カジノ法案」を強行採決し、「赤坂自民亭」で宴会に興じ、夏休みまで取ってゴルフ三昧を楽しんでいた 「東方経済フォーラム」 プーチン大統領は、こともあろうに「前提条件なしの年内の平和条約締結」を提案してしまったのだ 安倍晋三はまったく反論できず、溶けたローソクのようなバカヅラを下げてヘラヘラと笑い続けていたのだ た多くの批判を受けて、安倍晋三は、16日のNHKの番組で、プーチン大統領が「前提条件なしの年内の平和条約締結」を提案した後、映像に映っていない場所で2人でやりとりを交わし、きちんと「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論したと述べた 直後、ロシア政府のペスコフ大統領報道官が、ロシア国営テレビのインタビューで、「プーチン大統領が前提条件なしの年内の日本との平和条約締結を安倍晋三首相に提案した時、安倍首相本人からは何の反応もなかった」と証言 今年6月、沖縄県の海上に米軍の戦闘機F15が墜落事故を起こした時 安倍晋三は今回の墜落事故を受けて「米軍司令部に飛行停止を申し入れた」と答弁 在日米軍司令部は公式リリースとして「日本政府から飛行停止の申し入れは受けていない。日本政府から要請されたのは再発防止の申し入れだけだ」と発表 宿題を忘れた小学1年生のイイワケにしか聞こえなかった 「外交の安倍」 国際舞台で「アメリカ抜きのTPPなど意味がない」と連呼して来たのは、安倍晋三その人 ダナンでの「アジア太平洋経済協力会議(APEC)」で、またまた国内向けに大嘘を炸裂 カナダから参加していたフランソワフィリップ・シャンパーニュ国際貿易相だけが「現時点では大筋合意はできない」と反対 安倍晋三は、日本から同行した記者団を集め、茂木担当相に「11カ国が大筋合意した」と大嘘の発表をさせた カナダ政府は大激怒 トルドー首相もカンカンに怒ってしまった 日本だけは安倍晋三の指示で、大嘘のフェイク・ニュースを国内向けに報じさせていたのだ トルドー首相との首脳会談が行なわれていない段階で、これまた子分の茂木担当相を使って、同行の日本の記者団に「安倍首相がトルドー首相を説得してTPP-11の大筋合意に至った」という大嘘を日本国内向けに報じさせた どうせ日本人は海外の報道なんか見ていないとタカをくくり、日本国内向けにメディアを利用して大嘘を垂れ流して自分の支持率を守り続ける安倍晋三のこういうやり方 安倍首相は午後10時33分から約30分間、トランプ米大統領と電話会談 安倍晋三との電話はわずか10分ほどで切り、それからツイートしたことになる 22回もプーチン大統領と首脳会談を繰り返してきて、そのたびに何十億円、何百億円、何千億円という莫大な上納金を支払い続けて来たのに、その結果が「前提条件なしの平和条約締結」に「NO!」と言うこともできない無能外交 「安倍首相、「トランプ氏をノーベル賞に」の波紋 ご機嫌取りか、それとも「有効な外交戦術」か」 トランプ大統領が安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦されたと自慢 「やはり安倍首相はトランプ大統領の“ポチ”(愛犬)だった」と揶揄 推薦は「恥ずかしいほどの対米追従」 「ノーベル賞級のお追従」 米国追随か、対米自立外交か
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日本・ロシア関係(その7)北方領土5(小田嶋氏:人生がときめく「選択と集中」) [外交]

昨日に続いて、日本・ロシア関係(その7)北方領土5(小田嶋氏:人生がときめく「選択と集中」)を取上げよう。

コラムニストの小田嶋 隆氏が2月8日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「人生がときめく「選択と集中」」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00005/?P=1
・『本日(とはつまり「原稿を書いている当日」という意味で、記事の公開日から遡れば「昨日」に当たる)2月7日は「北方領土の日」なのだそうだ。 この日を「北方領土の日」に定めたことについて、内閣府のホームページは《2月7日は「北方領土の日」です。1855年のこの日に、日魯通好条約が調印されたことにちなみ、北方領土返還要求運動の全国的な盛り上がりを図るために設定されました。毎年、「北方領土返還要求全国大会」が、東京で開催されるほか、この日を中心として全国各地で講演会やパネル展、返還実現のための署名活動などさまざまな取組が行われています。》と説明している。 該当ページのリンクをたどって行くと、1981年1月6日に閣議了解した「『北方領土の日』について」と題するPDF文書に行き当たる。 その閣議了解の中の「『北方領土の日』設定の理由書」の冒頭では 「我が国の固有の領土である歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島の北方四島は、戦後35年を経過した今日、なおソ連の不当な占拠下にある。」と、北方四島を「わが国固有の領土」とする政府の公式見解が述べられている。 なるほど。 もしかすると、このリンク先のPDF文書は、いずれ、遠くない将来、消去されることになるかもしれない。 私は自分のハードディスクに保管した。 こうしておけば、少なくとも2019年2月7日の時点で、1981年1月6日の閣議了解書が内閣府のホームページ上に掲載されていた事実を、記録として確定しておくことができる。 私たちは、行政機関が作成・保管している文書や統計が、いつ、どんな形で失われ、あるいは改竄されるのかわからない不確かな時代の中で暮らしている。いま見ている文書にしたところで、それが永遠に見たとおりの形でその場所にあるのかどうかは、保証の限りではない。 とすれば、いま起こっている出来事を正確な歴史資料として後世に残すために、われわれは、自分が制作に関わった文書や閲覧した統計資料を、個人の責任において、できる限り網羅的に保管する覚悟を持たなければならない』、確かに安倍政権の「公文書」の扱いは、「ご都合主義的」で信頼とは無縁なので、自己責任で保管せざるを得ないというのは、腹立たしい限りだ。
・『聞けば「ときめかないブツや記録はすみやかに廃棄するべきだ」とするわが国発の身辺整理哲学が全米で大人気を博しているのだそうだが、私の立場は違う。ときめきや胸の高鳴りを一切もたらさない、どうにも不快で重苦しい記録や物品をこそ、むしろ、われわれは心して保管せねばならない。でないと、自分たちがいま直面し、経験している現実や事件は、近未来の愚かな人々の恣意によって歪められ、あるいは消去されることになる。そういう歴史改竄を許してはならない。 北方四島は、この先5年か10年のうちに、そもそも存在していなかったことにされるのかもしれない。 折も折、北方領土に関する政府の公式見解は、2019年の「北方領土の日」を迎えたいま、微妙に揺れ動いている。 1月30日の衆院本会議で、立憲民主党の枝野幸男代表が「北方領土は『日本固有の領土』か」と問いかけると、首相は「我が国が主権を有する」と繰り返すだけだった。翌31日に「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表が「ロシアによる不法占拠との立場に変わりはないか。昨日はぼそぼそ言って聞こえなかった」と追及した時も、答弁内容は同じだった。 この間のやりとりについては、毎日新聞が『安倍首相 北方四島、「固有の領土」避ける 露の態度硬化を懸念 代表質問答弁』という見出しで2月2日付で記事化している。 状況は、参議院に舞台を移しても変わっていない。 というよりも、「北方領土の日」を控えて、政府の立場はさらに後退しているかに見える。 6日参院予算委員会において、国民民主党の大塚耕平代表代行が、北方領土についての政府の見解を質すなかで、「『固有の領土』という言葉を使ってご答弁いただけませんでしょうか?」という言い方で首相に質問をぶつけている。 これに対して首相は、「えー、その、政府の立場としてはですね、えー、ま、北方領土についてはですね……北方の島々には……わが国の主権……北方領土の島々は、わが国が主権を有する島々である、という立場でございます」と、言を左右にしつつ「固有の領土」というフレーズを口に出すことを避けた。 答弁を受けて、大塚氏は「あの、固有の領土という言葉は使えなくなったのでしょうか?」と問い詰めたのだが、首相は「これはですね。あの、これはもう、この国会では、こういう、この答弁を、させて、一貫させていただいていますが、あー、北方領土はですね、わが国が主権を有する島々である、ま、この立場、この立場には変わりがないということを、申し上げているところでございます」とさらにシドロモドロな答弁で応接している。 首相が北方領土に関して「日本固有の領土」というこれまでの政府見解通りの言い方で言及することを避けている理由は、日経新聞の記事が書いている通り、日露平和条約の締結を前にロシア側を刺激することを避けたい思惑があるからなのだろう。そして、そのまた背景には、2009年に麻生太郎首相(当時)が「不法占拠」という言葉を使って、ロシアとの関係が悪化した時の記憶があずかっていたりもするはずだ』、「ロシア側を刺激することを避けたい思惑」があるのであれば、その旨を堂々と答弁して、説明責任を果たすべきだ。
・『それにしても、こんなあからさまなハシゴの外し方があって良いものなのだろうか。 いくらなんでも、手のひらを返すにしても、あんまり露骨なやりざまではないか。 これまで、政権発足以来、25回逢瀬を重ねてきたウラジーミルとシンゾーによる「個人的な関係」の結果がこれなのだとすると、いったい安倍外交とは何だったのかという話でもある。 とにかく、どういう結果がもたらされるのであれ、せめて、説明だけはきちんとしてもらわないと困る。 別に私が困ったからといって、誰も困らないとは思うが。 北海道新聞が伝えているところによれば、ここへ来て、地元の返還運動もトーンダウンしている。 記事は以下のように伝えている。《根室管内1市4町でつくる北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協)の会長を務める石垣雅敏・根室市長は29日、2月7日に同市内で開かれる「北方領土の日」根室管内住民大会(北隣協主催)で、鉢巻きの文言を例年の「返せ!北方領土」から「平和条約の早期締結を!」「北方領土問題の早期解決を!」に変える方針を明らかにした。-略-》 どこからどういう指示があって、たすきの文言が腰砕けのスローガンに化けたのかは、1000キロ離れた関東地方で暮らす私には、ほとんどまったく想像すらできない種類の変化だ。 が、とにかく、地元の人たちはすでに「返せ」という文字を使わなくなっている。 この事実を、どう解釈したら良いのだろうか』、「北方領土の日」根室管内住民大会のスローガンまで書き換えさせるとは、ずいぶん手際が良いようだ。
・『遠く昭和の時代を振り返るに、北方領土の問題をことあるごとに強調してやまなかったのは、どちらかといえば「右派」と見なされる人々だった。 北方領土の返還が国民の悲願であり、戦争によって失われた国土を取り戻すことが果たされない限り、真の「戦後」はやって来ないというのが、彼らの主張で、ということはつまり、ロシア(長らく「ソ連」と呼ばれていた)との戦争は、いまだに終わっていないというのが、対ソ強硬派の右翼を自称する人々の変わらぬ主張だった。 ところが、戦後70余年、一貫して北方領土の返還を叫び続けてきたその右派の人々が、どうしたわけなのか、地元の返還運動推進者同様、突然、「返せ」という言葉を口にしなくなっている。 ずいぶん前からなんとなく思っていたことだが、もはや個々のイシューについて「右派」とか「左派」という分け方をすること自体が無意味になってきている。 というよりも、「右派」にも「左派」にも、固有の思想や主張があるわけではなくて、単に政権に対する態度の違いが両者を右と左のポジションにより分けているだけだと言うべきなのかもしれない。 昨今の右派は、政府の方針を追認するばかりで、政権の態度次第では、領土保全という自分たちの最も根源的な主張すら放棄しかねない人々であるように見える。 同じことは左派にも言える。 自民党が北方領土返還を声高に叫んでいた昭和の時代、わが国の左派陣営は、区々たる土地の帰趨よりも、むしろ隣国との友好的な関係の構築を主張していたものだった。それが、敵方の政党が領土問題で腰の引けた態度を取りはじめるや、にわかに 「北方領土はわが国固有の領土ではないのか!」などと、往年の右翼もかくやの大音声で呼ばわっていたりする。 要するに、両者とも定見があるわけではなくて、単に政策を支持したり攻撃したりするために、その時々の主張を入れ替えている。 バカな話だ。 国土の防衛と領土の保全に固執する伝統右翼の人々がここ最近の北方領土をめぐるやりとりをどんなふうに受け止めているのかについては、実は、私は、確かな情報を持っていない』、右翼の宣伝カーには北方領土返還ののぼりが必ず立っていたものだが、これまでなくなっているのだろうか。
・『たぶん、怒っているに違いないとは思うのだが、その怒りを彼らがどういう形で表明して、どういう行動に結びつけるつもりでいるのか、そこのところがわからないということだ。 ただ、少なくとも、インターネット普及後に勢力を拡大しているJ-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)をはじめとするいわゆる「ネット保守」の面々が、北方領土の返還に冷淡であることは、様々な経路を通じてすでに確認している。 要するに、政権擁護派の人たちは、北方領土の返還そのものよりも、当面は政権の邪魔をしないことの方を重視しているということだ。 一方、政権不支持派の人々は、これまでたいして興味を示していなかった北方領土の話をしきりに持ち出すようになっている。 ということはつまり、右派と左派が対立しているというよりは、単に政権支持派と不支持派が互いの悪口を言い合っているだけの話で、対韓国や対ロシアの外交に関しても、要するに政府がどういう態度を取っているのかに沿ってそれぞれがポジショントークを展開しているだけの話に見える。 問題は、そのポジショントークの中身ではない。 領土が戻ってくるかどうかですらない。 最も大切なポイントは、政府が、領土問題の交渉や基地問題の先行きについて、国民に対して誠実に説明する気持ちを持っているのかどうかだ』、安倍政権は国民への説明義務など果たす気はさらさらないようだ。
・『で、私の思うに、政府は、沖縄と北海道を見捨てるつもりでいる。そのことが、領土や基地へのぞんざいな対応から伝わってくる。 バブル崩壊からこっち、「選択と集中」という経営用語が幅をきかせていた一時期があった。 この言葉は、政府が招集する有識者会議やその彼らが作るPDF書類の中でも連呼されていた。 乱暴な言い方をすれば、「選択と集中」は、「採算部門にだけ資金を集中して、非採算部門は切り捨てようではありませんか」というお話で、企業がコストカットを断行する局面では有効なスローガンではあったものの、行政の用語としてそのまま援用するにはあまりにも無慈悲な概念だった。 「選択と集中」において困難なのは、何を選択してどこに集中するのかの見極めで、というのも、どれが有望で、どの部分が滅びゆく非採算部門であるのかは、実のところ経営者にもわかるはずがない話だったからだ。 見捨てられかけた研究分野がある日会社を救う新商品を生み出したというのは、さして珍しい話ではないし、飛ぶ鳥を落とす勢いだった収益部門がなにかのタイミングで突然お荷物に化ける式のエピソードも、企業の歴史の中ではごくありふれた出来事だったりする。 とすれば「選択と集中」は、言ってみれば、「当たる馬券だけを買う」と言ってるのとそんなに変わらない未来予測が必ず当たる前提で持ち出されている資金の振り分けの話であるわけで、だとすれば、そんな乱暴な方針は、倒産を目前とした企業のやぶれかぶれのコストカットの手法としてしか使えないはずなのだ』、一時もてはやされた「選択と集中」についての小田嶋氏の指摘は的確だ。
・『その「選択と集中」なるバブル崩壊後の日本経済が生み出した強迫観念が、国策に適用されている事例が、沖縄の基地移転と北海道の領土切り捨てだと、いささか乱暴だが、私はそう考えている。 実際北海道では、インフラの維持さえ難しくなってきている。 鉄道は廃線続きだし、電力も道路ももはやギリギリのところで我慢するほかにどうしようもない。 こんな時に、領土が戻ってきたからといって、いったい誰がそんな寒い島のインフラを整え、誰が住み、誰が産業を起こし、誰が政治を実行するというのだ? ってな調子で、地元の人々はともかく、中央の政府の人間は、もはやたいして返還を望んでいない。私にはそういうふうに見える。 で、バブル崩壊後の左前企業と同じように、「選択と集中」を掲げながら、その実首切りと部門切り離しと、事業縮小に舵を切る。 ありそうな展開だ』、「「選択と集中」なる・・・強迫観念が、国策に適用されている事例が、「沖縄の基地移転と北海道の領土切り捨て」」、鋭い指摘だ。それぞれの地方でも、周辺部を切り捨てて、中心部に人を集めようという「コンパクトシティ」構想も、まことしやかに語られているようだ。
・『ともあれ、領土問題は一朝一夕に解決できるものではない。 それはよくわかっている。 ただ、われわれがこれから直面せねばならない現実が、本来一朝一夕には解決できるはずのない問題を一朝一夕にしようとした人間がもたらした事態である可能性については、そろそろ考慮しはじめてかなければならない。 どうにも解決のめどが立たないケースでは、オホーツクのタラバガニとジャンケンをして決めるという最後の手段が考えられる。 その場合、政府の代表としてカニとジャンケンをする選手として誰を派遣するのかが問題になるわけだが、個人的な見解を述べるなら、安倍さんと河野さんはやめた方が良いのではないかと思っている』、「タラバガニとジャンケン」で締めるとは、さすがだ。
タグ:日経ビジネスオンライン 日本・ロシア関係 小田嶋 隆 (その7)北方領土5(小田嶋氏:人生がときめく「選択と集中」) 「人生がときめく「選択と集中」」 「北方領土の日」 内閣府のホームページ 閣議了解 北方四島を「わが国固有の領土」とする政府の公式見解が述べられている 行政機関が作成・保管している文書や統計が、いつ、どんな形で失われ、あるいは改竄されるのかわからない不確かな時代の中で暮らしている 「ときめかないブツや記録はすみやかに廃棄するべきだ」 わが国発の身辺整理哲学 全米で大人気 政府の公式見解は、2019年の「北方領土の日」を迎えたいま、微妙に揺れ動いている 枝野幸男代表が「北方領土は『日本固有の領土』か」と問いかけると、首相は「我が国が主権を有する」と繰り返すだけだった 大塚耕平代表代行が、北方領土についての政府の見解を質すなかで、「『固有の領土』という言葉を使ってご答弁いただけませんでしょうか?」という言い方で首相に質問 首相は「これはですね。あの、これはもう、この国会では、こういう、この答弁を、させて、一貫させていただいていますが、あー、北方領土はですね、わが国が主権を有する島々である、ま、この立場、この立場には変わりがないということを、申し上げているところでございます」とさらにシドロモドロな答弁で応接 25回逢瀬を重ねてきたウラジーミルとシンゾーによる「個人的な関係」の結果がこれなのだ 地元の返還運動もトーンダウン 例年の「返せ!北方領土」から「平和条約の早期締結を!」「北方領土問題の早期解決を!」に変える方針 北方領土の問題をことあるごとに強調してやまなかったのは、どちらかといえば「右派」と見なされる人々 「右派」にも「左派」にも、固有の思想や主張があるわけではなくて、単に政権に対する態度の違いが両者を右と左のポジションにより分けているだけだと言うべきなのかもしれない 政権擁護派の人たちは、北方領土の返還そのものよりも、当面は政権の邪魔をしないことの方を重視 最も大切なポイントは、政府が、領土問題の交渉や基地問題の先行きについて、国民に対して誠実に説明する気持ちを持っているのかどうかだ 政府は、沖縄と北海道を見捨てるつもりでいる 「選択と集中」 見捨てられかけた研究分野がある日会社を救う新商品を生み出したというのは、さして珍しい話ではないし、飛ぶ鳥を落とす勢いだった収益部門がなにかのタイミングで突然お荷物に化ける式のエピソードも、企業の歴史の中ではごくありふれた出来事だったりする 国策に適用 沖縄の基地移転と北海道の領土切り捨て 北海道では、インフラの維持さえ難しくなってきている
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日本・ロシア関係(その6)北方領土4(北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い、裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交、会談のたび経済支援…安倍首相が陥ったプーチン“無間地獄”、プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚) [外交]

日本・ロシア関係については、昨年12月21日に取上げた。今日は、(その6)北方領土4(北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い、裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交、会談のたび経済支援…安倍首相が陥ったプーチン“無間地獄”、プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚)である。

先ずは、在米作家の冷泉彰彦氏が1月14日付けNewsweek日本版に寄稿した「北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/01/post-1057_1.php
・『日ロ交渉でロシアは、第二次大戦の結果として北方領土がロシア領になったと認めさせたいようだが、その理屈には根拠がない  領土問題の前進と、平和条約締結を目指した日本とロシアの交渉において、歴史認識の問題があらためて取り上げられています。ロシアが「第二次大戦の結果として南千島はロシアのものになった」ということを「日本に同意させたい」と躍起になっているからです。 この点については、毅然として反論すべきです。何故ならば、このロシアの論法は二重三重に間違っているからです』、その根拠を知りたいところだ。
・『まず、日本は第二次大戦を戦いました。これは動かし難い事実です。ですが、ロシアは違います。第二次大戦を戦ったのはソビエト社会主義共和国連邦でした。マルクス・レーニン主義を口実とした独裁政権であり、民主主義を否定するということから、現在のロシア連邦共和国とは似ても似つかぬ別の国でした。 もちろん、ソ連の崩壊に伴って、昔のソ連を構成していたロシア共和国が現在のロシアに変わっているわけですし、領土や住民については継続性があります。ですが、国のかたちとしては全く別です。確かに最近のロシアは、ソ連時代の国歌を採用したり(歌詞は変わっていますが)、昔アメリカと冷戦を戦ったソ連時代へのノスタルジーを感じる動きがあるのは事実です。 ですが、ロシアとソ連は別の国です。特に日本との関係ということであれば、ロシアは親日国家ですが、ソ連は冷戦のために日本とは軍事的に敵対していたわけですから全く別です。ですから、ソ連が第二次大戦で大きな被害を受けたからと言って、その代償として北方領土を占領したということまで、現在のロシアがそのまま継承する筋合いはないのです』、ロシアとソ連が「国のかたちとしては全く別」だから、「現在のロシアがそのまま継承する筋合いはない」というのには、いささか違和感を感じる。
・『仮に百歩譲って、ロシアが第二次大戦におけるソビエト連邦の被害と、その代償を要求する権利を有しているとしても、そもそも第二次大戦を通じて日本とソ連は戦火を交えてはいません。日ソ間には日ソ中立条約があり、独ソ戦が始まってからも、日独の同盟関係から日本がソ連と交戦するということはありませんでした。 それどころか、1945年の戦争末期には日本政府の一部はソ連の仲介による連合国との和平ができないか、真剣に交渉をしていたぐらいです。もちろん、その一方でスターリンのソ連は、ヤルタ協定などで対日宣戦を他の連合国に根回ししていたわけですが、その事実は日本としては認識していませんでした。 この点については、北欧で諜報活動をしていた小野寺信(まこと)陸軍少将が独自の情報網で察知して東京に警告を送っていたのですが、東京の政府は「ソ連の仲介による和平」に賭けてしまっていて、小野寺情報を無視してしまったというミスはありました。ですが、少なくとも日ソ中立条約について、一方の当事者である日本は1946年まで有効と信じていたという事実は重たいと思います。 いずれにしても、日ソ中立条約があり和平の仲介を依頼していた以上は、第二次大戦における日ソは友好国でこそあれ、互いに交戦国ではありませんでした。ですから、日本としては、独ソ戦の被害に対する懲罰として領土割譲要求をされても、受け入れる根拠はないのです。 それどころか、1945年の8月15日に日本がポツダム宣言を受諾し(連合国側への通告は14日)、陸海軍の無条件降伏を行った、つまり日本としては第二次大戦が終わったと認識した後で、ソ連は南樺太と千島の占領という軍事作戦を敢行しました。(満州方面では8月9日より戦闘開始)これは日本側からみれば、第二次大戦の一部とはみなせない、一方的なものであったと言えます』、小野寺氏の警告を無視して「和平の仲介を依頼」というのは、日本の馬鹿さを物語るものだ。「ソ連は、ヤルタ協定などで対日宣戦を他の連合国に根回ししていた」とあるが、対日戦の早期終結を目指したアメリカ側の要請に応じたとの説も有力だ。「日本側からみれば、第二次大戦の一部とはみなせない、一方的なものであったと言えます」というのはその通りだが、ソ連側からみれば、対日戦も第二次大戦の一部となるので、立場により見方が逆転するようだ。
・『その後、1956年には鳩山一郎内閣において、河野一郎農林大臣(現在の河野太郎外相の祖父)が対ソ交渉を行い、日ソ共同宣言に合意して日ソの国交が回復しています。この日ソ共同宣言では「戦争状態の終結」が合意されていますが、日本としては、この戦争状態の終結というのが「第二次大戦」だということは認めていません。あくまで日ソ中立条約が有効であるにも関わらず一方的に行われた戦闘行為であり、それによって発生した対立という考え方を取っています』、共同宣言上で明確に記載されていない以上、それはあくまで日本側の解釈に過ぎず、ロシア側には通用しないだろう。
・『このように、ロシアの言う「第二次大戦の結果として南千島がロシアのものになった」というストーリーは、二重三重に根拠が崩れていますし、日本としてそのような主張は一度も認めたことはありません。 では、プーチン政権は「大変な悪意を込めて」こうした主張をしているのかというと、それも違うと思います。あくまで交渉のカード、言葉のゲームとして持ち出しているのであって、むしろ堂々と否定することで対等の舌戦、論理戦に持ち込めばいいのではないかと思われます』、「舌戦、論理戦」は大いにやるべきだが、残念ながらどうみても日本側に「勝ち目」はなさそうだ。

次に、1月15日付け日刊ゲンダイ「裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245483
・『「平和条約問題に関する協議を開始する」――。ロシアのラブロフ外相がこう宣言し、14日河野外相との間で、北方領土問題を含めた平和条約締結交渉の協議がスタートした。 ラブロフ外相は冒頭から「合意を歪曲したり一方的な発言をしない」と牽制モードだったが、それ以上に驚いたのは、外相会談の前にロシア側が国営テレビで、「日本側が共同記者会見を拒否した」と暴露し、批判したことだ。日本政府は否定しているが、どちらが真実だとしても、こうした裏交渉は、外交の場では明らかにしないのが礼儀じゃないのか。 来週22日に安倍首相が訪ロしてプーチン大統領と首脳会談が行われるというのに、ロシア側の態度は硬化の一途だ。先週は、「北方領土のロシア住民に日本への帰属が変わることを理解してもらう」とした安倍発言を問題視し、日本の駐ロシア大使を呼びつけて抗議までした。そして今度は公の電波で「共同会見を拒否」と日本に赤っ恥までかかせたのである』、まだ返還されてもいない段階での安倍発言は、どうみても「フライング」で、事態をこじらせるだけだろう。こんな暴言を許した官邸スタッフのセンスのなさには驚くほかない。しかし、日本側が「共同会見を拒否」したとは、よほど自信がないのだろうか。
・『忠誠心を試されている  「完全に主導権を握られてしまいました。ロシアはやりたい放題です。中国や北朝鮮だけでなく、韓国とも関係が悪化している日本の足元を見ている。どこまでロシアに付いてくるのか、忠誠心を見せるのか試している。『大使を呼び出し抗議しても、反応することなく、外相も首相も訪ロしてくる。まだまだ大丈夫』というところでしょう」(筑波大教授・中村逸郎氏=ロシア政治) ここへきてロシアでは北方領土問題に関する報道が増えているという。旧ソ連時代から人気の大衆紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」は10日、日本についてこんな皮肉を記事にした。〈プーチン大統領は安倍首相の大好物をテーブルに置いて、安倍首相が食べようとしたところ、さっと持ち去った。ただ持ち去るだけではなく、氷水をぶっかけて持ち去った〉 「記事を読んだロシア人の友人から、『プーチン大統領のやり方はあまりにひどい』と連絡をもらいました。今の安倍首相はロシア人から見ても哀れな姿だということ。過去にロシアの報道で、日本を批判する記事はありましたが、同情されることはなかった。ここまでバカにするとは、主権を持った国に対する態度ではありませんよ」(中村逸郎氏) それでも安倍首相はプーチン大統領にへりくだるのか。それで北方領土は帰ってくるのか』、二島返還すら怪しくなっているのに、ここまで馬鹿にされても「へりくだる」だけとは、先ずは「外交の」安倍の名前を返上すべきだろう。

第三に、1月26日付け日刊ゲンダイ「会談のたび経済支援…安倍首相が陥ったプーチン“無間地獄”」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246209
・『「日ロ平和条約締結に全力を尽くす」と息巻いて25回目の日ロ首脳会談に向かった安倍首相は24日、手ぶらで帰国した。それでも大手メディアは「北方領土問題を含む平和条約締結交渉の加速で一致」などと持ち上げているが、安倍首相が「招かれざる客」だったことは明らかだ。やはりと言うべきか、今回もカネをせびられている。 安倍首相は民間企業トップらを同行する計画だったが、ロシア側が拒否。 会談後の共同記者発表で安倍首相が「6月にウラジーミルをG20サミットにお招きします」などと発言し、プーチン大統領との緊密関係をアピールした瞬間、ラブロフ外相は呆れたようなしかめっ面。記者発表を終えた安倍首相とプーチンが握手を交わしたシーンでは、日本側が拍手で盛り上げようとしたにもかかわらず、ロシア側は棒立ちだった。 筑波大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)は言う。「ロシア側の姿勢を象徴していたのが、ラブロフ外相の表情です。〈本気で言っているのか? まだ事態を楽観視しているのか?〉と言わんばかりでした。ロシア側は2014年のクリミア併合に端を発した対ロ経済制裁に同調しながら、ロシアの言うがままに経済支援に応じる支離滅裂な対応に不信感を強めている。昨年9月にプーチン大統領が〈前提なしの平和条約締結〉を持ち出したのは、さらなる経済協力を引き出す口実に過ぎず、1島たりとも北方領土を返還する考えはありません。それなのに、ノコノコやって来る安倍首相に半ばゲンナリで、来るからには相応の手土産を持ってこいというスタンスなのです」』、日ロ首脳会談についての大手メディア報道は、まるで大本営発表以外の何物でもない。ラブロフ外相があきれたのも頷ける。きっと、「底抜けの馬鹿者」と思われたのだろう。
・『貿易額の引き上げをのまされる  安倍首相は勝手に任期中の領土問題解決を宣言し、交渉期限を設定。プーチンとの会談頻度は加速度的に増えたが、経済支援もうなぎ上り。プーチンのホームに飛び込んで交渉前進を試みるたびに、カネを分捕られる構図が出来上がっている。 16年5月にソチで開かれた13回目の会談では「新しいアプローチ」で合意するため、日本側が3000億円規模を拠出する共同経済活動を提案。昨年9月のウラジオストクでの22回目の会談では、共同経済活動で優先的に取り組む5項目の事業に関する行程表をまとめた。 そして今回はプーチンに「経済環境において十分な潜在力が活用されていない」とねじ込まれ、貿易額を今後数年以内に少なくとも1.5倍の300億ドル(約3・3兆円)への引き上げをのまされた。LNG(液化天然ガス)や木材などの天然資源を売り込むという。 「経済制裁の影響でロシア経済はガタガタになり、財政赤字の補填に使っていた予備基金もすでにカツカツです。安倍首相は今春にも再訪ロを検討しているようですが、相当の手土産を持参しない限り、プーチン大統領は応じないでしょう」(中村逸郎氏) 北方領土問題は4島返還を2島返還に後退させた揚げ句、プラスアルファどころかマイナスアルファの様相だ。プーチンから絶縁され、仕切り直しがベストシナリオかもしれない』、「安倍首相は勝手に任期中の領土問題解決を宣言し、交渉期限を設定」した手前、楽観的に振舞っているのかも知れないが、これでは足元を見られて吹っ掛けられるだけだろう。

第四に、1月31日付け日刊ゲンダイ「プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246506
・『どうして、このタイミングで、この短歌なのか。安倍首相が施政方針演説で引用した短歌が、問題になり始めている。短歌は日露戦争中、明治天皇が国民に勇気ある戦いを呼びかけたものだ。しかし、日露戦争は日本にとっては栄光の歴史でも、ロシアにとっては屈辱的な敗戦の歴史である。よりによって、今月22日、安倍首相はプーチン大統領と会談したばかり。ロシア国民が触れられたくない歴史に触れたことで、プーチン大統領を刺激したのは間違いない。 安倍首相の“間抜けな引用”は、今回が初めてじゃない。昨年9月の総裁選の時も、「薩摩と長州で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」と、鹿児島県をヨイショし、わざわざ桜島をバックに出馬を表明しながら、「我が胸の燃ゆる思ひにくらぶれば煙はうすし桜島山」と、幕末の志士が薩摩への失望を詠んだ歌を引用している。どうやら、歌の意味を知らずに「桜島」という単語で選んだらしく、無教養ぶりを露呈した。 今回は無教養で済まない。 「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」――。安倍首相が引用したのは明治天皇が詠んだ歌。「日本人の大和魂の勇ましさは、(平時では現れなくても)何か起こった時こそ現れるものだ」という意味で、日露戦争真っただ中の1904年に詠まれた。進行中の日露戦争に向けて、国民を鼓舞激励する天皇の「打倒ロシア」の号令なのだ。 日本は大国ロシアを破り、ロシアから南樺太(サハリン島南部)などを奪っている。安倍首相は、日露戦争が大好きらしく、2015年の「戦後70年談話」でも、「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と語っている。しかし、ロシアにとっては目を背けたい黒星だ。 筑波大の中村逸郎教授(ロシア政治)が言う。「どうして、北方領土問題が難航するこのタイミングで、“対露戦争”に号令をかける意味の短歌を引用したのか理解に苦しみます。ロシアに押されっぱなしの安倍首相は、国内向けのアピールを込めたのかもしれませんが、ロシアは戦争を仕掛けられたと受け止めるはずです。怒ったプーチン大統領は6月の大阪G20をボイコットするかもしれません。ロシアにとって日露戦争は、アジアの後進国に負けて、サハリンという領土まで奪われた屈辱の戦いですからね。第2次大戦後、ロシアが北方領土を占領し、その後も引き渡しに応じないのは、日露戦争の仕返しとの意味もあるのです」 年頭会見でも、安倍首相は北方領土で暮らす住民の「帰属問題」を持ち出しロシア国民を怒らせた。外交のイロハが分かっていない』、安倍首相に「外交センス」が全くないことを露呈したエピソードだが、見逃した官邸スタッフの見識も信じられない酷さだ。これでは、北方領土返還はますます遠のくだけだろう。
タグ:ラブロフ外相 日刊ゲンダイ 冷泉彰彦 日ロ首脳会談 ヤルタ協定 Newsweek日本版 日本・ロシア関係 (その6)北方領土4(北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い、裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交、会談のたび経済支援…安倍首相が陥ったプーチン“無間地獄”、プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚) 「北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い」 ソ連の崩壊に伴って、昔のソ連を構成していたロシア共和国が現在のロシアに変わっているわけですし、領土や住民については継続性があります ですが、国のかたちとしては全く別です ソ連が第二次大戦で大きな被害を受けたからと言って、その代償として北方領土を占領したということまで、現在のロシアがそのまま継承する筋合いはないのです 第二次大戦を通じて日本とソ連は戦火を交えてはいません 小野寺信(まこと)陸軍少将が独自の情報網で察知して東京に警告 東京の政府は「ソ連の仲介による和平」に賭けてしまっていて、小野寺情報を無視してしまったというミス 独ソ戦の被害に対する懲罰として領土割譲要求をされても、受け入れる根拠はない 日本としては第二次大戦が終わったと認識した後で、ソ連は南樺太と千島の占領という軍事作戦を敢行しました。(満州方面では8月9日より戦闘開始)これは日本側からみれば、第二次大戦の一部とはみなせない、一方的なものであったと言えます 日ソ共同宣言では「戦争状態の終結」が合意されていますが、日本としては、この戦争状態の終結というのが「第二次大戦」だということは認めていません あくまで日ソ中立条約が有効であるにも関わらず一方的に行われた戦闘行為であり、それによって発生した対立という考え方を取っています ロシアの言う「第二次大戦の結果として南千島がロシアのものになった」というストーリーは、二重三重に根拠が崩れています 堂々と否定することで対等の舌戦、論理戦に持ち込めばいいのではないかと思われます 「裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交」 河野外相との間で、北方領土問題を含めた平和条約締結交渉の協議 「日本側が共同記者会見を拒否した」と暴露 裏交渉は、外交の場では明らかにしないのが礼儀じゃないのか 「北方領土のロシア住民に日本への帰属が変わることを理解してもらう」とした安倍発言を問題視し、日本の駐ロシア大使を呼びつけて抗議 完全に主導権を握られてしまいました。ロシアはやりたい放題です 中国や北朝鮮だけでなく、韓国とも関係が悪化している日本の足元を見ている。どこまでロシアに付いてくるのか、忠誠心を見せるのか試している プーチン大統領は安倍首相の大好物をテーブルに置いて、安倍首相が食べようとしたところ、さっと持ち去った。ただ持ち去るだけではなく、氷水をぶっかけて持ち去った 「会談のたび経済支援…安倍首相が陥ったプーチン“無間地獄”」 手ぶらで帰国 大手メディアは「北方領土問題を含む平和条約締結交渉の加速で一致」などと持ち上げているが、安倍首相が「招かれざる客」だったことは明らかだ 今回もカネをせびられている ラブロフ外相の表情です。〈本気で言っているのか? まだ事態を楽観視しているのか?〉と言わんばかりでした 対ロ経済制裁に同調しながら、ロシアの言うがままに経済支援に応じる支離滅裂な対応に不信感を強めている 1島たりとも北方領土を返還する考えはありません 来るからには相応の手土産を持ってこいというスタンスなのです 貿易額の引き上げをのまされる 今回はプーチンに「経済環境において十分な潜在力が活用されていない」とねじ込まれ、貿易額を今後数年以内に少なくとも1.5倍の300億ドル(約3・3兆円)への引き上げをのまされた 「プーチン激怒 安倍演説「打倒ロシア」号令短歌を引用の愚」 施政方針演説で引用した短歌が、問題になり始めている。短歌は日露戦争中、明治天皇が国民に勇気ある戦いを呼びかけたものだ 日露戦争は日本にとっては栄光の歴史でも、ロシアにとっては屈辱的な敗戦の歴史 「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」 日本人の大和魂の勇ましさは、(平時では現れなくても)何か起こった時こそ現れるものだ」という意味で、日露戦争真っただ中の1904年に詠まれた 日露戦争に向けて、国民を鼓舞激励する天皇の「打倒ロシア」の号令 安倍首相は、国内向けのアピールを込めたのかもしれませんが、ロシアは戦争を仕掛けられたと受け止めるはずです 年頭会見でも、安倍首相は北方領土で暮らす住民の「帰属問題」を持ち出しロシア国民を怒らせた
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日韓関係(除く慰安婦)(田母神氏投稿で物議 韓国照射“火器管制レーダー”の安全性、安倍の“感情判断”で…レーダー照射めぐり日韓応酬が泥沼化、日韓関係がここまで急悪化している根本理由 アメリカや韓国政府はどう思っているのか) [外交]

今日は、日韓関係(除く慰安婦)(田母神氏投稿で物議 韓国照射“火器管制レーダー”の安全性、安倍の“感情判断”で…レーダー照射めぐり日韓応酬が泥沼化、日韓関係がここまで急悪化している根本理由 アメリカや韓国政府はどう思っているのか)を取上げよう。

先ずは、昨年12月27日付け日刊ゲンダイ「田母神氏投稿で物議 韓国照射“火器管制レーダー”の安全性」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244441
・『海上自衛隊の哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦からレーダーの照射を受けた問題は、日韓双方で主張が食い違い、収拾がつかなくなっている。 はたして、日韓どちらの言い分が正しいのか。いま話題となっているのが、第29代航空幕僚長だった田母神俊雄氏が投稿したツイッターだ。 田母神氏は21日、「韓国艦艇が海自対潜哨戒機に火器管制レーダーを照射したことで日本政府が危険だということで韓国に抗議したという。全く危険ではない」と自身のツイッター上で政府に苦言を呈しているのだ。要するにレーダー照射は大したことじゃない、ということらしい。 投稿の反響について田母神俊雄事務所に問い合わせると、ツイッターの投稿以降、事務所には「韓国の肩を持つのか」といったクレームが殺到し、対応に追われているという』、日本では官邸発の大本営発表ばかりが、ニュースを賑わせているが、あの田母神氏がこうした発言をしたとは驚いた。
・『軍事の専門家からすると、火器管制レーダーの照射は、「危険な行為ではない」ということなのか。軍事評論家の田岡俊次氏はこう説明する。 「火器管制用のレーダーの照射を受けても、相手の艦がミサイルを発射機に装填していないとか、垂直発射機のフタを開けていなければ『引き金を引く寸前』ではない。冷戦時代に米ソ海軍は互いに激しい嫌がらせをし、衝突も起きたから、1972年に米ソは海上事故防止協定を結び多くの危険な行為を禁止した。日本も93年に日露海上事故防止協定を結んだが、いずれも火器管制レーダーの照射を危険行為としていない。2013年に中国軍艦が日本の護衛艦に火器管制レーダー照射をした際も、当初海上自衛隊は問題にしていなかったが、日本にいる元米国外交官が、『米軍はレーダーで照射されれば直ちに攻撃する』と言い、日本では『そんな大変なことか』と騒ぎになった」 どうやら、田母神氏のツイッターはそう間違ってはいないらしい』、「2013年に中国軍艦が日本の護衛艦に火器管制レーダー照射をした際も、当初海上自衛隊は問題にしていなかった」というのは、初耳だ。どうも安倍首相が大騒ぎの元凶のようだ。

次に、同じ日刊ゲンダイが1月5日付けで掲載した「安倍の“感情判断”で…レーダー照射めぐり日韓応酬が泥沼化」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244891
・『反論の応酬が過熱の一途だ。韓国国防省が4日、韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射を巡り、日本の主張への反論動画を公開。これに「話し合える状況にない」(政府関係者)と猛反発しているのが、安倍政権だ。防衛省にさらなる証拠として軍事機密であるレーダーの波長データの公開を検討させるほか、近く韓国側に反論する文書を出す方向だ。 韓国国防省の反論動画は約4分半。上空を飛行する海自の哨戒機と、救助中だったとされる北朝鮮船舶を韓国の海洋警察が撮影した10秒ほどの映像が含まれるが、大部分は既に日本側が公開したもの。公開に合わせて会見した韓国国防省の報道官は、「日本はこれ以上、事実を歪曲することを中断し、人道的な救助活動中だった韓国軍の艦艇に威嚇的な低空飛行をしたことを謝罪しなければならない」などと従来の主張を繰り返した。 日韓両国による反論の応酬に、防衛省幹部は「最後は罵詈雑言の言い合いになるかもしれない」と懸念を示したというが、後の祭り。 日韓関係を一層冷え込ませると慎重だった防衛省を押し切り、「鶴の一声」で最初の映像公開に踏み切ったのは安倍首相だ。時事通信は、韓国にいら立ちを募らせ、トップダウンで押し切ったと報じた。感情任せの安倍首相の判断が、案の定、泥沼化を招いている』、確かに韓国側の余りに反日的な姿勢には、腹が立つが、こと外交問題で、感情任せの安倍首相の一存で、「慎重だった防衛省を押し切ったとは、やりすぎだ。日韓議員連盟の二階幹事長は、本来、安倍首相を抑える役割を果たすべきだが、「洞ヶ峠」を決め込んでいるとすれば、罪は安倍首相並みに重い。

第三に、スタンフォード大学教授のダニエル・スナイダー氏が1月14日付け東洋経済オンラインに寄稿した「日韓関係がここまで急悪化している根本理由 アメリカや韓国政府はどう思っているのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/260086
・『北東アジアにおいてアジアの安全保障上重要な2つの同盟国である日本と韓国の関係が、またもや敵対意識に煽られた機能不全に陥っている。悲しいことに、この状況は今に始まったことではない。隣り合う両国は過去にもこうした局面に差し掛かったことがあり、差し迫った問題はいままでと同様に、戦争や植民地支配、競争意識の歴史に根差している。 しかし、今回の件を単純にいつもと同じ問題だと見るのは間違いだ。実際、日本と韓国のみならずアメリカ政府内部でも、これは北東アジア地域の安全保障に影響をおよぼしうる深刻な危機であるという意識が強くなっている』、一刻も早く米国に介入してほしいところだが、後ろを読むと、どうもそうはいかないようだ。。
・『韓国政府の感情は「非常に不安定」  「韓国政府と日本政府の間に衝突への道を回避しようとの出口作戦がない状況を、非常に憂慮している」と両国の関係に深く携わってきた元韓国政府高官は語る。日本の植民地支配に対する朝鮮独立運動(三・一運動)勃発100周年を祝う年だけに、韓国政府の感情は「非常に不安定」だと同高官は言う。 同高官によると、日韓関係の危機は「アメリカを含む3国間の安全保障協定を蝕むことになりかねない」。一部のほかの韓国人たちと同様、同高官は明らかにアメリカがこの件に関心を示し、行動しないことについて非難する。これまでのアメリカであれは、日韓政府が互いに話し合う能力を欠く今回のような危機に際して介入してきた。 「残念ながらアメリカ国務省は混乱状態にあり、両国間を取り持つ役割を果たすことができない。膠着状態を崩すには高いレベルの対話ルートをお膳立てがすることが必要だが、現在は両国ともそれをする意欲を欠いているようだ」(同高官) 緊張の直接の引き金となったのは、韓国の最高裁が、植民地時代や戦時中に日本企業に徴用工として従事した韓国人たちに対する補償を認めた昨年11月の判決だ。工員たちに賠償を支払うために日本企業の資産差し押さえを認めたこの判決は、外交上の重大な危機を招くだけでなく、日本企業の韓国への投資や取引見直しにつながるおそれがある。 「これは経済協力に非常に深刻な影響を及ぼし、日本経済よりも韓国経済を大きく弱体化させるだろう」と前述の元韓国政府高官は話す。 徴用工の争議は、先月韓国側の文在寅大統領が、戦時中に旧日本軍売春宿で、強制的に働かされた慰安婦と呼ばれる韓国女性たちに補償と謝罪をするという脆弱ながら重要な2015年協定を破棄する決断を下したことで、さらに勢いを増すこととなった。 こうした歴史をめぐる対立が前哨戦となり、韓国海軍艦艇が日本海をパトロール中の日本の海上自衛隊航空機に射撃統制用レーダーを向けた12月20日に、両政府間の深刻な対立が始まった。韓国の軍と政府はこの事実を認めることを拒否しているどころか、開き直って日本の航空機が挑発するように非常に低空を飛行したと非難している』、反日を政治的に利用する文在寅大統領のやり方が、米国側が介入するか、韓国経済が不況に追い込まれるか、しないと当面、続くのは本当に困ったことだ。
・『レーザー照射問題が安全保障問題につながる懸念  アメリカ軍や政府高官たちは一様に、事件について日本の説明をおおむね正しいものとして受け入れている、と話す。韓国の艦艇が理由は定かではないものの、実際に統制レーダーを向けたと考えている。 韓国と日本に駐屯するアメリカ軍事司令部は、今回の争議がこの地域のより大局的な安全保障協調に与える影響を懸念している。この地域では、日本と韓国両方で軍事活動をスムーズに統合できることが安全保障上重要だからだ。とはいえ、一方だけ味方していると非難されるのをおそれて対立に介入する気にはなれないでいる。 一方、日本政府高官たちは日増しに、 韓国政府の革新政権は北東アジアのパワーバランスを変化させようと決心したのだとの思いを強めている。日本の高官たちは文政権が、北朝鮮と取引することに決めたのだとおそれており、そうなれば中国を力づけ、アメリカの安全保障体制を弱体化させることになる。 ある外務省高官は非公式な会談で、文政権は北との統一という自らの夢を追っており、それが実現すれば中国の支配下における統一朝鮮が日本に対抗してくるだろうとの見方を示した。こうした悲観的な展望は、日本では今に始まったことではないが、それらが信ぴょう性を帯びてきている。 文大統領や、今回の件に関する文大統領の責任については、懸念を共有する者たちがアメリカの関係筋の中にはいる。「韓国政府は日本政府の懸念を真剣に受け取っていないのではないかと感じる」と両国と長く関わってきたある元アメリカ国務省高官は話す。 「韓国政府は、日本を朝鮮半島で重要な役割を果たす国とは見ておらず、衝突のおそれを回避するために自分たちの政策を調整する必要はないと考えている。しかしそれは大きな誤りだ」(前述の元国務省高官) アメリカ人にとって歴史問題は二の次であり、日本、韓国、アメリカの3国間安全保障協定が脆弱化することによる関係性悪化の影響のほうが重大だ。韓国の防衛は、朝鮮半島にいるアメリカ軍と日本に拠点を置くアメリカ軍の統合にかかっており、実際には韓国が攻撃されたときには対処する日本の軍事力の協力にもかかっている』、「文政権は北との統一という自らの夢を追っており、それが実現すれば中国の支配下における統一朝鮮が日本に対抗してくるだろうとの見方」については、まだ遠い将来の話だとは思うが、確かに実現すれば、日本、アメリカにとっての悪夢だろう。
・『日本側はかなり「慎重に対応している」  今回のレーダー照射をめぐる対立の深刻さについては、アメリカの軍当局者や専門家たちもその意味を分かっている。たとえば、元アメリカ空軍中佐、マイケル・ボサック氏はアフガニスタンへ2回遠征したことがあり、最近は在日米軍司令部に政府関係次官として勤務。3国間の安全保障協定を策定するという、始まったばかりながら重要な仕事にもついた経験を持つ。 そのボサック氏も、日本のP-1 哨戒機の一件を巡って日韓の間に深まる隔たりを憂慮する。日本側は問題の処理を両国の防衛省間ルート内に留めようとするなど、かなり「慎重に対応して」おり、安倍晋三首相のような上層部のコメントは主に記者からの質問に答えたものにとどまっている、とボサック氏は言う。しかし今や「両サイドがその態度を強めて」おり、解決を見出すのは「不可能になってきている」(ボサック氏)。 「私は日本側が動画を見せることで決着をつけて次に進んでいくことを期待していたが、レーダーのデータを示すことによって、より厳しい態度をとることになった」とボサック氏は言う。 「韓国側はそれを望んでいないようだが、それも当然だろう。軍事行動レベルでは、自衛隊は、同盟国軍が射撃統制用レーダーで自分たちを照射してきたのにそれを認めないのだから、まさに憤慨しているのはわかる。彼らにとって、行為そのものよりもその後の対応が我慢ならないのだ」「問題は、その政治的対応が軍事行動レベルでのいかなる解決をも阻んでいること。つまり、韓国海軍がこのようなことを2度と起こさないための措置を施したのかどうか、日本の自衛隊にとってはいまだに不明だということだ」 別々の問題である一方で、徴用工や慰安婦問題をめぐる日本の怒りやいらだちが、安全保障面での日本の反応に影響を及ぼしていることにはほぼ疑いがない。「さまざまな状況で何らかの改善がみられない場合でも、日本が韓国に対して辛辣に対応するとは思わない」とボサック氏は言う。 「一方で、日本が文政権に対してこれ以上働きかける努力を一切やめることを選択すると見ています。今回のP-1機事件は譲れない一線のようなものになっており、それが、日本側が厳しい態度を取り続ける理由なのだ」』、徴用工問題は日本企業の資産差し押さえに発展しつつあり、「日本が韓国に対して辛辣に対応するとは思わない」とのボサック氏の観測は甘いようだ。
・『アメリカが介入する可能性はあるのか  韓国人の中にはこれらの件の対処について、特に韓国の安全保障に及ぼすその影響について文政権を批判し、アメリカに2国間を取り持つよう介入を求める声もある。 「日韓関係の悪化で日韓米3国協定が弱体化する懸念がある」とする記事を、保守系日刊紙『朝鮮日報』が先ごろ掲載した。「米朝非核化会議が失速したままの状況で、悪化する日韓関係が、朝鮮半島有事の際に素早く実行に移す必要のある『ミサイル防衛協定』といった日韓米の対応姿勢に問題を引き起こす可能性があると観測筋は指摘している」。 朝鮮日報はアメリカが慰安婦協定の仲介で果たした役割を指摘し、「日韓慰安婦協定は、実際には日韓米協定であり、トランプ政権と議会が安倍首相に署名するよう圧力をかけて作り上げたのだ」と、元国立外交院長の尹德敏氏は紙面で述べた。「同盟国を重要視したオバマ政権は日韓関係を、アメリカにとっての戦略的要素と考えていたが、トランプ政権は、日韓関係と日米関係とを分けて見ている」。 過去のアメリカ政府も、北東アジアの2つの重要な同盟国間の論争に介入するのに、つねに消極的ではあったが、しかし同盟体制を維持するには、時としてその種のリーダーシップを必要とするのだということも理解していた。 しかし、今回筆者が足元の危機に対してアメリカの高官たちにその対応を尋ねたところ、その答えを得ることはできなかった。現在の危機に際して明らかに行動を起こそうとしないトランプ政権の態度は、世界におけるアメリカのリーダーシップを放棄した結果を改めて示している』、トランプ政権の様子見の態度が続くようであれば、日韓関係はこのまま「泥沼」状態を続けざるを得ないだろう。
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